平成21年第6回市議会定例会 行政報告 平成21年市議会定例会の開会に当たり、当面する市政の重要な課題に関する所信 の一端を申し上げます。 8月30日に行われました衆議院議員選挙におきまして、自民党中心の政権から民 主党へ政権交代することとなりました。 大きな変革が日本で起きようとしています。国の形が変わる中で、牧之原市でどの ような市政運営が求められているのか、当面、国の動向から目が離せません。 しかしながら、日々の市民生活が滞りなく継続し、安心に暮らせ、将来への希望が 持てる牧之原市になるよう、新しい民主党政権に対しても、あらゆる面で訴えていく つもりであります。 最初に、地震についてであります。 8月 11 日、午前5時7分、駿河湾を震源地とするマグニチュード6.5、震度6弱 の地震が、私たちを襲いました。 被害に遭われました市民の皆様に、まずもって心からお見舞い申し上げます。 また、今回の地震により、死亡した方や重篤な人災がなかったことに胸をなでおろ したところであります。 しかしながら、家屋の半壊や一部損壊、特に、市内全域で、屋根瓦の崩落の被害に 遭った家屋が1,715棟にものぼりました。また、公共災害では、水道管の破裂や 断水、道路や河川の亀裂、がけ崩れ、農地への被害、さらには、勝間田地内の東名高 速道路上り線の法面崩壊など多くの被害が発生しました。 被災者支援や災害復旧のため、市としても国や県を始めとした関係機関に要望して いくとともに、できる限りの努力や支援をしてまいります。 また、支援物資として、ブルーシート1,000枚、飲料水、ペットボトル4,60 0本などの物資の提供や義援金2件、静岡市からは、給水車の派遣をいただくなど、 多くの皆様に物心両面にわたって御支援をいただき、心から感謝申し上げる次第です。 想定される東海地震は、今回の地震とは比べものにならないほど長い時間、そして 1 大きな揺れが襲ってくるものと想定されています。 今回の地震の教訓を活かし東海地震に備える取り組みが必要です。 こうしたことから、防災訓練を実施した9月1日の夜、自主防災会の皆様に御参加 いただき、課題や問題のあった対応箇所の改善を図るため「検証会」を開催したとこ ろです。 こうした中で、各々の役割の確認とこれに基づく具体的な行動マニュアルづくりと ともに、自主防災組織の強化に取り組んでいくことが急務であると考えます。 「自分達の地域は自分達で守る」という自覚や連帯感を認識し、地域防災力の資質 向上につなげていただくことが必要です。今後とも、市民の生命や財産を守るため最 大限の努力をしてまいります。 また、今年の夏は、本市の観光、とりわけ宿泊、海水浴場の関係者にとっては、大 変厳しい状況となりました。 7月当初から天候がぐずつき、梅雨明けも8月にずれ込み、その後も、台風8号や 9号の影響、さらには、お盆休みによる入り込み客に期待をしましたが、地震発生と、 過去に経験したことのない厳しい夏となりました。 海水浴の入込み客は、静波、さがらの両海水浴場全体で446千人、前年対比55. 5%となりました。 宿泊業者、海の家の皆様にとっては、さらに景気の低迷も加わり、入込み客数の落 ち込み以上に厳しい状況であった方々もいると聞いております。 また、7月の長雨による日照不足等で、農作物とりわけ、水稲やみかん、イチゴな ど生産量の減少や品質の低下の影響も心配されています。被害が最小限に留まるよう、 ハイナン農業協同組合などの関係機関と連携をとり的確な対応を図ってまいります。 次に、財政関係についてであります。 本定例会には、平成20年度の一般会計など、各会計決算がまとまりましたので、 関係議案を提出させていただいたところであります。一般会計の決算規模は合併以来 最大で203億960万円となりました。これは、進出企業からの寄付金を財政調整 基金や減債基金に積み立てたことや榛原総合病院に対し実施した貸付金のほか、保育 園2園の新築を始めとする公共施設の耐震化工事、まちづくり交付金事業へ新たに着 2 手したことが主な要因です。 なお、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率(実 質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率)を算定いたしまし た。監査委員の審査を受けておりますので、その意見を付し決算認定の中で報告させ ていただきます。 概要を申し上げますと、牧之原市の4つの健全化判断比率は、早期健全化基準及び 財政再生基準以下であるため、同法に基づく財政健全化計画等の策定は必要ありませ ん。 公営事業であります、水道事業会計と農業集落排水事業特別会計においても、資金 不足は生じておらず、同様に、経営健全化計画の策定も必要ありません。 しかしながら、前年度に比べ実質公債費比率は0.2ポイント上回り19.4%、将 来負担比率も0.5ポイント上回り149.2%となっています。それぞれの分析につ いては決算連合審査の中で説明いたしますが、財政状況は依然として厳しい状況であ ると認識しております。今後、榛原総合病院の問題も影響が危惧されますので、22 年度以降の戦略プランを含めた包括的な検討が必要であると認識しています。 特別会計につきましては、後期高齢者医療特別会計が初めての決算となり、6会計 となりましたが、老人保健特別会計が大幅に減額となり、特別会計全体では35億 6,460万円の減額となりました。 次に、平成21年度牧之原市一般会計及び各特別会計の補正予算についてでありま す。 まず、法人市民税の減額についてであります。 平成21年度当初予算編成時、市内法人市民税の大半を占める製造業の業績悪化を 想定し、昨年度に比べ法人市民税は、マイナス31.8%、3億9,990万円の減収 を見込んだところであります。 しかしながら、その後、企業業績の下方修正や減産計画の発表が相次ぎ、5月に発 3 表のあった3月期の決算においては、多くの法人で減収減益という状況となっており ます。 こうしたことから、大幅な減収を見込まなければならない状況となり、法人市民税 5億4,200万円の減額をお願いするものです。 次に、榛原総合病院への財政支援についてであります。 平成19年度、20年度と繰出基準外の負担金や資金ショート回避のための緊急支 援を実施してまいりました。21年度の組合当初予算では、大幅な歳出削減にも関わ らず収支が合わず、不足分を一時借入金で対処する編成となりました。その後、更に 厳しい経営となり、指定管理者制度導入という経営形態の方針転換を図りましたが、 公募による応募者はなく、現在は公募によらない指定管理者の選定を進めているとこ ろであります。 8月18日に開催した、牧之原市、吉田町の議会議員の皆様などへの説明会におき まして、指定管理者制度への移行の現状や経過を踏まえ、榛原総合病院の体制を整え たうえで、医療法人徳洲会と具体的な協議や調整をしていく旨の説明をさせていただ きました。 現在、榛原総合病院で従事していただける医師などの調整をはじめ全体的な体制を 整備しているところであり、体制が整い次第、徳洲会グループの支援、協力を得なが ら、指定管理者への移行に向けて取り組んでいるところです。 現在の資金状況は4月から6月までに構成市町の 1 年分の負担金約14億4,20 0万円を収入し、なお不足する資金を構成市町が予算化した貸付金11億円のうち2 億5,000万円を借り入れて運営しています。9月の起債償還を実行するためには、 構成市町で予算化された貸付金の残高8億5,000万円を借り入れる等の対応が必 要となります。 しかし、貸付金の執行は返済の裏付けが当然必要です。安定した病院経営の見通し のないままに実行することは出来ません。このため、病院を経営する行政の責任とし て、現時点では最悪の事態を回避すべきと考え、構成町である吉田町と協議を重ね、 9月補正予算では組合当初予算で不足する分を追加財政支援するための予算をお願 4 いするものです。今回の財政支援なしでは、病院事業を継続していくことは困難です。 榛原総合病院は、地域医療にとって欠くことのできない中核施設であるという認識 のもと支援するものであります。議会や市民の皆様の御理解をお願いいたします。 なお、貸付金につきましては、執行分を一旦病院から返済していただき、新たな資 金計画の見通しを確認した上で、その後の貸付けについて判断をしていきたいと考え ています。 次に、経済危機対策臨時交付金と公共投資臨時交付金事業についてであります。 経済危機対策臨時交付金は国が地方公共団体に対して地球温暖化対策や少子高齢 化社会への対応、安心・安全の実現など地域の実情に応じた事業実施のため、今年度 に限り交付されるものです。 国の予算としましては1兆円、牧之原市に対する交付限度額は約3億5,600万 円とされ、市では、榛原総合病院の追加支援と学校ICT(情報通信技術)環境整備事 業としてデジタル放送対応テレビの購入と教育用・校務用パソコンの購入に充てるよ う計画しております。 榛原総合病院への追加支援は、20年度の補正で対応した「地域活性化・生活対策 臨時交付金」につづく補助金の活用で、市としては他事業を抑制し、榛原総合病院の 存続に向け最優先に取り組んでいるところです。 学校ICT環境整備事業は、教育環境の充実とセキュリティの強化を図るため、こ の臨時交付金とセットの国の補助金制度が今回に限り制度化され活用できるもので す。金額の大小はありますが、ほとんどの周辺自治体で実施予定であると聞いており ます。 公共投資臨時交付金事業も一連の経済危機対策でありますが、文部科学省関係の事 業のみを今回計上しました。国全体の予算としては今説明しました経済危機対策臨時 交付金より3,790億円多いとされています。交付限度額については、現在、示さ 5 れておりませんが、地方公共団体の追加公共事業等(直轄及び補助)の地方負担額を ベースとして算定されると聞いております。 現状では、文部科学省関係の個別の説明により予算化をしたもので、萩間小学校、 地頭方小学校の給食棟耐震化事業と23年度に計画しておりました榛原中学校の技 術棟の耐震化事業とこれに併せて学校太陽光発電導入等エコ改修工事をお願いする ものです。 いずれも、国の補助金の補助率アップと今回の交付金の活用、残額に対する地方債 にも交付税措置を考慮するというスキームです。今年度の当初予算で見送った坂部保 育園など他の耐震化事業への配慮などの課題はありますが、教育施設の耐震化につい ては今年度の事業実施が財政上得策であると判断を致しました。今回の予算措置によ り、学校施設関係の耐震化は、全て完了いたします。 そのほか、農業施設整備等への活用も可能であるなどの情報もございますが、現時 点では国からの情報が乏しく、教育関係予算のみの計上となりました。ご理解をいた だきたいと思います。 次に、先の地震による災害関連予算について、緊急的なものは予備費を充用いたし ました。総額は759万6千円で、施設管理上等の理由で緊急を要する修繕や補助災 害の採択に向けて、測量等の調査に着手する必要のあるものについて対応をしており ます。 現在、通行止めをしている市道など、補助災害査定前執行を予定している早期の復 旧が必要な箇所の工事費を3号補正へ計上しました。 その他の災害関連事業については現在整理をしているところであり、今議会中に4 号補正として追加上程をさせていただく予定であります。 各特別会計につきましては、主として決算による繰越金の計上を主としております。 次に、雇用状況等についてであります。 6 8月21日、市内主要企業、大学・高校などの教育機関、国・県などが一堂に会し て雇用に関する情報交換を行う牧之原市産業雇用支援ネットワークが開催されまし た。 この会議の中では、市内主要企業の来年度採用については優秀な人材のみを採用す るという厳しい状況、供給する大学・高校からは求人不足による就職浪人への懸念、 職業安定所からは過去にない有効求人倍率の低下などの意見が交わされ、景気が回復 傾向にあるという報道がされている中で、この地域の雇用情勢は変わらず非常に厳し い状況にあるとの印象を受けました。 また、市内の中小企業へのアンケートなどからは、受注の減少や販売単価の低下な どが経営上の問題として挙げられていますので、官民一体となって地元企業への発注 や地元商店での購買などを積極的に行い、この地域にお金を回していくことでまさに 地産地消を推進していくことの必要性を感じました。 茶業におきましても、リーフ茶消費量の低下や茶価の低迷、或いは生産コストの増 大など茶生産を取り巻く情勢は大変厳しい状況下にあることは言うまでもありませ ん。 こうした中、農業所得の安定化を目指し、JAハイナン農業協同組合を中心に「茶 と他作物による複合経営」の検討が始められました。また、市の農業委員会でも傾斜 地茶園の方向性や農地の団地化に向けた流動化施策についても議論されております。 今後の牧之原茶業の方向性を見出していく上で、大いに期待をしております。 また、埼玉県入間市で開催された全国茶品評会審査会が、8月25日から28日の 4日間行われ、深蒸し煎茶の部におきまして、129点の出品の中から、鈴木芳仁さ んを支部長とするJAハイナン青壮年部萩間支部が、最高の賞となる農林水産大臣賞 に輝きました。茶どころ牧之原市の名声を全国に轟かせていただくとともに、厳しい 状況にあります茶業の好転への契機となればと思うところであります。 各企業におきましても、経営改善について、継続的な取り組みを行っている状況で あります。こうしたことから、現在の厳しい社会情勢の中で、どのように経営の改善 をしていったらよいのか、その契機となるよう市内企業の経営者の方々など23人を 受講生とし、法政大学院静岡サテライトキャンパスとの共催によりビジネススクール を開催しているところです。 また、世界的な経済不況の中、生活対策、経済対策のひとつとして取り組んでおり ます定額給付金の支給についてでありますが、8月20日時点で、支給済み及び支給 が明確となっているものが、16,414世帯、率にして94.2%、支給額は、 7 7億7,775万2千円、率にして97.9%となっております。 これまで、未申請者に対し、はがきによる申請のお知らせや高齢者世帯に対しては 訪問などによりお知らせをしてきたところですが、未だ1,018世帯、1,622万 8千円が未支給となっております。10月15日の申請期限に向け、未申請者に対し、 再度、はがきなどによりお知らせなどをしてまいります。 また、定額給付金と同時並行で進めてまいりました平成20年度版の子育て応援特 別手当につきましては、対象者632人のうち、申請のあった方が626人、未だ申 請のない方が6人であります。 このうち4人は、外国人登録の方でありまして、通知等により早期の申請をお願い しておりますが、郵便が戻ってきてしまうなど所在がつかめない状況であります。 残り2人の日本人につきましては、1世帯の姉弟2名分でありまして、期限までに 申請するとの回答でありました。 また、子育て応援特別手当については、経済危機対策を目的に、平成21年度版を 新たに国において実施するため、今定例会に補正予算をお願いしたところであります。 平成20年度版と同様に、小学校入学前3学年の子どもを対象に、一人あたり3万 6千円を支給するというものですが、今回の制度は、第1子も支給対象になるという ものです。対象の基準日は10月1日で、支給対象者は約1,260人が見込まれま す。 なお、12月11日より全国一斉に受付が開始され、12月下旬より順次支給して いく予定であります。 次に、中里工業団地造成事業についてであります。 中里工業団地造成工事については、7月に県企業局により入札が行われ熊谷・林 工・中村特定建設工事共同企業体が税抜き25億円で落札し7月15日に請負契約を 締結しました。 8月に入り工事現場事務所を白井工業団地内に設置するとともに8月10日から 区域内の現地踏査及び測量を開始し、9月から工事に着手しました。10月上旬には 起工式を予定しており、平成23年末の完成を目標に工事が進められます。 8 工事の実施にあたっては、県企業局、工事施工業者と連絡を密にし、周辺への影響 や安全に配慮し進めるよう努めてまいります。 次に、道路関係についてであります。 スズキ相良工場増設に伴う交通緩和対策として事業を進めております「市道壱丁田 北線・大倉壱丁田線」につきましては、7月末に「地域活力基盤創造交付金」の交付 申請を致しました。 県からは、近々交付決定が下りる見込みである旨の連絡を頂いておりますので、関 係する皆様への説明会を9月7日から9日にかけ開催を致します。 説明会終了後は、関係者への相談会も実施し、用地・補償の交渉を進めてまいりま す。 また、都市計画道路・山の手幹線につきましては、深谷橋の左岸橋台及び橋脚工事 の発注も終わり、工事着手に向けて請負業者による準備が進められているところです。 現在、緊急雇用創出事業としまして臨時職員を雇用し、交通安全施設点検事業と道 路・河川等環境整備事業を実施しております。 交通安全施設点検事業としまして、カーブミラーや道路照明灯の設置場所、支柱の 錆び状況、ミラーの直径などを調査し、交通安全施設台帳を作成するための現地調査 は、ほぼ終了しました。 また、道路・河川等環境整備事業につきましては、道路の草刈り及び路上に出た枝 の伐採を、河川につきましては、河床及びのり面の草刈り要望箇所を主体に実施し、 8月20日現在、道路の草刈りは8路線、延長5,220メートル、河川の草刈りに つきましては7河川、延長645メートル実施しました。引き続き、道路・河川の環 境整備を実施してまいります。 次に、富士山静岡空港についてであります。 開港から3か月が経過し、好調な路線もありますが、思うように利用者が伸びてい ない路線もあります。先月27日に、2,500メートルの滑走路が完全運用となり、 天候不順による欠航などに対し、大幅な改善がされ、さらには、需要の拡大に結びつ 9 きますことを大いに期待しております。 現在、ソウル便の利用拡大を目指し、韓国で開催されている「仁川世界都市祝典」 に、静岡県や静岡市、浜松市などによる出展PRが行われています。 牧之原市も今月25日から1週間、「仁川世界都市祝典」に職員を派遣し、牧之原 市の魅力の発信と誘客のPRを行ってまいります。 出展内容につきましては、静岡牧之原茶や空港の地元市であるPR、風光明媚な海 岸線、マリンスポーツのメッカである牧之原市を大いにセールスしてまいります。 次に、第24回国民文化祭についてであります。 第24回国民文化祭しずおか2009の開催まで、あとわずかとなりました。 牧之原市では「塩の道フェスティバル」として「塩の道ウォーキング」、 「塩づくり 体験」、 「郷土芸能の祭典」の3つの事業を実施します。 牧之原市と新潟県糸魚川市を結ぶ「塩の道」は、日本で最長・最古といわれ、物資 の運搬や信仰の道として、利用されてまいりました。この古道を6区間に分け、先人 たちの苦労を忍びながら歩くものです。 国民文化祭の開催期間となる10月30日には、菊川市から牧之原市までの18km を歩くことになっております。 7月24日に新潟県糸魚川市で出発式を行い、これまで、2回のウォーキングを開 催しております。今後開催される塩の道ウォーキングへの関心の高まりとともに、参 加者も増えますことを期待しております。 また、塩づくり体験は、牧之原市の海岸で行われていた昔ながらの「揚浜式塩づく り」を10月31日に塩づくり体験施設「茶々塩屋敷」で体験していただきます。 生涯学習ボランティアグループ「スマイル」の皆さんが中心となり塩づくり体験の 事業を運営していただきます。コシキ、マンガー、ゾロといった道具を使い、自らの 手で作った塩を、おにぎりやゆで卵などにつけて味わっていただきます。 さらに、11月1日には、郷土芸能の祭典を“い∼ら”で開催します。 塩の道沿線の伝統ある民俗芸能を歴史研究者の解説のもとで上演していただくも のです。 10 長野県から大鹿歌舞伎、黒田人形浄瑠璃、県内からは水窪町の八幡神楽、森町の天 宮神社十二段舞楽、市内からは、大江八幡宮御船神事、飯津佐和乃神社御船神事、蛭 ヶ谷の田遊びの民俗芸能が上演されます。 いずれも歴史的価値が高く、古くから地域に伝わる民俗芸能として大切に守られて きているものです。 また、市内出身で近畿大学名誉教授の野本寛一先生の講話や歴史研究者とのシンポ ジウムも開催します。 このほかロビーでは、文化協会の会員による絵画や写真の展示、沿線地域の物産展 も予定しております。 次に、地上デジタル放送完全移行に向けてであります。 電波の有効利用や周波数の混雑の緩和などを目的とし、平成23年7月24日まで にアナログ放送が終了し、地上デジタル放送が始まります。 このため、地上デジタル放送に関わる正確な情報を提供し、放送開始日から視聴い ただけるよう、総務省静岡県テレビ受信者支援センターでは、高齢者などを対象とし た説明会を10月中に市内公民館など9施設で開催する予定です。 また、各種団体からの要請に応じ、随時、説明会を開催する意向です。市でも総務 省と連携しながら地上デジタル放送の周知活動に協力してまいります。 最後に、エコアクション21についてであります。 8月3日から5日までの3日間、エコアクション21認証更新のための審査を受け ました。 相良・榛原両庁舎における取組は、認証取得以来、着実に成果を上げており、平成 20年度は、廃棄物量で0.6%、二酸化炭素で10.6%、総排水量で15.6%の 減少となりました。 経費でみましても二酸化炭素で165万9千円、水道使用量で15万7千円の節約 となりました。 審査人からも、充分な取組と成果を評価いただき、「次のステップとして市民、地 域への働きかけを積極的に展開される段階」という御指導もいただきました。 私としましても、取り組みを市民に紹介し、市民の間にも取り組みの機運をもっと 11 広げたいと考えます。 正式な認証取得は、これから審査会において更新が認められた後となりますので、 もう少し先になりますが取得の見通しはつきました。 なお、今回は、認証申請の範囲を、両庁舎のみならず、総合健康福祉センター、保 育園、幼稚園、小・中学校、文化施設、公民館等計31の施設に対象を拡大いたしま した。 エコアクションの取り組みは、行政改革の取り組みそのものであります。職員の意 識の持ち方に大きく関係するものであり、こうした意識をもって、更なる効率的な行 政運営に取り組むとともに、市民の皆さんが満足感や充実感を味わえる牧之原市とな るよう、皆さんと共に努力し、取り組んでまいりたいと考えております。 榛原総合病院や地震への備えなど、牧之原市の抱える課題はたくさんありますが、 市民力が向上し、幸福実現都市を目指す市民の皆さんと、引き続き、市政発展のため に努力してまいるつもりです。 この難局の中ではありますが、議会の皆様におかれましても、今後とも、御支援御 指導を賜りますよう、よろしくお願いします。 以上、所信の一端について申し上げ、行政報告とさせていただきます。 平成21年9月2日 牧之原市長 12 西原茂樹
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