ヤマグチ・レポート

2015-194
(2 頁)
ヤマグチ・レポート
米国 消費者信頼感指数(3月)
2015 年 4 月 1 日
山口 範雄
ヤマグチ・レポート
作成者:伊藤清美 監修:山口範雄
1.米国 消費者信頼感指数(2015 年3月)
図1-1
2015.4.1
米国の消費者信頼感指数は 2009 年からの上昇トレンドにあり、
3 月は 101.3(2
月 98.8)と 2 ヶ月ぶりに上昇に転じている。期待指数も 96.0(1 月 90.0)と 2
ヶ月ぶりの上昇となる一方、現況指数は 109.1(2 月 112.1)と 2 ヶ月連続の低
下となったものの 100 超は続いている。2015 年 4-6 月期以降、米国景気は
拡大が鮮明になる方向にあり、雇用の緩やかな改善(『2』参照)、資産効果(株
式・住宅価格の上昇)、ガソリン価格の低水準もあって、消費者信頼感指数は上昇
基調が続こう。
長期では、2010 年代前半の消費者信頼感指数は 70 年代後半に対応する上
昇局面にあるが、米国経済の成長率鈍化、雇用環境の回復の遅れ、デフレマインド
もあって、70 年代後半当時を下回る水準が続いた(図 1-2、『2』参照)。しか
し、足元は上昇テンポが速まって 70 年代末当時の水準にほぼ並んでおり、2010
年代後半以降はエネルギー革命(シェールガスの普及)もあって、米国の双子の赤字は改
善して、ドル高が一段と進む方向にあり、ガソリン価格の低位安定から個人消費
は堅調に推移して、消費者信頼感指数は 80 年代央から後半当時のように 100
超の局面に入ろう。
図1-2
20
米国 消費者信頼感指数
U.S. Consumer Confidence Index
160
140
120
ブラック・マンデー
第1次
オイル・ショック 第2次
オイル・ショック
ヘッジ・ファンド ITバブル崩壊
破綻
住宅バブル崩壊
世界金融危機
欧州
信用不安
100
80
60
40
20
70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18
(年)
米国 名目GDP成長率(前年同期比)&F.F.レート %
US Nominal GDP YOY & F.F. Rate %
米国 個人消費支出 前年比&(非農業部門就業者数+時間当り賃金) 前年比 %
US PCE YOY & (Nonfarm Industries Total Empioyees + Hourly Earnings) YOY %
(%)
16
14
(%)
平均10%
下方修正期
平均6%
下方修正期
平均4%
12
15
10
8
10
6
4
5
2
0
0
-2
-4
-5
-6
70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18
(年)
名目GDP成長率
70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18
(年)
F.F.レート
個人消費支出
1
非農業部門就業者数+時間当り賃金
ヤマグチ・レポート
作成者:伊藤清美 監修:山口範雄
2.米国 消費マインドと雇用情勢
図2-1
2015.4.1
米国 消費者信頼感指数
120
110
100
米国の消費者信頼感指数は失業保険請求件数に概ね逆相関で、2009 年初期
90
から「失業保険請求件数の減少・消費者信頼感指数の上昇」局面に入ってい
80
る(図 2-1 参照)。直近の失業保険請求件数は 80 年代以降の底入れ圏(30
70
万件前後)に低下し、個人消費支出の前年比が概ね連動している「非農業部
60
門就業者数の前年比+時間当り賃金の前年比」は+4%超に上昇して(図 2-2
50
参照)、消費者信頼感指数は 100 前後に高まっている。資産効果(株価・住
40
30
宅価格の上昇)とガソリン価格の値下がりもあって、消費者信頼感指数は緩
20
やかな上昇基調が続こう。
図2-2
7
03
04
05
06
07
米国 非農業部門就業者数 前年比+時間当り賃金 前年比 %
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
(年)
13
14
15
16
17
(年)
米国 失業保険請求件数(月末)
(%)
700
6
(千件)
650
5
600
4
550
3
500
2
450
1
400
0
-1
350
-2
300
-3
250
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
(年)
03
2
04
05
06
07
08
09
10
11
12