4月始業式 校長講話 平成27年4月6日 津南中等教育学校長 遠間 春彦 みなさん、おはようございます。 本日から新学期がスタートします。それぞれ学年が1つずつあがり、決意を新たにし ている皆さんも多いのではないでしょうか。 なにごとも最初が肝心です。今日の決意を1年間持続させましょう。 新学期にあたり、皆さんにひとつ考えてもらいたいことがあります。 本校は中等教育学校ですので、卒業するとき、皆さんは18歳ということになります。 前期生にとってみれば卒業なんてまだまだ先のことだなあと思うかもしれません。 しかし、6年生のなかにはもう今月中に18歳になるか、またはもうなったという人 もいるかもしれません。 ここでなぜ18歳という年齢についてお話ししたかいうと、現在国会では選挙権年齢 を現在の20歳から18歳に引き下げようという公職選挙法の改正法案が審議されよう としているからです。 この法案がこの国会で成立すれば、1年間の期間をおいて来年には施行され、5年生 が6年生になった時から本校在学中に選挙ができる人がでてくるということなのです。 皆さんはどう思いますか。選挙権年齢を18歳とすることに賛成ですか、反対ですか。 18歳は、もう自立した大人なのだから選挙権もあって当然だと考える人がいます。 その一方で、18歳なんてまだまだ子どもで、自分の考えではなく、周りに影響され て投票してしまうから反対だと考える人もいます。 こうした両者の意見を聞くと、選挙に関して18歳という年齢を、もう一人前の大人 だと考える人と、まだまだ子どもだと考える人といろいろなんだなと思ってしまいます。 いずれにせよ、これからの政治のあり方を決定する選挙に、より若い世代の参加が求 められているということなのです。 それは同時に、そこで決定された政治のあり方については、若い世代にも責任をもっ てもらいますよ、ということに他なりません。 もし皆さんが18歳になって選挙権を得たとき、皆さんは自信をもって投票できます か。そして、その投票を通じてどのような社会を創っていきたいと思いますか。 - 1 - ところで、私は、皆さんが本校を卒業する時には、「自立した18歳」になっていて ほしいと考えています。 「自立した18歳」とは、社会の問題について自分で決定することができ、決定した ことについては自分で責任を負える人と考えています。 そのためには、今、何をしておく必要があるでしょうか。 私は、自分で決定することについて事前にいろいろな情報を集め、あらゆる角度から 検討してみるという姿勢が大切だと考えています。 現在はインターネットなどの情報網が発達し、世界中の情報がパソコンさえあれば どこでも容易に手にいれることができる時代です。これによって、今までは入手でき なかった情報が入手できるようになりました。都会と地方との情報格差もインターネ ットの普及によりほとんどなくなりました。 皆さんの中でも、必要な情報をほとんどインターネットで入手しているという人も多 いと思います。 しかし、インターネット上の情報にすべてたよって判断して大丈夫でしょうか。 例えば、もしも、誰かがネットワーク上で、自分の都合のいい情報だけを検索にヒ ットさせるように操作できるとしたら、世界的な規模での世論操作ができてしまう可能 性も考えられます。 このように考えると、何かを決定するための情報収集を、一つの手段に頼り切って しまうのではなく、いろいろな方法で収集することが大切だということが大切になり ます。 そのためには、インターネットだけではなく、本や新聞などの活字を通じて情報を 集めたり、実際に現場に行って取材することも必要になります。その際、日本語だけ ではなく外国語の力が必要となることもあるでしょう。統計的な数値を読み解くため には数学の力も必要です。歴史や地理、現代社会に関する知識や科学的な知見が必要 になってくるかもしれません。さらには、保健や家庭の知識、芸術的なセンスも必要に なってくるかもしれません。 すなわち、皆さんが将来自立した18歳になるためには、どのような問題に対しても、 自分なりの解決策を出すことのできる総合的な力を高めておく必要があるのです。 18歳の自立に向けて、今年度もいろいろなことを学んで行きましょう。 今日は、選挙権年齢が18歳に引き下げられることから、自立した18歳になる ことについてお話ししました。今日の講話はこれで終わります。 - 2 -
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