IIS Poster Gallery

K. Nakano Lab
生体信号計測を利用したモビリティ工学
Mobility Engineering Using Bio-signals
Partner:JTEKT Corporation, Suda Lab
Fund: NEDO
English Version
概要 Background
自動隊列走行において車間距離を短くすることにより,空気抵抗を減少させ,省エネルギー化を図ることを目的としている.
しかし,隊列走行時にもドライバが運転席に座っていることが想定され,通常走行では考えられない短い車間距離の運転
に心理的な負担を感じることが予想される.自動隊列走行におけるドライバの筋電位と発汗量の測定を通じて,自動隊列
走行の車間距離に応じたドライバの心理的負担の評価を行う.
生体信号計測・処理 Bio-signal Measuring and Processing
ドライバが危険を感知した際,その緊張度がドライバのどの生体信号によく表れるかをドライバの生理物理量測定により明
らかにする.計測項目として,咬筋電位信号および手のひらの発汗率を測定した.計測した咬筋電位信号および手のひら
の発汗率の絶対値を求めて整流化,5点平均による平滑化,さらに自身の平均値を除して正規化処理後,正規化データの
4乗平均値の4乗根により,ドライバの緊張強度を計算する.
Palmar perspiration rate measuring and its signals
Masseter muscle and its EMG signals
実験シナリオ Experimental Scenario
自動隊列走行の実験環境を構築するために,ドライビングシミュレータ(DS)を活用し,自動隊列走行の車間が一定にな
るように速度制御を行った.自動運転の際には,自車と先頭車は時速80km/hで走行し,車間は4m,8m,12mとした.手
動運転の場合には,20-30mの車間距離に維持するようにした.先頭車が予告なく2.5秒で80km/hから30km/hの急減速
(5.6m/s2)を行い,車間距離が急に変化させた時のドライバの状態を計測した.自車運転席からの様子を下図に示す.
25m gap distance
12m gap distance
8m gap distance
4m gap distance
結果 Results
10名の実験協力者における発汗率信号の結果,
及び咬筋電信号の結果をそれぞれ右図に示す.
先頭車の運転状態及び車間距離の2要因の分散
分析によって,車間距離が短くなるにつれて心理
的負担が有意に増加し,先頭車が急に減速する時
にドライバの心理的負担も有意に増加することが
分かった.さらに,先頭車の運転状態および車間
距離の2要因の間に,相互作用が存在していること
が示された.
結論 Conclusions
Results from palmar perspiration Results from masseter EMG
ドライビングシミュレータを活用して模擬自動隊列走行環境を構築し,車間4m,8m,12mで前方のトラックを自動追従走行
する際のドライバの心理的負担を,咬筋電位と発汗量の生体信号分析によって,定量的に評価した.
Publications:
R. Zheng, S. Yamabe, K. Nakano, Y. Suda, 2015, Biosignal analysis to assess mental stress in automatic driving of trucks:
palmar perspiration and masseter electromyography, Sensors, 15-3, pp. 5136-5150. doi:10.3390/s150305136.
Institute of Industrial Science, the University of Tokyo