活動企画書(scope of work scope of work scope

産業競争力懇談会(COCN)2015年度推進テーマ候補
活動企画書(scope
活動企画書(scope of work)
work)
【候補テーマのタイトル】
IoT、CPSを活用したスマート建設生産システム
【提案企業・大学・法人】
鹿島建設
【提案内容】
1.提案の背景・理由
建設産業の生産性の向上を図り、併せて技能労働者不足への対応を強力に行うことは、喫緊の課
題である。2015 年 3 月に発表した日本建設業連合会の「建設業長期ビジョン」では、2025 年に必
要とされる労働者は 328~350 万人と推計され、一方、現在 343 万の技能者は、この 10 年のうち
に、高齢者を中心に 128 万人が離職する見通し。この技能者不足を補うために、34 歳以下の若者
を中心に 90 万人(うち女性 20 万人)を確保し、生産性の向上による省人化(参考1参照)によ
って 35 万人分の効果を上げるとしている。この報告は、「若者にとって建設産業が魅力のある労
働環境への転換」と「絶えざる生産性の向上の進化の道筋」を求めている。
生産性向上へのポイントになるのは、上記ビジョンに指摘されているとおり、プレキャスト工法
の採用による工場生産品の活用とともに、ICT技術の活用である。とりわけモデリング(参考
2 参照)については、BIMに関して、国土交通省官庁営繕部が 2010 年以来導入を試み、2014 年
には「BIMガイドライン」を公表、CIMについては同省にて技術検討会及び制度検討会、並
行して具体のパイロットプロジェクトで試行を開始している。
COCNでは、2014 年度テーマとして、建築生産における接合の合理化とロボット活用を 2 本柱
とする「飛躍的な生産性の向上を実現する構工法の構築研究会」報告を取りまとめた(参考3参
照) 。
2015 年度は、当研究会の延長線上にありつつも、建築、土木を含めた総合的な視野、IoT、C
PS、Industry4.0(第 4 次産業革命)と言われる世界の潮流に向き合い、これまでのBIMやC
IM、情報化施工の取り組みを踏まえつつ、近年のロボット技術、3D測位技術、ネットワーク、
デバイス、ビッグデータ解析、AIなどの技術を取り込んだ将来のシナリオを構想する。その際、
現場の労働安全環境の抜本的改善、調達先企業との円滑な連携、といった業界の抱える課題を併
せ克服することを目指す。
2.産業競争力強化上の目標・効果
今後IoTやCPSを駆使するシステム技術は、建設業の競争基盤になっていく可能性が大きく、
さらにインフラ輸出に際しては、国際競争力向上に資する。
3.検討内容と想定される課題(政策、技術・システム開発、規制改革、人材育成など)
IIC(Industrial Internet Consortium)や、ドイツが国策として進めている Industry4.0 など
の具体的な取組みは総じて、モノ(製造装置や物品など)の状態をネットワークを介してオンラ
インで把握し、主に製造プロセスにおける無駄やムラ等を削減することで、大幅なコスト削減を
目指す取組みである。建設生産システムへのIoT導入は、ローカルコンディションによる生産
環境の違いや一品生産という特殊性はあるものの、生産プロセスの合理化という点でIICや
Industry4.0 と類似しており、同様の効果が期待できる。特に、施工段階で、リアルタイムで実
測データによる「見える化」
(as-built information)が実現できるだけでも、関係当事者間の情
報共有という観点から大きな進歩につながる。本プロジェクトでは、建設関係者と情報技術関係
者が共通の土俵の上でニーズとシーズの議論を重ね、課題を抽出することにある。
(1)建設生産システムにおけるIoT、CPS導入の意義と目標
IoTの技術の将来トレンドを踏まえ、建設生産システムの生産性向上等の意義と目標について
明らかにする。例えば、①設計・建設・維持管理を通じたライフサイクルの情報基盤、②建設工
程の進捗状況(出来高)のリアルタイム把握、③建設資材のタイムリーな調達、④労働安全環境の
改善、⑤建設期間・建設労働力の削減等、⑥建設産業の付加価値魅力向上
(2)全体システムの構想
BIM/CIM、3次元測位、ロボット等の自動化、通信プロトコル、センサーネットワーク、
デバイス等の要素技術から構成される全体システムの構想
(3)建設工法等の革新
接合技術、プレファブ化、ユニット工法等の建設工法等の革新
(4)構想を実現するための課題の抽出
標準化、技術開発、技術者育成、技能者養成等
4.想定される解決策と官民の分担
第 5 期科学技術基本計画の一つの柱である「超スマート社会」の一端をにない、実証プロジェク
トの実現を目指したい。
5.テーマ活動の想定活動期間
当面 1 年。課題の深掘りが必要となれば、2016 年度まで延長の可能性。
6.出口目標と提言実現の推進主体案(2年以上の活動を想定する場合は年度ごとの目標も記載)
COCNでの検討は、異業種とのオープンイノベーションを目指すものであるが、推進主体を要
するかは現段階では不明。
7.推進体制案
・リーダーおよび事務局:リーダー検討中、事務局鹿島建設
・想定されるメンバー(会員ならびに非会員) :
(2014 年度研究会メンバーのうち趣旨に賛同いただける企業)
IHI,鹿島建設、清水建設、新日鐵住金、新菱冷熱工業、スリーエムジャパン、積水化学工
業、高砂熱学工業、東芝エレベーター、日立化成、日立機材、三菱重工業、三菱重工メカトロ
システムズ、三菱レイヨン、YKKAP
(新規参加)
富士通、三菱電機、コマツ、日立製作所、東芝、NEC、国立研究法人等