ハイブリット社債という名の株式

ハイブリット社債という名の株式
(三菱商事が平成27年6月12日発行)
三菱商事が発行した
期限60年のハイブリット社債
(劣後特約付き)
※発行時格付けは、R&IでA格
(企業格付けは、同AA-格なので、普
通社債より2ノッチ下)
劣後特約(利息の支払い、残余財産など)
利
率
繰
上
償
還
第1回債(発行総額680億円)
第2回債(発行総額920億円)
第3回債(発行総額400億円)
当初10年間の金利は、3ヵ月円
Libor+1.00%
当初10年間の金利は、1.68%
11年後~25年後の金利は、3ヵ
月円Libor+1.25%
26年後~60年後の金利は、3ヵ
月円Libor+2.0%
当初5年間の金利は、1.31%
6年後~10年後の金利は、3ヵ月
円Libor+1.00%
11年後~25年後の金利は、3ヵ
月円Libor+1.25%
26年後~60年後の金利は、3ヵ
月円Libor+2.0%
・5年後から発行会社による繰
上償還可能
・税制事由、資本性変更事由の
発生による繰上償還
・5年後から発行会社による繰
上償還可能
・税制事由、資本性変更事由の
発生による繰上償還
・10年後から発行会社による繰
上償還可能
・税制事由、資本性変更事由の
発生による繰上償還
11年後~25年後の金利は、3ヵ
月円Libor+1.25%
26年後~60年後の金利は、3ヵ
月円Libor+2.0%
発行額の50%を普通株式と同様の資本と見做す【格付機関】
※税制事由とは、法令変更等で利息が損金に算入されなくなる等、税務上著し事由の発生
※資本性変更事由とは、格付機関が本社債の発行時の資本性より低くなることを決定した場合
60
年
と
い
う
超
長
期
何故株式と見做すのか?
(格付投資情報センター「ハイブリット証券の資本性の評価と格付の視点」より)
定義
期限・返済の義務
がない
配当の支払い義務
がない
破綻時における請
求権が最劣後
普
通
株
式
強
制
転
換
権
付
優
先
株
優
先
株
超
長
期
・
永
久
劣
後
債
長
期
劣
後
債
普
通
社
債
・償還までの期間
・利息や配当の支払いの繰り延べ
・破綻時における請求権の順位
以上を総合的に判断して、資本性を10%
から90%まで5段階に分類
※三菱商事のハイブリット債は、資本性50%
(三段階目)と判断
発行の目的とその期待される効果は
(平成27年6月時点)
社債なのでB/S上は負債
投資家の視点
ハイブリット社債発行の目的
ROEを低下させない資金調達手
段として活用を進める
(2015年5月8日記者発表文)
しかし、格付上は50%が資
本に見做されるため、資金
調達全般のコストを下げる
また、ROEの分母を増やさ
ず投資できるので、ROE向
上には役立つ
調達した資本性
資金が何に使わ
れるか?
• 事業資金
• 借入金返済
• 自社株買い
普通株式への
影響は?
ハイブリット社債
(第1回債)
普通社債
(6/16気配値)
普通株式
当初10年間は、短
期変動金利+1%
80回債(2028年9月
8日償還)利回り
0.99%
予想配当利回り
2.3%
議決権なし
--------
議決権あり
• ROE向上
• 普通株式の
代替調達
• 財務上の効
果は?
• 政策保有へ
の影響は?