政策課題共同研究報告書 - 彩の国さいたま人づくり広域連合

平成 26 年度
政策課題共同研究報告書
概要版
地域ブランドプロモーション
〜 Road to 2020 オリンピック・パラリンピック〜
ビッグデータ・オープンデータ活用戦略
〜「宝の山」の活かし方〜
彩の国さいたま人づくり広域連合
埼玉発「地域ブランドプロモーション」
『地域ブランドプロモーション』研究チーム
第1章
第2章
第3章
第4章
第1章
埼玉発「地域ブランドプロモーション」
埼玉県の現状
訪日外国人とオリンピックと埼玉県
「地域ブランドプロモーション」の課題
第5章
第6章
第7章
訪日外国人を埼玉へ
県内自治体における挑戦
埼玉県のPR戦略を考える
埼玉発「地域ブランドプロモーション」
少子高齢化・人口減少社会が到来し、「地方創生」に関する議論が活発化
する中、地域活性化 に向け、国内では様々な自治体が「 シティセールス 」・
「シティプロモーション」に取組んでいるが、埼玉県における研究・議論は
途上段階にある。また、訪日外国人数の拡大が見込まれる中、 埼玉県への
訪問率は低位であり、県内開催が予定される東京オリンピック・パラリン
ピックを好機としていくには、今から取組みを進めていく必要がある。
これらの背景を踏まえ、県内自治体が内外の認知を獲得し、経済活性化に
繋がる具体的な体験を住民及び訪れた人々に提供し、継続的に応援して
もらう仕組みづくりに向け、埼玉ならではの「地域ブランドプロモーション」
の手法を提言し、交流人口の拡大と地域活性化に役立てていくものである。
第2章
1
埼玉県の現状
観光県としての埼玉県
埼玉県には、観光県づくりを推進するために必要な観光資源を有している。
観光入込客数は全国的にも上位の水準にあるが、その殆どは日帰り客で、
多彩な観光資源が十分活用されているとは言いがたく、観光県としての
イメージ浸透には至っていない。
2
埼玉県の強み・弱み、機会・脅威
地方創生の流れの中、東京に隣接した埼玉県は、従来の強みがそのまま
弱みに、機会が脅威へと転じうる状況にある。
強み
機会
充実した交通網
人口
全国5位
多様な産業集積
農産物の生産地
全国5位
田園・里山
プロスポーツ
東京オリンピック・パラリンピック
による外国人観光客増加
新幹線延伸
アニメの聖地
弱み
海がない、温泉地少ない
上野東京ライン
圏央道
東京に隣接
地方創生
宿泊施設少ない
少子化
1
脅威
高齢化
第3章
1
訪日外国人とオリンピックと埼玉県
訪日外国人の現状
訪日外国人が年間1,400万人を窺う中、埼玉県への訪問率は全国
21位となっている。
海外における主要ガイドブック「ロンリープラネット」では、埼玉県は
47都道府県の中で唯一記載の無い県となっている。
2
東京オリンピックと埼玉県
2020年東京オリンピック・パラリンピックにおいて、埼玉県で は
3種目が開催予定となっている。
オリンピックがもたらす経済効果は直接的には3兆円、間接効果を含め
民間試算では150兆円とも言われており、その恩恵を享受できるかどうか
は、現時点からの取組み如何によるものと考えられる。
第4章
1
埼玉発「地域ブランドプロモーション」の課題
課題整理
埼玉における地域ブランドプロモー ションの課題を、主体である自治体、
プロモーションの対象、プロモーションすべき地域資源の観点より整理した。
2
基本的考え方
地 域 ブ ラ ン ド プ ロ モ ー シ ョ ン を 、「 認 知 ・ 関 心 」 の 獲 得 、 そ し て 対 象 に
促す行動(「体験・理解」「共感・応援」)を軸として、方向性を提示する。
認知・関心の獲得
イメージを認知し、関心を
持ってもらう
体験・理解への誘導
共感・応援への昇華
地域の価値・魅力を実際に
体験し理解してもらう
差別化し選ばれるような共感
を生み、応援してもらう
具体的取組み
訪日外国人を埼玉へ
(第5章)
県内自治体における
地域ブランドプロモー
ション(第6章)
2
埼玉県のPR戦略を
考える(第7章)
第5章
1
訪日外国人を埼玉県へ
課題
埼玉県への訪日外国人誘客を推進していく上での課題として、外国人を
含めた誘客の取組み自体の相対的な優先度の低さ、官民及び地域間の連携が
十分でないこと、観光県としての浸透度の低さがある。
2
施策の方向性
「東京の隣」「整備された交通網」「多彩な地域資源」という強みを最大限
に活かし、埼玉県を「Next To Tokyo」(東京の隣、東京に近い、東京の次に
行 く 場 所)と位置付け、「訪日日程の空き時間(半日~1日程度)を使って
気軽に周遊できる」エリアとして打ち出す。
3
プロジェクト概略
官民及び地域間連携の促進による「モデルルート活用事業」、「第2ゴール
デンルート事業」を行う「広域観光促進施策」と、 これらを効果的に認知・
関心に結び付ける「モニターツアー事業」や「空港活用事業」を行う「PR
推進施策」を展開する。
第6章
1
県内自治体における挑戦
課題
自 治 体 の 課 題 と し て 、 地 域 資 源 の 「 発 掘 ・ 発 見 」、「 磨 き 上 げ 」 の 方 法 、
地域ぐるみで継続していくための「仕組みづくり」の方法が分からないと
いう点が挙げられる。また、行政における公平性の観点より、複数の地域
資源からの絞込みが難しいという点も挙げられる。
2
施策の方向性(実際の自治体でのモデルケース)
自治体の課題を踏まえ、実際の自治体をモデルケースとして、以下の
着眼点の下、取組みを展開する。
3
地域資源の発掘・発見
地域資源の整理・加工
継続的なBP活動へ
・幅広い情報の集約・収集。データベース構築
・気付かない魅力を従来と異なる目線で発掘・発見
・幅広い情報を特定の着眼点・キーワードで整理
・全市民による協働を志向
<全市民での協働イメージ>
行
政
企業・事業者
市民
老 若男女
学校(教育機関)
NPO・市民団体
出 身者を含 む
研究機関
「 新住民」 巻込み
金融機関
全市民が「チーム」として地域ブランドプロモーションを展開
第7章
1
埼玉県のPR戦略を考える
課題
埼玉県や民間団体では各々、埼玉県のPRに努めている最中であるが、
全国有数の人口・経済規模、宿場町としての歴史等に由来する多様性など
から、他県のように「埼玉県そのもの」を代表的産品・景勝地などで
表象させることには困難が伴う。
2
施策の方向性
埼玉県のPRの一助となるよう、その手法について研究を行い、PRの
受け手となる人々に「届ける」ための要素を以下に整理した。
情報の受け手に向けて
埼玉県の認知獲得に向けて
・より早く(スピード感)
・より多様な(量の充実した)
・より適した(質の高い)
情報を「受け手目線で」提供 する。
・埼玉らしさ
・訴求度を高める
・自由度(使い勝手)
・「まとめる」
・「分かりやすくする」
・ア ニメ ・ マン ガを 活 用 した ビジ
ュアルに訴える手法
そして本研究会では、この要素を満たす一つの手法として、埼玉を表象し
かつ、多彩な情報の発信元となる「存在」を提案する。この手法では、以下
の流れでの活用を想定している。
埼玉県民の共感
近隣 都県 民からの認知・
関心の獲得
県内の多彩な情報を発信
する「プラットフォーム」化
4
外国 人 など、より多くの
層への認知・関心の獲得
へ
ビッグデータ・オープンデータ活用戦略
〜宝の山の活かし方〜 概要版
TEAM Big Bang
はじめに
先進企業やNPOへのヒアリング、県内自治体へ
本研究では、ビッグデータ(典型的なデータベー
のアンケート調査、本研究会が主催したアイデアソ
スでは蓄積・分析ができないような大きなデータ)
・
ンの結果などを基に、
現状と問題点を明らかにした。
オープンデータ(自由に使えて再利用・再配布でき
るデータ)[※以下 BD・OD と表記]をめぐる現状を調
1 ビッグデータ活用に関する現状と問題
査した。そして BD・OD 活用を阻む問題の所在を明ら
① 企業等が保有するデータは連携を意図して採
かにした上で、社会的課題の解決を図り、新たなビ
取・蓄積されていない。
ジネスチャンスを創出する「産民学官」の連携の仕
② 企業等のデータの多くは対外的に公開されて
組みについて政策提言を行う。
おらず、データ活用という発想が喚起されない。
③ データ活用で複数の組織が連携するためには、
第1章 データ活用が求められている背景
共通の目的・課題が必要となる。
IT 技術の進展は目覚ましく、これまで大型汎用コ
2 オープンデータ化に関する現状と問題
ンピュータでしか扱えなかった量のデータについて
① 庁内に専門組織や人材がなく、どこから手を付
も、リアルタイムで分析することが可能になってい
けてよいかわからない。
る。今では、経済再生や社会的課題の解決における
② メリットよりデメリットを恐れており、新しい
データ活用は必須となった。一方、急速な少子高齢
取組に抵抗感を持っている。
化の進展と人口減少、それに伴う労働力人口の減少
3 利用者側からみたデータ活用の現状と問題
や社会保障給付費の増大に加え、東日本大震災とい
① データ活用に関する認知度はまだ低く、課題解
う未曾有の災害からの復興と大規模自然災害への対
決のツールとして認識されていない。
策など、
我が国の社会は大きな変革を迫られている。
② 一方で、社会的問題解決に向けた思いはあり、
行政だけでは解決できない課題に対しては、
「市民と
アイデアソン等のイベントは、データ活用への
の協働」と IT 技術、とりわけ「データの活用」が解
関心を喚起する手段として有効。
決策の大きな柱になりうる。
4 BD・OD 活用のスパイラル・モデル
上記1〜3で把握した現状・問題ごとの因果関係を
第2章 取り組み事例
「負のスパイラル」として整理した(図1)
。
米国、EU(英国)における BD・OD 活用の取組を概
観するとともに、日本の政府や地方自治体、NPO、民
間企業等の取組を紹介する。諸外国の取組と比較し
て、日本は遅れてはいるものの、
「世界最先端 IT 国
家創造宣言」をはじめとして、2015 年度末には他の
先進国と同水準となるようデータの利活用推進が実
施されている。
地方公共団体や NPO・民間事業者等による BD・OD
活用も活発に行われ始めており、アイデアソンやハ
ッカソンといったワークショップ形式のイベントや
アプリ開発コンテスト等も各地で開催されている。
図1 データ活用のスパイラル・モデル
第3章 本県における BD・OD 活用の現状と
問題
5 仮説の設定
5
上記で整理した問題を踏まえ、BD・OD 活用を阻む
→企業側からは「公益目的のほうが参加・協力しや
「負のスパイラル」を「正のスパイラル」に転換す
すい」との意見が聞かれたことから、まずは公益
るための仮説を設定した。
の目的・課題でつながることを想定。将来的には
【仮説1】企業・自治体のビッグデータ活用につい
データ売買の利益(フィービジネス)によって運
て
営する仕組みも視野に入れる。
・企業や自治体が保有データを公開、提供し「み
2 自治体のオープンデータ化推進について
える化」するプラットフォームをつくる
【論点5】県内自治体の協力体制をどう構築する
・それらのデータを客観的に評価し連携させる仕
か?
組み(主体)をつくる
→「オープンデータ推進機構」を創設し各自治体が
・データ提供に対し CSR 目的にとどまらない、企
広域で推進するスキームを検討。ノウハウや人材
業利益につながるインセンティブを設計する
不足の解消、
「縦割り組織」の弊害の解消、導入や
【仮説2】自治体のオープンデータ化推進について
推進コストの大幅な低減等のメリットが期待され
・特定の人材に依存するよりノウハウを県内自治
る。
体間で共有し活用する
【論点6】
「推進機構」は単なるオープンデータ化の
・リスクを軽減・担保する
アウトソーシング機関でよいのか?
・メリットを実感してもらうために取組事例や成
→各自治体の負担軽減だけでなく、様々なデータを
果をフィードバックする
自らの行政課題に結びつけ、活用する政策形成能
【仮説3】利用者側からのデータ活用推進について
力の向上につながらなければならない。
・市民、NPO の課題解決ニーズをデータ活用につ
【論点7】いかに「推進機構」への参加を呼びかけ
なげるマッチング役が必要
ていくか?
・データを公開するだけでなく活用の仕方まで示す
→まずは県内の先進自治体と協力体制を構築し、デ
ータ規格の統一などのすり合せを行いながら少し
第4章 仮説に基づく論点整理と政策提言
の方向性
ずつ参加の輪を拡げていくのが現実的なアプロー
チ。
前章で設定した仮説を基に論点整理を行い、政策
提言の方向性を明らかにした。
3 利用者側からのデータ活用推進について
1 企業・自治体のビッグデータ活用推進について
【論点8】利用者のニーズをデータ活用にどう結び
【論点1】活用目的が分からない中で企業はデータ
つけるか?
の提供に応じるか?
→「データコンシェルジュ」
(
【論点 3】参照)が、
→企業側は保有データの悪用を懸念することから、
まちづくりの担い手である市民・NPO の抱えるニ
データ提供を求める前にまずはその活用目的を明
ーズを的確に把握し、データ活用につなげる役割
らかにする必要がある。
も担う。
【論点2】
「データが分からなければ活用のしようが
【論点9】具体的なデータ活用の方法をどう示す
ない」という問題をどうクリアするか?
か?
→【論点 1】と相矛盾する状況をクリアするため、
→アイデアソンなどデータ活用のアイデアや技術に
データそのものでなく、
「データインデックス(デ
ついて検討するイベントを開催し、住民等も巻き
ータ項目のリスト)
」
の作成によって可視化を実現
込んでデータの活用方法まで踏み込んだ啓発を行
するアイデアを検討。
う。
【論点3】プラットフォームが担う役割の範囲は?
4 政策提言に向けた方向性
→データの加工・高度な分析よりも、課題・ニーズ
上記の論点整理を踏まえ、政策提言のスキーム立
に応じて必要なデータを取り出す「データコンシ
案に向けた方向性を確認、決定した。
ェルジュ」が必要である。
① 県内自治体のオープンデータ化を支援する「オ
【論点4】ビジネスの視点をどう採り入れるか?
ープンデータ推進機構」と、データインデックス
6
により企業・行政のデータを可視化する「プラッ
筋提示。これにより、広域のデータが統一規格で
トフォーム」がスキームの両輪。
提供され、利用者側にとってメリットになるとと
② 「プラットフォーム」で中心的な役割を果たす
もに、市町村側の負担軽減が可能。
のがデータ、市民、企業・行政のマッチング役で
② 情報共有化機能:データ活用の成果事例やノウ
ある「データコンシェルジュ」
。
ハウを各自治体と共有。また、機構への出向受入
③ 「プラットフォーム」は自治体や企業のデータ
や自治体向け講習会を開催することにより、各自
に関する情報を蓄積するデータポットであると同
治体職員の人材育成を行う。
時に、企業、行政、住民・NPO など様々な主体が
③ データ加工機能:オープンデータ化に適したデ
リアルに交流する場(サロン)でもある。
ータフォーマットへの変換。オープンデータ化の
④ 当初から完璧なスキームを備えて立ち上げるよ
スタート時に最も懸念される事務量の増加を抑え
りは、まずはスモール・スタートで、少しずつ成
ることができる。
果を挙げていきながら関係者を巻き込んでいく漸
④ リスク軽減機能:オープンデータ化に伴う各種
進的アプローチが現実的には有効。
リスクへの相談窓口を設置。リスク懸念によるオ
ープンデータ化への抵抗感を除くことができる。
第5章 政策提言「彩の国データ活用推進機
構」の創設と活用
(2)プラットフォーム部門
1 提言概要
トとなり、収集されたデータを各種主体が有効に活
行政や企業が保有するデータが集まるデータポッ
県内におけるオープンデータ及びビッグデータの
用できるよう、啓発や主体間のマッチングを行う。
活用を推進するために、県内自治体のオープンデー
また、データ利用を軸としてビジネス展開を行う。
タ化を推進する「オープンデータ推進部門」と様々
各機能は次のとおり。
な主体のデータ活用を推進する「プラットフォーム
① データインデックス機能:データの項目リスト
部門」を備えた「彩の国データ活用推進機構」
(以下
を収集、提供し、各種団体がもつデータの見える
「機構」と言う。
)をつくる。当機構は、官民両方の
化を行う。
性格を持ち、公益性の担保の観点から、一般社団法
② データコンシェルジュ機能:課題・ニーズに応
人やNPO法人を想定している。また、運営資金に
じて必要なデータを紹介するなど、データ活用に
ついては、参加自治体からの共益金およびプラット
関する相談業務を行う。さらに、データ提供者と
フォーム部門のビジネス展開による収入による。
希望者の仲介を行うなど、各主体のマッチング役
となる。
2 各部門の機能
(1)オープンデータ
推進部門
県内自治体間でオ
ープンデータ化のノ
ウハウや取組事例を
共有し、またオープ
ンデータ化推進に伴
う各種リスクの軽減
の支援も行う。各機
能は次のとおり。
① 司令塔機能:フ
ォーマットや規約
の提示など、オー
プンデータ化の道
図2 「彩の国データ活用推進機構」の概念図
7
③ イベント機能:アイデアソン、ハッカソン等、
主に次の①〜③の効果が
「負のスパイラル」
(図1)
市民を巻き込んでデータ活用による課題解決や新
の各要素に作用し、データの活用ノウハウ・実績の
しいビジネスを創出する機会を企画・運営する。
蓄積が、参加自治体や企業の拡大を生み、データの
④ サロン機能:様々な主体が集まり交流する「場」
価値増大をもたらす「正のスパイラル」への転換が
の提供を行う。
期待される。
⑤ ビジネス展開:企業間の仲介などのフィービジ
① 「オープンデータ推進部門」及び「データイン
ネスやコンサルティング、会員制度などのビジネ
デックス」による保有データの可視化
ス展開を視野に入れる。
② 主体の壁を超えたネットワークの構築と目的・
課題の共有
3 事業展開
③ データの蓄積・充実による価値増大
上記で機構の基本的機能を説明したが、全ての機
(2)
「彩の国データ活用推進機構」が導く自治体の
能を設立当初から実施するのではなく、成果を上げ
政策形成の未来
ていきながら徐々に事業拡大をするスモール・スタ
プラットフォームを通じて県内自治体の保有デー
ートが現実的と考える。
タが統合・拡張される、企業の保有データとも結び
機構への参加自治体も、
最初から県内 63 自治体の
つくことで、県内のすべての自治体が共通の「デー
参加を求めるものではなく、オープンデータ化のメ
タ群」という“武器”を手にすることができる。さ
リット、機構へ参加することのメリットを成果とと
らに、プラットフォームが住民・NPO のニーズをデ
もに示していき、徐々に参加自治体数を増やしてい
ータ活用に取り込む役割を担うことで、データを媒
くことを目標としている。
介した行政と住民・NPO(さらには企業、大学等)の
フラットな連携・協働が実現する。本提言はこれら
第6章 政策効果と自治体の政策形成の未
来
の変化をもたらし、中長期的には自治体の政策形成
システムを大きく転換させる可能性を秘めている。
(1)
「彩の国データ活用推進機構」の政策効果
図3 実現に向けたロードマップ
8
平成25年度以前の研究報告書
◆平成25年度 政策課題共同研究報告書◆
下記の2つの研究が1冊になっています。
1.観光資源としての農業の可能性
~ 久喜市をフィールドにして~
・久喜市をまるごと「アグリパークシティ」としてブランド化し、農業と観光の基盤強化による地域振興の方法とし
て、「推進体制」「農業と観光を結ぶ制度」「魅力的なイベント」「情報拠点『道の駅』設置」の4項目を政策提言
2.自治体FM戦略
~ 公共施設管理の最適化に向けて ~
・自治体におけるファシリティマネジメント(公共施設の計画的な更新や有効活用、総量の適性化)を実践するため
「組織体制」「FMデータの見える化」「戦略的合意形成」「FMアライアンス」の4項目を政策提言
◆平成24年度 政策課題共同研究報告書◆
下記の2つの研究が1冊になっています。
1.歴史的景観を生かした地域の活性化
~ 粕壁宿を事例として~
・日光道中の宿場町であった粕壁宿の歴史的景観や文化を地域資源と捉え、再生とそれを生かした地域の活性化を検
討し、地域ブランドづくり、住民との協働による魅力発見・発信など幅広い視点からまちづくりの手法について提言
2.自治体IT戦略
~ SNSによる住民サービス向上の可能性 ~
・自治体は事業の効率化を進めながら住民への細やかなサービスを同時に実現するということが求められている。そ
の状況を解決するための、SNSを活用した具体的なアイデアを提言
◆平成23年度 政策課題共同研究報告書◆
下記の2つの研究が1冊になっています。
1.都市部における緑地の保全
・埼玉県における都市部の緑地は減少が顕著であるが、都市部の緑地のうち「平地林」を研究対象とし、減少・劣化
のメカニズムを「経済学的視点」から分析し、そこから浮かび上がる課題の解決策を提言
2.より良い被災者支援のための自治体のあり方
~ 東日本大震災を受けて ~
・東日本大震災を受けて、被災者支援の最前線を担う自治体は今後どうあるべきか。東日本大震災で改めて浮き彫り
となった課題を確認し、震災の教訓を生かす観点からその解決策を提言
◆平成22年度 政策課題共同研究報告書◆
下記の2つの研究が1冊になっています。
1.地域の生活環境問題の解決に向けて
~ ごみ屋敷を通じて考える ~
・県内64市町村を対象にしたアンケート結果を基に、予防・解決・再発防止の3つの視点を踏まえ、法的権限
の付与、行政サービスの充実、地域資源との連携の推進について提言
2.埼玉×観光
~ 地域を豊かにする物語 ~
・埼玉県における観光が「地域を豊にする」ものとなるために、県民の地域に対する知識や愛着度の向上、自治
体間の連携やターゲットを絞った戦略的なPRなどの具体的な手段を提言
平成12~21年度 政策課題共同研究報告書
◆平成21年度 政策課題共同研究報告書◆ 下記の2つの研究が1冊になっています。
1.豊かな地域社会創造のための官民連携
・新しい公共空間の創造に向けた官民での意識の共有、地域活動に参加しやすい体制、活動を継続するための基盤整備について提言
2.広域行政活用のススメ! ~ これからの自治体運営の選択肢 ~
・効果的・効率的な自治体運営の一つとしての「広域行政」活用の有効性、コーディネーターとしての県の役割、広域連合制度のより一層の活用を
提言
◆平成20年度 政策課題共同研究報告書◆ 下記の2つの研究が1冊になっています。
1.見える!見せます!財政状況 ~ 新しい公会計を用いた2つのレポート ~
・新しい公会計制度への移行を契機として、自治体政策への市民の積極的な意思表明・参画を引き出すための財政情報の開示方法を提言
9
2.温暖化対策における自治体の役割 ~ 自然で無理ないエコ社会に向けて ~
・生活の質を落とさず、我慢せずに温暖化対策ができる地域生活の実現のため、ライフスタイル、企業、移動、森林、金融の5分野から提言
◆平成20年度 行政課題研究報告書◆
地域学の可能性
・地域の住民等が主体的に地域を学ぶ地域学を取り上げて、その特徴と効果から、地域の学びを地域づくりにつなげる可能性について探る。
◆平成19年度政策課題共同研究報告書 ※下記の2つの研究が1冊になっています。
1.ワーク・ライフ・バランス推進で活力に満ちた自治体組織へ ~ これからの職員の働き方 ~
・活力ある自治体組織となるためには、「働き方の見直し」が必要であるとし、そのための方策について提言
2.これからの地域公共施設の役割・機能について ~目的別施設解体のススメ あれ?本当に必要な施設ってナニ?~
・地域公共施設のあり方について取り上げた上で、今後の地域公共施設の役割・機能について提言
◆平成19年度行政課題研究報告書
ニュータウンから見る埼玉県の未来
・急激な高齢化等、埼玉県を取り巻く先進事例としてニュータウンを取り上げ、そこでの課題と取り組むべきことを提言
◆平成18年度政策課題共同研究報告書 ※下記の3つの研究が1冊になっています。
1.豊かな人口減少社会に向けて ~ 一人ひとりが社会の担い手として一層活躍することが求められる時代へ ~
・人口減少社会の問題を考察し、新たな地域コミュニティの創造に向けた事業を提言
2.自治体と「企業・大学・NPO」との連携 ~win-winで成功しよう! ~
・多様な連携事例の分析を通じて、今後の連携のあり方を提言
◆平成17年度政策課題共同研究報告書 ※下記の3つの研究が1冊になっています。
1.目標管理による人事評価制度の導入 ~ 自分で考え自分で行動する職員の育成 ~
・具体化・客観化・相対化・簡素化・共有化の5原則を基本とした制度構築を提言
2.災害協定について考える ~ 災害協定から確かな絆へ ~
・地域力を強化し、実効性の高い災害協定構築に向けた7つの政策を提言
3.「自治体」病院経営の健康チェック ~ 病院会計準則導入マニュアル ~
・改正された病院会計準則をつなぐ手法とその効果的な利用方法について提言
◆平成17年度行政課題研究報告書
自治体版 市場化テスト ~ 競争から協奏へ ~
・「市場化テスト」を民との「争い」ではなく、行政・企業・住民の三者が地域の公共を「協同で」再構築すべきと提言
◆平成16年度政策課題共同研究報告書 ※下記の3つの研究が1冊になっています。
1.明日からのNPM ~ 超・行政経営 マネジメントからマインドへ ~
・NPMによる行政改革の成功の7つのカギを提言
2.健全な道路を維持するために ~ 建設から維持管理へ ~
・大量更新時代に備え、道路管理者がこれからとるべき7つの政策を提言
3.指定管理者制度の手引き - なんだね、その「してえかんりしゃ」てぇのは? -
・6種の公の施設への指定管理者制度導入のあり方を提言
◆平成15年度政策課題共同研究報告書
1.財政危機を乗り切る予算編成 ~ 財政危機とは?・予算編成手法・アウトソーシングの活用 ~
・財政危機の中で、より良い予算編成のあり方を研究
~ カラフル世代が創る地域社会 ~
・高齢者の地域社会への参加を促進する方策を提言
3.幼保一元化 ~ 次世代育成はじめの一歩 ~
・幼保一元化を進めるためには、地域と行政が有機的に連携して取り組むことであると提言
4.Let’s 合意 together!! ~ 公共事業における住民合意形成の達人を目指せ! ~
・公共事業における、行政と住民の間で相互理解を図るための住民合意形成のあり方を研究
5.入門!「道州制」 ~ 地方分権後の県・市町村の在り方 ~
・2020年を想定した、全国10ブロックの道州制実施をシミュレーション
2.豊かな高齢社会と地域振興
◆平成14年度政策課題共同研究報告書
1.あなたのまちからはじめよう 自治体雇用政策
・厳しい雇用問題に対して自治体が行うべき政策の数々 ―体制、雇用創出、教育-を提言
~ 行政課題を解決するための政策税務 ~
・自治体が独自課税を実現する手引書を作成
3.行政が変わる!学校が変わる!~ 「総合的な学習の時間」を通じた学校と行政の連携 ~
・地域の人材育成のために、学校と行政の連携のあり方について提言
2.プロジェクトtaX
◆平成13年度政策課題共同研究報告書
1.隠れたコストを明らかに ~ 財政危機時代のコスト分析について ~
・質の高い行政評価のために、正確なコストの把握
2.『お役所』を変えるPFI ~ あなたは民間活力をどう使う? ~
・PFI導入の可能性を見極め、他の民間活力活用の可能性も探る
3.自治体職員のためのNPO読本
・NPO入門のための基礎知識や情報を一冊に
◆平成12年度県・市町村職員共同政策研究報告書
1.自治体におけるCVMの導入について ~ あなたにとって環境の「価値」はいくらですか?
・環境評価、政策評価のツールとして、「環境」を金額で表してみよう。
~ 公共事業の新しい鍵 ~
・自治体のPFI入門編としてご活用ください。
2.あなたのまちにPFIを
10
◎報告書の入手を希望される方へ
◆構成団体が業務で使用される場合(無償)
指定様式にて、メール( [email protected] )又はFAXにてお申し
込みください。
◆上記以外の場合(有償:各500円)
◎購入場所
当広域連合政策研究担当
◎郵送での購入(500円+送料)
払い込み方法は以下のとおりです。詳細については、広域連合ホームページに
てご確認いただくか、広域連合政策研究担当に直接お問い合わせください。
①定額小為替
②納入通知書
③銀行振込
報告書の入手に関する詳細事項や、過去の報告書の概要については、
下記ホームページをご覧ください。
http://www.hitozukuri.or.jp/jinzai/seisaku/80kenkyu/01/top.htm
彩の国さいたま人づくり広域連合
事務局政策管理部政策研究担当
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