平 成 27 年 度 事 業 計 画

平 成 27 年 度 事 業 計 画
四国旅客鉄道株式会社
1 事業運営の基本方針
平成26年度は、通勤・通学輸送、都市間輸送は堅調に推移したものの、消費税増税による
先買いの反動や台風等による列車の運休、国内LCCなど対抗輸送機関との競合激化により鉄
道運輸収入の減少があった。一方、株式市場等が堅調に推移し、経営安定基金運用益が増加し
たため、3期連続の経常黒字となる見込みである。
平成27年度は、「中期経営計画」(2012-2016)の4年目であり、これまでの3ヵ年は鉄道
運輸収入が計画を上回り、経営安定基金運用益も増加したことから、経常損益では概ね計画を
達成したが、動力費や修繕費などの経費が増加したため、営業損失が拡大する厳しい状況が続
いている。このような状況を踏まえ、計画目標である着実な経営の基礎固め、基盤強化の実現
を確実に達成するための重要な年度であることを認識し、収入の確保や支援措置を活用した設
備投資の着実な実施等に継続して取り組む。
鉄道事業では、
「安全の確保」が事業運営の根幹であり、最重要課題であるとの認識のもと、
安全管理体制を有効に機能させ、
「現場力の向上」
、
「現場主義のさらなる徹底」、
「グループ一体
となった安全文化の定着」を重点項目とし、輸送安全水準の向上を図る。具体的な基本方針と
して、
「お客さまに『安心して』
『喜んで』
『末永く』ご利用いただく」を掲げ、鉄道運輸収入の
確保に向けては、価格訴求力のある商品造成や予讃線への新型特急電車の追加投入など対抗輸
送機関対策を進め、利用促進を図る。また、観光列車「伊予灘ものがたり」や「予土線3兄弟」
(「しまんトロッコ」
、
「海洋堂ホビートレイン」、
「鉄道ホビートレイン」)のブラッシュアップ、
「絶景!土讃線秘境トロッコ号」の運行開始など、
「わざわざ」乗りに来ていただくための観光
誘発や鉄道の魅力向上に取り組む。さらに、香川琴平地区や南予卯之町地区への誘客キャンペ
ーンを実施するほか、宇和島伊達400年祭や高知家・まるごと東部博など、地域の誘客イベ
ントと連携した事業の推進により、国内誘客及び海外からのインバウンド事業の積極的展開を
図ることとする。
一方、支援措置を活用した設備投資を推進し、安全性の向上、経費の削減を目指す。さらに、
列車無線設備の整備、指令所建物や本四備讃線の耐震補強を着実に実施し、地震・津波対策等
を進める。
また、交流人口の拡大・四国経済の発展を目指し、地域とともに、基礎調査の結果を踏まえ
た鉄道の抜本的高速化の実現に向けた検討を深度化する。
関連事業では、グループ全体の収益を拡大するため、社有地の有効活用に取り組むとともに、
他社との業務提携などによる既存事業の見直しのほか、高松、松山駅等開発の検討、鉄道事業
との相乗効果や将来的に事業展開が見込める分野での事業領域の拡大について検討を進める。
平成27年度は、グループ一体となって、当社に講じられている支援措置の目的である平成
32年度を目標とする「自立経営の確立」の達成を目指し、一層の収入増加及び費用削減に向
けて取り組むこととする。
以上に基づき、平成27年度の事業運営の基本方針を次のとおりとする。
1
(1)
経営基盤の確立
①
輸送の安全・信頼の確保
「安全の確保」は、鉄道事業者が絶対に守るべき使命であるとともに事業運営の根幹で
あり、全てに優先する。この最重要課題をより確かなものとするため、安全管理規程に定
める安全管理体制を有効に機能させ、
「現場力の向上」、
「現場主義のさらなる徹底」、
「グル
ープ一体となった安全文化の定着」を重点項目とし、輸送安全水準の向上を図る。
さらに、中期安全推進計画(平成24年度~平成28年度)の4年目として、
「お客さま
の死傷事故ゼロ」、
「社員等(グループ会社含む)の死亡事故ゼロ」を主目標とし、
「社員等
の取扱い誤り(ヒューマンエラー事故)の削減」、「部内原因による輸送障害(ヒューマン
エラー事故を除く)の削減」、「社員等(グループ会社含む)の労働災害削減」、「踏切障害
事故の削減」について発生件数削減目標を掲げ、計画に基づいた重点実施項目に引き続き
取り組む。
また、安全管理体制のチェック機能としての内部監査部門による安全マネジメント監査
の定着化を図るほか、速度照査用ATSや列車無線設備の整備を行うなど、設備面での継
続した安全対策を推し進め、安全を最優先する企業風土のさらなる醸成に努める。
ア
安全運行体制の強化
安全文化6つの基本(①報告すること、②気づくこと、③自分の問題として捉えるこ
と、④議論すること、⑤柔軟に対応すること、⑥学習し続けること)を安全に対する考
え方の基本行動理念とし、ヒヤリハット運動とリスクアセスメントの活用等で構成され
る「安全推進運動」を深度化することにより、安全文化の定着化を図っていくこととす
る。さらに、安全推進部門の強化により、安全マネジメント体制の確立、運転事故防止
の推進、労働災害撲滅活動の推進、安全設備の整備推進を着実に実施し、輸送の安全確
保に万全を期すこととする。
地震・津波、台風等の自然災害や重大事故、あるいはテロ行為等、想定される様々な
異常事態に対応するため、行政機関等との連携による情報共有化や非常招集等実践に即
した訓練の実施、さらに安全に係る行動規範である「安全綱領」の深度化を図り、社員
一人ひとりの安全に対する基本的事柄の確実な把握に基づく意識の高揚と異常時におけ
る対応能力の向上により、危機管理体制の強化に努める。また、災害対策のさらなる強
化や、防災訓練の充実を図ることとする。
あわせて、各種の安全対策に関する訓練や会議及び安全衛生活動等を通じてグループ
会社との連携強化を図り、グループ一体となって事故防止に取り組むこととする。
イ
輸送施設の安全性等の確保
安全・安定輸送の基礎となる車両、線路及び電気設備について、全般的な健全度及び
信頼度の把握に努め、適切なメンテナンスにより安全性の確保を図る。また、落石、土
砂・岩盤崩壊対策等の防災工事は、緊急度の高い箇所から計画的に進め、安全レベルの
向上を図るとともに、列車無線設備の整備、指令所建物や本四備讃線の耐震補強を着実
に実施し、地震・津波対策等を進める。さらに、鉄道の信頼性をより高めるための技術
基準の改正に対応するため、下り勾配部等への速度照査用ATSや車両への運転状況記
録装置の設置を推進するとともに、誤出発防止用ATSの設置や信号機の視認性向上な
ど列車運行の安全性向上に向けた取組みを行う。
踏切事故防止に向けては、引き続き踏切の一種化や踏切支障報知装置の整備、警報灯
2
の視認性向上対策等を進め、ソフト面でも部外関係者との連携を図り、安全通行PR活
動を積極的に展開する。さらに、踏切以外の危険箇所についても安全性確保に向けて取
り組む。また、松山駅付近連続立体交差化工事について、鋭意推進する。
② 支援措置の活用
支援措置による特別債券利息収入、設備投資の着実な実施により、さらなる収入の確保、
経費の削減に努め、自立経営の確立に取り組む。
ア
特別債券
特別債券の利息収入により、安定的な利益の計上を図り、
「財務基盤の安定化」を目指
す。
イ
助成金・無利子貸付による設備投資
PCマクラギ化などの軌道強化、通信網の光ケーブル化を計画的に実施し、修繕費等
の削減、業務の効率化を図る。
特急車両については、老朽化した2000系特急気動車の置き換えを行うため、新型特
急電車を新製し、利便性・快適性の向上を図る。
そのほか、安全・安定輸送の基礎となる設備の老朽取替を実施する。
③
鉄道運輸収入の確保
ア
輸送需要の確保
全国に先駆けて人口減少や少子高齢化などによる鉄道利用の減少が想定されるなか、
観光列車の活用など、新規顧客の開拓に努め、輸送需要を確保する。
また、鉄道の利用促進と快適な移動空間の提供を図るため、老朽化した車両の更新な
どを行う。
このほか、新駅設置や駅の利便性向上、交通結節機能の強化など、鉄道の利用促進施
策について地方自治体と検討を進める。
イ
営業施策の展開
観光列車や新型特急電車などの営業ツールを最大限に活用し、
「わざわざ」乗りに来て
いただける鉄道を目指す。また、お客さまの満足度向上に向けたサービスの展開や魅力
的な商品造成並びに効果的な広告宣伝など、粘り強い営業展開を行う。
具体的には、
「観光列車を活用したさらなる需要開拓」として、平成26年7月より予
讃線で運行を開始した観光列車「伊予灘ものがたり」についてブラッシュアップを図り、
地域と連携しながら積極的に誘客に取り組む。また、
「予土線3兄弟」のさらなる魅力向
上を図るとともに、新たに平成27年春に琴平~大歩危間で「絶景!土讃線秘境トロッ
コ号」を運行するなど、観光列車による観光誘発や鉄道の魅力向上に引き続き取り組む。
また、割引きっぷの分析・見直しを進めるとともに、中長距離利用については、景気
の動向や、国内LCCなどの対抗輸送機関との競合状況を踏まえた施策を推進し、利用
の拡大を図る。定期利用については、買い替えや新規需要が見込まれる時期や、特急利
用区間等の利用実態に即した効果的な宣伝を実施し、通勤・通学利用における快適性・
速達性等を訴求することで特急列車用定期券「快てーき」の利用拡大を図る。このほか、
定期利用の付加価値を高める取組みを継続し、定期券顧客の中長期的な維持・拡大を目
指す。
3
ICカード乗車券「ICOCA」については、利用促進を図ることにより、新幹線と
の連携など、岡山・香川間のさらなる旅客流動の喚起に努めることとする。
観光誘客促進に向けて、特に重点エリアとして香川琴平地区や南予卯之町地区にスポ
ットをあてた誘客キャンペーンを展開するとともに、宇和島伊達400年祭を機に、宇
和島城を始め、天守閣が現存する4城を核にしたお城巡りによる四国内流動を促進する
ほか、高知家・まるごと東部博等、地域の誘客イベントに合わせた商品の設定、観光列
車を活用した利用促進など、交流人口拡大につながる展開を行う。運行開始15周年の
アンパンマン列車事業については、さらなる誘客に向けた営業施策を展開する。
また、四国外からの誘客の取組みとして、地域との連携事業を引き続き推進していく
ほか、増加する訪日外国人を四国へ誘致するため、四国ツーリズム創造機構や航空キャ
リア、海外エージェント並びに他の鉄道事業者との連携を強化していく。さらに、外国
人個人旅行者を中心に鉄道を利用した四国観光の浸透を図るため、「ALL SHIKOKU Rail
Pass」の利用を促進する。
④
CS(お客さま満足)の向上
ア 輸送サービスの向上
鉄道のご利用に関する情報の提供やお客さまのご要望などに適時適切に対応するとと
もに、より質の高い輸送サービスを提供するための取組みを強化する。特に、
「お客さま
目線のさらなる徹底」、「収入目標達成を目指した斬新かつ迅速な施策展開」を重点に取
り組む。
イ 接客サービスの向上
サービスアップ5ヵ年計画に基づき、コアサービスの完全達成(接遇の基礎固め)を
目標としたファーストステージにおいてはお客さまの「存在」を意識した接遇レベルの
定着に取り組んできたが、セカンドステージを迎える平成27年度は、お客さまの「行
動」を意識したその職場ならではのサービスが提供できるよう、さらなるレベルアップ
に努める。また、この実現に向けた各種研修の実施や異常時対応訓練、救急救命講習な
どを通じて現場力の向上を図り、交通弱者のお客さま等にも安心してご利用いただける
鉄道を目指すとともに、輸送障害発生時の迅速な情報提供や旅客誘導などに努め、適切
なお客さま対応とお客さま満足度の向上を目指す。
⑤
業務運営の効率化と経費の削減
平成27年度の収支計画が経営自立計画と乖離している実情を踏まえ、自立経営の確立
に向けて、グループ会社を含めた適正な要員規模の検討を行うとともに、徹底した業務運
営の効率化と、少数精鋭化を実現するための取組みを継続的に行い、より効率的な業務執
行体制の確立及び人件費の抑制等による経費の削減を目指す。あわせて、将来の輸送体系
を見据え、保有設備の適正化についての検討を深度化する。
⑥
人材の確保・育成
効率的な事業運営を実現しつつ、技術・ノウハウの確実な継承を図るため、社員等の業
務遂行能力の向上と継続的な意識・意欲の高揚に重点を置き、目的を明確化した研修を計
画的に実施し、グループ会社と一体となった人材の育成と能力開発を推進するとともに、
社員等の自己啓発、自主管理活動及び職場活性化を目的とした各種活動を積極的に支援す
る。
4
また、将来にわたって、人材を安定的に確保するため、採用形態や選考活動を柔軟に検
討、実施していくとともに、熟練した社員等の豊富な経験と技術力を最大限活用しつつ、
技術継承を図るため、エキスパート社員のさらなる定着化に取り組む。
さらに、社員等の心身両面における健康の保持増進並びに仕事と家庭の両立を図ること
で、社員等がその持てる能力を最大限に発揮できる職場環境作りに努める。
⑦
技術開発等の取組み
安全性向上や経費削減に向けて、公益財団法人鉄道総合技術研究所及び各種メーカーと
連携した技術開発の推進、技術交流会の開催により、技術レベルの向上を目指す。
⑧
経営安定基金運用益の確保
金利の大幅な低下に加え、将来的に金融資産の時価変動リスクが高まるなど運用環境は
依然として厳しいが、自立経営の確立という目標を達成するためには基金の運用益の計画
額確保は、不可欠なものとなっている。このため、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備
支援機構への貸付金の償還に伴って増加する自主運用資金については、部外能力等の活用
による運用資産配分の見直しやリスク管理を行い、運用収益の確保に努めるとともに、リ
スク管理体制を有効に機能させる。
⑨
グループの企業価値向上
グループ会社は、自立経営の実現が可能な経営体質を構築するため、それぞれの果たす
べきミッション(使命・役割)に基づき、収益基盤となる事業領域の拡大や業務運営の効
率化、コスト削減により収益性の向上を図ることで、グループ全体としての「収入の確保」
と「効率的な事業運営の追求」により、グループの企業価値向上に取り組むこととする。
また、グループ会社と一体となって、安全・安心と信頼を確保するため、コンプライア
ンスの徹底とサービスレベル及び技術水準の向上を図る。
(2) 時代環境に即応した企業体質の構築
① 信頼される企業グループを目指した取組み
地球環境に配慮した企業活動やコンプライアンスの徹底、積極的な情報開示は社会的責
務であるとともに、企業グループの健全な存続・発展に不可欠であることを深く認識し、
地域社会からより一層の信頼が得られるよう取組みの充実化を図る。
ア
環境保全への取組み
他交通機関に比べて環境負荷が少ない鉄道の特性を発揮するため、引き続き利便性や
快適性の向上により魅力度を高め利用促進に努める。企業活動に伴う環境負荷の低減に
向け省エネや省資源、廃棄物削減等の環境保全活動を深度化するとともに、新型車両の
導入を進める。また、JR四国グループの環境保全に対する取組みや情報を積極的に開
示し、鉄道の環境優位性や地域に根ざした企業活動の理解促進に努める。
イ コンプライアンス等への取組み
コンプライアンスに対する社員等の意識醸成と高い企業倫理の構築に向け、社員一人
ひとりが業務遂行上必要な法令・規程等を遵守し、社会的良識をもって行動できるよう、
各種研修等を実施して「JR四国グループコンプライアンス指針」の周知・徹底に引き
5
続き取り組む。
また、内部監査部門としては、リスクアプローチ等による実効性の高い監査に努める。
さらに、JR四国グループに対する理解の浸透を図るため、経営情報や鉄道の安全・
安定輸送を支える取組みについて適宜適切な公開を行い、より開かれた事業運営を目指
す。
② 地域社会との連携
ア
観光振興等に係る連携
地域社会と連携しながら、観光列車等の運行による地域おこしや予讃線全線開通70
周年などの周年事業を開催するほか、宇和島伊達400年祭、高知家・まるごと東部博、
瀬戸内国際芸術祭2016、石鎚国定公園指定60周年などの大型イベントを契機とし
た連携企画、
“その地域ならでは”の特色を生かした新たな交流の創出に向けて積極的に
働きかけ、沿線の観光振興と地域の活性化に取り組む。
コンサルティング部門では、まちづくりや地元素材を生かした地域活性化事業等の企
画提案を積極的に行い、地域活性化及び観光振興に取り組む。
また、スポーツ、文化活動への協力などの地域貢献についても継続して取り組み、地
域に根ざした企業イメージの醸成に努める。
イ
駅周辺のまちづくりに係る地方自治体との連携
地方自治体が主体である連続立体交差化事業については、松山駅付近連続立体交差化
工事について、愛媛県等と共に推進するとともに、徳島駅付近連続立体交差化計画につ
いても徳島県等との協議を継続する。また、地方自治体と連携して、駅前広場や駅舎等
の駅周辺整備について検討を進める。
ウ
情報発信
JR四国グループの総合力を生かし、地域社会や関係団体と連携した観光振興施策を
含む多彩な情報をマスメディア、広報誌、インターネット等を通じて迅速かつ積極的に
発信することにより、四国の活性化に寄与し、より一層信頼され親しまれる企業グルー
プを目指す。
特にインターネットについては、
「必要な情報をシンプルに」
「商品販売に直結」
「どこ
からでも見られる」を基本コンセプトにホームページのリニューアルを実施し、利便性
の向上を図るとともに、適宜・適切な情報開示に努め、お客さまや地域からのご要望に
迅速に対応できる、より開かれた事業運営を目指す。また、外国語表記のホームページ
を活用し、海外のお客さま向けにも情報発信することで、当社についてより理解が深ま
るよう広報活動を展開する。
(3) 鉄道ネットワークの維持及び鉄道の抜本的高速化
「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会」で取りまとめられた「四国の
鉄道活性化への提言」を踏まえ、
「鉄道ネットワークの維持」と「鉄道の抜本的高速化」の実
現に向けた検討を進める。
6
① 鉄道ネットワークの維持
輸送需要に応じた列車体系の適正化を進めるとともに、今後も鉄道利用の減少が想定さ
れるなかで、将来的な輸送体系のあり方についての検討を継続する。
また、人口減少や少子高齢化等に伴う収入の減少によって、四国における鉄道ネットワ
ークの維持が困難となることが想定されるため、中長期的な視点での鉄道ネットワークの
維持方策について、具体的な検討を進める。
②
都市間輸送の抜本的高速化
交流人口の拡大・四国経済の発展を目指し、地域とともに、基礎調査の結果を踏まえた
鉄道の抜本的高速化の実現に向けた検討を深度化する。
また、高速鉄道の必要性について、地域社会からより一層の理解を得るため、四国の鉄
道高速化連絡会と連携し、高速鉄道整備の意義等について広く周知を図ることにより、早
期の鉄道高速化に向けた機運の醸成に努める。
2 鉄道輸送に関する計画
(1) 基本的な方針
輸送需要に応じた車両キロ・列車キロの適正化を行うため、外部環境の変化や輸送需要の
精緻な検証分析を行うとともに、柔軟な列車設定によりお客さまの視点に立った輸送サービ
スの提供に努め、鉄道利用の拡大を目指す。
(2) 平成27年度の輸送量の見通し及び列車の運行計画
輸送量の見通し
列車の運行計画
輸送人員
輸送人キロ
列車キロ
車両キロ
45百万人
1,390百万人㌔
21百万㌔
58百万㌔
(注)上記の数値は、経済情勢の動向等により変動する場合がある。
7
3 鉄道施設の整備に関する計画
鉄道施設の整備については、鉄道輸送の根幹である「安全・安定輸送の確保」に必要な安全
対策や運転保安に直結する設備の老朽取替等の安全関連投資に重点を置いて進めるほか、収益
強化、経費削減及び業務の効率化に必要な投資を実施する。また、支援措置を活用し、老朽化
した電気設備の取替、PCマクラギ化などの軌道強化及び新型特急電車の新製等を実施する。
区
分
輸送設備の維持更新
老朽設備取替
施 設 の 整 備 の 概 要
◆各種機械及び設備等について、その老朽度及び耐用年数等を考慮
し取り替える。
◆鉄製トロ等の保守用車を取り替える。
◆池谷駅等の継電連動装置を取り替える。
◆本四備讃線・予讃線の変電所機器を取り替える。
◆高松CTCセンターの各種装置を取り替える。
◆通信網の光ケーブル化を行う。
保安・防災対策
◆落石、土砂・岩盤崩壊対策等の防災対策については、緊急度の高
い箇所から実施する。
◆引き続き踏切の一種化や踏切支障報知装置の整備、警報灯の視認性
向上対策等を進める。
◆松山駅付近連続立体交差化工事を推進する。
◆下り勾配部等への速度照査用ATSの設置を進める。
◆運行中の列車の乗務員へ迅速に情報連絡を行える列車無線設備の
整備を進める。
◆橋りょう及び指令所建物の耐震補強など、地震・津波対策を進め
る。
安定輸送対策
◆PCマクラギ化などの軌道強化を行う。
経営の体質改善
業務運営方式の改善
車両
◆各種システムの改修を行う。
◆新型特急電車10両を新製する。
◆車両の経年部品、エンジン等について、その老朽度及び耐用年数
等を考慮し取り替える。
8
4 その他事業の運営に関する計画
(1) 関連事業
関連事業については、土地・建物等不動産に係る収益性の向上を目的とした社有地等の活
用を推進するとともに、駅構内店舗や商業施設のあり方など既存事業及びグループ会社を含
めた各事業の検証等を行う。さらに、幅広い観点から事業領域の拡大に取り組む。
①
資産の有効活用及び既存事業の見直し
活用可能な遊休資産や低効率資産、社宅用地跡等については、有効活用及び売却を多角
的に検討する。
駅構内店舗や駅ビル等については、他社との業務提携等による収益性の向上を図るとと
もに、高松、松山駅等の開発について検討を進める。
不動産事業については、駐車場事業の現状分析に基づき、収益の向上に繋がる料金体系
等に改良するとともに、あるべき管理方式、運営主体の検討を進める。また、グループ会
社との連携を強化し、さらなる資産の有効活用を推進する。
通信販売事業については、商品・商材の発掘、拡充を行い、販売ルートの拡大を実現す
ることにより、グループ全体での収支改善を図る。
②
事業領域の拡大
ビジネスホテル事業やシルバー事業等、鉄道事業との相乗効果や将来的に事業展開が見
込める分野において、専門家の指導や助言のもと部外能力等を活用し、事業領域拡大の検
討を進める。
(2) グループ会社
グループ会社の再編や財務体質の改善など経営の健全化が進捗しているなか、自主自立経
営が可能な経営体質の構築を図るべく、各社を取り巻く経営環境の変化に機敏に適応し、既
存事業の競争力を一層強化するとともに、事業領域の拡大や業務提携などにより収益の拡大
を目指す。
9
平 成 27 年 度 事 業 計 画
( 参 考 資 料 )
(添付資料 1)
平成27年度 資 金 計 画 書
(単位:億円)
項 目
Ⅰ.資
金
1.営
業
収
的
入
収
(1) 営
金 額
入
業
388
入
276
入
5
(3) 経 営 安定 基金 運用 収入
72
(4) 経 営 安 定 化 特 別 債 券 利 息
35
(2) 営
2.資
本
業
的
収
(1) 借
収
外
収
入
86
入
金
28
入
29
債
-
他
0
(5) 設 備 投 資 助 成 金
29
(2) 無
利
子
借
(3) 社
(4) そ
の
3.前年度よりの繰越金
253
計
Ⅱ.資
金
1.営
業
支
的
(1) 営
本
出
支
業
的
(1) 設
支
外
支
出
349
出
1
出
137
投
の
の
350
支
備
(2) そ
3.そ
出
業
(2) 営
2.資
727
資
99
他
38
他
1
4.翌 年 度 へ の 繰 越 金
239
計
727
(添付資料 2)
平成27年度 収 支 予 算 書
(単位:億円)
項 目
金 額
経 常 損 益 の 部
(営業損益の部)
Ⅰ. 鉄 道 事 業 営 業 利 益
1. 営
業
益
259
入
226
入
33
費
374
費
313
税
8
費
52
鉄 道 事 業 営 業 利 益
△ 115
(1) 運
収
輸
(2) そ
の
2. 営
収
他
収
業
(1) 業
務
運
営
(2) 諸
(3) 減
価
償
却
Ⅱ. そ の 他 事 業 営 業 利 益
1. 営
業
益
17
費
11
費
5
税
2
費
3
その他事業営業利益
6
全 事 業 営 業 利 益
△ 109
2. 営
収
業
(1) 業
務
運
営
(2) 諸
(3) 減
価
償
却
(営業外損益の部)
Ⅲ. 一
般
営
益
4
Ⅲ-2 経 営 安 定 基 金 運 用 収 益
72
Ⅲ-3 経 営 安 定 化 特 別 債 券 利 息
35
経
業
常
外
利
損
益
2
益
29
特 別 損 益 の 部
Ⅰ. 特
別
損
税引前当期純利益
法
当
期
人
純
税
利
益
31
等
1
30
( 参 考 )
平成27年度 設 備 投 資 計 画
(単位:億円)
区 別
輸
送
設
老
保
備
朽
安
安
経
・
輸
の
持
備
防
境
営
維
設
定
環
の
金 額
更
取
災
送
対
対
保
体
質
改
新
替
37
策
11
策
10
全
0
善
業 務 運 営 方 式 の 改 善
輸
送
幹
力
線
輸
車
総
整
係
計
2
備
送
-
両
36
費
3
99