視点「つくば発イノベーションの創出に向けて」一般社団法人つくばグローバル・イノベーション推進機構理事長住川雅晴現代社会は、気候変動、エネルギー・食料不足など、地球規模の人口増大で深刻な課題に直面しています。また、我が国は少子高齢化に伴う人口減少という先進国共通の課題にいち早く直面しています。今年度から始まった「第五期科学技術基本計画」では、目指すべき国の姿として、持続的な成長、安全・安心の確保と質の高い生活の実現、地球規模課題への貢献、知の持続的創出を掲げ、世界に先駆けた「超スマート社会」を実現するとしています。これは、IoTなどの高度に発達したICT技術を活用して、必要なモノと質の高いサービスとを受けることができ、豊かな暮らしをもたらす社会を作り上げることです。そのベースとなるのは、科学技術イノベーションの推進機能の強化であると述べています。つくばグローバル・イノベーション推進機構（TGI）は、2011年に筑波大学・茨城県・つくば市及び研究機関の協力によって設立され、つくば国際戦略総合特区に係るプロジェクトの立ち上げ、運営支援等を担ってまいりました。次世代がん治療（BNCT）の開発、革新的ロボット医療機器・技術の実用化、世界的ナノテク拠点（TIA）の構築など、関係機関と連携して継続的にその活動を支援・推進しています。つくば市は200を越える国立・民間の大学・研究所が集積した世界有数の研究学園都市です。ここで生まれた高度な科学技術を、つくば発のイノベーションとして結びつける活動が強く期待されていることは言うまでもありません。そこで、本年４月に「つくばイノベーションプラザ」をつくば駅近くの便利な場所にオープンいたしました。これは、つくば発の科学技術を活用したいと考えておられる民間企業の関係者、起業家・投資家の方々と、研究所・大学とを結び合わせるための連絡窓口として、TGI他の関係者が常駐して対応させていただいております。気軽にお立ち寄りいただき、つくば発のイノベーションを創出することによって、「超スマート社会」を皆様と共に作り上げていきたいと考えています。 16.5 ’ 3