続「奇跡のレッスン」~子どもたちの心に「自信」の種を蒔こう!

こ遅
延
続「奇跡のレッスン」~子どもたちの心に「自信」の種を蒔こう!
前号に続いてフットサル日本代表のスペイン人監督ミゲル・ロドリゴ氏のお話です。
「奇跡のレッスン」
の番組に何人かの子どもがクローズアップされて登場しました。最初にミゲル氏の目にとまったのがA
君でした。ゲーム形式の練習があるのですが、A君はボールが来るとすぐに近くの味方のプレーヤーに
パスをしてしまいます。サッカーにおいては、ボールを受けたときに自身の前方にスペースがある時に
は、ドリブルをしながら、状況判断を行い、さらに次の展開におけるパスやシュートを選択します。し
かしA君は敵のプレーヤーがいなくてもすぐに味方に渡してしまうのです。
こうした状況下において、ミゲル氏が気付いたことは、A君が自信を持ってサッカーをしていないと
いうことでした。そこでミゲル氏は、プレーを止めて、A君に語りかけます。
「失敗を恐れずに、ドリブ
ルをしよう」と。ミゲル氏に背中を押してもらったA君は、今度は果敢にドリブルに挑みます。すると、
ミゲル氏の言葉が飛んできます。
「ウマイ、ウマイ!」何度もこの言葉がミゲル氏から発せられます。
「新
しいネイマールの登場だ!!」今やサッカー界の大スターであり、ブラジルの至宝と呼ばれるネイマー
ルに例えられて、嬉しくないはずはありません。A君はその後、友だちにも「ネイマール、ネイマール」
と呼ばれ、今までとは見違えるほどの自信に溢れたプレーができるようになりました。
反対に、才能がある子どもや、個人プレーにばかりはしってしまう子どもには、仲間とのつながりや
謙虚さを忘れさせないための言葉を送ります。
「君のシュートは素晴らしかった。でもそれはB君がいい
パスをしてくれたからだよ。」ハイタッチをしながら笑顔で語りかけます。ミゲル氏は言います。「自分
の才能を周りの人のために使う喜びを教えてあげたい。」子どもが壁にぶつかっていたら、決して答えを
先に教えるべきではないことを、ミゲル氏は強調していました。
「答えを言わず、選択肢をいくつか与え
る。自分で見つけた答えなら一生忘れない。
」
学校教育であれ、家庭教育であれ、
「教育」と名の付くものは、ただ単に教えるのでなく、子どもたち
の心に自信の種を蒔くことが大事ではないかと思います。そのために必要なことは、子どもの背中をそ
っと押してあげる、大人の「言葉」であることを、私自身ミゲル氏の数々の「宝石のような言葉」を通
して学んだような気がします。
642人の矢倉小学校の子どもたち。今日は誰からどんな言葉をかけてもらったのでしょうか。
最後に、私が一番印象に残ったロドリゴ氏の言葉を紹介したいと思います。
『ミスを叱ることは誰にでもできる。しかしこれは臆病者のすること。どの子どもにも必ず光るもの
がある。それを必死で見つけ出す。後者の方が難しい。けれど私はそれを選ぶ。』
校長
五十嵐 信博