第8回鳥取県公共事業評価委員会の概要

第8回鳥取県公共事業評価委員会の概要
1
開会
2
会議設立の確認等
委員の過半数の出席により委員会が成立していることを報告
3
議事録署名委員の指名
会長が清水委員と大塚委員とを 議 事 録 署 名 委 員 に 指 名 。
4
公開・非公開の決定
すべて公開することを決定。
5
再評価の個別事業ごとの継続、休止、中止等の方針の決定
前回委員会までの審議を踏まえ、次のとおり会長案を提示。
(1)広留野農免農道整備事業については別途協議
(2)鳥取港については、暫定断面を完成させることは適当だが、暫定断面を完成断面
とすることについては、現時点でその必要性を判断できない。
(3)他の事業については継続。
(議長)
鳥取港の答申案について何か意見はあるか。
(県土整備部)
特にない。
(議長)
案のとおりとすることに何か意見があるか。
(議長)
特に質問・意見がないため、案のとおりとする。
6 審議の概要及び付帯意見案について
(1)地域の実情に応じた林道整備について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
農林水産部の意見を求める。
(農林水産部)
11路線中5路線は、主に森林施業を目的とした路線であり、一般交通の供用並びに現
地の路面等の浸食状況を勘案して後年度に舗装するなどしており、すべて開設と併せて舗
装しているわけではない。
地元と毎年協議しているが、地元にとって延長が重要であればできるだけ対応している
。今後も指摘の趣旨に沿って進めていきたい。
(議長)
質問はないか。
(議長)
特に質問・意見がないため、言及することとする。文面は会長が作成し、次回委員会で
示す。
(2)湖山池の便益算定について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
県土整備部の意見を求める。
(県土整備部)
特に異存はない。
設問や分析をどのようにやっていくかは、今後専門家の意見を聞きながら進めていきた
い。
なお、あえていえば、工事期間を明確にしたうえで質問すべきというのはそのとおりで
あるが、このアンケートは平成15年に行った調査であり、その時点では事業完了の時期
を明確には出来なかった。
今後は今回の指摘を反映させていきたい。
(議長)
質問はないか。
(委員)
湖山池がきれいになることについて、住民の合意をとるということが一番重要。それに
対していくら払うか聞くべきである。
そのうえで最も安い方法を選べばよい。
そのなかで浚渫にいくらかけるか、次にどの方法を選ぶのかということである。
全体的な議論をしてもらった方が良いのではないか。
アンケートに議論が集中して、浚渫が湖山池の浄化にどれ位役立ったのかよく分からな
かった。浚渫が本来の目的に合致しているのか分からないということについても書き込ん
だらどうか。
(議長)
本日の意見を踏まえ答申案を検討してみる。
(3)鳥取港の便益算定について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
県土整備部の意見を求める。
(県土整備部)
特に異存はない。
専門の方や関係機関の意見も聞いてアンケートを行ったが、改めて問題があることも分
かった。
今後はより確度を上げるよう努力していきたい。
(議長)
質問はないか。
(委員)
CVMをよく知っていただくことが重要だが、県内でも全部の海岸の価値を聞いて足し
あげていけば膨大なものとなる。
今回の便益算定は無理をしているという印象がぬぐえない。
リクレーションの場所としてここが一番良かったといいたいことも分かるが、海岸整備
についてここだけ取り出して便益を示されてると妥当なのか判断できない。
全体を示してもらった方が県民への説明でないか。
また、利用価値・非利用価値それぞれで出した方がわかりやすい。
(県土整備部)
ここの場所に決めたのは鳥取港の拡張整備による機能回復のためのもの。
(委員)
他の海水浴場に同じ費用を投ずるより鳥取港に投じた方が良いということを示してもら
えればという趣旨である。
(議長)
基本的に案をベースに文言を検討してみる。
(4)林道の便益について
事務局が会長案を朗読
(議長)
農林水産部の意見を求める。
(農林水産部)
木材価格が低迷しているが、ロシアの外材の関税の問題もあり、外材と国産材との価格
差は逆転してきている状況にある。
国産木材の価格がこれ以上下がることは無いと思う。
間伐材のうち8割が切り捨てとなっているが、地球温暖化対策が求められる中、二酸化
炭素の吸収のためにも有効であり、間伐を進めている。
切り捨て間伐では収入にならず、団地化して如何に搬出コストを下げるかということが
重要であるが、林道、作業道ができることにより、これが可能となる。
費用対効果は現状並み又は上がるのではと考えている。
(議長)
質問はないか。
(委員)
国の需給見込みとかは無いのか。
(農林水産部)
県全体のでは約15万立米の素材生産量となっている。
(株)日新等では、外材から国産材にシフトしてきている。
総需要では変わらなくても、諸事情を考えると国産材の需要は減らないと思う。
(委員)
価格が上がるということはおまけと考えるべき。
需要が増えるといっても建築基準法の輪改悪等もあり、厳しいのではないか。
合板の需要が増えても価格に跳ね返ることは無いのではないか。
(議長)
楽観的でないかということについてはどうか。
(委員)
他の物価と同じ安定度ではない。
林業だけの問題でないが。
(委員)
民間ベースではもっと悪くなっていくという危機感がある。デフレベースで考えるべき
でないか。
(委員)
不安定であれば幅を持たせて便益算定をしてみたらどうか。
(議長)
表現等は少し考えてみる。
(5)切捨間伐について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
農林水産部の意見を求める。
(農林水産部)
林家は、将来道が出来て木材が運び出せるからこそ、手間暇かけて切り捨て間伐をやっ
ている。
森林には水源涵養とかの大きな役割もあり、その機能を維持するためにも間伐が重要だ
が、そのためには林道整備が必要不可欠。
現在は切り捨て間伐が多いが減らしていく必要がある。
(議長)
委員の意見はないか。
(委員)
切り捨て間伐は必要だからやっているのだろうが、それでは間伐材がもったいない。
(農林水産部)
木のためにはやらなければならないが、搬出経費が大きく、運び出せば赤字。
指摘のとおりもったいないので搬送コストを下げる必要がある。
(委員)
林道の必要性は否定しない。
しかし、林道整備は同時には出来ないし、里に近い方では運び出し、奥の方は切り捨て
間伐とならざるを得ない。
間伐が重要、そのためには林道が必要という説明ばかりで、切り捨て間伐という方法も
あるということを委員会で説明がなされていないことを残念に思う。
(農林水産部)
圏内に550路線有り、市町村が管理している。
グループ化し、コストを下げられるように取り組んでいる。現在計画されている作業道
の状況も踏まえ今後に期待している。
切り捨て間伐にも補助しているが皆が運び出せるようになることを期待している。
(委員)
環境だけ考えれば切り捨て間伐でも良いのではということについてはどうか。
(農林水産部)
良いが、収入につながらないのに、環境のためだけに間伐する人はいないと思う。
(委員)
地域の実情にあわせて、林道整備をしていく地域、切り捨て間伐をしていく地域を分け
ていくべきという意見はどうか。
(委員)
環境対策としてやっている訳ではない。
(県土整備部)
切り捨て間伐というのは河川等を管理する立場から問題がある。
自然のダムとなったり、河川に流れ込んだりするため、切り捨て間伐はできるだけ無く
する方向でお願いしたい。
(議長)
付帯意見とできるかどうか考えてみる。
この項目を提起された委員と協議してまた案を示したい。
(委員)
林業は特殊だと思う。ただすべて国でやるかといえばそれは無理。
林道がいらないということにはならない。
(6)大名地区農免農道について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
県土整備部の意見を求める。
(県土整備部)
異存はない。専門家の意見を聞き、積極的に取り組んでいきたい。
(議長)
委員の意見はないか。
(委員)
多額の投資をしてもらったが、効果が十分なのか不明である。
鳥取の地形を考えると他県の例がそのまま当てはまるのか疑問。 オオサンショウウオ
だけが独立して生息している訳ではなく、その当たりのデータが不足している。調査時期
も考えてやって欲しいと感じることもある。
いずれにしても出来る範囲でやって欲しいというお願いである。
(7)鳥取港の活用について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
意見はあるか。
(県土整備部)
海水浴利用のほか、散策、釣りなどの空間利用もある。
海水浴場については平成14年に鳥取市や自治会と管理運営協議会を設置し、ようやく
3年経って海水浴場を開設した経緯がある。現在は管理上の問題等から東側半分だけ海水
浴場を開設している。今後は全部が安全確保が出来る海水浴場として開設されるよう努力
していきたい。
(議長)
質問はないか。
(委員)
西半分は海水浴場として使われていないのか。
(県土整備部)
土日には海水浴場として利用されている。
(委員)
海水浴場として開設されなくても特に問題はないのか。
(県土整備部)
全く問題が無いわけではない。
開設者がいないため、海水浴場としての見張り、清掃、ロープ設置等がなく、安全であ
るとは言いがたい。
(議長)
基本的に案をベースに文言を検討してみる。
7
広留野農道について
事務局が会長案を朗読。
(議長)
県土整備部の意見を求める。
また、前回までの委員会での説明の補足事項等があるということなので併せて説明を求
める。
(県土整備部)
県内では、広留野のように大規模な農業が営まれているところは道路整備がなされてい
る。広留野において農家の皆さんの長年の望みであり、鳥取県の農業の大きな展開に繋が
る。
(別添資料により積み残し事項を説明)
(議長)
質問はないか。
(委員)
経済波及効果は何を算定したのか。
(県土整備部)
栽培面積が増加することによる新たな従業員の雇用便益が生ずることを想定している。
一人当たり九千円で400人分である。
(委員)
売り上げが増えてその一部が回っているのであれば農業経済効果と重複しているのでは
ないか。
(県土整備部)
農業振興効果は荷痛み防止効果等の想定だが、大きな便益でもなくわかりにくいのでは
ずす。
仮に外してもB/Cは1を超える。
(委員)
環境に致命的な影響は無いということでいいか。
(委員)
巣は無いが、影響が無いわけではない。
致命的な影響がない可能性が高いということであろう。
(委員)
猛禽類だけが環境ではない。現場を見れば環境破壊以外の何物でもないことはわかる。
(県土整備部)
生活環境部が委員会を立ち上げて影響を最小限に出来るよう検討している。
(委員)
実際、生活環境部は予算も付いて調査可能か。
(県土整備部)
やり方については、専門家等の意見を踏まえ、今後検討していきたい。
(委員)
確認となるが、エコロード検討委員会で県道又は農道の選択だったのか。他の選択肢も
あったのか。
(県土整備部)
他のルートも検討されていた。
(委員)
ルートの評価で道路構造令の特例値を用いると点数が下がっているのはなぜか。
幅員、勾配等を工夫してもっと安くできたのではないか。
(県土整備部)
補助事業を行う上で、基本的に道路構造例に準拠している。
特例値を使うということは走行安定性が悪いということである。
(委員)
そのウェイトはどうか。走行安定性で何点引いているのか分からない。
(県土整備部)
走 行 安 全 性 は 20点 満 点 と し て 、 走 行 性 は 、 縦 断 勾 配 で 評 価 し て い る 。
また、幾何構造は、最小曲線半径、視距、縦断勾配、合成勾配で判断し整理している
。
(委員)
仮に残事業の費用対効果が妥当で社会的補償として説明できるとしたら、経済的影響が
ペイできるのかどうか。
今まで投資した費用をどう考えるのかは重要な問題。投資した21億円の価値と環境の
価値とどちらが価値があるかどうかは分からない。
その判断基準をどうするのか。猛禽類の価値として国民的にどれ位評価されているのか
ということは分からない。便益が環境への影響を超えているのかどうか。
将来、猛禽類がいなくなったとしても道路のせいかどうかは分からない。
(委員)
エコロード検討委員会で環境への致命的な影響がないと専門家が判断したのであれば、
それを否定する根拠がない。
現段階で出来る我々の選択肢は、継続しかないと思う。
(委員)
もっと早い段階で検討が必要だったのではという気はする。
(委員)
多くの県民はこんな道路が造られていることさえ知らないのではないか。
公開の場で議論されたことに意味がある。
(議長)
概略、案のとおりでいいか。
詳細な文面は検討する。
8
事前評価の諮問について
事務局が諮問分を朗読。
9
事前評価の審議
道路建設課が別添のとおり事業の概要を説明し、次のとおり質疑を行った。
(委員)
この道をよく使うが、西部地震があって以降、頻繁に崩れている気がする。近年、この
周辺でも山が崩落し、長期間通行規制し工事をしていた。工事が長期化したのはなぜか?
(県土整備部)
平成16年に崩落し、平成17年にも2度崩落した。災害復旧事業で対策を行っていた
が、崩落が2ヵ年にわたったことが長期化の要因。
(委員)
平成16年以前はどうだっのか。
(県土整備部)
平成12年の地震で地盤が緩んでいる。落石や倒木被害が頻発しているが、地の力がな
くなってきているからだと思う。日野郡全体にその傾向があるが、幹線道路であり優先順
位は高い。
(委員)
3案と4案で、延長が短い3案の方が高いのはなぜか。
(県土整備部)
延長が短くなった分、要対策斜面に近接する。この区間の斜面対策が必要なため、事業
費が高くなっている。
(委員)
工期的にはどうか。
(県土整備部)
平成24年度の完了を予定している。
(委員)
比較案で工期に差があるか。
(県土整備部)
検討していないが、他案は現道沿いでの斜面対策と現道交通を確保した段階的な施工が
必要になるため、工期は4案に劣ると考える。
(委員)
3案と4案の比較で3案が劣るのは事業費だけか?
(県土整備部)
斜面対策を施したとはいえ、依然として危険斜面に近接している点と事故が多発してい
るカーブを回避できない点である。
(議長)
結論として県から示された案が妥当ということでよいか。
特に意見が無し
(議長)
付帯意見その他特記する事項はあるか。
(委員)
水量が多く調査しづらいところだが、オオサンショウウオの保全対策をしっかりとお願
いしたい。
(議長)
付帯意見として書き込みたい。
10 その他
次の内容を決定した。
次回委員会は12月5日に行い、答申案を決定する。