高知大学医学部における人を対象とする 医学系研究に係る標準業務手順書

高知大学医学部における人を対象とする
医学系研究に係る標準業務手順書
制定日:平成 26年 11月 1日
改訂日:平成 27年
1
4月 1日
目 次
Ⅰ
目的と適用範囲
・・・3
Ⅱ
研究者等の責務
・・・3
Ⅲ
研究責任者の責務
・・・5
Ⅳ
医学部長の責務
・・・8
Ⅴ
インフォームド・コンセント(IC)
・・・12
Ⅵ.
試料等の保存及び管理、他の機関等の試料等の利用
・・・19
2
Ⅰ 目的と適用範囲
1. 人を対象とする医学系研究の適正な実施の確保
本手順書は、高知大学医学部における人を対象とする医学系研究が、ヘルシンキ宣言の
倫理的原則に則り、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」及びそれらに関連
する法令、指針等(以下、「倫理指針等」という。)を遵守し、適正かつ円滑に行われ
るよう、研究に係る業務に対して研究責任者、その他の研究の実施(試料・情報の収
集・分譲を行う機関における収集・分譲の実施を含む。)に携わる関係者(以下、
「研究者等」という。)が実施すべき手続と運営に関する手順を定めるものである。 な
お、研究を実施する上で本手順書に加えて、「人を対象とする医学系研究に関する倫理
指針ガイダンス」を確認するものとする。
Ⅱ 研究者等の責務
1. 被験者の生命、健康及び人権の保護
研究者等は被験者の生命、健康、人権を尊重して、研究を実施する。
2. インフォームド・コンセントの取得
研究者等は、研究を実施するに当たっては、原則としてあらかじめ被験者等のインフォ
ームド・コンセント(以下、「IC」)を受ける。 なお、具体的な手順については、
本手順Ⅴ.インフォームド・コンセントを参照して、実施する。
3.機密情報の保持
研究者等は、業務上知り得た情報を正当な理由なく第三者に漏らしてはならない。当該
業務に従事しなくなった後も、同様とする。
4. 研究の倫理的妥当性及び科学的合理性の確保
(1)研究者等は、倫理指針等を遵守し、倫理委員会の審査及び医学部長の許可を受け
た研究計画に従って、適正に研究を実施する。
(2)研究者等は、研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは情
報又は損なうおそれのある情報を得た場合((3)に該当する場合を除く。)には、速
やかに研究責任者に報告する。
(3)研究者等は、研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しくは
情 報又は損なうおそれのある情報を得た場合には、速やかに研究責任者又は医学部長
に報告する。
5. 研究に関する教育の受講
研究者等は、研究の申請・実施に先立ち、研究に関する倫理、研究の実施に必要な知識
3
についての講習及びその他必要な教育として、高知大学医学部 臨床研究講習登録制度
の基準を満たす講習を受講する。また、研究期間中も年1回は受講するものとする。
6. 個人情報の保護
(1)研究者等は、倫理指針等の規定のほか、個人情報の保護に関する法律及び関連す
る法律等(以下「個人情報保護法等」という。)に従って、個人情報の保護に係る責務
を適正に果たす。
(2)研究者等は、研究の実施に当たって、偽りその他不正の手段により個人情報等を
取得してはならない。
(3)研究者等は、原則としてあらかじめ研究対象者等から同意を受けている範囲を超
えて、研究の実施に伴って取得された個人情報等を取り扱ってはならない。
(4)研究者等長は、死者の尊厳及び遺族等の感情に鑑み、死者について特定の個人を
識別することができる情報に関しても、生存する個人に関するものと同様に、本手順書
中に定めるとおりに適切に取り扱い、必要かつ適切な措置を講じる。
7.情報の漏えい等へ対応
研究者等は、研究に関連する情報の漏えい等、研究対象者等の人権を尊重する観点 又
は研究の実施上の観点から重大な懸念が生じた場合には、速やかに医学部長及び研究責
任者に報告しなければならない。
8. 重篤な有害事象及び不具合等への対応
研究者等は、侵襲を伴う研究の実施に伴って重篤な有害事象及び不具合等(以下、「重
篤な有害事象等」という。)が発生した場合には、必要な措置を講じるとともに、重篤
な有害事象等に関する報告書(参考様式第11-1・2、もしくは任意の様式)を作成し、
速やかに研究責任者に報告する。
9.利益相反の管理
研究者等は、研究を実施するときは、当該研究に係る自らの利益相反に関する状況につ
いて、透明性を確保するよう適切に対応し、高知大学医学部臨床研究等利益相反マネー
ジメント委員会規則に従い、臨床研究等における利益相反自己申告書(参考様式第1)
を医学部臨床研究等利益相反マネージメント委員会に提出する。
10.研究に係る情報等の作成及び修正
研究者等は、研究に用いられる情報及び当該情報に係る資料(以下「情報等」とい
う。)を正確に作成する。情報等の修正を行う際には、修正履歴及びその理由を記
録に残す。
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Ⅲ 研究責任者の責務
1. 研究計画書
(1) 研究責任者は、研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が確保されるよう倫理指針
等に従って、研究計画を研究計画書(参考様式第2、必要時には所定の様式も追加)に
より作成し、研究の実施計画、作業内容、役割、責任を明示する。
(2) 研究責任者は、当該研究責任者の所属する研究機関における研究の一部業務につ
いて他に委託をしようとする場合には、当該委託業務の内容を定めた上で研究計画書を
作成する。
(3) 研究責任者は、被験者に対する説明の内容、同意の確認方法、その他のICの手続
に必要な事項を研究計画書に記載する。
2. 安全性の確保
研究責任者は、被験者への負担並びに予測されるリスク及び利益を総合的に評価すると
共に、負担及びリスクを最小化する対策を講じる。
3. 健康被害の補償
研究者等は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって、通常の診療を超える医
療行為を伴うものを実施しようとする場合には、当該研究に関連して被験者に生じた健
康被害に対する補償を行うために、あらかじめ、保険への加入その他の必要な措置を適
切に講じ、倫理委員会での審査を受けた上で、研究対象者に対しあらかじめ文書により
具体的に説明するとともに文書による同意を得ておく。
4. 科学性レビュー、規制専門監による確認
研究責任者は、研究計画書について、倫理委員会の審査までに、科学性レビュー及び規
制専門監による確認を受けるものとする。
5. 研究実施及び継続と倫理委員会の審査及び医学部長の許可
研究責任者は、研究を実施するに当たっては、倫理審査申請書(様式第1-1)により申
請し、また、研究計画書を変更するにあたっては、倫理審査変更書(様式第1-2)によ
り申請し、いずれも倫理委員会の審査及び医学部長の許可を受ける。
6. 研究登録及び公表
(1) 研究責任者は、介入を伴う研究について、当該研究の実施に先立って厚生労働大
臣及び文部科学大臣(以下、「大臣」という。)の指定する公開データベースに当該研
究の概要を登録し、研究計画の変更及び研究の進捗に応じて適宜更新するとともに、研
究終了後にはその結果を登録する。
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(2) 前項について、被験者及びその他関係者の人権、知的財産等の保護のため、非公
開とすることが必要な事項、個人情報等の保護の問題により研究の実施に著しく支障が
生じるものとして、倫理委員会の意見を受けて、医学部長が許可した内容については、
当該研究に係る研究計画の一部あるいは全部を登録しないことができる。
(3) 研究責任者は、研究が終了したときは、遅滞なく、被験者及びその他関係者の人
権、知的財産等の保護のために必要な措置を講じた上で、当該研究の結果を公表する。
(4) 研究責任者は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を伴うもの
について、結果の最終の公表を行ったときは、遅滞なく医学部長へ報告する。
7. 研究の適正な実施及び研究結果の信頼性の確保
(1) 研究責任者は、研究の適正な実施及び研究結果の信頼性を確保するために、研究
者を指導・管理し、また、必要な情報を収集し、検討するとともに、医学部長に対して
これを報告する。
(2) 前項の実行に伴い、研究責任者は必要に応じて、研究を中止し、または研究計画
書を変更する。
8. 研究中の継続判断
(1)研究責任者は、研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは
情報又は損なうおそれのある情報であって研究の継続に影響を与えると考えられるも
のを得た場合(2)に該当する場合を除く。)には、遅滞なく、医学部長に対して報告
し、必要に応じて、研究を停止し、若しくは中止し、又は研究計画書を変更する。
(2)研究責任者は、研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しく
は 情報又は損なうおそれのある情報を得た場合には、速やかに医学部長に報告し、 必
要に応じて、研究を停止し、若しくは中止し、又は研究計画書を変更する。
(3)研究責任者は、当該研究により期待される利益よりも予測されるリスクが高いと
判断される場合、もしくは当該研究により十分な成果が得られた又は十分な成果が得ら
れないと判断される場合には、当該研究を中止する。
9. 重篤な有害事象及び不具合等への対応
研究責任者は、侵襲を伴う研究において、研究に関連する重篤な有害事象等の発生を知
6
ったときは、以降の対応手順で、速やかに必要な措置を講ずるとともに、研究計画書に
定めるところにより重篤な有害事象等に関する報告書(参考様式第11-1,2、もしくは任
意の様式)を作成し、その旨を医学部長に報告する。
10.他の研究機関との情報共有
研究責任者は、他の研究機関と共同で研究を実施する場合には、他の研究機関に対し、
当該研究に関連する必要な情報を報告し、情報を共有する。
11. 研究実施状況等の報告
(1) 研究責任者は、年に少なくとも1回、中間報告書(様式第3-1)により、研究の
進捗状況並びに研究の実施に伴う有害事象及び不具合等の発生状況を医学部長に報告
する。
(2) 研究責任者は、研究を中止もしくは終了したときは、医学部長にその旨及び結果
の概要を終了・中止・中断報告書(様式第3-2)により報告する。
12. 研究終了後の最善の医療の提供
研究責任者は、研究終了後においても、被験者が当該研究の結果得られた知見に基づき、
最善の予防、診断及び治療を受けることができるよう努める。
13. 個人情報の管理
研究責任者は研究の実施に際して、研究の実施に伴って取得された個人情報等であ
って高知大学医学部が保有するもの(他に委託して保管する場合を含む。以下「保
有する個人情報等」という。)が適切に取り扱われるよう、医学部長と協力しつつ、
当該情報を取り扱う他の研究者等に対して、必要な指導及び管理を行う。
14.利益相反の管理
研究責任者は、医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究等、商業活動
に関連し得る研究を実施する場合には、当該研究に係る利益相反に関する状況を把
握し、研究計画書に記載する。
15.研究に係る試料及び情報等の保管
(1)研究責任者は、人体から取得された試料及び情報等を保管する場合には、Ⅵ. 試
料等の保存及び管理、他の機関等の試料等の利用に定める手順に従い、管理する。
(2)研究責任者は、人体から取得された試料及び情報等の管理の状況について医
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学部長へ報告しなければならない。なお、管理の状況を報告する際には、報告内容
に情報等の名称、保管場所、被験者等から得た同意の内容等を含むものとする。
16.モニタリング及び監査
(1)研究責任者は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を伴うもの
を実施する場合には、許可を受けた研究計画書またはモニタリングに関する手順書に定
めるところにより、モニタリング及び必要に応じて監査を実施する。
(2)研究責任者は、モニタリングに従事する者及び監査に従事する者に対して必要な
指導・管理を行う。
(3)研究責任者は、監査の対象となる研究の実施に携る者及びそのモニタリングに従
事する者に、監査を行わせない。
Ⅳ. 医学部長の責務
1. 研究に対する総括的な監督
(1) 医学部長は、実施を許可した研究について、適正に実施されるよう必要な監督を
行うとともに、最終的な責任を負う。
(2) 医学部長は、研究者等が適正に研究を実施するための指導・監督業務の一部を医
学部附属病院 次世代医療創造センター(以下、「次世代医療創造センター」という。)
に行わせる。
2. 倫理的配慮の周知徹底
医学部長は、研究者等に対し、研究を実施するに当たり、被験者の生命・健康及び人間
の尊厳及び人権を尊重し、個人情報保護法等に従って、個人情報を保護しなければなら
ないことを周知徹底する。
3. 被験者の健康被害等に対する補償等の確保
医学部長は、いかなる研究も自らの責任の下で計画され実施されること、及び研究に起
因する被験者の健康被害等に対する補償その他の必要な措置が適切に講じられること
を確保する。
4. 研究結果の公表
医学部長は、研究結果等、研究に関する情報が適切に公表されることを確保する。
8
5. 研究者等の教育
医学部長は、研究の実施に先立ち、研究者等が研究の倫理に関する講習その他必要な教
育を受けることを確保するための措置として、高知大学医学部 臨床研究講習登録制度
の基準を満たす講習を次世代医療創造センターに実施させ、少なくとも年に一回研究者
等に受講させる。また、自らも当該講習を受講する。
6. 倫理委員会
(1) 医学部長は、研究の実施又は継続の適否その他研究に関し必要な事項について、
被験者の人間の尊厳、人権の尊重その他の倫理的観点及び科学的観点から調査審議する
ために、倫理委員会を設置する。
(2) 医学部長は、倫理委員会の手順書、委員名簿並びに会議の記録を作成し、当該手
順書に従って倫理審査の業務を行わせる。
(3) 医学部長は、倫理委員会が審査を行った研究について、当該研究の実施の適正性
及び研究結果の信頼性を確保するために必要な調査を行う際には、その調査に協力する。
(4) 医学部長は、倫理委員会の組織及び運営が倫理指針等に適合しているか否かにつ
いて、大臣又はその委託を受けた者(以下「大臣等」という。)が実施する調査に協
力する。
(5) 医学部長は、倫理委員会委員及びその事務に従事する者が審査及び関連する業務
に関する教育及び研修を受けるための必要な措置を講ずる。
7. 倫理委員会への付議
(1) 医学部長は、研究責任者から、倫理審査申請書(様式第1)により、医学部及び
関連する医療機関(以下、「医学部等」という。)における研究の実施の許可を求めら
れた場合には、当該研究の実施の適否について、倫理委員会の意見を聴く。 ただし、
公衆衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため緊急に研究を実施する必要があると
判断する場合には、倫理委員会の意見を聴く前に許可を決定することができる。
(2) 医学部長は、他の研究機関と共同して実施する研究について倫理委員会の意見を
聴く場合には、他の共同研究機関における研究の実施の許可等についてもあらかじめ研
究責任者から情報を入手した上で、倫理委員会へ提供する。
(3) 医学部長は、研究責任者から研究の適正性及び信頼性を確保するために必要な情
9
報等が報告された場合には、倫理委員会に報告する。
(4) 医学部長は、研究責任者から倫理審査変更申請書(様式第1-2)により、研究の
変更について許可を求められた場合には、その適否および必要な措置について、速やか
に倫理委員会に意見を求める。
(5) 医学部長は、研究責任者から終了・中止・中断報告書(様式第3-2)により、研
究が中止もしくは終了した報告を受けた場合には、倫理委員会に研究中止もしくは終了
の旨およびその結果概要を報告する。
8. 他の倫理委員会への審査依頼
(1) 医学部長は、自らが設置した倫理委員会以外の倫理委員会に審査を依頼すること
ができる。
(2) (1)の場合、医学部長はあらかじめ文書により、審査を依頼する倫理委員会の設
置者に当該審査を依頼する。
9. 医学部長による許可等
(1) 医学部長は、倫理委員会の意見を尊重し、研究の実施又は研究計画の変更の可否、
その他の研究に関し必要な措置を決定する。
(2) 医学部長は、倫理委員会が実施又は継続が不適当である旨の意見を述べたときに
は、その実施又は継続を許可しない。
(3) 医学部長は、研究の実施の適正性又は研究結果の信頼を損なう事実や情報、又は
これらを損なう恐れのある情報を知った場合には、速やかに必要な措置を講じる。
10. 重篤な有害事象等への対応
(1) 医学部長は、本手順書で定めた重篤な有害事象発生時の対応に基づき、研究責任
者から重篤な有害事象等に関する報告書(参考様式第11-1・2、もしくは任意の様式)
により、研究に関連する重篤な有害事象等の発生について報告がなされた場合には、速
やかに必要な対応を行うとともに、当該有害事象等について倫理委員会等に報告し、そ
の意見を聴き、必要な措置を講じる。
(2)医学部長は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を伴うものに
おいて予測できない重篤な有害事象等が発生した場合であって当該研究との直接の因
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果関係が否定できないときには、速やかに、厚生労働大臣に報告するとともに、前項の
規定による対応の状況及び結果を公表する。
11. 大臣への報告
医学部長は、医学部等において実施している又は過去に実施された研究について、倫理
指針等に適合していないことを知った場合には、速やかに倫理委員会の意見を聴き、必
要な対応を行うとともに、不適合の程度が重大であるときには、その対応の状況・結果
を大臣に報告し、公表する。 ただし、他の研究機関と共同して実施する研究の場合で
あって、当該研究に参加する各共同研究機関を統括する研究代表者を選任しているとき
は、当該研究代表者が所属する研究機関の長が、各共同研究機関の報告内容を取りまと
めて、報告しても良い。
12. 自己点検
医学部長は、必要に応じ、医学部等における研究が指針に適合しているか否かについて、
自ら点検及び評価を行い、その結果に基づき適切な対応をとる。
13. 大臣等の調査への協力
医学部長は、医学部等における研究が倫理指針等に適合していることについて、大臣等
が実施する調査に協力する。
14.個人情報等の保護
医学部長は、倫理指針等の規定のほか、個人情報保護法等に従って、個人情報の保護に
係る責務を適正に果たす。
15.個人情報等の管理体制
(1) 医学部長は、保有する個人情報等の漏洩、滅失又はき損の防止その他保有する個
人情報等の安全管理のため、必要かつ適切な措置を講じる。
(2) 医学部長は、医学部等において研究の実施に携る研究者等に保有する個人情報等
を取り扱わせようとする場合には、研究者等に対して個人情報等の安全管理の実施を確
保するため必要かつ適切な監督を行う。
16.個人情報等の開示等
医学部長は、研究対象者等に係る個人情報に関し、倫理指針等に定める規定に従い、当
該個人情報によって識別される特定の個人又はその代理人から、その利用目的の通知、
開示を求められた場合は、遅滞なく、高知大学の保有する個人情報等の開示等に関する
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規則に従い、必要な対応を行う。
17.研究に係る試料及び情報等の保管
(1)医学部長は、人体から取得された試料及び情報等の保存及び管理に関する手順を
定め、当該手順に従い、医学部等が実施する研究に係る試料及び情報等が適切に保管及
び管理されるような必要な監督を行う。
(2)医学部長は、研究責任者から資料及び情報等の管理状況について報告を受け、必
要時には適切な管理がなされるように指導する。
(3) 医学部長は、医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究を実施する場
合には、当該研究に係る情報等について、少なくとも当該研究の終了後5年を経過した
日又は当該研究の結果の公表後3年を経過した日のいずれか遅い日まで、適切に保管さ
れるよう必要な監督を行う。また、連結可能匿名化された情報について、医学部等が対
応表を保有する場合には、対応表の保存においても同様とする。
18.モニタリング及び監査
医学部長は、研究責任者が実施するモニタリング及び監査の実施に協力するとともに、
当該実施に必要な措置を講じる。
Ⅴ. インフォームド・コンセント(IC)
1. 必要事項の説明
研究者等は、研究を実施する場合には、倫理指針等に従い、被験者に対し、当該研究の
目的、方法及び資金源、起こりうる利害の衝突、研究者等の関連組織との関わり、当該
研究に参加することにより期待される利益及び起こりうる危険、当該研究終了後の対応、
研究に伴う補償の有無その他必要な事項等について十分な説明を行う。
2. 研究の形態によるIC の手続方法の規定 (別添図1参照)
研究者等がICを受ける手続については、研究の多様な形態に配慮し、以下の方法による
ものとする。
(1)新たに試料、情報を取得して研究を実施しようとする場合のインフォームド・コ
ンセント
ア 侵襲を伴う研究
研究者等は、倫理指針等に規定された事項を記載した文書により説明し、文書によりイ
ンフォームド・コンセントを受ける。
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イ 侵襲を伴わない研究
(ア)介入を伴う研究
研究者等は、必ずしも文書により説明し、文書によりインフォームド・コンセントを受
けることを要さないが、倫理指針等に掲げる事項に基づいて口頭でインフォームド・コ
ンセントを受け、説明の方法及び内容並びに受けた同意の内容に関する記録を作成する。
(イ)介入を伴わない研究
①人体から取得された試料を用いる研究
研究者等は、必ずしも文書により説明し、文書により同意を受けることを要さないが、
倫理指針等に基づいて口頭でインフォームド・コンセントを受け、説明の方法及び内容
並びに受けた同意の内容に関する記録を作成する。
②人体から採取取得された試料を用いない研究
研究者等は、必ずしもインフォームド・コンセントを受けることを要さないが、研究に
用いられる情報の取扱い利用目的を含む当該研究についての情報を公開し、被験者が研
究を実施されることを拒否できる機会を保障する。
(2)自らの研究機関において保有している既存試料・情報を用いて研究を実施しよう
とする場合のインフォームド・コンセント
ア 人体から取得された試料を用いる研究
研究者等は、必ずしも文書によりインフォームド・コンセントを受けることを要さない
が、倫理指針等に掲げる事項に基づいて口頭でインフォームド・コンセントを受け、説
明の方法及び内容並びに同意の内容に関する記録を作成する。ただし、当該同意を受け
る手続が困難であって、以下の(ア)から(ウ)のいずれかに該当する場合は、当該既存
試料・情報を利用することができる。
(ア)人体から取得された試料が匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であっ
て対応表を保有しない場合をいう。)されていること。
(イ)人体から取得された試料が(ア)に該当しない場合であって、人体から取得された
試料の提供時に当該研究における利用が明示されていない研究についての同意のみが
与えられているときには、以下の①及び②の要件を満たしていること。
①当該研究の実施について人体から取得された試料の利用目的を含む情報を公開して
いること
②その同意が当該研究の目的と相当の関連性があると合理的に認められること
(ウ)人体から取得された試料が(ア)及び(イ)に該当しない場合において、以下の①
から③の要件全てを満たしていること。
①当該研究の実施について人体から取得された試料の利用目的を含む情報を公開して
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いること
②研究対象者が研究を実施されることについて拒否できるよう機会を保障すること
③研究公衆衛生の向上のために特に必要がある場合であって、研究対象者等の同意を得
ることが困難であること
イ 人体から取得された試料を用いない研究
研究者等は、必ずしもインフォームド・コンセントを受けることを要さないが、研究に
用いられる情報が匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を保有
しない場合をいう。)されている場合を除き、利用目的を含む当該研究についての情報
を公開し、研究対象者が研究を実施されることについて拒否できる機会を保障する。
(3)他の研究機関に既存試料・情報を提供しようとする場合のインフォームド・コン
セント
既存試料・情報の提供を行う者は、既存試料・情報の提供時までに研究対象者等から既
存試料・情報の提供及び研究に用いられることに係る同意を受け、並びに当該同意に関
する記録を作成する。ただし、当該同意を受ける手続が困難な場合であって、以下のア
からウのいずれかに該当するときには、既存試料・情報を提供することができる。
ア 既存試料・情報が匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を
提供しない場合をいう。)されていること。
イ 当該既存試料・情報がアに該当しない場合において、以下の(ア)及び(イ)の要件
を満たしていることについて倫理委員会の意見を聴いて医学部長の許可を得ているこ
と。
(ア)当該研究の実施及び既存試料・情報の提供について以下の①から④の情報をあら
かじめ研究対象者等に通知し、又は公開していること。
①既存試料・情報の提供を行う機関外の者への提供を利用目的とすること
②既存試料・情報の提供を行う機関外の者に提供される個人情報の項目
③既存試料・情報の提供を行う機関外の者への提供の手段又は方法
④研究対象者等又はその代理人の求めに応じて当該研究対象者を識別することができ
る個人情報について既存試料・情報の提供を行う機関外の者への提供を停止すること
(イ)研究対象者が研究を実施されることについて拒否できる機会を保障すること。
ウ 公衆衛生の向上のために特に必要な研究に用いられる情報が提供される場合であっ
て、当該研究の方法及び内容、当該研究に用いられる情報の内容その他の理由によりア
及びイによることができないときには、必要な範囲で他の適切な措置を講じることにつ
いて、倫理委員会の意見を聴いて医学部長の許可を得ていること。
(4)(3)の手続に基づく既存試料・情報を他の機関から提供を受けて研究を実施しよ
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うとする場合のインフォームド・コンセント
研究者等は、必ずしもインフォームド・コンセントを受けることを要さないが、当該研
究に使用することについて、既存試料・情報の提供を行う機関において(3)の手続が
とられていること及び受けた同意の内容等を確認する。また、匿名化されていない試
料・情報を用いる場合には、試料・情報の取扱いを含む当該研究の実施についての情報
を公開し、研究対象者が研究を実施されることについて拒否できる機会を保障する。
3.研究計画書の変更
研究者等は、研究計画書を変更して研究を実施しようとする場合には、変更箇所につい
て、原則として、あらためて1によるインフォームド・コンセントの手続を行わなけれ
ばならない。
4.同意を受ける時点で特定されなかった研究への試料・情報の利用の手続
研究者等は、同意を受ける時点で想定される内容を可能な限り説明した場合であって、
その後、説明の範囲内で利用目的等が新たに特定されたときは、研究計画書を作成した
上で、新たに特定された利用目的等についての情報を研究対象者等に通知し、又は公開
し、研究が実施されることについて、研究対象者等が同意を撤回できる機会を保障しな
ければならない。
5.緊急状況下に実施する研究における取扱い
研究者等は、あらかじめ研究計画に定めるところにより、緊急状況下に研究を実施しよ
うとする場合であって、以下の①から④の要件全てに該当すると判断したときは、同意
を受けずに研究を実施することができる。ただし、当該研究を実施した場合には、速や
かに当該研究対象者等に対して4に掲げる事項を記載した文書により説明し、文書によ
り同意を受けるインフォームド・コンセントの手続を行わなければならない。
①研究対象者に緊急かつ明白な生命の危機が生じていること
②介入を伴う研究の場合には、通常の診療では十分な効果が期待できず、研究の実施に
より研究対象者の生命の危機が回避できる可能性が十分にあると認められること
③研究の実施に伴って研究対象者に生じる負担及びリスクが必要な最小限度のもので
あること
④代諾者となるべき者と直ちに連絡を取ることができないこと
6. インフォームド・コンセントの手続の簡略化
(1) 研究者等が以下の①から④の要件全てに該当する研究を実施しようとする場合、
許可を受けた研究計画に定めるところにより、1及び2の規定による手続の一部又は全
部を簡略化することができる。
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①研究対象者に対して侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴わないこと
②1及び2の規定による手続を簡略化することが、研究対象者の不利益とならないこと
③1及び2の規定による手続を簡略化しなければ、研究の実施が困難であり、又は研究
の価値を著しく損ねること
④当該研究が公衆衛生の向上のために特に必要があると認められるものであること
(2)1及び2の手続を簡略化する場合には、研究の実施の公表について必要な措置を
講じるよう努めなければならない。
7.同意の撤回等
研究者等は、同意の全部若しくは一部に対する撤回の申出、研究を実施されることに対
する拒否の申出若しくは回答が研究対象者等からなされた場合には、遅滞なく、当該申
出等に従った措置を講じるとともに、その旨を当該研究対象者等に通知する。ただし、
申出等に従うことが困難であって、当該申出等に従わないことについて倫理委員会の意
見を聴いて医学部長が許可した場合であって、当該申請等に従わない旨及びその理由に
ついて研究者等が研究対象者等に通知したときは、この限りでない。
8. 代諾
(1) 研究者等が代諾者等からIC を受けることができる場合、及びその取扱いは、原
則として以下の通りとする。ただし、いずれの場合も、研究責任者は、当該研究の重要
性、被験者の当該研究への参加が当該研究を実施するにあたり必要不可欠な理由及び代
諾者等の選定方針を研究計画書に記載し、当該研究計画書について倫理委員会による承
認及び医学部長による許可を受けなければならない。
①被験者が疾病等何らかの理由により有効なICを与えることができないと客観的に判
断される場合
②被験者が未成年者の場合。
③被験者が生存している段階にICを受けることができず、かつ被験者の生前における明
示的な意思に反していない場合
(2) ただし上記①または②の場合において、研究者等は、被験者にわかりやすい言葉
で十分な説明を行い、理解が得られるよう努めなければならない。
(3) また上記①または②の場合において、被験者が16 歳以上の未成年者である場合
には、代諾者等とともに、被験者からのICも受けなければならない。
9. 代諾者からIC を受ける研究の倫理委員会の許可
16
研究者等は、被験者からICを受けることが困難な場合には、当該被験者について研究を
実施することが必要不可欠であることについて、倫理委員会の承認を得て、機関の長の
許可を受けたときに限り、代諾者等からICを受けることができる。
10. 被験者が未成年者の場合に代諾者からIC を受ける場合の留意事項
研究者等は、未成年者その他の行為能力がないとみられる被験者が、研究への参加につ
いての決定を理解できる場合には、代諾者等からICを受けるとともに、当該被験者の理
解を得る。
11. 代諾者からIC を受ける際の代諾者の選定方法
研究責任者は、被験者と代諾者等の生活の実質や精神的共同関係を勘案し、被験者の最
善の利益を図るため、原則として以下に定める者の中から被験者の意思及び利益を代弁
できると考えられる者を選定することとし、研究計画書に代諾者等の選定方針を記載す
る。
(1)当該被験者の法定代理人であって、被験者の意思及び利益を代弁できると考えら
れる者
(2)被験者の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の
親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる者
12. 死亡している被験者からIC を受ける際の代諾者の選定方法
死者に係るICを代諾により受ける場合、研究責任者は、死亡した被験者の家族構成や置
かれていた状況、慣習等を勘案して、原則として以下に定める者の中から被験者の意思
及び利益を代弁できると考えられる者を選定することとし、研究計画書に代諾者等の選
定方針を記載する。
(1)死亡した被験者の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、
同居の親族
(2)上記(1)の近親者に準ずると考えられる者
13.代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の手続等
【1】代諾の要件
研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者は、上記の規定による手続において代諾者
等からインフォームド・コンセントを受けようとする場合には、以下の(1)から(3)
の各事項を遵守する。
(1) 以下の①から③の各事項が、研究計画書に記載されていること。
①(3)に規定する者を研究対象者とすることが必要な理由
②代諾者等の選定方針
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③代諾者等への説明事項(①に関する説明を含むこと。)
(2) (1)②の規定による選定方針に従って代諾者等を選定し、同③の規定による説
明事項を説明すること。
(3) 研究対象者が、以下のアからウのいずれかに該当すること
ア 未成年者。ただし、(ア)の手続による場合を除く。なお、代諾者からインフォーム
ド・コンセントを受けた場合にあっても、(イ)に該当するときには、研究対象者からイ
ンフォームド・コンセントを受けなければならない。
(ア)研究対象者が義務教育の課程を修了しており又は16歳以上であり、かつ、研究を
実施されることに関する十分な判断能力を有すると判断される場合であって、以下の①
及び②の各事項が研究計画書に記載され、当該研究の実施について倫理委員会の意見を
聴いて医学部長が許可したとき。
①研究の実施に侵襲を伴わないこと
②研究の目的及び試料・情報の取扱いを含む当該研究の実施についての情報を公開し、
研究対象者が研究を実施されることについて、当該研究対象者の親権者又は未成年後見
人が拒否できる機会を保障すること
(イ)研究対象者が義務教育の課程を修了しており又は16歳以上であり、かつ、研究を
実施されることに関する十分な判断能力を有すると判断される場合
イ ア以外で、インフォームド・コンセントを与える能力がないと客観的に判断される者
ウ 死者。ただし、研究を実施されることが、その生前における明示的な意思に反して
いる場合を除く。
【2】インフォームド・アセントを得る場合の手続等 (別添図2参照)
(1) 研究者等は、代諾者からインフォームド・コンセントを受けた場合であって、研
究対象者(【1】(3)ア(イ)の場合を除く。)が、研究を実施されることの決定に自
らの意向を表することができると判断されるときには、インフォームド・アセントを得
るよう努める。
(2) 研究責任者は、(1)の規定によるインフォームド・アセントを得ることが予測さ
れる研究を実施しようとする場合には、あらかじめ研究対象者への説明事項及び説明方
法を研究計画書に記載しなければならない。
(3) 研究者等は、(1)の規定によるインフォームド・アセントについて、研究対象
者が研究を実施されることを承諾しない旨に不同意の意向を表した場合には、その意向
を尊重するよう努める。ただし、当該研究を実施されることにより研究対象者に直接の
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健康上の利益が期待され、かつ、代諾者が当該研究の実施に同意するときには、この限
りでない。
14. 介入研究の健康被害の補償に関する説明同意の注意事項
研究者等は、介入を伴う研究であって、医薬品又は医療機器を用いた予防、診断又は治
療方法に関するもの(体外診断を目的とした研究を除く。)を実施する場合には、当該
研究の実施に伴い被験者に生じた健康被害の補償のための保険その他の必要な措置の
内容について、事前に十分な説明を行い、被験者の同意を受ける。
15. 被験者の自由意思の確保
研究者等は、被験者が経済上又は医学上の理由等により不利な立場にある場合には、特
に当該被験者の自由意思の確保に十分配慮する。
16. 同意撤回の権利
研究者等は、被験者に対し、当該被験者が与えたICについて、いつでも不利益を受ける
ことなく撤回する権利を有することを説明する。
Ⅵ. 試料等の保存及び管理、他の機関等の試料等の利用
1. 保存方法の研究計画書への記載と適切な管理
研究責任者は、研究に関する試料等を保存する場合には、研究計画書にその方法等を記
載するとともに、個人情報の漏えい、混交、盗難、紛失等が起こらないよう適切に、か
つ、研究結果の確認に資するよう整然と管理する。
2. 同意事項の遵守と廃棄時の匿名化
研究責任者は、試料等の保存については、被験者等との同意事項を遵守し、試料等を廃
棄する際には、必ず匿名化する。
3. 期間を定めない試料等の保存
研究責任者は、保存期間が定められていない試料等を保存する場合には、研究の終了後
遅滞なく、医学部長に対して、次に掲げる事項について報告する。これらの内容に変更
が生じた場合も同様とする。
(A) 試料等の名称
(B) 試料等の保管場所
(C) 試料等の管理責任者
(D) 被験者等から得た同意の内容
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4. 人体から採取された試料等の利用
(1) 研究者等は、研究開始前に人体から採取された試料等を利用する場合には、原則
として研究開始時までに被験者等から試料等の利用に係る同意を受け、及び当該同意に
関する記録を作成する。
(2) 前項の同意を受けることができない場合には、次のいずれかに該当することにつ
いて、倫理委員会の承認を得て、医学部長の許可を受けたときに限り、当該試料等を利
用することができる。
1)当該試料等が匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を有し
ていない場合をいう。)されている。
2)当該試料等が1)に該当しない場合において、試料等の提供時に当該研究における利
用が明示されていない研究についての同意のみが与えられている場合は、次に掲げる要
件を満たしている。
(A) 当該研究の実施について試料等の利用目的を含む情報を公開している。
(B) その同意が当該研究の目的と相当の関連性があると合理的に認められる。
3)当該試料等が1)及び2)に該当しない場合において、次に掲げる要件を満たしている。
(A) 当該研究の実施について試料等の利用目的を含む情報を公開している。
(B) 被験者となる者が被験者となることを拒否できるようにする。
(C) 公衆衛生の向上のために特に必要がある場合であって、被験者の同意を得ることが
困難である。
5. 他の機関等の試料等の利用
(1) 他機関より試料等の提供を受けて実施する研究
研究責任者は、他機関の者から既存試料等の提供を受けて研究を実施しようとするとき
は、提供を受ける試料等の内容及び提供を受ける必要性を研究計画書に記載し、倫理委
員会の承認を得て、医学部長の許可を受ける。
(2) 他機関へ試料等の提供を行って実施する研究
既存試料等の提供を行う者は、他機関の者に研究に用いるための試料等を提供する場合、
原則として試料等提供時までに被験者等から試料等の提供及び当該研究における利用
に係る同意を受け、並びに当該同意に関する記録を作成する。なお、前項の同意を受け
ることができない場合には、次のいずれかに該当するときに限り、試料等を他機関の者
に提供することができる。
1)当該試料等が匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を提供
しない場合をいう。)されている。ただし、当該試料等の全部又は一部が人体から採取
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された試料等である場合には、医学部長に対し、その旨を報告しなければならない。
2)当該試料等が上記に該当しない場合において、次に掲げる要件を満たしていること
について倫理委員会の承認を得て、医学部長の許可を得ている。
(A) 当該研究の実施及び試料等の提供について、以下の情報をあらかじめ被験者等に通
知、又は公開している。
① 他機関の者への提供を利用目的としていること
② 他機関の者に提供される個人情報の項目
③ 他機関の者への提供の手段又は方法
④ 被験者等の求めに応じて当該被験者が識別される個人情報の医学部外の者への提供
を停止すること
(B) 被験者となる者が被験者となることを拒否できるようにしている。
3)社会的に重要性の高い研究に用いるために人の健康に関わる情報が提供される場合
であって、当該研究の方法及び内容、当該情報の内容その他の理由により上記によるこ
とができず、必要な範囲で他の適切な措置を講じることについて、倫理委員会の承認を
得て、医学部長の許可を受けている。
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附則
1. 本手順書は、医学部長の指示のもとに必要に応じて改訂する。
2. 本手順書は、平成26年11月1日から施行する。
3.「高知大学医学部における臨床研究に係る標準業務手順書(平成21年4月1日制定、最
終改訂平成25年3月1日)」は、廃止する。
別紙様式は以下のとおりとする。
(高知大学医学部倫理委員会規則による様式)
様式第1-1倫理審査申請書(研究者⇒医学部長)
様式第1-2倫理審査変更申請書(研究者⇒医学部長)
様式第2審査結果通知書(倫理委員長⇒医学部長)
様式第3-1中間報告書(研究者⇒医学部長)
様式第3-2終了・中止・中断報告書(研究者⇒医学部長)
(その他の参考様式)
参考様式第1臨床研究等における利益相反自己申告書
(研究者⇒利益相反マネージメント委員会)
参考様式第2研究計画書(研究者⇒医学部長)
参考様式第3遺伝子解析計画申請書(研究者⇒医学部長)
参考様式第4臨床研究に関する説明文書
参考様式第5遺伝子解析研究に関する説明文書
参考様式第6-1同意書
参考様式第6-2同意書(代諾者用)
参考様式第7遺伝子解析研究に関する同意書
参考様式第8同意撤回書
参考様式第9診療に関する倫理審査申請書
参考様式第10承諾書
参考様式第11-1重篤な有害事象等報告書(研究者⇒医学部長)
参考様式第11-2重篤な有害事象等報告書(研究者⇒医学部長)
参考様式第12予期しない重篤な有害事象報告
参考様式第 13 安全性情報等に関する報告書
附則(平成27年4月14日承認)
1. 本手順書は、平成27年4月1日から施行する。
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(別添)
図1 インフォームド・コンセントを受ける手続等の概要
インフォームド・コンセントを受ける手続き等には、
「文書 IC」、
「口頭 IC(記録作成を含
む。
)」、
「オプトアウト(情報公開+拒否機会)」及びその他の手続がある。第 12⑴から⑷
までに規定する手続等の概略は以下のとおりであるが、運用に 当たっては、指針本文を確
認する必要がある。また、
「研究の例」に記載しているものについては、具体的な内容によ
っては、異なる分類となる場合もあり得るので注意する必要がある。
研究対象者のリスク・負担
試料・情報の
侵襲
介入
IC等の手続
研究の例
種類
未承認の医薬品・医療機器を用いる研究、既承認
あり
-
文書IC
薬等を用いる研究、終日行動規制を伴う研究、
採血を行う研究等
-
食品を用いる研究、うがい効果の有無の検証等 の
あり
生活習慣に係る研究、
日常生活レベルの運動 負荷
文書IC
をかける研究等
or
口頭IC+記録作成
人体取得試料
唾液の解析研究
等
なし
文書IC
なし
人体取得試料
以外
or
匿名のアンケートやインタビュー調査、診療記 録
口頭IC+記録作成
or
オプトアウト
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のみを用いる研究
等
図2
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