平成27年度 第1回域内学力向上推進研究協議会 【ダイジェスト版】 平成27年5月12日(火)二本松市安達公民館 平成27年6月5日発行 相 双 教 育 事 務 所 学 校 教 育 課 5月12日(火)に、二本松市安達公民館において第1回域内学力向上推進研究協議会を開催しました。 昨年度までは相馬地区と双葉地区とに分かれての開催でしたが、各地区での素晴らしい取組を共有するこ とで、相双域内の学力向上をより一層推進していきたいという考えから、本年度より合同開催としました。 短い時間ではありましたが、各学校の課題や成果を共有し、今後の学力向上推進に向けて具体的な協議が 行われました。 (参加者:小学校教員45名、中学校教員24名) 1 実践発表から(発表者:広野町立広野小学校 栗田親子 教諭) 定着確認シートの活用を教育課程に位置付けるとともに、役割を分担するなど組織的に取り組んでいる 広野小学校の実践の一端を発表していただきました。 (1) 役割分担による担任への負担軽減 ① 問題のダウンロード及び印刷 (環境調査部) ② 実施及び採点(担任) ③ 集計(専科) ④ データ入力(現職教育部) ⑤ 結果分析(現職教育部) ⑥ 共通理解と授業実践(全職員) (2) 分析結果による情報共有・課題の洗い出しと実践 ○ 実施学年に共通する課題 → 授業における過去問の活用 (継続的な指導・多様な問題形式への慣れ) 〔成果〕・問題に多く触れることで、記述式の問題も未記入が減ってきた。 ○ 1年生から重点的に指導すべき内容 → 1年生からの段階的・継続的な指導 〔成果〕・課題を共有したことで全職員の意識が高まり、授業改善にもつながった。 (3) 平成 27 年度に向けて(前年度の反省を受けて) ① 実施日を担任に一任したことで慌てての実施となり結果にも影響が出た。 → 今年度より実施日を指定する。 ② 45分間で解説まで行うのは難しい問題もあった。 → 問題によって時間を区切るなど取組の工夫を行う。 ③ 6回実施することが主になり、学力向上につながる「活用」が十分でなかった。 → 集計時に誤答を記録し分析につなげる。 → 抽出児を決め、変容を見る。 → 個人ファイルにシートを蓄積する。 2 グループ別協議から 「テーマ:自校の学力向上に向けた課題を探り、それを解決するためにはどのように推進していけばよいか。」 ◇ グループ別協議では、各校から出された課題等をもとに、学 習指導の改善・充実を図るための視点を考え、『学力向上振り 返りシート』を作成した。シートの作成をとおして、学力向上 担当者として自校の取組を振り返る視点を協議した。 (1) 各校の学力向上推進上の課題の整理 ・ 学力向上のPDCAサイクルが十分に機能していない。 ・ 担任任せのところがあり校内体制が不十分である。 ・ 定着確認シートの時間の確保が難しい。 ・ 相手に自分の考えや思いを表現するのが苦手な児童生徒が多い。 ・ 家庭との連携が難しい。 →「校内体制」「授業づくり」「実態把握」「家庭との連携」等の項目が多くの班から挙げられた。 (2) 「学力向上振り返りシート」の作成 ○ 各班で出された課題をもとに「この課題について、このような取組をしたら効果があるのではない か。」「このような取組が効果があったので、取り入れてみてはどうか。」等、下のような積極的な協 議がなされ、各班オリジナルの『学力向上振り返りシート』が完成した。 定着確認シートを継続的・計画 的に行うためには、役割分担が 有効だと感じた。 自分の考えなどを表現するのが苦手な児 童生徒が多いので、授業の中に話合い活 動を意識的に取り入れてはどうか。 授業参観や学級だよ り等をとおして、学 校の取組を積極的に 発信することで、家 庭の協力を得られる ようになるのではな いか。 完成 「個人カルテ・学習 ファイル」を作成 し、個人の記録を累 積することで、実態 把握はもちろん個に 応じた指導につなげ ることができた。 フォローアップシー トも補充指導に効果 的だった。 家庭学習の充実を図るために、 「学習の手引き」等を活用して家 庭との連携を深めてはどうか。 実践発表等を聞いて、定着確認シート は児童の実態把握だけでなく、授業改 善にも活用できると思った。 3 まとめから(福島県教育庁相双教育事務所 星 健一 主任指導主事) 1 「知的好奇心を学びにつなぐ」の視点から 児童生徒から「調べたい!」「考えたい!」「伝えたい!」「聞きたい!」などの主体的な姿を引き 出そうとする教師の構えと具体的な手立てを大切にしていってほしい。 児童生徒の姿を見取り、その背景を洞察し、適切な手立てを選択、実行するというコーディネート も必要である。 2 「効果的な少人数教育の充実」の視点から 福島県では、全国に先駆けて少人数教育を推進しているが、この少人数教育の制度は十分に生かさ れているのか、今改めて原点に立ち返ってその目的を認識し、児童生徒一人一人の夢実現につなげて ほしい。30人や30程度学級に慣れっこになっていないか、漫然と少人数教育をしていないか、そ こにどういう手立てをしていくか、今それが問われている。 3 「仲間」という視点から 今回の学力向上推進研究協議会は、東日本大震災及び原子力災害後初めての合同開催である。各校 の実情、児童生徒の実態は違うが、それぞれの地に情熱、そして使命感をもって頑張っている「仲間」 が多くいるのだという意識を持つとともに、連携を図りながら学力向上を一緒に推進できる仲間を広 げていってほしい。 4 第2回にむけて 完成した「振り返りシート」は、各校の取組を振り返る手立てのひとつとして ご活用ください。他の班のシートも一緒に送付しておりますので、「改善・充実の ための視点」を見直す際の資料としてお使いください。なお、第2回域内学力向 上推進研究協議会では、活用して見えてきた各校の推進上の成果と課題について 協議する予定です。 【 第2回域内学力向上推進研究協議会 】 ○期日:平成27年11月17日(火) ○場所:二本松市安達公民館
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