高気圧酸素治療を併用

宇治徳洲会病院
高気圧酸素治療を併用
成田富里徳洲会病院
新規開設の概要紹介
い の ち
宇治徳洲会病院(京都府)は、がん治療に新たに高気圧酸素治療を併用した
放射線治療の検討を開始する。より放射線治療の効果を高めるのが狙い。患
者さんは高気圧酸素治療装置に入り、体内の酸素濃度を高めた後、放射線治
療室に移動して治療を受ける。同院放射線治療科の丹羽康江部長は「酸素効
――という高気圧酸素治
③両治療スペースの近接
酸素治療装置の導入、②
治療では、まず患者さ
られる可能性がありま
んは高気圧酸素治療装置
療を併用した放射線治療
放射線治療機器の導入、
に入り、1時間かけて体
の3要件を満たしている
す」と明かす。
内の酸素濃度を高める。
分以内に放射線治療を受
の実施に向け準備を進め
療を併用した放射線治療
ことから、高気圧酸素治
ける。診療に要する時間
ている。とくに丹羽部長
終了後、部屋を移動し
は全体で約1時間半。公
調する。
的医療保険が適用される。 は③の重要性について強
とくに論文などで治療効
分間。放射線
「放射線治療の効果が高
い時間は
果が認められているのは
が細胞内の水と反応して
6月。丹羽部長の入職が
けた準備に着手したのは
と放射線治療の併用に向
同院が高気圧酸素治療
離にあるので実施できる
す。当院は徒歩
秒の距
移動距離がとても大切で
かかるので、患者さんの
位置合わせに5分くらい
安全性が高い環境を実現
できるように改善、より
けでなく空気加圧も設定
素治療装置は酸素加圧だ
治療では患者さんの体の
フリーラジカルを産生、
きっかけとなった。丹羽
射線治療の効果が無酸 素
「 酸 素 効 果 と 呼 ば れ、 放
宇治病院の丹羽部長 は
―という2つの特性を 生
の高い状態が長く続く ―
定しようと他の分子から
一般的に不安定なため安
い原子や分子のことで、
か存在(不対電子)しな
つ対をなす電子が1つし
ジカルとは、通常2つず
の関与を示唆。フリーラ
羽部長はフリーラジカル
て腫瘍部分では酸素濃 度 ( 丹 羽 部 長 ) も の の 、 丹
素治療により低酸素状態
プのがんには、高気圧酸
放射線が効きにくいタイ
の内部が低酸素状態で、
す」と説明。また、腫瘍
つという見方がありま
され、これが要因のひと
ジカルが生まれやすいと
は高いほうが、フリーラ
した。
の併用に着目
気圧酸素治療
そのなかで高
療などを実践。
チの研究や診
するアプロー
療センターで副作用に対
大学や兵庫県立粒子線医
とし、これまで兵庫医科
精度放射線装置 TrueBeam 急性期病院だけに、高気
それぞれ充実。最新の高
新築移転の際に機器も
の理解を促すことに注力。
丹羽部長は現在、職員
得ようという考えだ。
と通常の状態では3倍 く
電子を奪取しようとして、 を 解 消 す る こ と で、「 同
線治療の併用は①体内 の
らい異なることがわか っ
入職後、同
施 設 だ よ り
「 患 者さん一人ひとりの気 持
中学生が職業体験学習
榛原総合病院 (静岡県)
察を見て、とても勉強になっ
ちになって考える先生方の診
た。 先 生のような医 者にな
当 院は毎 年、近 隣にある
験学習の受け入れを行ってい
りたいと思った」、「働くこと
中 学 校の生 徒さんの職 業 体
ます。 今年も5月から始ま
さ、責任感を学ぶ」、「自分
ー、ルールを守ることの大切
「社会人としての挨拶やマナ
ことの意義について考える」、
「 職 業 体 験 を とおして働 く
看 護 師さん以 外に多 くの職
めて思った」、
「病院には医師、
大 変で、 体 力 もいるなと改
やさない看 護 師 さんた ちは
よくわかった 」、「 笑 顔 を 絶
りました。 職業体験学習は、 の大 変 さや、 命の大 切 さが
いという。
医師はもちろん、診療放
無理。主科となる臓器の
の併用は自分ひとりでは
を 目 的に、中 学 校か
ついて 考 え る 」 な ど
の生 き 方( 進 路 )に
誇 り を もってやってい
を 本 当に楽 しんで、
き、それぞれの仕 事
た。 皆さんの話 を 聞
種 が あ ること を 知っ
の経 験 を 生かして、 夢に向
るのだと思った」、
「こ
し、2日 間 ま たは3日 間の
かって頑張っていきたい」 とい
場 所を見 学したり、実 際に
ふだん入ることのできない
患者さんたちとふれあったり、
った感想が書かれていました。
病 棟での看 護 体 験(シーツ
医 師と直 接 話 を することが
内 容は各コメディカルの部
交 換、 手・足 浴、 車いす 移
でき、とても 貴 重な体 験が
総務課副主任・吉野智子
できたようです。
動など)
、医 師の回 診への同
さんからのお礼の手紙には、
これまで参 加された生 徒
行、手術室見学などです。
署 見 学・説 明、患 者 体 験、
体験学習を実施しました。
ら各3〜4人が参 加
施。 5つの中 学 校 か
知らない職員が少なくな
治療に活用できることを
「酸素治療と放射線治療
に主に使用され、放射線
交通事故による外傷など
圧酸素カプセルは今まで
ています」と説明し、 さ
細胞や遺伝子を傷つける。 じ線量の治療で、これま
成田富里病院は8月22日から2日間、内覧会
を開催する。両日とも午前10時〜午後3時まで。
「明るく開放的な気持ち良い病院です。ぜひオ
ープン前に一度、見に来てください」と谷河事
務長は呼びかけている。
信している。
今回は沖縄・那覇空港の近く、美らSUNビーチやサトウ
キビ畑が広がる南部徳洲会病院を取り上げている。同院は
徳洲会の原点である断らない救急医療、離島医療を実践。
また最近では、がん治療、先進医療から回復期リハビリ
テーション、在宅医療まで、地域のさまざまな患者さんの
広範なニーズに応えている。同院併設の介護施設との医介
連携もすこぶる充実。
赤崎満院長は「超高齢化社会を見据え、各方面でネット
ワークをつくることが非常に大事です」
と展望している。
番組へのアクセスは、徳洲
会グループのホームページ
(http://www.tokushukai.
or.jp)のトップ画面にあるバ
徳洲会グループのホームページに
ナー
「どんな場所でも生命だ あるこのバナーをクリックすると、
番組にアクセスできる
けは平等だ!」
をクリック!
らの依 頼 を も とに実
射線技師や臨床工学技士
軒高だ。
の力になりたい」と意気
に難渋するがん患者さん
ふまえ丹羽部長は「治療
わずか。そうした事情を
併用治療が行える施設は
ードルが高く、国内でも
と丹羽部長。3要件のハ
の理解が欠かせません」
欠です。関わるスタッフ
(ME)との連携が不可
高気圧酸素治療装置内には音楽が流れ、中で
治療を受けながら外付けのテレビも見られる
(写
真左から冠﨑大毅 ME、栗山穣 ME)
京成成田駅より徒歩6分/JR成田駅より徒歩8分
千葉県富里市日吉台1-1-1 ☎0476・93・1001
かした治療法。
らに「高気圧酸素治療 装
院が①高気圧
を設置し、高気圧酸
STx
詳細なメカニズムにつ
がん細胞を死滅させる。
した。
ことで、より高い効果を
酸素濃度が高いほうが 放
いては「まだ明らかにな
のです」
(丹羽部長)
高気圧酸素治療と放 射
射線の治療効果が得ら れ
部長は放射線治療を専門
「どんな場所でも生命だ
けは平等だ!」
徳洲会グループはイン
ターネット上の動画サイト
「YouTube」に、グループ
病院の医療への取り組み
を紹介する番組を毎月配
丹羽部長は「酸素濃度
長)という。
「悪性の脳腫瘍」
(丹羽部
ウェブ動画で紹介
救急・離島医療から
がん治療や在宅まで
果と呼ばれ、酸素濃度が高いほうが放射線の治療効果が得られることがわかっ
ています。ひとりでも多くのがん患者さんの力になりたい」と意気込んでいる。
国内で実施施設わずか
組織の酸素濃度は通常に
戻りますが、腫瘍部分の
酸素濃度は 分くらい高
い状態が続くこともわか
南部徳洲会病院
で得にくかった効果が得
地域から救急医療に期待
8月22〜23日に内覧会
赤崎院長(左)
と高沢奈苗リポーター
15
っていない部分もある」
っています」と解説する。
診療放射線技師の嶋崎和幸主任(奥)と患者
さんの位置を確認する丹羽部長
放射線治療では、放射線
20
そこに放射線治療を行う
15
15
る、②正常な組織に比 べ
丹羽部長は「一人でも多くのが
ん患者さんの力になりたい」
置から出た瞬間、正常 な
新たな放射線治療開始を検討
9月1日オープ
ンする成田富里
徳洲会病院(千
葉県)の白部多
可史院長、瀬戸美佐子・看護部長、
谷河光範事務長が新病院の概要
地域の救急医療の
を紹介した。
核となることを誓
まず、谷河事務長が同院の強 う白部院長
みと弱み、機会(チャンス)
、脅威をそれぞれ分析。
同院は成田国際空港から1駅、
最寄りの「京成成田」駅から徒歩
6分、駅前大通りに面する交通至
便の場所に立地 。ただ、とくに
朝の通勤時間帯に交通渋滞を悪
化させない配慮が必要とした。
グループ病院のサ
最大のチャンスは国際空港に
ポートに謝意を示
近く、将来的にも人口増加が見
す瀬戸・看護部長
込まれること。また、開院当初
から医師会に加入でき、救急医療はじめ地域医
療に積極的に参画できることな
ど。谷河事務長はこれら内外の
状況をふまえ、最適な病院運営
を行いたいと語った。
瀬戸・看護部長は看護部のス
タート時の体制や取得予定の施
設基準などを紹介した。開院後、 新病院の分析を解
説する谷河事務長
できるだけ早期に回復期リハビ
リテーションや通所リハビリ、訪問看護などに力
を入れていく方針。また、開院をサポートしてい
る徳洲会グループ病院に、心からの謝意
を述べていた。
白部院長は各診療科の体制や治療方針
について解説。白部院長の専門である消
化器科については内視鏡検査と治療の充
実を図り、内視鏡下手術など低侵襲治療
に注力することを強調。さらに、国際空港
が近く外国人がアクセスしやすい立地であ
ることから、メディカルツーリズムにも注
力する方針を打ち出した。
同院は地元の印旛市郡医師会に加入済
みだが、加入の際、救急医療への貢献を
期待する旨の通達があったことを披露し、
「救急対応可能な診療科を増やし、当地区
の救急医療の核となることを目指します」
と、白部院長は力強く誓っていた。
平成 27 年 8 月 3 日 月曜日│No.991 ❹
聞
新
洲
徳
生 命だけは平等だ