近代女性思想 3 2014年度 南山大学 総合政策学部 浜名優美 現代日本の男女平等政策 1985 国連女性差別撤廃条約批准 男女雇用機会均等法 1991 育児休業法 1995 第4回世界女性会議〔北京 ) ILO156号条約批准 1997 介護保険法成立(2000年 施行) 1999 男女共同参画社会基本法(英語で gender equality 男女平等) 改正男女雇用機会均等法 2001 内閣府男女共同参画局へ昇格 2003 少子化社会対策基本法 映画「戦火の勇気」 メグ・ライアン(医療ヘリの指揮官、女性大 尉ウォールデン、女性初の名誉勲章) 17世紀の男女平等論者 François Poulain de la Barre プーラン・ド・ラ・バール 両性平等論(法政大学出版局、1997) はじめに目次をながめる(6枚目から) 著作 De l’égalité des deux sexes (1673) De l’excellence des hommes contre l’égalité des sexes (1675) フランソワ・プーラン・ド・ラ・バー ル 苗字:プーラン・ド・ラ・バール 両性平等論 著作 De l’égalité des deux sexes (1673) 両性平等論(法政大学出版局、1997) (翻訳は約300年後) De l’excellence des hommes contre l’égalité des sexes (1675) 女は将軍になることができる(象徴的な平等 論) 第一部 ここでは、通俗的な臆断は偏見であること、 男の行為と女の行為の中に見られるもの を公平に比べてみるならばこの両性の間 には完全な平等があると認めざるを得な いことが示される。 人間は偏見に満ちている(11) ものごとを正しく判断するためにしなけれ ばならないこと(13) 男は女をどういうものだと思っているか(14) 習慣による誤った考え(15) なぜ女は男よりも劣っていると考えられて いるのか(16) 古代の風習をどのように判断すべきか(17) 人はいつもどのように支配されてきたのか (18) 歴史的な推測 男はどのようにして女の 支配者となったか(19) 女が重要な職務を占めることがなかったの はなぜか(21) 異教徒の間ではどうして女は聖職者の列 に加わらないかということ(23)→(現代) キリスト教(カトリック)では女は神父になれ ない。イスラームでも同様。 なぜ女は学問に参加しなかったのか(24) 女に対する振舞いを正当化するために男 がしなければならないこと(26) なぜ女はつまらないものに夢中になるの か(25) 男はどのようにして仕事に就くか(27) 男の子と女の子の比較(28) 教育は男の多くには無用である(29) 両性の表現力の差(30) 女と学者の比較(30) 学問の成果とは何か(33) 女の精神は正確である(34) 女は話術を心得ている(35) 女は雄弁術を知っている(35) 女は身振りという雄弁術をもっている(36) 女は法律を知っているし、その用い方を理 解している(37) 女は物語を書くのに適している(37) 女には神学がわかる(38) 女は医術を理解している(38) 女は占星術師の空想と反対のことを知っ ている(39) 女が口をださない学問が存在する理由(39) こういうことはどれも女において一層顕著 である(40) 多数いる女の知識人の方が男の知識人よ りもっと尊敬に値する(40) 一般に女は学問の能力があることを認め るべきだ(41) 女はわれわれと同じほどに有徳であること (42) 女たちは慈悲深い(43) オテル・デューの女(43) 女は独身生活をどう過ごすか(44) 女は修道院でどのように生活するか(45) 女は結婚生活をどう送るか(45) 女は子どもをどう育てるか(46) 女が子どもの教育に対して払う配慮(47) より詳細な説明は女にとって有利である(47) 第二部 ここでは、両性の平等の説に反対するため に詩人や雄弁家や歴史家や法律家や哲 学者に依拠して持ち出された論拠が、なぜ 空しく無用であるかが明らかになる 学問に対する通俗的な考え方(50) 詩人や雄弁家の権威に対する反論(50) 女は男より仕事において高く評価される (53) 女の利点は何か(53) 歴史から引き出された証拠への反論(54) 女の優位性に対して歴史が述べているこ と(56) 哲学者に反対して(59) 法律家に反対して(57) 学校の哲学者とはどのようなものか(59) 学の成立ち(61) 液体性とは何か(61) 自然学を理解するのと刺繍や織物の作り 方を理解するのとでは同じくらい精神の働 きが必要となる(62) 健全なる哲学の原理に基づいて考察され た女は、いかなる点から見ても男と同じ能 力を有する(64) 精神に性の違いはない(64) 精神はすべての人間にとって等しい(64) 精神は女においても男の場合と同じように作用 する(65) 男でも女でも、精神は同じ仕方で事物を把握す る(65) 女は自然学も医学もできる(66) 味の本質は何か(67) 女は情念を理解できる(67) 女は論理学を学ぶことができる(68) 数学的諸学問(69) 女は天文学もできる(69) 女は文法ができる(71) 雄弁術(72) 法と政治学(73) 地理学(74) 世俗の歴史(75) 教会史と神学(76) 民法(77) 教会法(78) 女が学問から排除されているのは、自然 本性の素質が劣っているからではない(79) 学問にいちばん適しているのは誰か(79) 両性は学問に対して等しい権利を有する (80) 徳は認識に存する(81) どうして徳を愛する人がこんなに少ないか (82) 断固として道徳的であるためには賢明でなけれ ばならない(82) どうして賢明な人の中に有徳でない人がいるの か(83) 教育を与えることによって女が傲慢になるわけで はない(84) 賢明なるものすべてにとって重要な見解(84) 知識は仕事以外のことにも必要である(86) 学問に時効はない(87) 女は劣っていない 女は男に劣らず公務の能力がある 88 女には教える能力がある(90) 女は高位の聖職につくことができる(90) 女は権威をもつことができる(91) 女は将軍になることができる(92) 女は司法の職をこなすことができる(93) 女は研究に専心するに違いない(94) 女が学ぶことの利点(94) 女は学問に向いた素質をもっている。そし て完全、高貴、誠実という観念は、男と同 じように女たちにも正しくあてはまる 96 女は想像力と才気に富む(97) 完全性と不完全性の観念(98) 誠実の観念(100) 両性の区別 両性の区別はどこからくるのか。それはど こまで広がるのか。この区別は、美徳と悪 徳とに関して、男と女の間に違いをもたら さない。気質は一般にそれ自体としては善 でも悪でもない 102 両性の違いはどこからくるか(102) 女は男以上に生殖に貢献する(102) 体質に関して(103) 女に不利な表現を考慮する必要はない(104) 女は身体に関しては優れていると主張できる(1 06) 男女の体質はほとんど同じである(107) 美徳とは何か(108) 女は男以上に悪徳への道に誘われているわけ ではない(108) 違いは教育から 習俗に関して男と女の間に認められる違 いは、与えられた教育から生じる 109 外的状態から生じること(109) 女の欠点は教育に由来する(110) 女にはどのような教育が与えられているか (111) 女に帰される欠点は想像上のものである こと(112) 女の欠点と言われるもの 臆病(113) 吝嗇(114) 軽信(115) 迷信(116) おしやべり(116) 好奇心(118) 好奇心は才気のしるしである(118) 移り気(119) 他人がもはやわれわれを愛さないからといって彼らを非 難してはいけないのはなぜか(120) 技巧(121) 大きな悪意(122) プラトンの見解(123) アリストテレスの見解(124) ソクラテスのおかしな考え(125) ディオゲネスの考え(126) デモクリトス(126) カトーの考え(127) 男の優秀さについて 両性の平等説への反論 序文 131 『創世記』第一章の検討(135) 『創世記』第二章の検討(139) 『創世記』第三章の検討(142) 婚姻における支配関係という主題に関する多くの教父たちの証言(1 51) 服従、従属、命令は結婚からの必然的な帰結ではない(156) 女の権利を認めようとしない論者が援用した聖パウロの言葉の検討 (159) なぜ神は公職に関しては女よりも男を選ぶか(167) 聖書によれば、女が男以上に悪徳に染まりやすいわけではないこと (176) 男の優秀さについて 第一部 女は男と全く平等でないという共通認識は、 偏見による誤謬だと見なされてはならない。 また、その考えはこの世と同じく古くから存 在し世の中で流布しており、良識的な哲学 の原理に一致しているので、確たる真理と 見なされなければならない 男が優秀であることの身体的根拠 99 男の優秀さについて 第二部 聖書 男と女 聖書によれば、女は決して男と平等ではな い 神はその振舞いからすると、いつも男を女 より高く評価し、女は男よりも劣ったものと して彼らに従うようにと命じたように思われ る 女を非難した古代人たちの弁護 240 『両性の平等について』と『男の優秀さにつ いて』に関する難点の解明のために必要 な注意 254
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