医療法人祥杏会 おもろまちメディカルセンター 1. 病院概要 1)病院概要 ①病床数:154 床 ・外科混合病棟(47 床) ・内科混合病棟(47 床) ・医療型療養病棟(60 床) ②平均在院日数:17 日 ・稼働率 90% ③1 日の平均外来患者数:300 名 ④1 日の平均入院患者数:135 名 ⑤診療科:内科・外科・脳外科・整形外科・皮膚科・泌尿器科・麻酔科 ⑥附設:血液浄化センター・内視鏡センター・健康管理センター メディカルフィットネス ⑦全職員数:280 名 2)看護部概要 ①看護配置基準:10 対 1 入院基本料 ②看護補助加算:25 対 1 ③看護方式:固定チームナーシング受け持ち制 ④勤務体制:拘束 12 時間交代制勤務(一般病棟) 、変則 2 交代制勤務(療養病棟) 外来(当直体制) 、サプライ・内視鏡(オンコール体制) ⑤看護職員数:183 名 (看護師 98 名、保健師 1 名、准看護師 48 名、介護職・看護補助者 36 名) ・緩和ケア認定看護師 1 名 ・感染管理認定看護師 1 名 2. WLB 推進事業への参加動機 1)自施設を客観的に評価し、現状を分析することで、働き続けられる職場づくりが出 来るのではないだろうか 2)ライフスタイルに合った職場環境づくりを目指す 3)沖縄県看護協会の推薦 WLB 参加することで ・やりがいのある職場 ・働き続けられる職場 職員を大切にする職場 になるのでは? 53 3. WLB 推進取り組み前の課題 1)離職率が高い 平成 22 年度 17.9% 平成 23 年度 14.1% (外科病棟 5.6%、内科病棟 30.7%) *病棟によって離職率の差が大幅にある 2)要因として以下のことが考えられた ・介護度の高い患者が多い ・時間外緊急入院 ・時間外指示や処置 ・スタッフの身体的・精神的負担 ・スタッフの不満の声 4. WLB 取り組み体制 1)WLB 推進委員に院長、看護部長、 各部署の師長及び主任(8 名) 、総務(1 名)とした。 2)ワークショップ参加までに以下の計画を立て、取り組んだ。 WLB 推進委員会の結成(平成 25 年 4 月) インデックス調査実施(平成 25 年 6 月) WLB ワークショップへ参加(平成 25 年 9 月) 月) 取り組み報告 5. WLB 取り組みの実際 1)現状分析(インデックス調査と SWOT 分析より) (1)中堅層(30~40 歳代)の看護師が多い平均年齢 42.2 歳 (2)新入職員も多いが、当院における経験年数の長い看護師や通算経験年数の豊富な 看護師も多い (3)職員を大切にする組織であるが、長く勤めたいと思っていない(30~34 歳に多い) (4)職場の将来に不安を感じている(30~40 歳・45~49 歳に多い) (5)定時に終えることのできる業務でない (6)周囲に気兼ねなく帰ることができない (7)制度や就業規則はあるが「分からない」と答えているスタッフが多い 2)ミッション 地域の中核病院として、全人的視点に立って真心のこもった良質で信頼される 医療を提供する 54 3)ビジョン (1)キャリアデザインを描き、お互いが学び合い、認め合える職場 (2)多様性を認め、仕事と家庭を両立でき働き続けられる職場 4)1 年間の取り組み 課題(1) ・・・人材育成の強化はしているが、中堅層(30~40 歳代)のスタッフが満足 せずやりがい感がない。 アクションプラン ① 師長・主任会で目標管理・面接について勉強会を行い共通理解する(H25.10/8~ 11/11) ② 自作の目標管理シート(表 1 チャレンジ目標シート)を作成 ③ チャレンジ目標シートの使用法について共通理解をする。 ④ 平成 25 年 12 月支援者からの助言 ⑤ 平成 26 年 1~2 月チャレンジ目標シートをスタッフへ配布し記載してもらう。 ⑥ チャレンジ目標シートをもとに師長が 3 月から目標面接を実施 表1 チャレンジ目標シート 課題(2)・・・看護職員を大切にする組織であるが、疲弊している職員がいる。 (離職につながる) アクションプラン ① 現状分析のため自施設独自のアンケート調査を実施 調査の結果より得られた問題に取り組む ② 超勤・持ち帰り残業・健康状態・看護ケア等について 外来部門、病棟部門に分けアンケート調査を実施(H25 年 10/28) ③ アンケート調査の集計・分析(対象 139 名) 55 課題(3)・・・制度が周知されていない アクションプラン ① 就業規則について管理者が説明できる。 院外講師(労働管理者等)による勉強会を行う。 ② 就業規則や給与規定の冊子を総務部に作成してもらい全部署へ配布する ③ 規則や規定について不明な点や疑問点については、総務部より説明する。 5)三年後のゴール (1)ラダーに基づいた目標管理ができる。 (2)制度について 7 割のスタッフが周知できている。 (3)離職率を 10%以下にする。 6. WLB 取り組み後の組織の変化 1)2 年間のインデックス調査の結果 平成 25 年度と比較すると平成 26 年度のインデックス調査結果では、各項目におい て若干評価が高くなっていた。特に組織については、「長く勤めたい」「仕事の量や内 容に対して妥当な給与である」 「看護ケアに費やす時間を十分に取ることができている」 の項目が高くなっていた。 2)離職率の推移(図 1) 病院全体の離職率は、平成 27 年 2 月現在で 6.1%、内科病棟も 3.4%と減少している。 40 全体 内科病棟 30 H27年2月 20 10 0 16.4 18.4 H20 年度 H20年 17.9 13.3 3.7 H21 年度 H21年 H22 年度 H22年 図1 7. 15.9 14.1 H23 年度 H23年 H24 年度 H24年 H25 年度 H25年 当院における離職率の推移 WLB 今後の課題 1)スタッフが目標を持って働き続けられるように目標管理面接を行う。 (現在目標面接実施中) 2)持ち帰り残業をしないよう勤務内で調整する。 3)超勤の要因について診療科や他部門と調整する。 (現在超勤の申告は少ない) 4)多様な勤務形態を取り入れ、身体的・精神的負担の軽減を図る。 (取り組み継続) 5)就業規則についての全体勉強会の実施 56 6.1 3.4 H26 年度 H26年
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