ヤマグチ・レポート

2015-193
(2 頁)
ヤマグチ・レポート
米国 S&P ケース・シラー住宅価格指数(1月)
2015 年 4 月 1 日
山口 範雄
ヤマグチ・レポート
作成者:伊藤清美 監修:山口範雄
1.米国 S&P ケース・シラー住宅価格指数(2015
図1-1
年1月)
米国 S&P ケースシラー住宅価格指数(主要10都市圏 S.A.) 2000年1月=100
2015.4.1
240
米国の S&P ケース・シラー住宅価格指数(主要 10 都市圏 季調値)は、2014 年に入
って上昇が一服していたが、8 月を底に再度上昇に転じて、2015 年 1 月は前
月比+0.9%(12 月+0.9%)と 5 ヶ月連続の上昇となっている。前年比は低下
方向にあるものの、1 月は+4.4%(12 月+4.3%)と+4%台の伸びが続いてい
る(図 1-1 参照)。2015 年 4-6 月期以降の米国景気は拡大が鮮明になる方向に
あり、当面、米国連銀の実質低金利政策(名目 GDP 成長率(前年同期比)を下
回る政策金利(F.F.レート) )も続くことから、住宅価格は緩やかな上昇局面が見込
まれる(『2』参照)。
図 1-2 に示すように、日本の地価指数(6 大都市 最高価格地 日本不動産
研究所)は 90 年代初期を天井に長期の低下局面が続いたが、2003 年に底入れ
して上昇に転じている。2012 年初の米国の住宅価格指数(同)の底入れは日本
の地価指数(同)の 2003 年の底入れに対応している(似た局面にある)とみられ
ることからも、当面、上昇基調は続こう。
図1-2
220
200
180
160
140
120
100
80
60
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
(年)
日本 市街地価格指数(6大都市 最高価格地)&前年比
600
500
米国 S&P ケースシラー住宅価格指数(主要10都市圏) 前年比 %
(%)
40
25
30
20
(%)
15
20
10
400
10
5
0
300
200
100
0
-10
-5
-20
-10
-15
-30
-20
-40
0
-25
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
(年)
最高価格地指数(左軸)
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
(年)
前年比(右軸)
1
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作成者:伊藤清美 監修:山口範雄
2.米国の住宅価格指数(S&P ケース・シラー住宅価格指
数)と米国連銀の政策
図2-1
2015.4.1
米国 S&P ケースシラー住宅価格指数(主要10都市圏 S.A.)
200
(予)
米国のマネタリー・ベース残高(季節調整値)と住宅価格指数(S&P ケース・
シラー住宅価格指数 主要 10 都市圏 季節調整値)との関係をみると、米国連
銀の量的緩和策でマネタリー・ベース残高が増加に転じてから約半年~1年
遅れて、住宅価格指数(同)は底入れして上昇局面に入っている。第三弾の量
的緩和策(QE3)は 2014 年 10 月で終了して、マネタリー・ベース残高は頭打
ちとなっているものの、当面、実質低金利(名目 GDP 成長率(前年同期比)を
下回る政策金利(F.F.レート) )は続く方向にあり、銀行の不動産向けの貸出残
高の回復傾向もあって、住宅価格指数(同)は緩やかに上昇する局面が見込ま
れる(図 2-1 参照)。
2015 年3月の NAHB 住宅市場指数は、寒波の影響もあって 53(2月 55)
と3ヶ月連続で低下して上昇テンポが鈍化しているが、2011 年を底とする
中・長期の上昇局面の中にある(図 2-2 参照)。
図2-2
190
180
170
160
150
09/5
12/2
140
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
米国 住宅市場指数(NAHB)
米国 マネタリー・ベース 残高
70
4500
60
4000
(10億ドル)
※ 2015年3月以降は予測
3500
50
3000
40
2500
30
QE3 12/9
2000
20
1500
10
QE2 10/11
1000
500 QE1
08
0
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
2
08/9
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)