産業競争力懇談会(COCN)2015年度推進テーマ候補 活動企画書(scope 活動企画書(scope of work) work) 【候補テーマのタイトル】 『3次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備』 次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備』 【提案企業・大学・法人】 三菱電機株式会社 【提案内容】 1.提案の背景・理由 現在、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックや高齢化社会への対応に向け政府は G 空間情 報の活用や高精度測位社会の具現化による安全で利便性の高い社会の構築を進めている。2018 年度 には準天頂衛星システムの運用も始まる計画であり、府省庁横断プロジェクトである「戦略的イノベ ーション創造プログラム(通称:SIP) 」でも「自動走行(自動運転)システム」、 「インフラ維持管理・ 更新・マネジメント技術」 、「レジリエントな防災・減災機能の強化」、「次世代農林水産業創造技術」 など次世代に向けた開発が進められている。このような環境の中、3 次元位置情報の利活用の重要性 が増加しており、本プロジェクトの中で産業界として積極的に議論し、産業競争力の強化や持続的な 成長・発展につなげられる提言をまとめていく。昨年度は課題抽出、実現方法の概略検討が完了して おり、今年度は 3 次元位置情報共通基盤を活用したサービスの深堀を進め、府省庁との連携を深めな がら、共通基盤の詳細検討を行う。 2.産業競争力強化上の目標・効果 平成 25 年度情報通信白書(総務省)に拠れば、G 空間関連の市場規模は平成 24 年度(2012 年度) では 19.8 兆円であるが、平成 32 年度(2020 年度)には最大で 62.2 兆円の伸張が見込まれている。 同白書に拠れば、2020 年度に約 60 兆円規模の市場を実現するためには、①プラットフォームを活用 したサービスの拡充、②利活用モデル構築による新産業・新サービスの創出が必要である。 国内で統一された 3 次元共通基盤を構築することにより、位置情報の不整合をおこさず共有化が図れ ることになり、サービスの拡充、新産業・新サービスの創造につながり、我が国の産業競争力を大き く躍進させるものである。 3.検討内容と想定される課題(政策、技術・システム開発、規制改革、人材育成など) 2015 年度は関連省庁とも連携を図り、以下の内容の深掘りを推進していく予定 ① 3 次元共通基盤を活用した各サービスの深掘り 次元共通基盤を活用した各サービスの深掘り ・3 次元共通基盤を活用して具体的にどのようなサービスが創造可能か検討 ・そのサービスで定量的な効果の検討 ・サービス利用者についての検討 ・社会実証についての検討 ・制度・技術基盤の見直し等の検討 ② 3 次元共通基盤の深掘り 次元共通基盤の深掘り ・更新モデルの検討 ・品質管理手法の検討 ・標準化(I/F)についての検討 ・セキュリティの考え方、認証方法等の検討 ・推進母体の在り方、データ整備・配信・管理の検討 4.想定される解決策と官民の分担 本活動でまとめた提言を具現化するために官民連携した推進スキームの実現を目指す。 具体的には、3 次元位置情報基盤を活用したサービスの深掘りを集中的に検討し、その結果をもとに 共通基盤として必要な項目の検討を進めていく。 また、2018 年準天頂衛星の実用サービス開始、2020 年東京オリンピック・パラリンピックに向け、 技術・システム開発のフィジビリティを官民連携で実施することも検討し、提言の具現化について議 論していく。 5.テーマ活動の想定活動期間 2~3年を想定 2014 年度:3次元共通基盤の定義・範囲や共通基盤活用によるサービスでの効果や課題を抽出 2015 年度:3次元共通基盤を活用したサービスを具現化し、共通基盤の深掘りを進めるとともに 推進母体の在り方などを検討 2016 年度:各種実証などを通じ事業化についての判断材料とし、推進母体の設立準備を推進する 計画。COCN としての活動とするか否かは 2015 年度最終報告までに結論をだす 6.出口目標と提言実現の推進主体案(2年以上の活動を想定する場合は年度ごとの目標も記載) 3次元共通基盤の構築と運用には法人格を持つ推進母体が必要であり、提言の実現に向け、サービ スで必要とされる時期や準天頂衛星システムの運用開始時期、東京オリンピック・パラリンピックの 開催なども考慮した上で、推進母体の設立についての検討を進めていく。 主要線表 2015年度 2016年度 2017年度 4~6月 7~9月 10~12月 1~3月 △ △ △ 府省別懇談会 テーマ起案 委員会設立 △ △ △ 中間報告 最終報告 承認・参加募集 △ 提案内容説明 各種検討及び プロジェクト提言 報告書作成 サービスの深堀 共通基盤の深堀 社会実証 推進母体 推進母体設立準備 7.推進体制案 ・リーダーおよび事務局:三菱電機株式会社 ・想定されるメンバー(会員ならびに非会員) : 昨年度のプロジェクト参加メンバーに加え、本プロジェクトに賛同する企業を追加する予定。 【参考:2014 年度プロジェクト参加企業(全 22 社)】 IHI(株)、アイサンテクノロジー(株)、(一財)衛星測位利用推進センター、応用地質(株)、鹿島建設 (株)、(株)建設技術研究所、(株)高速道路総合技術研究所、(独)産業技術総合研究所、清水建設 (株)、住友商事(株)、住友電気工業(株)、(株)ゼンリン、(株)東芝、(株)トプコン、トヨタ自動車(株)、 (株)トヨタマップマスター、日本電気(株)、(株)ネクスコ東日本エンジニアリング、(株)パスコ、パナソ ニック(株)、(株)三菱総合研究所、三菱電機(株) 以上 【参考資料】 ○3次元位置情報を用いた新たなサービスの創造に向けて ○想定される各サービスでの具体的効果 ① 安全運転支援・自動運転 ・車両センサーと 3 次元位置情報の組み合わせにより自己位置の精度向上、レーンナビ等の実現 ・道路の先にある勾配やカーブを事前に把握することによる渋滞緩和、省エネ運転の実現 ② ロードプライシング ・複雑に交差した日本の道路での課金対象の道路管理者別の道路の正確な位置の把握 ③ IT 農業 ・農地データを 3 次元化することにより、勾配地の田畑での農機の自動運転の実現 ④ パーソナルナビゲーション ・3 次元位置情報により高齢者や交通弱者向けに段差情報やバリアフリー情報の提供 ・日本の複雑な駅や地下街などの 3 次元ナビにより東京五輪での「おもてなし」の実現 ⑤ 防災・減災 ・3 次元位置情報を活用しゲリラ豪雨に伴う都市型水害、津波などのシミュレーション ・災害前の状況と災害後の状況の 3 次元データの差分抽出により土砂量、距離、断面形状など 定量的な状況把握が可能となり、復旧対策に利用 ・また、3 次元位置情報を情報化施工などに利用することにより、早期応急復旧が可能となる ⑥ 社会インフラ維持管理 ・トンネル、路面等のメンテナンスに先立つ予兆情報を幅広く入手可能 ・情報化施工等で用いられる 3 次元位置情報との連携が可能となる ○3次元共通基盤運用イメージ ○推進母体設立までの流れ(案) ※2014 年度最終報告書より抜粋
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