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授業科目名
材料学 3
履修年次・学期
2008・M4・前期
科目区分
専門科目・選択
教育目標との対応
1. 機械工学に関する基礎的な専
門知識がある.
単位数
1 単位 (JABEE 認定)
オフィスアワ−
担当教員名
新野邊 幸市
授業点検教員名
本間 寛己
JABEE 科目区分
基礎工学(③材料・バイオ系)
JABEE 学習・教育目標
との対応
5-1「システムづくり」のための基
礎的な工学能力がある
授業概要
到達目標
成績評価方法
・評価基準
月・火・水 放課後 (17-18 時)
機械技術者が機械や構造物の設計・製造を行う際、材料選択は重要な因子になる。特に
近年では使用環境の過酷化と軽量化による高性能化が強く求められ、材料選択には専門的
な知識が要求される。この課題に対応するには材料の本質を原子や結晶のレベルで把握す
る必要がある。そこで本講義では鉄鋼材料を取り上げて実用的知識を身に付ける。まず状
態図を理解して鉄鋼の結晶構造とミクロ組織の形成過程を把握する。続いて焼き入れなど
の各種製造工程で起こる現象を理解できるようにして各工程の意義・目的を把握する。さ
らに、JIS で規格化された各鋼種の用途と特性を理解する。機械系技術者に広く読まれて
いる金属(アグネ)や工業材料(日刊工業)に掲載される関連記事を理解し、活用できるレベル
となるよう到達目標および評価基準を設定する。
1) 合金の状態図を理解して、共晶反応と包晶反応における凝固過程を把握できる.
2) 鉄鋼の状態図を理解して、構成相と形成される組織の関係を把握できる.
3) 熱処理曲線図を用いた熱処理方法を理解して、組織の形成過程が把握できる.
4) JIS で規格化された各種鋼材の用途と特性を把握できる.
中間試験は到達目標 1)と 2)の項目、期末試験は到達目標 3)と 4)の項目について、学習内
容の理解度を評価するため実施する.小テストおよびレポートの提出は 5 回ほど要求する.
最終成績は中間試験、期末試験ならびにレポートを評価対象として次の式により計算する.
中間試験 : 期末試験 : 小テスト・レポート(5 回) = 40% : 40% : 20%
【教科書】
・機械系教科書シリーズ6 材料学: 久保井徳洋, 樫原恵蔵 コロナ社 (2000)
授業中に配布するプリントは試験対策として必要なため、紛失しないこと.
教科書
(参考書)
その他
【参考書】
・材料の科学と工学 [1] 材料の微細構造
W.D.キャリスター 培風館
・材料の科学と工学 [2] 金属材料の力学的性質
W.D.キャリスター 培風館
授業中はノートを取ること.また配布されたプリントは紛失しないこと.
授業計画・内容
第1回
第2回
第3回
Trial 1 合金の状態図1
全律固溶体の状態図を理解し、てこの原理による量比計算をできるようにする。Keyword : てこの原理
Trial 2 合金の状態図2
共晶合金の状態図を理解して、濃度と量比を算出する。Keyword : 共晶反応, 晶出, 析出
Trial 3 合金の状態図3
包晶合金の状態図を理解して、濃度と量比を算出する。Keyword : 包晶反応
Trial 4 鉄鋼の製造工程
第4回
鉄鉱石がコークスにより還元反応を起こして鉄と鋼ができるまでのプロセスを理解する.
Keyword : 製銑, 製鋼, 高炉, 転炉, ベッセマー, パドル法
Trial 5 鋼の状態図と熱処理1
第5回
炭素鋼の状態図を理解して、形成される組織の特徴を把握する.
Keyword : ferrite, pearlite, austenite, cementite
Trial 6 鉄の状態図と熱処理2
第6回
拡散変態と無拡散変態により生成する組織の特徴を理解する.
Keyword : 無拡散変態, martensite, bainite
第7回
中間テスト
第 1 週から第 6 週までをまとめ,中間テストを行う。
Trial 7 鋼の状態図と熱処理3
第8回
熱処理に不可欠な変態曲線図と生成する組織を理解する。
Keyword : CCT 線図, TTT 線図
Trial 8 鋼の状態図と熱処理4
第9回
各種熱処理の目的と方法を理解する.Keyword : 焼き鈍し, 焼きならし, 焼き入れ, 焼き戻し
Trial 9 鉄の状態図と熱処理5
第10回
焼き入れにより生成するマルテンサイト組織の特徴を理解する。Keyword : 焼き戻し脆性, 2 次硬化
Trial 10 鉄の状態図と熱処理6
第11回
マルテンサイト変態や析出強化、加工硬化を利用した高強度鋼の特徴を理解する。
Keyword : マルエージ鋼, パテンティング, 2 次硬化, 金属間化合物
Trial 11 鉄鋼材料2
第12回
JISで規定された圧延鋼材と機械構造用鋼の分類を把握する。
Keyword : SS, SM, SB, SC, SCr, SCM, SNCM
Trial 12 鉄鋼材料3
第13回
JIS で規定された工具鋼の分類を理解して、的確な用途を把握する。Keyword : SK, SKS, SKD, SKH
Trial 13 鉄鋼材料4
第14回
第15回
第16回
JIS で規定された特殊鋼の分類を理解して、的確な用途を把握する。Keyword : SUJ, SUP, SUS, SUH
Trial 14 鉄鋼材料5
鋳鉄の組織とその分類を理解する。Keyword : FC, FCD, FCM
総括
試験の解答説明を踏まえ、本講義の総括を行う.