畜産センター 収量が多く越夏性に優れたイタリアンライグラス 「アキアオバ3」の開発 越夏性のライグラス品種は播種後、二年以上利用できるため、省力的で収量の高い飼 料作物として、中山間地の転作田および飼料畑等集約的な利用が困難なところで利用さ れてきました。 しかしながら、近年、地球温暖化等の影響により夏の高温期が延長し、夏枯れ、病害 の発生などが多くなり,長期の利用が困難となっています。 そこで、畜産センターでは,越夏性,耐病性に優れた「アキアオバ3」を育成,平成 20 年に登録しました。 2年目1番草 越夏後 越夏前 乾物収量(kg/a) 300 200 100 0 アキアオバ3 左:アキアオバ、右:アキアオバ3 アキアオバ ハイフローラ アキアオバ3の乾物収量 (2003 年 9 月 20 日撮影) 【主な特徴及び内容】 ・ 各品種の栽培条件を探るため,灌水条件,夏場の刈取時期,施肥量を変えて試験 を行いました。 ・ 灌水によりアキアオバ3は秋の収量が増加し、どの刈取期でも同程度の収量を示 しました。また、アキアオバ3は多肥条件でも収量が増加していました。 ・ アキアオバ3は他の越夏性ライグライスよりどの栽培条件でも安定して越夏性に 優れ多収でした。 【期待される効果】 ・ アキアオバ3は栽培条件に左右されることが少なく,転作田,耕作放棄地などで 省力的な利用が期待できます。 ・ 畜産センターでは,現地におけるアキアオバ 3 の適応性を調査するとともにさら に越夏性のよい品種の開発を行っています。
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