学校教育学研究科(教職大学院) MATSUYAMA I K U O 松 山 郁夫 教授 「自閉症等発達障害児者や認知症高齢者への社会的支援」 「自閉症等発達障害児者への療育支援」 「日本における福祉の歴史」 [キーワード] 自閉症,発達障害,認知症,ソーシャルワーク,社会的支援,療育, 福祉の歴史 自閉症等発達障害や認知症の方への社会的支援の充実を目指して 研究紹介 ◆研究概要 当研究室では,自閉症等の発達障害児者や認知症高齢者 等の周囲からの理解が進まない要援護者に対して,どのよ うな支援が必要なのかを研究し,地域における生涯に亘る 支援モデルの構築を目指しています.具体的には,要援護 者や関係者の福祉ニーズについて調査研究を実施していま す.以下に論文化した研究をご紹介します. ・自閉症児者の状態・行動・生活等に対する家族の認識 家族と専門職員(障害者支援施設の生活支援員,発達障 害者支援センター職員),それぞれからの視点を比較し, 相違点を明確にしながら家族の認識を検討しています. ・地域における自閉症等発達障害児への「自由遊び」 による社会的支援のあり方,特に居場所のあり方 ウルトラマンクラブ(発達障害児の運動教室)を月に2 回程度実施し,実践を通して社会支援のあり方を考察し ています.同時に,対象児の興味や関心等の強み(スト レングス)に視点をおいたソーシャルワークの理論化を 試みています.学生はトレーナーとして「子供への働き かけ」を体験し,自閉症等発達障害児とその家族への支 援を実務的に学んでいきます. ・自閉症児者への支援に対する家族のニーズ 家族の視点から,自閉症児者への療育や余暇支援等の社 会的支援とその社会資源に対するニーズについて検討して います. ・障害者支援施設における自閉症児者に対する捉え方 障害者支援施設(生活支援員)の視点から,自閉症児者 の情緒,感情,自己認識,身体状態,生活に対する認識を 考察しています. ・障害者支援施設における自閉症児者支援のあり方 障害者支援施設(生活支援員)の視点から,自閉症児者 への生活支援,療育支援,余暇支援,地域での支援のあり 方を考察しています. ・地域における自閉症児者への相談支援のあり方 発達障害者支援センター(専門職員)の視点から,自閉 症児者への生活支援,療育支援,余暇支援等の社会的支 援,および生活の質や支援機関の連携に対する捉え方を検 討しています. ・自閉症等発達障害児に対する保育の充実 保育者の視点から,対象児の言語,コミュニケーショ ン,不適応行動等に対する認識を検討しています. ・ソーシャルワークの演習方法の向上 相談援助演習の充実を図るために心理劇を導入した演習 を実践しながら,演習方法を構築しています. 写真:ドッジビーで遊んでいる様子 ・認知症高齢者に対する家族と介護職員における,対 象者の感情,コミュニケーション,身体状態等への 認識 家族と介護職員の視点から認知症高齢者に対する支援 のあり方,および認知症高齢者の表象能力(言語能力)に 応じた働きかけの仕方について考察しています. ・歴史的視点からの考察 奈良時代の養老令や明治期の窮民救助法案等の福祉に 関する条文,江戸時代の人足寄場の取組み等日本の福祉 の歴史を調査し,今後の福祉について検討しています. 掲載情報 2016 年 8 月現在 社会的支援の充実を お考えの皆様へ 一言アピール 自閉症等発達障害児者や認知症高齢者等のような周囲からの理解が進まな い要援護者が,地域で生涯に亘って安心して健やかに暮らしていくための 社会的支援のあり方について研究しています. 産学・地域連携機構より 地域における要援護者に対する支援のモデル化は,恒久的な運営が求められるため 多様な視点からの検討が必要です.福祉を要する人が健やかに生活できる社会を目 指し,実践と理論を同時に展開する松山教授の活動に期待が高まります. 佐賀大学研究室訪問記 2016 佐賀大学 産学・地域連携機構 (佐賀県佐賀市本庄町1番地) (お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課 TEL:0952-28-8416 E-mail:[email protected]
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