梗概

修士論文梗概
鉄筋コンクリート造ピロティ階における柱梁接合部の破壊メカニズムに関する研究
都市環境学専攻
勅使川原研究室
小川
司
はじめに
1.
最下階で壁抜けのあるピロティ構造物の被害報告は,
兵庫県南部地震(1995 年)など,国内外を問わず多数あ
る。国土交通省の構造関係技術基準解説書
1)
では最下階
にも部分的に耐震壁を配置して,ピロティ階での層崩壊
を許容しない設計方針を推奨している。しかし,ピロテ
圧縮力
ィ階に全く耐震壁のない建築物(純ピロティ型建築物)
は,耐震的に大きな問題点を有するものの,駐車場や店
舗としての利用計画上の要求は高い。
引張力
(a)柱が開く方向
(b)柱が閉じる方向
図-1 ピロティ柱柱頭の応力伝達機構(屋内側拡張)
本研究は,ピロティ階での層崩壊を許容し,すなわち
柱脚・柱頭で曲げ降伏させて,ピロティ階のみで地震エ
ネルギーを吸収させることを想定している。その場合,
ピロティ柱の剛性,靱性を確保するために,2 階柱断面に
比べ,ピロティ柱断面が大きくなり,ピロティ柱梁接合
部内で急激な断面差が生じる。このようなピロティ柱梁
圧縮力
接合部に関する以下の問題点を明らかにし,ピロティ柱
引張力
梁接合部の設計に資する。
ピロティ柱梁接合部内で途中定着される柱主筋の定
1)
(a)柱が開く方向
(b)柱が閉じる方向
図-2 ピロティ柱柱頭の応力伝達機構(屋外側拡張)
着方法
2)
ピロティ柱梁接合部内の有効な配筋方法
げモーメントによる破壊とせん断による破壊がある。
3)
下階の柱頭曲げ応力の上階への応力伝達機構
応力伝達機構を明らかにすることで,曲げやせん断に
4)
ピロティ柱柱頭・柱梁接合部の強度の算定法
対する応力が厳しくなる箇所がわかり,危険断面が推
ピロティ柱梁接合部の静的加力実験
2.
定できる。
本研究では,1 階柱がスパン内に拡張された場合,スパ
形状パラメータとして 1 階柱型を屋内側に拡張する場
ン外に拡張された場合の柱断面が急変するピロティ柱梁
合と屋外側に拡張する場合の 2 種類があり,配筋や形状
接合部の二つある。パラメータとして,補強方法の違い
の関係から柱頭の応力状態が異なる。載荷方向が,1 階柱
(斜め筋,壁内定着筋,ハンチなど)と途中定着される 1
型が開く方向,閉じる方向でも柱頭の応力状態が異なる
階柱主筋の定着方法の違いとした計 12 体の試験体に対し
(図-1(a),(b),図-2(a),(b))のでそれぞれ別途に検討する。
て,静的加力実験を行い,ピロティ柱柱頭・柱梁接合部
屋内側,屋外側拡張ともに,柱が閉じる方向では 1 階
の応力伝達機構,提案した補強・定着方法の強度・靭性
柱からの応力が耐震壁に流れ,有効に耐震壁が効く応力
に関する有効性を確認した。
伝達機構になっているが,柱が開く方向では,耐震壁が
2.1
ピロティ柱柱頭の応力伝達機構
鉄筋コンクリート構造は,鉄筋の引張力とコンクリー
トの圧縮力で応力を伝達しており,実験で観察されたひ
び割れ,ひずみゲージの値をもとにピロティ柱柱頭の応
有効に働かなく, 1 階柱からの応力は梁と 2 階柱に伝達
することが確認された。
2.2
各補強方法,定着方法の有効性
提案した補強・定着方法の強度・靭性に関する有効性
力伝達機構を実験で得られたひび割れ図と併せて示すと
を以下に述べる。
図-1,図-2(実太線:引張に効く鉄筋,灰色の帯:圧縮力
2.2.1
の流れ)のようになる。
一般に建築構造部材の破壊メカニズムとしては,曲
柱型を屋内側拡張した場合
大変形時に途中定着される柱主筋の掻き出し破壊が確
認され,できるだけ接合部内部に定着させる必要がある
修士論文梗概
した効果が得られなかったが 2 階柱脚屋外側を⊿型に打
壁内定着筋
2 階柱へ
直線定着
ち増す(図-4(b))ことにより補強する方法は,柱が開く
方向では柱型拡張部分の斜めひび割れを抑えることがで
き,柱が閉じる方向では,打ち増ししたコンクリートの
斜め筋
(b)
)((b)
(c)ハンチ
b
図-3 各補強方法,定着方法の有効性(屋内側拡張)
(a)
内部を通した主筋が破壊面に有効にはたらき耐力向上が
確認された。ハンチによる補強(図-4(c))は,柱が開く
方向,閉じる方向ともに,耐力と変形能の向上が確認さ
2階柱脚
⊿拡張
接合部帯筋増
れた。
ピロティ柱柱頭での破壊の終局耐力評価
3.
柱断面が急変するピロティ柱梁接合部を有する柱頭は,
その形状や柱梁主筋の定着の問題上,通常の柱,梁の破
(a)
(b) ハンチ
(c)
斜め筋
壊面と異なり,既往の柱,梁の評価式で評価が難しいと
図-4 各補強方法,定着方法の有効性(屋外側拡張)
考えられる。そこで,実験で観察された破壊形式とピロ
ティ柱柱頭の応力伝達機構(図-1,図-2)をもとに,ピロ
ことが分かった。また,途中定着させる柱主筋を 1:3 の
ティ柱柱頭で危惧される破壊形式を設定し,耐力評価を
傾きで,1 階柱フェース位置で折り曲げ 2 階柱に直線定着
行う。また,静的加力実験では,すべての試験体でピロ
させる方法(図-3(a))は,柱が開く方向で,折り曲げの
ティ柱柱頭での破壊で終局を迎えたため,実験値との比
コーナー部分の支圧力が 1 階柱のせん断力と同じ向きに
較により,耐力評価の妥当性を確認する。
働き,せん断破壊しやすい配筋であることが確認された。
3.1
ピロティ柱柱頭の強度計算基本方針
破壊面を横切る斜め筋,壁内定着筋(図-3(b))は,柱が
図-5(屋内側拡張),図-6(屋外側拡張)に危惧される
開く方向,閉じる方向ともに,耐力と変形能の向上が確
破壊形式を示す。図中の破線は破壊線,●は回転の中心,
認された。梁端部のせん断補強筋は,柱が開く方向,閉
○は,モーメント計算の基準点とする。破線の破壊面と,
じる方向ともに,梁のせん断破壊を伴う柱頭での曲げ破
定着が十分に確保できる破壊面を横切る鉄筋を 2 階柱と
壊(図-5(d))を防ぐのに有効であった。ハンチによる補
梁に投影する。水平・鉛直方向の断面に対し,力の釣り
強(図-3(c))は,柱が開く方向,閉じる方向ともに,耐
合いを考慮し,モーメントの釣合いにより強度を算定す
力と変形能の向上が確認された。
る。曲げモーメントの基準点(水平方向)は,1 階柱の中
柱型を屋外側拡張した場合
心軸上に置く。曲げモーメントの基準点の高さは,梁の
2.2.2
柱が開く方向での,接合部内の柱型を拡張した部分に
破壊を伴う場合は梁の中心とする(梁の軸力の影響を考
おいて,斜めのひび割れが生じたが,接合部帯筋を増量
慮しなくてよいから)。1 階柱での破壊の場合は,柱が開
することで,このひび割れを抑えることができた(図
く方向では梁下端筋の重心位置とし,柱が閉じる方向で
-4(a))。柱型を屋外側に拡張する場合では,斜め筋は期待
は梁断面の圧縮中心とする(いずれも梁から柱への反力
上階部材
曲げ破壊
柱の曲げ
破壊
上階部材の
せん断破壊
Db
LB
(b)
LC
lc
(d)
上階部材
曲げ破壊
xn/2
(f)
LF
DC1-DC2 Σaw σwy
d
LG
Db
(h)
柱が閉じる方向(f~h)
図-5 危惧される破壊断面(屋内側拡張)
Cout
LB (c)
柱が開く方向(b~c)
上階部材
曲げ破壊
柱の曲げ
破壊
(b"') 釣り合い
aw
(g)
(b)
(b") Cout の伝達
梁せん断
壁板圧壊
Db
Cout
LD
柱が開く方向(b~d)
柱の曲げ
破壊
d
ΔD
lc
(c)
柱の曲げ D -D 上階部材
C1
C2
破壊
曲げ破壊 D2c
DC1-DC2
lb
LH
Db
(f)
LF
LG
(g)
柱が閉じる方向(f~g)
図-6 危惧される破壊断面(屋外側拡張)
修士論文梗概
の中心であるから)。
1 階柱での破壊(図-5(b),(f),図-6(b),(f))の場合,基本的
ひび割れ a
C
ひび割れ a
ひ
には,柱の全断面が有効であるとして曲げ強度 Mc を計算
する。ただし,屋内側拡張の開く方向(図-6(b))では,
C
O
O
ひび割れ b
ひび割れ
れb
帯筋が少ない場合,接合部内の斜めひび割れに伴う曲げ
B
B
強度の低下が顕著であった。そこで図-6(b”)に示す圧縮ス
A
トラットを想定する。これは図-6(b”’)の釣合条件を満足
梁下端 1 段筋
折り曲げ中心
引張歪
A
引張歪
(a)屋内側拡張
(b)屋外側拡張
図-8 柱が開く方向の応力伝達機構
している必要があり,そのためには接合部内のせん断補
強筋による引張力が必要となる。これが十分であれば,
梁下端筋の外側の圧縮力 Cout が柱の圧縮縁まで到達し,
柱断面が有効となる。せん断補強筋が十分でない場合に
C
曲げひび割れ b D
C
D
は,次式のように有効柱せい(Deff)が短くなると考える。
Deff = lb +
∑ awσ wy
Fc ⋅ bc1
×
d
≤ Dc1
Dc1 − Dc 2
曲げひび割れ b
b
(1)
ひび割れ c
B
lb:梁下端 1 段筋の仕口面から折り曲げ中心までの長さ(図 8(b”))
d:梁の有効せい
bc1:1 階柱の柱幅
Σawσwy:接合部内せん断補強筋が負担できる引張力
Dc2:2 階柱の柱せい
Dc1:1 階柱の柱せい
曲げひび割れ a
ひび割れ c
A
B
曲げひび割れ a
A
(a)屋内側拡張
(b)屋外側拡張
図-9 柱が閉じる方向の応力伝達機構
ピロティ上階部材(壁,2 階柱,梁)の破壊を伴う場合
(図 5(c),(d),(g),(h),図 6(c),(g))は,2 階柱 Mc2 と梁 Mb の
ピロティ柱梁接合部の終局耐力評価
4.
投影断面の曲げ強度の和 Mb’で評価する。なお,断面に 1
柱や梁などの部材が十分に耐力を発揮するためには,1
階柱のせん断力 QC が軸力として作用すると見なす。1 階
階柱から梁,2 階柱へ応力を伝達する経路である柱梁接合
柱の軸心と 2 階柱軸心が異なるため,偏心距離 e とした
部での破壊(接合部での定着破壊も含む)が生じないこ
偏心モーメント Ne を考慮する。±の符号は,屋内側拡張
とが前提条件となる。ピロティ階での層崩壊を防ぐため
では+,屋外側拡張では-とする。
に,柱,梁の主筋量を増やし,ピロティ柱柱頭の強度を
M b' = M c2 + M b ± N ⋅ e
確保すると,柱梁接合部に大きな応力が生じ,逆に柱梁
(2)
接合部が破壊する危険性がある。また,柱梁接合部の形
ピロティ柱柱頭の強度計算結果
3.2
計算結果と実験結果の比較を図-7 に示す。なお同様の
状や柱梁主筋の定着の問題上,応力伝達機構が一般の柱
も併せて載せる。Qc は 1 階柱破壊
梁接合部と異なるため,新たに終局耐力を検討する必要
の強度,Qb はピロティ上階部材の破壊強度,Qexp は実験
がある。参考に接合部の形状を L 字形接合部とみなし,
で得られた強度を表す。実験結果(凡例参照)が横軸の
靱性指針
1.0 で分けられる領域(右:柱曲げ,左:ピロティ上階部
すると,許容せん断力は設計用せん断力を大幅に下回っ
材の破壊)の破壊形式と対応し,太い実線に近いほど実
た。しかし,実験では接合部のせん断破壊は観察されず,
験と対応がとれている。破壊形式が対応していないもの
対応のとれない結果となった。
もあり,更なる研究が必要である。
4.1
接合部の実験結果
4,5)
2)
による接合部せん断終局強度式を用いて計算
柱が開く方向
柱が開く場合のピロティ柱梁接合部の変形図とその時
1.5 Q exp Q
c :柱曲げ強度計算値
Q
c
の応力状態を図-8((a)屋内側拡張,(b)屋外側拡張)に示
Q b :上階部材の破壊強度計算値
Q exp:実験値
す。形状や配筋方法に関しては,L 字型接合部と似て
いるが,ピロティ柱梁接合部の特徴としてピロティ上
1
実験で観察された破壊形式
0.5
0
階に,断面が急変する 2 階柱と耐震壁が存在する。そ
柱型を屋内側に拡張する場合
柱曲げ(柱開)
柱曲げ(柱閉)
上階部材の破壊(柱開)
上階部材の破壊(柱閉)
0
計算ではピロティ上階部材
計算では柱曲げ破壊
の破壊と判断される領域
と判断される領域
0.5
図-7
1
1.5
柱型を屋外側に拡張する場合
柱曲げ(柱開)
柱曲げ(柱閉)
上階部材の破壊(柱開)
上階部材の破壊(柱閉)
2
ピロティ柱柱頭の強度計算結果
のため,屋内側拡張では鉛直力の一部を 2 階柱が負担
する点,屋外側拡張では 1 階からの応力の大部分を 2
階柱,耐震壁が負担するため,1 階からの応力が 2 階
Qb
2.5 Qc
柱の角隅(図-8(b)中の C)に向かって流れる点に特徴
がある。
図-8 をもとに 柱が開く場合のパネルゾーンにおける
修士論文梗概
終局破壊を考えると,①接合部の圧縮ストラットが破壊
Q exp
1.5
Qj
Qexp
Qc
Qb
Qj
する,せん断伝達機構の破壊,②図-8 に示すような回転
接合部の曲げ破壊
変形に抵抗する曲げモーメント抵抗機構の破壊が考えら
れる。②は,文献 2)に基づいており,梁と柱の引張鉄筋
(柱が開く方向)
実験値
柱の破壊
梁の破壊
接合部破壊
1
の引張力が増加し,接合部対角方向に引張歪が生じ,ひ
び割れ a, b が拡大していき,図-8 に示すような回転変形
0.5
実験で観察された破壊形式
が生じ,この変形に抵抗する形で応力が生じ,パネルゾ
柱・梁の破壊(屋内側拡張)
ーンに曲げモーメント抵抗機構が生じるというものであ
る。この破壊モデルは,①のせん断力伝達機構とも矛盾
計算では柱頭の破壊
計算では接合部破壊
と判断される領域
と判断される領域
柱・梁の破壊(屋外側拡張)
接合部破壊(屋内側拡張)
min
接合部破壊(屋外側拡張)
0
0
なく共存できる。ひび割れ a が拡大しても,コンクリー
0.5
図-10
1
1.5
2
(Qb , Qc )
Qj
2.5
ピロティ柱梁接合部の強度計算結果
トが接触部分を介して斜めストラットの圧縮力を伝達す
ることができるためである。よって柱が開く場合では,
近く(特に外側拡張型),L 字形接合部の柱が閉じる場合
モーメント伝達機構の破壊とせん断伝達機構の破壊(釣
の既往の研究で指摘される梁上端主筋の定着破壊(支圧
合い破壊)の検討を行う必要がある。文献 2)との相違と
破壊,折り曲げ余長部定着,投影定着長さ部分の付着の
しては,破壊面の違いや断面が急変する 2 階柱と耐震壁
破壊)が生じることが考えられる。図-9 の角隅部 A の付
の影響が含まれたモデルとなっていることが挙げられる。
近は,梁上端筋の支圧部に比べ,ストラット幅をおおき
接合部の強度計算方法の詳細は、梗概では割愛するが、
くとることが可能であり,梁上端筋の支圧部が最も応力
モーメント伝達機構の破壊の強度計算は、基本的には、
が厳しくなると考えられる。よって,せん断力伝達機構
力の釣合いから強度を算出する。せん断伝達機構の破壊
の破壊は,梁上端筋の定着破壊を検討することで防ぐこ
(釣合い破壊)については、曲げによる応力が働くコン
とが可能と考えられる。また,屋外側拡張は,梁上端筋
クリート断面に対して主筋量が過剰になると主筋の降伏
の水平投影定着長さ部分(図-9(b)の CD)で定着長を
の前にコンクリートの圧壊が始まる現象と同様に考え,
とるのは形状上難しく,余長部分で定着長を確保する必
鉄筋の降伏と同時にコンクリートのひずみが終局ひずみ
要があると考えられる。
に達する状態を考慮した力の釣合いから強度を算出する。
5.
結論
ピロティ柱梁接合部の強度計算結果を図-10 に示す。な
本研究では,柱断面が急変するピロティ柱梁接合部に
お同様の接合部の実験結果 4,5)も併せて載せる。いずれの
おける静的加力実験を行い,柱梁接合部内で途中定着さ
試験体も,接合部での破壊に至らなく,強度式の評価は
れる柱主筋の有効な定着方法,ピロティ柱梁接合部内の
難しいが,計算値は一つを除き,実験値を上回り,少な
有効な配筋方法を示した。また,ピロティ柱梁接合部に
くとも対応がとれている結果が得られた。
おける応力伝達機構を明らかにするとともに,ピロティ
4.2
柱が閉じる方向
柱が閉じる場合のピロティ柱梁接合部の変形図とその
柱柱頭の強度算定法を示し,ピロティ柱梁接合部におい
て,起こり得る破壊について考察を行った。
時の応力状態を図-9((a)屋内側拡張,(b)屋外側拡張)に
参考文献
示す。柱が閉じる場合のパネルゾーンにおける終局破壊
1)国土交通省住宅局建築指導課ほか:2007 年度版建築物
として,柱が閉じる場合でも,圧縮ストラットの破壊に
の構造関係技術基準解説書
よるせん断伝達機構の破壊が考えられる。また,梁と柱
2)楠原文雄,塩原等. 鉄筋コンクリート造十字形柱梁接合
の引張鉄筋の引張力が増加すると,図-9 の辺 CD, CB に引
部の終局モーメント算定法.日本建築学会構造系論文集,
張歪が生じ,ひび割れ c が生じることが考えられる。こ
第 75 巻第 657 号, pp. 2027-2035, 2010 年 11 月
の際の梁上端筋の支圧力と鉄筋の引張力による応力伝達
3)日本建築学会:鉄筋コンクリート造建物の靱性保証型
機構は,応力の方向がすべて梁上端筋の支圧点を向いて
耐震設計指針・同解説
おり,接合部で回転変形しないモデルとなり,モーメン
4)花井ほか:断面が急変するピロティ柱梁接合部におけ
ト抵抗機構の破壊が生じないと考えられる。また,ひび
る柱主筋の定着性状,日本建築学会技術報告集,Vol.15,
割れ c をまたいで梁上端筋の支圧力(圧縮力)を伝達で
No.29,pp.143-146,2009 年 2 月
きるモデルとなっている。よって柱が閉じる場合では,
5)花井ほか:RC ピロティ柱梁接合部の強度と変形性能
せん断力伝達機構の終局破壊についてのみ検討が必要と
その 8
なる。接合部形状,応力状態としては,L 字形接合部に
築学会大会学術講演梗概集,2011 年 8 月
2007 年 8 月
1997 年 7 月
柱主筋および梁主筋の定着に関する実験,日本建