新築移転6月1日オープン

❶ 平成 27 年 5 月 11日 月曜日│No.979
徳
洲
新
い の ち
生 命だけは平等だ
聞
宇治徳洲会病院
新築移転6月1日オープン
急性期以外の機能も充実
宇治徳洲会病院(京都府)は6月1日、現所在地の近隣に新築移転オープンする。
11/MAY 2015 No.
5 月11日
H E A D L I N E
新たに京都府災害拠点病院に指定
各駅からの無料送迎バス網を整備
ヘリポートまで急性期病棟が縦に連結
❷1面続き/正常部位への影響抑制・新型の放射線治療装置
導入
❸病院よりひと足早くオープン・竣工祝賀会を開催/TMAT
ネパールに第1陣 10 人/神奈川県感染症医学会・医療者が
感染症例共有・若手医師セミナーも同時開催/徳洲会オンコ
ロジープロジェクト・症例検討会の演題募集
❹離島病院で内視鏡診療・消化器内科が年2万 809 件/訪問
リハ周知に尽力/健康友の会から車いす
発行:一般社団法人徳洲会
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-3262-3133
制作:一般社団法人徳洲会 編集室
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階
TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125 Email:[email protected]
「やっとここまできました。総仕上
げの気持ちで、期待半分、心配半分
というのが今の心境です。末吉院長
を中心に全職員で頑張るのみです」
と胸中を語るのは、昨年末まで院長
として新築移転計画を推進してきた
丸山立憲総長。
新病院に課せられた役割については「山城北医療
圏とその近在を合わせた約50万人の基幹病院として
の役割を果たすこと」と言いきる。そのうえで「地域
の医療施設との連携を重視し、高齢化がさらに進む
状況下で、リハビリ、終末期医療、健診・予防医療、
介護などにも力を入れていきたいです」と目標を掲
げる。
最後に地域の方々に向けて「新病院および併設の
介護施設は、医療と介護のまちづくりの一環として
誕生しました。皆様のご期待に応える施設にしていきたい
と思います」とメッセージを発している。
「期待に応える施設に」
小手術室1室を隣接して
救急・急性期エリアは救
医療講演、各種体験コーナー、高校生
向け医療職進路相談、各科職業体験
などさまざまな催しを開催。
宇治病院看護部を率いる齊藤文
代・看護部長。新築移転では病床
の大幅な増床に加え、これまでにな
かった急性期以外の分野に看護業務
が拡大したことから、適材適所の人
材確保に苦労が多かったという。
「回復期リハビリ病棟は、もともと脳外科病棟や整
形外科病棟にいた看護師、退院調整やリハビリに関
心のある看護師を中心に配置しました。緩和ケア病
棟は当院スタッフと外部採用により看護体制を整えま
した。
1年前からスタッフの希望を聞くなどして調整を
進めてきました」
同院は現在、認定看護師が8分野9人いるが、看
護の質の向上のため、専門スキルをもったスタッフ
の育成にさらに注力する方針だ。
「新築の素晴らしい
病院が出来上がりました。この建物に負けないよう、患者
さんへの挨拶や声かけなど接遇をきちんとし、職員教育に
力を入れていきたいと考えています」と話している。
「教育と接遇に注力」
5月24日
(日)午前10時〜午後4時
緩和ケア病棟は廊下に絨毯を敷くなど他
病棟と異なる内装
齊藤文代
看護部長
ー、救急総合診療科病棟
などを集約。
防災機能の強化では免
配置。
急専用のエレベーターで
床を開設した。
「病院テーマパーク 楽しくふれる医療・介護・防災」
月曜日
直 言
地域の周産期医療に欠かせない NICU
宇治徳洲会病院
新築完成見学会
979
丸山立憲
総 長
同 時 に、
「防災機能の強
救急搬送を多数受け入れるなど従来の高度急性期病院としての機能の向上に加え、 従来機能をアップすると
回復期リハビリテーション病棟や緩和ケア病棟を新たに開設、また介護老人保健
新病院はセクションご
震構造を採用、また災害
幅な増強を実施。燃料タ
時に病院機能を維持でき
も大きな特徴をもたせた。 を整えた。
ンクも従来に比し大型化
各階を直結し、効率的な
東側の低層階には1階
を図り、外部からの電力
医療提供を実現する環境
にER、2階に手術室、
供給が途絶えた場合でも
との機能向上に加え、建
建物の東側は救急・急性
I C U( 集 中 治 療 室 )
、
物の構造や機能の配置に
屋上にヘリポートを整備
期エリア、西側はその他
3階に心臓センター、N
急性期機能の向上では
し、ドクターヘリによる
の一般外来や慢性期医療
った。
救急搬送を受け入れる。
のエリアに明確に区分。
るよう自家発電設備も大
室に大幅に増やし、う
手術室は従来の6室から
ン病棟
受けもつ緩和ケア内科の
一定の診療機能の維持が
川上明部長は「病棟では
ICU(新生児集中治療
多機能化に関しては新
毎日カンファレンスを行
緩和ケア病棟の診療を
査・治療室、4階には救
築移転を機に、これまで
い、患者さんとのコミュ
モ
可能だ。
能を担う脳血管センター、 取り組んでこなかった幅
命救急センターの中枢機
広い領域をカバー。新た
ニケーションを大事にし、
ク
室 )、 心 臓 カ テ ー テ ル 検
熱傷センター、重症呼吸
に緩和ケア病棟 床と、
エ
不全に対するECMO
(体
回復期リハビリテーショ
一人ひとりの状態に合わ
外式膜型人工肺)センタ
せて身体的、精神的、社
会的およびスピリチュア
ルな苦痛の緩和に努めた
い」と抱負を語る。
また、9階には介護老
人保健施設宇治徳洲苑
敷地内には社会福祉法人
( 1 0 0 床 ) を 併 設 し、
京都愛心会が運営する特
別養護老人ホーム宇治愛
の郷(100床)が4月
(2面に続く)
1日に先行オープンして
いる。
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施設を併設するなど、幅広いニーズに応える総合医療センターへと生まれ変わる。 化」と「多機能化」を図
000㎡。免震構造を取
ち2室はハイブリッド手
術室(血管造影が可能な
手術室)
。稼働は手術室
が計 室、ハイブリッド
10
14
病床数は従来の400床から473床に拡大、さらに、4月には府から地域災害
り入れ地震に強い造りと
拠点病院の指定を受けるなど、ますます地域に果たす役割が大きくなっている。
新・宇治病院は、現 病
「総合医療センター」へ進化
院から北東約500m の
した。
同院はこれまでに京都
府から救命救急センター、
地域周産期母子医療セン
する。ER(救急外来)
オペ室は1室でスタート
新病院では「急性期機
もスペースを大幅に拡張
位を築いている。
能のさらなる向上」をコ
ドクターヘリによる救急搬送の受け入れ
が可能に
従来よりもスペースが広がり使いやすくな
った ER。左奥にヘリポート直結のエレベ
ーターがある
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地点に立地。約7万㎡ と
いう広大な敷地を有し 、
地下1階・地上 階の 本
館を建設。これに棟続 き
携病院に指定。さらに4
の2階建て別館も建て た 。 タ ー 、 京 都 府 が ん 診 療 連
延床面積は総計約5万 7
月1日には地域
「全医療ニーズに貢献」
ンセプトのひとつに掲げ、 し、初療室7室を設け、
末吉敦
院 長
1月に院長に就任した末
吉敦院長は、研修医時代を
宇治病院で過ごし、その後
も一貫して同院の診療や運
営を支えてきた、生え抜き
の院長だ。これまで長年に
わたって「断らない救急」の実践をけん引し、
2012年3月の救命救急センター指定などに
大きく貢献した。
「新病院ではヘリポートを屋上に整備し、
救命救急センター、ER 、手術室、心臓セン
ターなどを結ぶ救急専用のエレベーターを
敷設したことで、シームレスな(継ぎ目のな
い)環境を実現することができました」
さらに同院は急性期機能の向上に加え、
回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟、
関連施設として特養や老健を新たに開設。
「地域の医療、介護、福祉に関する幅広いニー
ズに応えられる総合医療センターに生まれ変わり
ます」とアピールする。
4月1日には京都府から地域災害拠点病院の指
定も受けるなど、民間病院でありながら公的な役
割を期待される病院として、ますます評価が高ま
っている宇治病院。
「すべての分野に関し、京都府で最も患者さん
の信頼を集められる病院を目指します」と意気込
みを語っている。
災害拠点病院の
指定も受
けた。救
急・急性
期医療を
中心に周
産期医療、
がん医療、
災害医療
などで地
域に欠か
せない基
幹病院と
しての地
完成した新・宇治病院
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