Title 小金井市における子育て支援の現状と課題 : 市民調査の 分析

Title
小金井市における子育て支援の現状と課題 : 市民調査の
分析
Author(s)
田村, 毅; 高橋, 雅栄; 塚田, 昭子; 森田, 千恵; 水谷, 多加子;
梶河, 佳代子; 島田, 伸世; 矢野, 薫
Citation
Issue Date
東京学芸大学紀要. 第6部門, 技術・家政・環境教育, 55: 95
-109
2003-11-28
URL
http://hdl.handle.net/2309/2979
Publisher
東京学芸大学紀要出版委員会
Rights
東京学芸大学紀要6部門 55 pp.
95∼109,2003
小金井市における子育て支援の現状と課題
――市民調査の分析――
森田
田村
毅*・高橋 雅栄**・塚田 昭子**
***
千恵
・水谷 多加子****・梶河 佳代子*****
島田 伸世*****・矢野
薫******
生活科学
(2
0
0
3年7月3
1日受理)
TAMURA, T., TAKAHASHI, M., TSUKADA, A., MORITA, C., MIZUTANI, T., KAJIKAWA, K., SHIMADA, N., YANO,
K. : Social support for child rearing in Koganei city : a questionnaire survey. Bull. Tokyo Gakugei Univ. Sect. 6,55:95−109
(2003)
ISSN1341−1705
Summary
A questionnaire was conducted to the mothers of young children living in Koganei city to assess the need of the social support
for child rearing. The questions included kinds of support they have participated, those facilities which did not meet the needs of
the citizen, worries and anxieties of child rearing, participation of their husbands, and special care for those who was in need.
The result reveiled that most of the subjects were not satisfied the shortcoming of the support system. Those parents with
small children needs to be taken care of by the local social services. The exact recommendation and program implementation
were discussed.
(in Japanese)
Key words : child care, support, Koganei, child care center, child minding, parents.
Department of Home Economics, Tokyo Gakugei University, Koganei-shi, Tokyo 184-8501, Japan.
一方で,子育て中の親たちは,自己の体験から,子育
はじめに
てに対するさまざまな満たされぬ思いを持っている。
しかし,そのひとつひとつの声は,断片的にマスコミ
1990年代後半以降に活性化した子育て支援活動は,
などを通してうかがい知ることはできても,家族の個
ともすれば少子化対策という国家的視点として,行政
別性によってかき消され,社会まで十分に届きにく
からのトップダウン的な働きかけになりやすい。その
い。その逆もしかりで,行政担当者の事情や,地域に
*
**
***
****
*****
******
東京学芸大学生活科学学科(1
8
4―8
5
0
1 小金井市貫井北町4―1―1)
野川ママの会
HP サバイバル☆ママ
まんまの会
こがねい子育てネット
横浜市中福祉保健センター
― 95 ―
東 京 学 芸 大 学 紀 要
第6部門
第55集(2003)
貢献したいという思いも,住民サイドに届かず,とも
として,男女がともに子育てと社会参加できる環境づ
すれば批判の対象になりがちである。
くり,地域の子育てネットワークの整備,使いやすい
今年度,少子化対策関連二法案が成立した。少子化
公共施設・遊び場への整備などである。また,平成15
社会対策基本法は,少子化社会において講ぜられる施
年度開設予定の「子ども家庭支援センター」への関心
策の基本理念を明らかにするとともに,国及び地方公
や期待が高まっている。
共団体の責務,少子化に対処するために講ずべき施策
著者らは,「こがねい子育てネット」を構成するメ
の基本となる事項を定めている。また,次世代育成支
ンバーである。これは,小金井市の住民と研究者が集
援対策推進法は,我が国における急速な少子化の進行
まり,地域住民ためのよりよい子育てと,その具体的
並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんが
方策について話し合うネットワークである。2002年の
み,次世代育成支援対策に関し,基本理念を定め,並
春より,子育て中,あるいは子どもが成長し,子育て
びに国,地方公共団体,事業主及び国民の責務を明ら
がひと段落した親たちと,子育ての研究者が定期的に
かにしている。
ミーティングを持ってきた。我々の声を行政などの公
このような流れの中で,小金井市の近隣では,さま
に届けるために,まず,子育て中の親たちの率直な声
ざまな支援政策が始まっている。武蔵野市では,平成
を,アンケートをとおして集めたいと考えた。メン
4年に誕生した「0123吉祥寺」が,その後のモデルと
バー各自の体験をもとに,どんなことを知りたいか質
なっている。保育の専門家であるスタッフの介入は極
問項目を持ち寄り,調査票としてまとめあげることが
力抑え,黒子として,親と子の自発的な遊びや交流を
できたのが同年の秋であった。その後,市内の児童
側面から支援する。同年齢の子どもや親がお互いに自
館,保健センター,保育園・幼稚園などの協力を得て
然に交流する場を提供し,観察する中で,お互いに学
約1200部配布し,1/3にあたる約400部を回収すること
び取る自然観察の場である。さらに,平成13年には自
ができた。社会調査法におけるランダム・サンプリン
然の緑を活用した「0123はらっぱ」もオープンした。
グではないが,市内の子育て中の母親の声をかなり的
市民の地域福祉活動に対して市が補助・支援を行うテ
確にまとめあげることができたと考える。
ンミリオンハウス事業もユニークな活動である(前
小金井市における子育てニーズの調査としては,
田,2003)。三鷹市では,平成14年に保育園,子ども
「こがねいっ子ほっとねっと」がまとめたアンケート
家庭支援センター(子育てに関する相談と,必要な機
がある。これは,子育て情報誌「のびのびこがねいっ
関への連携)
,ファミリー・サポート・センター(一
子」の市民編集委員 OB が中心となって立ち上げた子
時的に子どもを預かることが必要な登録家庭と,それ
育て支援を考えるグループである。この回答者の6割
を提供できる会員の紹介,研修など)
,トワイライト
は就労している親であるが,
「こがねい子育てネッ
ステイ,一時保育,親子広場など,多様な子育て支援
ト」が行った調査は,主に専業主婦を対象としたた
機能を同じ場所に持った統合施設を設立した。調布市
め,若干違う傾向が予想される。
と国分寺では,平成13年4月より子ども家庭センター
子育てに追われる親たちが直面している子育ての困
を開設した。
難さや支援の必要性を訴える場が少ない。そこで,
小金井市では,平成13年に今後の10年間の子育て支
「こがねい子育てネット」は,子育てに追われる親の
援・教育環境の整備など,子どもに関わる施策構想を
願いを小金井市の子育て支援サービス全般に反映させ
「のびゆくこどもプラン小金井」としてまとめた。そ
ることを目的に,アンケート調査を行った。
こには,3つの基本方針が示されている。第一に,子
方
どもの育ちを支える施策として,子ども家庭支援セン
法
ターの設立,保育所・学童保育所の開放の推進,子ど
も支援者の育成の推進。第二に,子育て家庭を支える
調査内容は,小金井市にどんな子育て支援が必要
施策として,子育て情報の提供の充実,子育てパンフ
か,また現行の子育て支援サービス利用者が何を感じ
レット・子育てソースブックの作成,子育て各種口座
ているのかを中心に,自由記述も含めての意識調査と
の充実,保育所・児童館を利用した子育て支援事業の
した。アンケート項目作成にあたり,隣接する国分寺
充実,夜間保育,休日保育,病後児保育,障害児保育
市,武蔵野市,三鷹市など既設の子ども家庭支援セン
などを含めた保育サービスの拡充,ひとり親家庭,障
ターを見学し,設立の経緯や現状などの説明を受け
害児のある家庭,外国籍の家庭,虐待家庭などへの支
た。また,アンケート実施に際しては市役所の児童青
援。第三に,地域の子育ち・子育て環境を整える施策
少年課を通して,小金井市の後援を得た。
― 96 ―
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題
具体的な設問項目は,1)小金井市の子育て支援
グループであり,半数を超える6割が利用した。以
サ ー ビ ス に つ い て(利 用 し に く い も の と そ の 理
下,表1のとおり,保健センターのエンジェル教室,
由),2)不足している支援,設備,機能,3)子ど
乳幼児健康相談・巡回健康相談,市認可保育園の園庭
もを預けたい理由,時間帯,誰に預けたいか,その理
開放,のびのびこがねいっ子,テレホン母子保健相
想と実際,4)育児の悩みを誰に,どこで相談したい
談,女性学級,市認可保育園の一時保育の順である。
か,その理想と実際,5)どんな情報がほしいか,ど
しかし,知っているが利用していない,あるいは利
こで得られるとよいか,6)父親の子育て参画に必要
用しにくいと答えた人もかなりの数にのぼる。全体を
なもの,7)特別なニーズ(一人親,障害児を持つ親,
通して,支援に対して利用しにくさを感じる人が45.
4
児童虐待など)
,8)ファミリーサポートや病児保育
%あり,利用しにくさを感じないと回答した40.
6%を
の 必 要 性,そ して 最 後 に 上 記 質 問 項目 を 補 う 意 味
上まった。それぞれについて,その理由を自由回答の
で,9)自由記述の形で,市民の考えを尋ねた。
形で尋ねた。
調査方法は,各施設を回り,対象者に直接アンケー
児童館の乳幼児グループは,場所の制限として,開
ト用紙を手渡し,回答は後日添付の封筒で返信した。
催している児童館が遠くてなかなか行けない,時間の
実施時期は2002年8月下旬∼10月上旬である。
問題として,週2回,しかも午前中なので昼寝など生
配布した場所・グループは,市内児童館4館,保健
活リズムに合わない,あるいは,職員の対応として,
センター(エンジェル教室,3・4ヶ月健診)
,公民
色々な当番が負担になり,かえってストレスになっ
館(本館,貫井南),保育園(わかたけ,愛の園),幼
た,などの意見も合った。一日中開放してあり,いつ
稚園(聖霊幼稚園),自主グループ(小金井こども劇
でも利用できるスペースを望む声が多数あった。
場,野川ママの会,チャイルドパラダイス,楽子マ
保健センターのエンジェル教室は,会場が遠いとい
マ,リトミックル),東小学校2年生親(保護者会),
う意見が多くあり,近くの公民館等でも実施して欲し
賀川学園,ピノキオ幼児園,養護学校,手をつなぐ親
いという声も強かった。また,対象児以外の子どもを
の会,その他の個人である。
連れて行けないので,保育をつけて欲しい,5ヶ月児
だけでなく,機会を増やして欲しいという声もあっ
全配布数は約1200部であり,401部の回答を得た。
た。
結
果
乳幼児健康相談・巡回健康相談は,週日のみならず
土日の休日にもやって欲しいという希望があった。
対象者の属性について。年齢は20代が8%,30代が
市認可保育園の園庭開放は,週に一回,朝9時から
73%,40代 が1
6%,50代 が1%で あ っ た。就 労 状 況
11時では生活リズムに合わず利用しにくいという声が
は,専業主婦が77%,パートタイムが1
0%,フルタイ
あった。具体的な日時を市報に載せて欲しい,いつで
ムが8%,自営が3%である。対象者の子どもの年齢
も遊びにいけるように解放している時間帯を多くして
は,0∼2歳 が33%,3∼6歳 が41%,7∼12歳 が
欲しいという声もあった。
テレホン母子健康 相 談 に つ い て は,時 間 帯 と し
21%,その他が5%であった。
て,5時以降だとかけにくい,相談員が年配の方なの
まず,現在の子育て支援活動の利用状況を尋ねた
でためらうという声があった。
(表1)。
女性学級については,保育の人数,年齢に制限が多
最も多くの人が利用しているのが,児童館の乳幼児
表1
利用したことがある支援活動(複数回答)(%)
児童館の乳幼児グループ
利用した
知っているが
利用していない
利用しにくい
6
4.
4
2
6.
2
3
6.
2
保健センターのエンジェル教室
2
8.
7
3
1.
2
2
2.
5
乳幼児健康相談・巡回健康相談
2
4.
9
4
3.
9
1
3.
2
市認可保育園の園庭開放
1
9.
0
4
9.
9
9.
8
のびのびこがねいっ子(子育て情報誌)
1
6.
9
2
3.
2
0.
5
(市の保健婦による)テレホン母子保健相談
1
6.
9
5
4.
4
1
3.
2
女性学級(保育付きの講座)
8.
5
3
3.
9
1
3.
7
市認可保育園の一時保育
8.
0
5
6.
4
2
6.
4
― 97 ―
東 京 学 芸 大 学 紀 要
第6部門
第55集(2003)
く,なかなか利用できない。0歳,1歳も受け入れて
画・演劇・スクールなども同様に,リフレッシュのた
欲しい。保育付きの企画を増やして欲しい,などの声
め,たとえば,自分の友達がほしい,興味を持ったこ
があった。
と,育児以外のことを子ども抜きでディスカッション
したいなどの希望もある。児童館でカルチャースクー
市認可保育園の一時保育は,利用率が比較的低く,
ルを望む声もあった。
利用しにくさを感じる声も高かった。申し込んでも定
員オーバーで利用できない,事前の登録や予約が必要
親子で安心して過ごせる場としては,助産院など子
と言うことで,緊急時に使えるシステムになっていな
育て中に気軽に立ち寄れるところ,いろんなイベント
い,病気の時やリフレッシュのためにも利用したい,
をやる「地域の家」,お年寄り,学生など多世代が交
一時保育の情報がもっと欲しい,利用人数,受け入れ
流を持てる場などを希望する声があった。いつも行き
る保育園の数をもっと増やして欲しいなどの声があっ
たくなるような雰囲気,環境,整理整頓されているス
た。
ペースなどを望んでいる。
公園に関してもさまざまな意見があった。児童公園
次に,市内で不足していると考えられる施設につい
が少ない地区は,公園の設置を希望する声が多くあっ
て複数回答で列挙した(表2)。
一番希望する声が高かったのは雨の日に遊べる屋内
た。ボール遊び禁止や保護者同伴といったところしか
型施設である。近隣の三鷹市(三鷹すくすく,三鷹支
ないので,自由にキャッチボールしたりできる場所,
援センターなど),武蔵野市(0123吉祥寺など),ある
大人もいっしょに楽しめる遊具のある公園,子どもと
いは二十三区内(こどもの城など)にモデルとなる施
一緒に入れるトイレ,タバコの吸殻が多いので全面禁
設があることから,これらの具体的施設名を挙げ,小
煙の公園を,散歩の犬の放し飼いや,砂場の糞尿対
金井市にも同じような施設の実現を願う声が多かっ
策,施設の充実や,芝刈りのメンテナンスなどを求め
た。雨の日でもゆっくり遊べるフリースペース,利用
る声もあった。
支援活動の中で,求める施設・設備について尋ねた
時間はフリーで,使用料も低額であることを望む声が
(表3)。ベビーキープのあるトイレや,オムツ替
多い。
水遊びやプールについては,屋外の市営プール,小
え・離乳食を食べさせられるところなどを望む声が高
金井公園にも水遊び場を,年齢制限がなく,幼児も入
かった。外出時に困った経験から,男性トイレにもオ
れるようなプールなどを望む声が多かった。
ムツ替えのスペース,公共の施設に駐車場,ベビー
保育つき病院・美容院については,親が急病のとき
カー置き場(たとえば駅前駐輪場の一部など)
,離乳
などの緊急時の一時保育,買い物や美容院に行くため
食,アレルギー対応もしてくれるようなレストランな
の一時保育を望む人も多かった。保育つき音楽会・映
どを望む声もあった。
これらの施設に必要とする機能についても尋ねた
表2
(表4)。子育てに理解のある職員を求める前提に
不足していると思われる支援(%)
は,職員が事務的で冷たい,職員の対応が無神経健診
雨の日に遊べる屋内型施設
7
0.
1
水遊び場やプール
6
7.
3
保育つき病院・美容院
5
8.
1
決にならないばかりか逆に余計心配になった,などの
保育つき音楽会・映画・演劇など
4
1.
6
不満が多数述べられていた。
のときなど勉強不足・説明不足,新生児訪問は問題解
同じ年齢・月齢児の交流の機会を求める人は,0歳
保育つきスクール
4
1.
1
親子で安心して過ごせる場
2
8.
9
近くにある児童公園
2
7.
7
保育つきの講座
2
4.
9
保育つきの図書館
2
4.
9
障害児との交流の場
2
4.
7
ベビーキープのあるトイレ
6
9.
6
高齢者との交流の場
2
1.
7
おむつ替え,離乳食を食べさせるところ
6
1.
6
親子遊び,ベビーマッサージ
2
1.
2
仲間で利用できるスペース
4
8.
6
児がいつでも利用できる施設などを求めていた。
育児情報が得られる窓口というのは,出生届申請時
表3
必要とする施設・設備(複数回答)(%)
大きな公園
1
8.
7
フリーステップバス。ベビーカーを置ける乗物
4
1.
4
常設子どもフリーマーケット
1
7.
0
保育つき講習会場
3
2.
9
地域のお母さん達のサークル
1
4.
0
ベビーベット
2
8.
7
アレルギー対応ショップ
1
4.
0
常時接続のインターネット端末
1
0.
2
その他
1
0.
2
その他
― 98 ―
8.
2
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題
表4
必要とする機能(複数回答)(%)
表6
子どもを預けたいとき(%)
子育てに理解ある職員
5
3.
6
自分の病気・入院・通院など
6
7.
6
同じ年齢,月齢児の交流の機会
5
0.
9
買い物やスクールなどリフレッシュのため
6
0.
3
育児情報が得られる窓口
4
8.
6
平日の昼間
2
3.
7
お母さん同士の交流の機会
4
4.
1
仕事
2
0.
2
気軽に相談できる窓口
3
7.
3
冠婚葬祭
2
0.
0
異年齢児との交流の機会
3
5.
7
親族への介護・入院など
1
8.
0
通学,勉強のため
1
5.
5
休日や夜間
1
0.
7
その他
表5
3.
3
その他
子どもを預ける理由(複数回答)(%)
仕事
日常的に
必要に応じて
1
5.
0
4.
2
表7
7.
0
どこで誰に預かってほしいか(複数回答,%)
通学・勉強のため
2.
0
5.
0
理想
実際
自分の病気・入院・通院など
1.
7
1
5.
2
保育園で保育士
4
6.
9
1
3.
3
その他
1.
5
5.
0
自宅で親や親族
3
6.
9
3
8.
8
自宅で夫
3
6.
2
4
6.
7
買い物やスクールなど,リフ
レッシュしたいとき
1.
0
1
3.
0
幼稚園などの一時預かり
3
0.
6
2
1.
6
冠婚葬祭
0.
2
3.
7
自宅でベビーシッター
1
2.
9
2.
3
親族への介護・入院など
0.
2
3.
7
家で友人や近所の人
9.
7
1
4.
3
民間の託児所
9.
0
4.
1
シッター宅でシッター
7.
5
1.
3
市民団体,NPO 法人
7.
0
1.
0
その他
4.
1
8.
2
や健診時に子育て情報を提供してほしい,子育てに必
要な情報冊子を交付してほしい,通常の市報とは別に
子育て情報のみの市報を作ってほしい,市の子育て情
報をメールで配信してほしいなどの声があった。
その状況について全員に尋ねた(表6)。
お母さん同士の交流の機会というのは,身近に親や
友人がいないので,行政の方でも支援の手を厚くして
自由記述に多く見られた意見は,自分の病気や親の
ほしい,同じ病気や悩みを持つ親のネットワークがあ
病気などの介護の際,第2子以降の妊娠・出産時,あ
るといいなどの声と関連していた。気軽に相談できる
るいは上の子どもの保護者会のときなどに下の子ども
窓口を求める人は,誰もがいつでも,気軽に相談や情
の一時保育に対する希望がみられた。そのような状況
報提供を受けられる場所がほしい,
「かけこみ寺」の
の中で,緊急に利用したいが,事前登録や予約が必要
ような施設があるとそれだけで安心感がある,ちょっ
なため,緊急では利用できないので緊急時の一時保育
とした事でも聞ける雰囲気がほしいなどの声があっ
を望む声もあった。
また,仕事や介護など止むにやまれぬ理由がなくと
た。
子どもの保育について,子どもを預けた経験がある
も,リフレッシュしたい親の救いの場であってほし
人が45%,ない人が55%であった。日常的,もしくは
い,仕事でなくてもリフレッシュのための利用をもっ
必要に応じて子どもを預けている理由は表5のとおり
と認めてほしい,短時間でも理由を問わず預かってほ
ある。日常的に預けている場合の理由は「仕事」が圧
しいなどの声があった。
倒的に多い。その一方で,日常的ではなく,必要に応
次に,理想としてどこで誰に預かってほしいか,ま
じて預ける利用の仕方を選択している人は,自分の病
た実際はどこで誰に預かってもらっているかを尋ねた
気・入院・通院など,もしくは,買い物やスクールな
(表7)。
理想としては,保育園の利用を希望する割合が一番
どの機会を利用して,子育てから一時はなれ,自分自
高かったが,現実には,保育園の利用は低く,自宅で
身の時間を持ちたいという理由が多くなっている。
夫をはじめとする家族・親族に子どもを委ねる場合が
また,預けていない人に子どもを預けたいと思って
多いことがわかる。
いるか尋ねたところ,大多数(89%)は希望してい
自由記述からは,一時保育利用の情報が少ない,値
た。このことからも,保育の潜在的な需要は高いと考
段が高すぎる,自宅の近くにほしい,ベビーシッター
えられる。
の情報をコーディネートする機能がほしいなど,身近
次に,子どもを預けたいと思うのはどんなときか,
― 99 ―
東 京 学 芸 大 学 紀 要
表8
第6部門
第55集(2003)
悩みを相談する相手(複数回答,%)
理想
実際
小児科医・カウンセラーなど
の専門家
6
0.
4
1
1.
8
気軽に相談できる先輩ママや
友人
5
1.
9
夫
表9
育児相談の場所(複数回答)
理想
実際
カウンセラーのいる幼稚園・
保育園・学校
4
1.
7
7.
6
6
5.
9
出向いていって相談するとこ
ろ
2
4.
2
1
3.
0
4
9.
4
6
1.
9
電話相談
2
1.
9
1
3.
5
親や親族
2
7.
9
5
2.
2
Eメール相談
1
8.
3
4.
8
気軽に聞ける近所の人
1
7.
5
1
8.
4
家にきてもらって相談
1
6.
5
2.
8
保健師
1
4.
6
6.
6
4.
1
1
3.
8
子育て支援関連の市の職員
1
0.
3
4.
1
3.
3
5.
9
その他
その他
表1
0 欲しい情報(%)
で気軽に利用できることを望む声が多かった。
次に,育児の悩みについて尋ねた。これまで育児に
医療に関すること
6
2.
8
再就職したい母親向け情報
4
2.
4
幼稚園・保育園情報
4
1.
9
子連れでいける講習会など
3
3.
5
ついて悩んだことはあるか尋ねたところ,よくある
発達や発育
2
7.
7
(27.
2%),時 々 あ る(50.
4%),あ ま り な い(17.
2
ショップ情報
2
6.
7
%),全くない(1.
2%),という結果になった。
食事・栄養
2
0.
7
子どもフリーマーケット
1
9.
0
手や機関に関する情報,どのように相談すればよいの
サークル
1
8.
5
か,その方法がわからないという声があった。誰も
父親の子育てについての情報
1
2.
0
子育てに悩みを抱えている人は多い。相談できる相
その他
が,いつでも気軽に話せる場や情報を得るようにして
9.
0
ほしいという意見が多数あった。
次に,子育てに関して受けている情報が不足してい
育児に悩んだとき誰に相談したいか,またしている
るかどうかを4件法で尋ねたところ,とても感じる
かについて,理想と実際の実態を探った(表8)。
(9.
5%),や や 感 じ る(49.
4%),あ ま り 感 じ な い
小児科やカウンセラーなどの専門家が相談相手の希
(33.
7%),まったく感じない(3.
0%)となった。
望の理想として一番高かった(6
0.
4%)。しかし,実
際には11.
8%しか利用しておらず,むしろ,先輩ママ
自由記述からは,子育ての小さな悩みや,必要な情
や友人,あるいは夫を相談相手に選んでいる場合が多
報をすぐに得ることができるような支援サービスを希
かった。
望する声が多かった。また,出生届を出すときや健診
を受けたときに小金井の子育て支援の情報をもらえる
自由記述からは,育児の情報量が多すぎるので信頼
と良いという声も多かった。
できる専門家がほしい,相談相手は実際にその子ども
を知ってくれている人がよい,学校に児童発達の専門
次に,どんな情報がほしいかについて尋ねた(表
家がほしい,気軽に話せる場所をいくつも作るとよ
10)。医療に関することが一番多かった。たとえば,
い,などの意見がみられた。
子どもの病気や緊急時の対応方法,救急指定の病院の
次に,育児の相談を受ける場所の理想と実際につい
リストなどを求める声があった。以下,再就職したい
て尋ねた(表9)。「カウンセラーのいる幼稚園,保育
母親向け情報幼稚園・保育園情報など,表10のとおり
園,学校」を求める声が一番大きい。いずれの項目で
である。
も,実際の相談よりも,各種の相談に対する理想,つ
育児に関する情報はどんなところで得られるといい
か尋ねた(表11)。情報を,市報や情報誌,あるいは
まり希望が高くなっている。
自由記載からは,幼稚園の先生は忙しそうでとても
幼稚園・保育園から得る声が多かった。
聞けない,児童相談所となるとなかなか気軽に行けな
自由記述からは,市報や情報誌もっと増やしてほし
い,気軽に何でも相談できる場所がほしい,ちょっと
い,市報の中に子育て情報を入れるのではなく,それ
した事でも聞ける雰囲気がほしい,専門的なことを気
とは別に子育て情報のみの“市報”式で2∼3ヶ月に
軽に相談できる電話相談がほしいなどがあった。ま
1回ぐらいほしい,市役所や保健センターなど,わざ
た,幼稚園に専門のサポータ的先生がいて,子どもの
わざ足を運ばなくても,近所のスーパーや市民掲示板
卒園後でも心の支えになっているという声もあった。
などで自然に目に付くところに子連れ参加サークルな
― 100 ―
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題
表1
1 情報を得る場所(%)
市報や情報誌
表1
3 子育て支援の特別なニーズ(%)
6
8.
3
育児不安・育児ノイローゼ
7
8.
5
幼稚園・保育園
5
9.
6
障害をもつ子どもがいる家庭
5
9.
1
知人・友人など
5
2.
1
児童虐待対策
5
9.
3
市役所の窓口や児童館などの公共施設
4
8.
6
こもりがちな親子
5
5.
4
インターネットやメール(市の HP など)
3
9.
2
ひとり親家庭
4
8.
4
産婦人科,小児科などの病院や保健所
3
7.
7
夫婦間の暴力(DV)
3
6.
3
町の市民掲示板
2
6.
7
在日外国人の子ども
3
0.
9
マンションやスーパー・銀行などの掲示板
1
2.
0
海外帰国子女
2
1.
4
駅舎内
4.
5
その他
3.
2
その他
5.
5
持つ子どもの親同士が,安心して交流したり,情報交
換できる場所,ネットワークが欲しい,病中病後や産
表1
2 夫の子育て参加に必要なもの(複数回答,%)
父親の職場の理解
6
2.
2
後の家事支援,緊急時の一時保育などを求める声も高
かった。
父親の労働時間の短縮
6
0.
1
父親の育児休暇
4
5.
5
父親が一緒に参加できる育児スペース
4
3.
9
父親の子育てに関する情報提供
2
9.
4
夫婦で参加できる講座や両親学級
2
3.
7
父親同士が気軽に話せる場作り
2
3.
7
父親学級や育児講座
1
2.
7
その他
考
察
1)市民は何を求めているか
今回の調査をとおして,小金井市民が,どのような
支援を,どのような形で求めているのか,どれほど満
5.
7
たされているのか,何をもっと求めているのかなどの
観点から,子育てに関するニーズを考察する。
どの案内があれば助かるなどの声があった。
次に,夫の子育て参加の協力度について尋ねたとこ
子育て支援は,その目的によって,次の6つに分類
ろ,とても協力的(29.
2%),まあまあ協力的(50.
6
できる。第一に,親が子育てを行う場の確保である。
%),あまり協力しない(15.
2%),まったく協力しな
不足している支援として上位2つに上げられているの
い(1.
7%),という分布であった。
が,雨の日に遊べる屋内型施設,水遊び場やプールで
父親が積極的に子育てに参画するために必要と思わ
あり,この両者とも7割ちかい人が不足していると感
れるものを具体的に尋ねた(表1
2)。上位3つの「父
じている。また,親子で安心して過ごせる場,近くに
親の職場の理解」「父親の労働時間の短縮」「父親の育
ある児童公園などである。家庭という閉ざされた空間
児休暇」でわかるように,父親の子育て参画には,労
の中での密室的育児を避け,日常的に必要な「遊び」
働条件など社会環境の整備が不可欠であることを示し
を子どもたちに提供するための施設の充実を望む声は
ている。
高かった。晴れの日は公園など,場所の選択肢も広い
自由記述からは,一番サポートしてほしい夫は一生
が,雨の日や暑い日,寒い日は使える場が限定され
懸命働いているからこれ以上望めない,職場の理解,
る。そのような時の対応に親たちは苦慮しており,室
労働時間の短縮,育児休暇を取りやすい雰囲気が必
内でも充実して育児を行える場を求めている。小さい
要,幼稚園などで父親同士が何か作ったり,自然な関
子どもを抱き,オムツや哺乳ビンを抱え,時には上の
わりを持てる場を作るとよい,などの声があった。
子の手を引く外出は親の負担が大きく,行動半径は大
次に,通常の子育て支援に加えて,特別なニーズが
人がひとりで行動する場合よりもはるかに小さい。規
ある支援活動について,その必要性について尋ねた
模は小さくてもよいから,近くの場所に,気軽に立ち
(表13)。育児不安・育児ノイローゼ,児童虐待,こ
寄れる場が必要だ。
もりがちな親子など,どの家庭でも起こりうる心の健
また,保育つきの病院・美容院,音楽会・映画・演
康に関する支援へのニーズが多く見られた。自由記載
劇,講座,図書館などを求める声も高かった。これ
には,子育てに悩みを抱えている人は多い。誰に,ど
は,子どもに対するニーズというよりは,育児をして
のようにして相談したらよいかわからない人も多いの
いる親自身のニーズである。子育て中は,常に子ども
で,そのような人たちが気軽に,いつでも利用できる
と一緒に行動しなければならない。子どもを連れてゆ
場所がほしいという声があった。また,障害や病気を
き,近くに預けながら,自分自身のニーズを満たせる
― 101 ―
東 京 学 芸 大 学 紀 要
第6部門
第55集(2003)
アが最も有効である。それを,どこで入手するかであ
ことを求めている。
第二に,親に代わりに保育を行う機能である。子ど
るが,出生前では届けを提出する行政の窓口や,両親
もを預ける理由を尋ねたところ,日常的に預ける理由
教室など,出産後であれば,保育所の検診時などが,
は仕事が圧倒的に多く,必要に応じて預ける場合は,
全員に行き渡る機会であるので,情報を得ることにあ
買い物やスクールなどリフレッシュしたいとき,自分
まり積極的でない人にも対応できるので,有効であろ
の病気・入院・通院など,多岐に及んでいる。
う。
一時的に保育が必要な場合と,常時保育を必要とす
特に転入者や,市内に在住する外国人などは,情報
る場合,そのニーズは,親の就業と関連している。親
の得にくさから,孤立しがちである。そのような人た
が常時働いている場合,子どもも常時預ける必要があ
ちにも,平等に情報にアクセスできることを保障する
る。その場合,保育園が第一選択になる。しかし,親
責任が,地方行政にはある。
は働いておらず,家にいて子育てのための時間を確保
第五に,親にとっての学習の場である。保育つき,
している場合,原則として保育は必要ない。しかし,
あるいは子連れで行ける講習会を求める声は高かった
親の一時的な都合で,保育を必要とする場合,それ
が,じっさいには,市で開催されている女性学級を利
が,一時的であるために,預ける先をその都度確保す
用した人はわずかであった。学ぶ機会を求めている人
ることが難しくなる。特に,緊急のときなどの対応に
は潜在的には高いが,実際には,保育人数や子どもの
苦慮するが,その預け先として,実際には夫や家族・
年齢に制限があること,情報の周知不足,興味・関心
親族を利用している場合が多い。しかし,理想として
との一致,時間帯や場所の都合などから,市民のニー
は,幼稚園の一時預かりや,自宅でのベビーシッター
ズを十分に満たしてはいない。市民が求める講座内容
を望んでいる割合が高い。友人や近所の人に預かって
は多方面に及んでいるので,すべてをカバーすること
ほしいという声は,案外少ない。友人や近所の人の場
は無理であるが,どうすれば参加者が多く集まるの
合,気を使うという配慮が働くために,心理的な抵抗
か,検討する余地はある。
が強いものと考えられる。したがって,家族の負担を
第六に,子育て相談の機能である。多くの親たちが
軽減するためには,幼稚園・保育園,あるいは子ども
持つ子育てに関する疑問や悩みは,現状では家族や友
家庭支援センターなどでの,一時保育機能に期待して
人など,身近な人に相談している場合が多い。しか
いる。
し,小児科医やカウンセラーなど,専門家を求める声
第三に,親子の交流の場である。すでに利用したこ
は高い。また,相談できる専門家がいても,そこまで
とがある支援活動として,児童館における乳幼児グ
出向き,心に秘めた疑問や悩みを打ち明けるには,相
ループは群を抜いて多くの市民が利用している。必要
手との信頼関係が大切である。高い敷居を乗り越える
とする機能としては,同じ月齢・年齢児の交流の機会
ためには,相談機関の充実と共に,身近な人にまず相
と,お母さん交流の機会が共に高くなっている。ま
談し,そこから専門家を紹介できるような二段階の相
た,異年齢児との交流も求めている。子どもの遊び相
談のシステムを構築することが必要となる。
手としての仲間を求めるのと同時に,親自身の交流も
2)子育て支援の必要性
求めているわけで,低年齢児では,この両者を兼ね備
えた機会を市民は求めている。育児中の親は孤立しや
子育て支援が必要とされる根本的な背景には,子育
すい環境にある。親自身が無理なく健やかに保育する
て中の親,特に母親のライフスタイルの変化がある。
ためにも,親同士の交流の機会は重要であり,今後の
ひと世代前の母親(女性)が子育て中心であった時代
子育て支援のひとつの大きな柱と考えるべきであろ
には,育児の責任は各家庭に任され,行政などの第三
う。
者が介入するという発想はなかった。その例外は,ひ
第四に,子育て情報である。求めている情報は,医
とり親や両親が働かざるをえない家庭など,特殊な,
療,就職,幼稚園・保育園,講習会,子どもの発達,
「保育に欠ける」家庭であった。たとえ,子育ての仕
買い物,食事・栄養など多岐に及んでいる。身近な地
事が辛くても,それは,家庭,ことに母親の責任であ
域情報は子育て中の親にとって利用価値の高い貴重な
り,当事者が苦労して乗り越えるべきものであり,そ
資源であるが,それが十分に届きにくい。今後は,イ
れは,男性が自己や家庭を犠牲にして企業に尽くすこ
ンターネットを利用できる親も増えてくれば,有効な
とと同価とされていた。子育てを他者が支援すれば,
情報メディアとなりうるが,現段階では,インター
本来当事者が乗り越えるべき問題に手を貸すことにな
ネットだけでは不十分で,市報・情報誌など紙メディ
り,親が苦労の末獲得するべき育児能力が育たなくな
― 102 ―
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題
ヒアリングなどを通じて,そのような行政担当者の本
るという発想であった。
音を垣間見た。
しかし,その見方が変わり,家族以外からの子育て
サポートが必要とされるようになったのは,性役割の
第二に,働く親にとっては,就労中の保育の確保が
変化と家族機能の縮小がある。汐見(2000)は,これ
課題となる(久保,2001)。今回の調査でも,保育園
まで一般的だった母親中心の子育てが機能しなくな
の待機児問題,幼稚園の公設,病児保育などが多く指
り,女性が家事育児を担当するという性別役割分業の
摘された。また,就学児には,放課後の学童保育が中
破綻を指摘している。従来,母親(女性)が主に担当
心となるが,開所時間の延長,現在小学3年生までと
すべきとされていた家事・育児の分野が男性や,家庭
なっている対象児年齢の拡大などを求める声が大き
外の第三者にも解放されるようになった。また,女性
い。子どもが安全に生活できる環境を整えることが,
が社会的な役割を積極的に担うようになり,日常的に
親が安心して就労するための環境となる。
子どもに関わる親がいなくなるのは,「保育に欠け
第三に,育児に専念する親にとっては,物理的・心
る」特殊な事情ではなく,家族生活の自然な選択の結
理的な保育負担の軽減が課題となる。彼らは,日常的
果生じる必要性に変わってきた。
に子どもと向き合い,保育を担当している。親と子が
また,旧来の「家」制度における家族は,生産,収
安心して過ごせる環境が家庭外の近隣に確保されてい
入,教育,介護,文化の伝承など,多くの機能を担っ
るか,一時的に保育が必要になった場合,安心して委
てきた。また,それを可能にするだけの家族数もい
ねられる第三者があるか,また,子育ての問題に直面
た。しかし,今の核家族では,従来行われてきた機能
したとき,気軽に,相談したり,必要な情報を得るこ
が家族の中で維持することは困難になり,どんどん外
とができるかといった点が必要となる。
特に,心理的な負担の軽減が重要だ。近年問題に
注化されつつある。子どもに対する教育・しつけもそ
なっている育児不安,育児ノイローゼ,子どもへの虐
うであるが,乳幼児に対する保育も同様である。
しかし,依然,育児の最終的な担当者は親であるこ
待などの問題の背景には解消されない心理的な負担の
とには変わりはない。家族としての心理的な結びつき
大きさが問題になり,就労親に比べ,就労しておらず
が家族外のそれよりも重要である限り,社会的支援
子育てに専念する親に多くみられる。24時間,いつも
は,親の育児の「肩代わり」ではなく「側面支援」で
子どもという他者中心に自分の生活が成り立っている
ある。この原則をキープする限り,社会の育児サポー
という拘束感からの息抜きが問題となる。そのための
トは,親の育児能力を低下させるのではなく,むしろ
一時保育であり,保育つきの各種施設である。また,
育児能力の育成に繋がる。
子育ては心理的な負担の大きな作業である。特に,自
子育てに関わる立場によって,具体的な支援の目的
分の子どもと向き合っていると,親自身が抱えてい
や,求める支援内容は微妙に異なる。第一に,行政担
る,自分の親との未解決の葛藤が浮上してきたり,夫
当者にとって,国策としての少子化対策は最重要課題
婦間の葛藤が表面化することがある。これらは,子育
である(藤松,2002)。1989年の1.
57ショック以来,
てというストレスが加わらない状況では潜在して問題
出生率の減少はその留まるところを知らない。人口ピ
にならないが,子育ての負担感が増強すると,母親の
ラミッド構造の変化により,国民全体の生産性の低下
気持ちの中で,再び大きくなってくることがある。相
や高齢者介護,高齢者医療の問題を考えると,これ以
談の目的が子どもの問題であっても,その背後には,
上の少子化の進展はどうしても食い止めなければなら
むしろ親自身の問題が隠されている場合が少なくな
ない。
い。そのような心理を理解し,適切に相談に応じるこ
しかし,具体的な施策内容は,地域を担当する行政
とができるスタッフの育成が重要であり,親たちが気
担当者からは出てこない。どうすれば,少子化が食い
軽に相談して,問題を解決できる支援が必要である。
止められるのか,社会学的な研究も十分進んではおら
第四に,子どもの視点である。子どもにとって,如
ず,少子化対策として,具体的にどのような支援策が
何に適切な養育環境を提供するかという視点は,子ど
最も効果的であるかは十分解明されていない。中央政
も自身に発言力がないために,見落とされがちであ
府や都道府県レベルからのトップダウン的な行政に関
る。子どもにとって,母親だけでなく,複数の人によ
する指示と,地域住民からの多彩な要望の狭間に立た
る保育が子どもの発達にプラスになる。多様な人との
されている市区町村レベルの行政担当者は,何をすれ
交流。母親絶対の子育てから,多くの人々による子育
ばよいのか感触がつかめず,少ない予算の中で戸惑っ
てへ転換し,過保護的になりがちな母親の子育てから
ている。今回の調査と,それに伴う行政担当者からの
子どもを解放し,のびのび遊び,探索する時間・空間
― 103 ―
東 京 学 芸 大 学 紀 要
第6部門
第55集(2003)
を確保することが重要である。子どもが社会に適応し
また,第二次担当者同士のヨコの連携も重要とな
て成長していくためには,少なくとも三つの社会化の
る。保育,教育,医療,保健,福祉などの担当者は,
場が必要である(汐見,2000)。それらは,1)家庭
それぞれの立場から個別の視点で支援するために,異
という最も近い人間関係,2)地域社会における同年
なる専門性からの支援と考え方や目的がお互いに矛盾
齢,異年齢の仲間との活動や,地域でのさまざまな行
する場面が出てくる。地域内でのこれらの諸機関が連
事・活動によって達成される社会化,そして3)定型
携し,お互いの立場を理解することが,第一次担当者
化された学校などの教育機関の中で達成される社会化
である親への有効な支援となる。
である。第三の場は,学校教育のあり方の問題であ
筆者は,子育ての中心は親であることを強調した
り,今回の考察からは省く。家庭内の人間関係は,幼
い。そのためにも,親たちの意識改革が大切である。
少時の子どもにとって親子関係が中心となる。過度に
市民からの税金を子育て支援施策として還元する主体
密着せず,感情的に巻き込まれすぎない母子関係,あ
は行政者であるが,その力を有効に引き出せるのは市
るいは,適切な親の育児能力の開発,また,多忙なた
民の力である。近隣の市において成功している子育て
め疎遠になりがちな父親の関わりなどが,家族支援の
支援の先行事例をみると,行政を動かした市民パワー
目標となる。地域社会での子ども同士の交流は,幼稚
がいる(前田,2003)。市民の切羽詰ったニーズから,
園に通うまでの年少児が問題となる。
市民同士がまず連携し,適切なリーダーシップの下
地域社会に子どもの姿が見えなくなり,交流できる
に,草の根的な支援活動を試行し,それを行政が注目
場が少なくなっている現在,広場活動など,子ども同
し,施策に取り込んだり,経済的な援助を行うなどす
士,親同士が交流できる場を確保することが課題とな
るなかで,市民と行政が一体化した子育て支援策が可
る。
能となる。
その中で,過去に子育てを経験し,子どもが成長
3)今後の支援のあり方
し,子育てがひと段落して,物理的,心理的な余裕が
最後に,今後の子育て支援策を構築する際に重要と
できた子育て OB の役割が大きい。子育て中の親は,
なる点を,1)ネットワーキング,2)市民の意識改
個々の子育てに精一杯で,それを支援活動として体系
革,3)研究機関の役割という点から考察する。
づけるだけの余裕はない。子育て OB たちは,自分た
元来,子育てはネットワーキング的な発想,つま
ちの体験から,どのような支援が必要か,十分に理解
り,子どもの育ちを,ふだん親などが見守り(一次担
している。また,とりあえず優先しなければならない
当者)
,その人が健やかな子育てを支援する行政や保
子育てという人生の目標が終わりに近づき,新たな自
育機関などの第二次担当者がいて,さらにその人たち
分の生きがいを模索しはじめる。自分の経験を生か
が困難な事例に直面した際や,特別なニーズが必要な
し,自信を持って後輩ママたちに接し,社会の中で認
子どもや家族への個別的な支援を構築する第三次担当
められる活動として,子育て支援活動は,彼らの能力
者というレベルを階層的に分けることができる。それ
と体験を発揮できる活動の場を提供する。子育て OB
ぞれの立場をお互いに理解し,尊重することが重要に
たちが子育て中の親と,行政などの第二次担当者が
なり,これらの各レベル間の情報交換,ネットワーキ
ネットワークを組むことで,最も効果的な子育て支援
ングが重要となる。
事業が実現される。
具体的には,まず,一次担当者である親たちと,二
著者(田村)は,大学という研究機関で,子育てや
次担当者である行政や保育担当者との交流が必要であ
家族について研究する者である。閉ざされた「象牙の
る。ともすれば,一方向的なコミュニケーションにな
塔」に安住したり,大学が存在する地域を研究対象と
りやすい。行政担当者は,市民のニーズを十分に把握
して利用するのではなく,地域との連携を深め,地域
できず,トップダウン的に求められた施策を行う。そ
貢献を深めていくことがこれからの研究機関に求めら
れに満足しない市民は,陳情,請願書といった形で,
れる役割である。
お上に物申すといった感覚で,一方的に市民の不満・
具体的に,研究機関はいくつもの役割を担うことが
要望を伝える場合がよく見られる。むしろ,育児中の
できる。第一に子育て支援に関する研究の推進母体で
市民と行政・保育担当者が,同じテーブルに座り,そ
ある。具体的にどのような支援策を市民は求めている
れぞれの問題点,課題などを伝え合うことにより,お
のか,行政の目標とする少子化対策として,どのよう
互いが満足できる子育て支援策を話し合っていくこと
な支援策が最も有効であるのか調査し,新たな支援策
が,有効であると考える。
のモデルを提示する役割である。そのためには,研究
― 104 ―
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題
機関の中に支援策のモデルを提供し,実際に地域の一
者としての機能が妥当だと考える。さらには,疾患・
次担当者,二次担当者に利用してもらい,その効果・
障害を抱えたり,特殊な事例など,高度な対応が必要
有効性について検証する必要がある。
な場合の相談を担当することも考えられる。
第二に,子育てネットワークのハブ(中継点)とし
第五に,大学内のネットワーキングである。当大学
ての機能である。本調査も,
「こが ね い 子 育 てネッ
は,教育学部のみの単科大学であるが,教官の専門分
ト」として研究者と市民が集い,話し合う中で実現す
野の多彩さは総合大学に匹敵する。保育学,幼児教育
ることができた。その中で,大学は,場所と多少の予
学をはじめ,心理学,障害児教育学,精神医学,音楽,
算を提供してきた。上記に挙げたような,親と行政と
体育,美術などの専門家が揃っている。研究者は,研
のネットワーク,あるいは,異なる専門性を持つ第二
究の独創性,独自性を保つため,ヨコの連携には消極
次担当者同士のネットワークを形成するために,高度
的な場合が多い。しかし,子育て支援というひとつの
の専門性を有する研究者は,中立的・客観的な立場を
キーワードをもとに,学内の研究者が連携することは
とりえるので,異なる立場の人々を繋ぐ要となりえ
必要であるし,そのためのコンセンサスを得ること
る。
が,今後の課題である。
第三に,研修・教育の機能である。当大学は,教員
本研究は,文部科学省 科 学 研 究 補 助 金 基 盤 研 究
養成をその第一の目的とする。たとえば家庭科や総合
学習などの教科教育の中で,乳幼児とその家族につい
(B)(2)(課題番号1
3480021研究代表:田村
て理解し,子育て支援に実習的に関わることは,将来
を受けて行った成果の一部である。
毅)
の教育者に必要な資質・知識を提供する。さらに,子
育て支援担当者としての専門家育成としての大学院,
参考文献
また,すでに社会で活動している行政担当者,第二次
担当者に対する社会教育の場として,最新の研究結果
今城かおり(2
0
0
1)働きながら,子育て.東京,岩波ブッ
などをフィードバックすることができる。
クレット No.5
5
3
今回の調査でも,保育者や医師・看護師などに傷つ
けられたり,行政の窓口の対応の悪さなどが指摘され
藤松素子(2
0
0
2)「子育て支援」政策の現状と課題.教育と
医学4
9
(1
1)
:9
7
2−9
8
1
ている。また,保育園・幼稚園などに専門スタッフを
求める声も大きかった。孤立し,多くのストレスを抱
汐見稔幸(2
0
0
0)親子ストレス.東京,平凡社新書
える親たちは,ふとした言葉で傷つき,慎重な対応
柏木惠子(2
0
0
1)子育て支援を考える:変わる家族の時代
に.東京,岩波ブックレット No.5
5
5
と,問題解決のためのノウハウを必要とする。これら
の,第二次担当者に求められる資質・知識を付与する
小出まみ(1
9
9
9)地域から生まれる支えあいの子育て.東
京,ひとなる書房
講座は各地の自治体,企業,NGO などで行われてい
るが,そのような場を大学が提供することも考えられ
小金井市福祉保健部(2
0
0
2)のびゆくこどもプラン小金井
る。
久保桂子(2
0
0
1)働く母親の個人ネットワークからの子育
て支援.日本家政学会誌 5
22 :1
3
5−1
4
5
第四に,相談活動である。大学の限られた人材から
前田正子(2
0
0
3)子育ては,いま―変わる保育園,これか
は,多くの市民からの相談を直接担当することは難し
らの子育て支援.東京,岩波書店
い。むしろ,直接,相談を受けた第二次担当者が戸
惑った場合のコンサルテーション,つまり第三次担当
― 105 ―
利用したこ
とがある
最もよく利
用する◎
― 106 ―
3.満員で利用できない
4.対応が不親切
5.その他(
2.時間帯があわない
5.その他(
2.時間帯があわない
4.対応が不親切
b.利用しにくい点…1.会場が遠い
a.子育て支援の種類…(
3.満員で利用できない
b.利用しにくい点…1.会場が遠い
)
)
)
)
e.ベビーベッド
d.子どもといっしょのトイレ・ベビーキープのあるトイレ
c.オムツ替えや離乳食を食べさせられるところ
b.常時接続のインターネット端末
a.仲間で利用できるフリースペース
まるものに○をつけてください(いくつでも)。
3−2.そのような場所に,どんな施設・設備があるといいと思いますか?
q.その他
まる理由に○をつけてください。
a.子育て支援の種類…(
p.いつでも迎えてくれる人がいて,親子一組でも安心して過ごせる場所
書きください(上記以外でも可)。また,どんな点が利用しにくいか,あては
o.常設子どもフリーマーケット
n.保育付きの歯医者・病院・美容院
m.アレルギー対応安心素材レストラン・ショップ
あては
第6部門
2−1.利用しにくいと答えたかたへ。どの子育て支援サービスが利用しにくいかお
b.感じない
l.雨の日に遊べる屋内型の施設
るほうに○をつけてください。
a.感じる
k.障害児も健常児も自然に交流できる場
j.お年寄りと子どもが交流できる場所
i.リズム遊び,親子遊び,ベビーマッサージ
h.保育付きの図書館
g.保育付き音楽会・映画・演劇など
f.保育付きの講座
e.保育付きスクール(ヨガ,お料理教室など)
d.地域のお母さんたちのサークル
c.水遊び場やプール
b.のびのび遊べる大きな公園
a.近くにある児童公園
ものに○をつけてください(いくつでも)。
3−1.親子で出かけられるところとしてどんなところがほしいですか。あてはまる
ます。
3.現在小金井市で行われていないか,不足していると思われる項目についてお尋ねし
らでもけっこうです)お尋ねします。なにか利用しにくい点は感じますか。あてはま
2.上記の1で市の子育て支援について知っていると答えたかたに(利用の有無はどち
h.乳幼児健康相談・巡回健康相談
g.のびのびこがねいっ子(子育て情報誌)
f.市認可保育園の園庭開放や親子プログラム
e.市認可保育園の一時保育
d.女性学級(保育付きの講座)
c.テレホン母子保健相談(市の保健婦による電話相談)
a.児童館の0・1歳乳幼児のつどいや2・3歳の幼
児グループ
b.保健センターのエンジェル教室
知っている
た,そのうち,最もよく利用するものには,一つだけ◎をつけてください。
知っているものや利用したことがあるものに○をつけてください(いくつでも)
。ま
1.小金井市で現在行われている子育て支援についてお聞きします。以下の項目の中で
資料:調査票
東 京 学 芸 大 学 紀 要
第55集(2003)
e.親族への介護・入院など
g.通学・勉強のため
h.買い物や,カルチャースクール,リフレッシュしたいとき
i.その他
c.同じ年齢・月齢の子どもが集まる機会
d.異年齢の子どもと遊べる機会
e.お母さん同士が交流して友達をつくれる機会
f.子育てに理解のある職員
― 107 ―
a.はい
b.いいえ
仕事でも用事でも理由は問いません。あてはまるほうに○をつけてください。
必要に応じて
あてはまる
4−2.預けていない方へ質問です。子どもを預けたいと思うことはありますか?
a.仕事
b.冠婚葬祭
c.親族への介護・入院など
d.自分の通院・入院・病気など
e.通学・勉強のため
f.買い物や,カルチャースクール,リフレッシュしたいとき
g.その他
日常的に
それとも,必要に応じて預けるのですか?
ものに○をつけてください(いくつでも)。
のは日常的ですか?
4−1.はいと答えたかたへ質問です。どんな理由で預けていますか。また,預ける
か?
4.子どもの保育についてお聞きします。今まで,または現在こどもを預けています
理想は?
a.よくある
b.時々ある
てはまるもに○をつけてください。
c.あまりない
d.まったくない
あ
実際は?
あてはまるものに○をつけてください(い
また,実際はどこで,
5.育児の悩みについてお聞きします。これまで育児で悩んだことはありますか?
a.保育士が保育園で
b.家で友達や近所の人が
c.自宅でベビーシッターが
d.シッター宅でシッターが
e.自宅で親や親族が
f.自宅で夫が
g.幼稚園などの一時預かり
h.民間の託児所
i.市民団体.NPO 法人
j.その他
くつでも)。
誰に預かってもらっていますか?
4−4.理想としてはどこで,誰に預かってほしいですか?
f.自分の通院・入院・病気など
d.冠婚葬祭
c.仕事
b.休日や夜間
ているかたは,それ以外の場合を想定してお答えください。
b.育児情報が得られる窓口
g.その他
あ
てはまるものに○をつけてください(いくつでも)。すでに保育園などに預け
a.平日の昼間
あてはまるもの
b.いいえ
4−3.全員にお聞きします。子どもを預けたいと思うのはどんなときですか?
a.はい
あてはまるほうに○をつけてください。
a.気軽に相談できる窓口
に○をつけてください(いくつでも)。
3−3.そのような場所にどんな機能があるといいと思いますか?
h.その他
g.フリーステップバス。ベビーカー置き場のある電車やバスなど
f.保育室付き講習会場
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題
また,実際には
理想は?
また,実際
実際は?
― 108 ―
b.やや感じる
c.あまり感じない
d.まったく感じない
b.まあまあ協力的
c.あまり協力しない
あてはまるもの
a.父親同士気軽に話せる場づくり
b.父親が一緒に参加できる育児スペース
c.再就職したい母親向けの情報
くつでも)。
7−1.父親の子育て参画について必要だと思われる項目に○をつけてください(い
d.まったく協力しない
a.とても協力的
7.あなたの夫についてお聞きします。子育てに協力的ですか?
j.その他
i.インターネットやメール(市のホームページなど)
h.駅舎内
g.マンションやスーパー・銀行などの掲示板
f.市報や情報誌
e.町の市民掲示板
d.産婦人科や小児科の病院や保健所
b.発達や発育
a.食事・栄養
(いくつでも)。
6−1.あなたはどんな情報がほしいですか。あてはまるものに○をつけてください
a.とても感じる
てはまるものに○をつけてください。
あ
実際は?
c.市役所の窓口や児童館などの公共施設
b.知人友人など
a.保育園・幼稚園
に○をつけてください(いくつでも)。
6−2.育児に関する情報はどこで得られるといいと思いますか?
k.その他
j.幼稚園・保育園情報
i.ショップ(子ども服,こどもの雑貨のお店など)情報
h.子連れで行ける講演会など
g.サークル
f.子どもフリーマーケット
e.医療に関すること(子どもの病気・予防接種・産院など)
d.父親の子育てについての情報
第6部門
6.情報についてお聞きします。普段の生活で情報が不足していると感じますか?
理想は?
あてはまるものに○をつけてください(い
a.電話相談
b.カウンセラーのいる幼稚園・保育園・学校
c.出向いていって相談する場所(病院や市の教育相談所など)
d.Eメール相談
e.家に来てもらって相談
f.その他
くつでも)。
には,どこで相談していますか?
5−2.育児で悩んだとき,理想としてはどこで相談をしたいですか?
a.専門的なアドバイスをしてくれる人(小児科医,カウンセラーなど)
b.気軽に相談できる先輩のお母さんや友人
c.気軽に聞ける近所の人など
d.子育て支援関連の市の職員など
e.保健婦
f.夫
g.親や親族
f.その他
誰に相談していますか。あてはまるものに○をつけてください(いくつでも)。
5−1.育児に悩んだとき,理想としては誰に相談したいですか?
東 京 学 芸 大 学 紀 要
第55集(2003)
― 109 ―
も)。
e.その他(
b.パート
)
)
c.フルタイム
)
b.海外帰国子女
c.障害児
d.ひとり親家庭
ました。
以上です。最後にもう一度記入漏れがないかご確認ください。ご協力ありがとうござい
e.その他(
d.学童の終了後,親の帰宅時間まで見ていてくれる保育者
f.その他
歳)
それ以上
・あなたのご家庭,または,あなたのお子さんは次の項目にあてはまりますか?
d.自営
a.専業主婦
その他(
a.在日外国人
e.病児保育(病気の子どもを診察して一時的に預かってくれるところ)
第4子(
歳)
50代
本町・緑町・前原町・中町・東町・梶野町・貫井南町・貫井北町・
・あなたのお仕事は?
・お住まいは?
歳)
40代
第2子(
30代
第3子(
c.ベビーシッターの情報をおきコーディネイトしてくれる機能
b.保育園(学童)に緊急の送迎を代行してくれる保育者
a.病中病後や産後の家事の支援
9.次のようなことについて,必要と思われる項目に○をつけてください(いくつで
i.その他
20代
歳)
・子どもの年齢
第1子(
・あなたの年齢は? 10代
h.支援センター・児童館などに来られない,家にこもりがちな親子のサポート体制
*おさしつかえなければあなたのことをおしえてください。
スペースが足りない場合は裏面にお書きください。
10.子育て支援全般について自由にご意見をどうぞ。
g.夫婦間の暴力(DV)へのサポート
f.子どもの虐待を解消するサポート
e.育児不安・育児ノイローゼを解消するサポート
d.ひとり親家庭へのサポート
c.障害をもつ子どもがいる家庭へのサポート
b.海外帰国子女へのサポート
a.在日外国人の子どものサポート
項目に○をつけてください(いくつでも)。
8.特別なニーズについてお聞きします。良い子育て環境にするため必要と思われる
i.その他
h.父親の労働時間の短縮
g.父親の職場の理解
f.父親の育児休暇
e.父親の子育てに対する情報提供
d.父親学級や育児講座等
c.夫婦で参加できる講座や両親学級
田村・高橋・塚田・森田・水谷・梶河・島田・矢野:小金井市における子育て支援の現状と課題