PowerPoint プレゼンテーション

電気通信大学地域産業振興講座
高齢者等の生活を豊かにする自立支援型健
康福祉機器・福祉ロボットの開発と普及を促
進させるための調査
平成20年12月18日
関東経済産業局 企画課
1.目的:
少子高齢化を背景に高まる自立支援型健康福祉機器
や福祉ロボットへのニーズ。
こうしたニーズに対し、地域の中小企業が応えていく仕
組みづくりを探り、福祉機器分野への進出の促進を図る。
2.調査の体型
(1)有識者ヒアリング
(2)アンケート(ニーズ調査)
(3)事例ヒアリング:24件
(4)シンポジウム開催
いま、なぜ自立支援型健康福祉機器・福祉ロボットか
広域関東圏での高齢化の加速
【2005年】
人口は5,054万人
高齢者数は945.2万人
高齢化率は18.7%
高齢化率
全国
【2020年】
人口は5,033万人 20万人減
高齢者数は1,406万人 460.5万人増
高齢化率は27.9%
広域
関東圏
東京
神奈川
千葉
埼玉
2005
20.1
18.7
18.3
16.8
17.5
16.4
2010
23.1
21.9
21.1
20.4
21.6
20.7
2015
26.9
25.7
24.2
24.2
26.2
25.5
2020
29.2
27.9
25.5
26.2
28.9
28.3
2025
30.5
29.1
26.3
27.3
30.3
29.7
2030
31.8
30.7
28.0
29.1
31.9
31.3
2035
33.7
33.0
30.7
31.9
34.2
33.8
変わる介護保険制度:予防重視型の社会へ
平成18年
改正
福祉機器等への新たなニーズ
◆さらに、平成23年度末には、介護療養型医療施設が廃止
(といわれている)→「介護難民」の発生
◆そして、社会参加意欲の高いアクティブシニア世代が、高齢
者の仲間入りをしてくる
自立支援型健康福祉機器・福祉ロボットに対する新たな
ニーズが出てくる。
介護のための機器より、生活の質を向上させ、外出や社会参
加を支援するための機器のニーズが伸びていく
運動機能の向上
動作を高める
就労支援 など
日常生活
うつ予防
自立支援型健康福祉機器へのニーズは?
~介護、介護予防の現場へアンケート調査~
①要介護者等が「自分でやりたい」と思っている行為は何か?
②介護をする人にとって、負担の大きい行為は何か?
③機器等で自立をサポートできる可能性、負担を軽減できる可
能性はあるか?
④現在、利用している福祉機器等への不満や改善要望は?
⑤「自立支援=介護予防」の観点から、介護予防で重要なこと
は?
<アンケートの配布先・回収率>
地域包括支援センター:発送1,373、回収517、回収率37.7%
老人保健施設
:発送1,083、回収277、回収率25.6%
計
発送2,456、回収794、回収率32.3%
アンケート結果(自由回答より主な意見)
使用頻度が高いのに多くの不満をもっている
車椅子
○長時間座っても疲れないもの
○座位保持のパーツが不十分
○止まるとブレーキの掛かるものを
○高さ調整のできるものを
○ブレーキハンドルが小さい
○もっと軽く など
補聴器
○価格が高い
○スイッチが小さくて操作しずらい
○機械音が響く
○雑音が入らないものを
○なくしやすい
○壊れやすい
では、どのように自立支援型健康福祉機器、福祉ロボットを開発するか
身近なキッカケから開発し、マスコミや口コミで広がった
事例
(株)伊吹電子(川崎市) 資本金1千万 従業員22名
ケータイ感覚の音声拡聴器「クリアーボイス」
・社長:母に補聴器を送ったものの、使わなくなってしまったのを見て・・
・平成11年発売開始 9,800円(販売累計10万台)
・「川崎ものづくりブランド」認定品、「かわさき起業家大賞」、「ビジネスアイ
デアシーズ賞」
・本業は電子部品製造業
地域のユーザ団体の協力を得て、既存製品の使い勝手
を改善した事例
(株)アイ電子工業(大田原市) 資本金1億 従業員182名
立つことの夢を実現、感動をふたたび
「立位電動車椅子」
・大田原市にある国際医療福祉大学・田中教授と連携
・全国脊髄損傷者連合会栃木県支部にも試乗モニターの協力
・障害者の自立支援から就労支援へ
・本業は電気通信機器製造業
県の工業技術センターと連携した科学的根拠が評価
され、通販でヒットした事例
起立木工(株)(静岡市) 資本金5千万 従業員130名
起立木工のユニバーサルデザイン:起立楽々倶楽部
・静岡県工業技術研究所の「UDプロジェクト」 利益確保と継続性を前提に支援
・(年間売上)平成14年度:9800万 →平成18年度:4億6千万
・「グッドデザインしずおかユニバーサルデザイン賞」
・本業はオランダ家具の輸入販売業
福祉ロボット、新サービス
サイバーダイン(株)(つくば市)
ロボットスーツ『HAL』
(株)愛和(葛飾区)
「アクティビティ」という新たな介護
予防
セコム(株)(渋谷区)
「マイスプーン」
◆ロボット分野でも管内の中小企業が連携・協力している
◆今後は、ものづくりとサービスの連携による介護予防プログラムの期待が高まる。
ロボットセラピーによる、自閉症、認知症、うつの予防
産業技術総合研究所(つくば市)
メンタルコミットロボット「PARO」
◆もっともセラピー効果のあるロボットとしてギネス世界記録認定。
◆学習機能により、新しい名前を学習したり、飼い主の好みに応じた行動を学習。
取り組み事例の共通点
◆身近なキッカケ・・・親族や困った様子、近隣の住民からの相談
◆本業で培った技術を活かす・・・本業で蓄積されたものづくりの技術力等
◆地域の研究機関との連携・・・公設試験所、リハビリテーションセンター等
◆地域の大学との連携・・・運動効果等の科学的検証
◆地域の企業との連携 コア企業を中心とした企業ネットワーク
◆地域のプロジェクト等との連携・・・北区・板橋区KICCプロジェクトなど自
治体の取り組みが活発化
地域の産学官連携による効果
●科学的根拠の取得:効果を科学的に検証し、信頼性を得る
●ユーザビリティ評価:使い勝手などの評価から改善、品質向上へ
●販路開拓支援:地域プロジェクトとしての支援等
福祉機器の開発と普及を促進するために
(1)ユーザ・サイドとの交流を促す
・ユーザーサイドは機器に対するニーズを持っており、共同開発の意向もある
・ユーザーサイドとの交流は販路開拓にも有効
施策の方向性・・・開発ニーズをテーマとした福祉クラスターの設置等
(2)地域の研究機関、大学、企業との連携を促す
・科学的根拠・データの取得が促進され、ブランド化につながる
・異業種の企業との連携で開発や普及が促進される
施策の方向性・・・地域の大学・公設研究機関とのネットワーク形成等
(3)福祉機器の開発を支援する施策の充実
・地域中小企業の健康福祉分野に対する資金支援の充実 等
施策の方向性・・・福祉ファンド、地域金融機関とのネットワーク形成等
(4)健康福祉に係るプラットフォームの設置
・ワンストップサービスによる取り組み支援
・産業振興、就労 、福祉などを関係機関を横断した支援ネットワーク設置
施策の方向性・・・健康福祉プラットフォームの創設 等
施策の方向性
<健康福祉ネットワーク>
広域関東圏健康福祉プラットフォーム
ユーザ・サイド
(自治体・支援機関・関東経済産業局)
(高齢者・障害者・アクティブシニア、施設等)
情報交換
・交流
マッチ
ング
ユーザビリ
ティ評価
研究開発
商品化
展示会、
見本市
生産
推奨品
指定
「健康福祉ファンド」
販売
普及
新連携(特別枠)等の助成
販路開拓、経営管理等
の支援
コーディネーター
派遣
事業化・市場化
学生インターンシップ
プランニング
コンテスト
科学的根拠 安全性等 生産性
・DB化
評価
向上
開発サイド(企業、大学・公設試等)
PR
拡充
特許料減免・
知財支援
産業クラスターと
の連携
既存助成制度
の拡充
健康福祉機器の開発・普及支援
参画・支援
サービス事業者
地域金融機関
UD・
人材支援
NPOなど地域の取り組み
地域の取り組み
◆東京都板橋・北区 「KICC-地域資源活用型産業活性化-プロジェクト」
◆東京都荒川区「健康・福祉関連製品開発プロジェクト」
◆青梅商工会議所 「ものづくり&福祉交流会 in 青梅」
◆東京都立産業技術センター「医療福祉技術、デザインの研究開発支援」
◆東京都老人総合研究所「高齢者の自立支援、介護予防の科学データ検証」
◆国立身体障害者リハビリテーションセンター「福祉機器の開発と評価」
◆川崎市産業振興財団 「健康・福祉産業創出プロジェクト」
◆神奈川中小企業センター「福祉機器評価・モニターシステム」
◆神奈川県総合リハビリテーションセンター「リハビリテーション工学技術の実用化」
◆横浜市総合リハビリテーションセンター「福祉機器、リハビリテーション機器の共同開発」
◆埼玉県産業技術総合センター「医療福祉技術、デザインの研究開発支援」
◆新潟県「健康ビジネス連峰構想」
◆千葉県「ふれあい福祉・健康機器展」
◆静岡県静岡工業技術研究所「ユニバーサルデザインのモノづくり支援」
◆つくば市「アザラシ型ペットロボット「パロ」購入費の半額補助(平成19年度)」
※地域間の交流も始まりつつある。