季刊 イ ズ ミ ヤ 総 研 Vol .102 (2015年 4月) 伊藤園グループは、 「お客様第一主義」を経 営理念とし、「お客様を第一とし 誠実を売り 経営時談 「世界のティーカンパニー」の 努力を怠らず信頼を得るを旨とする」を社是 に掲げています。創業以来、皆様からの信頼 を得るため、「環境にやさしい」「人にやさし 達成に向けて い」 「社会にやさしい」会社であることを根本 に、皆様に商品とサービスを提供して参りま した。 緑茶飲料発売 30 年 今や日本のみならず世界で親しまれている 緑茶飲料ですが、当社が「お~いお茶」の前 身である「缶入り煎茶」を発売したのが 1985 年。今年はちょうど 30 周年にあたります。 この 30 年間、香料を使わず、自然抽出を 貫きながら、いくつもの「世界初」「業界初」 の技術革新を積み重ね、常に最高のものを皆 様にお届けしてきました。 緑茶本来の味と香りへのこだわり、そして お飲みいただくすべての皆様に安らぎと笑顔 をお届けしたいという想いがその源です。 株式会社伊藤園 代表取締役社長 本庄 大介 さらなる需要の創造 急須のお茶から、缶・ペットボトルのお茶 へ。そして、現在、需要は新しい方向へと向 かっています。生活スタイルの変化、単身・ 少人数世帯の増加、そこに加えて近年の「マ イボトル」の流行という追い風を受けて、イ ンスタント商品の需要が高まっています。当 社の調べでは 2014 年のマイボトルの保有率 (64.9%)が、初めて急須の保有率(64.4%) を上回りました。市場規模を見ますと、イン スタント茶は 50 億円程度しかなく、インス タントコーヒーの 40 分の 1 にしかなりませ ん。まだまだ市場は大きくなると考えており 2 季刊 イ ズ ミ ヤ 総 研 Vol .102 (2015年 4月) ます。 が「今でもなお、お客様は何を不満に思って いらっしゃるか」という問題意識を常に持っ ただ、インスタントのお茶はおいしくない というイメージをお持ちではないでしょうか。 そのイメージを払拭するために、インスタン て「お客様第一主義」を実践しております。 全国各地の社員が地域密着型のルートセー ルスを地道に行い、地域の皆様とのコミュニ ト加工をしても香りや色が損なわれにくい専 用の茶葉の開発を進めるとともに、製造過程 も見直し、これまでにないインスタント茶を ケーションに努めることで「環境にやさしい」 「人にやさしい」「社会にやさしい」企業を目 指す取り組みを実践しております。これから も、社員一人ひとりが、事業を通じた CSR 活動を推進して社会・環境の持続可能性に貢 献していきたいと考えております。 さらには、原料調達、製造、販売、消費と いったすべてのプロセスにおいて「共有価値 の創造(CSV)」も強化しております。「茶畑 から茶殻まで」のバリューチェーンで、食料 自給率向上、健康、食の安全、環境など、社 会的課題にどう貢献できるかを的確に認識し た上で、CSR の推進と合わせ「経営と CSR/ CSV の統合」を目指して参ります。 開発することができました。そして、昨年 9 月に「お~いお茶 さらさら抹茶入り緑茶」 をリニューアルした結果、前年比 3 割増とい うペースで売上を伸ばしております。 世界への挑戦 ペットボトルの「お~いお茶」をシリコン バレーのIT企業が、福利厚生の一環として 社内カフェテリアで社員に無料で提供してい ることは、日本のマスコミでも取り上げられ 話題となりました。心身ともに健康を重視し、 クリエイティブな発想を持ち続けることが重 要なIT企業。栄養ドリンクを飲んでがんば るスタイルが一般的だったシリコンバレーの 戦士たちが、お茶の機能・効能に気付き、自 ら手に取るようになった事実は、非常に感慨 深いものがあります。現在は、アメリカ、カ ナダ、シンガポール、タイ、中国、台湾等の ※ CSR: Corporate Social Responsibility「企業の社会的 責任」 ※ CSV: Creating Shared Value「共有価値の創造」 皆様と幸せになるために 当社のロゴマーク「四つ葉のクローバー」 様々な国で「お~いお茶」を販売しておりま す。2013 年、和食がユネスコ無形文化遺産 に登録されました。世界中でますます注目を 集めている和食ですが、私たちも、あらため には、伊藤園とご縁のあるすべての人々の幸 せを願う「想い」が込められています。現在 の私たちがあるのは、数多くの関係者の皆様 に支えられてきたからに他なりません。皆様 て和食や日本文化の素晴らしさを学び、胸を 張って世界に挑戦していきたいと考えており ます。 の期待に応え、ともに社会・環境の持続可能 性を目指しつつ、関係する皆様、社会、環境、 伊藤園、それぞれに有用な価値を生み出し続 けて参ります。 持続的成長を経営の根本に 創業以来掲げている社是を基本に、全社員 3
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