数学 - 公立はこだて未来大学

平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
数学
出題意図
出題範囲とその前提事項に登場する基本的な概念とその性質についての知識と理
解力,およびそれらを用いて問題を解決する計算力と数理的能力を見る.論理的に正
しい手段を踏み,そのために必要な計算と理由が明確に記入されているかどうかがも
っとも大切なことである.最終結論に至る道は通常複数あるが,論理的に正しい結論
にたどり着けば,それが正解となる.教育課程(指導要領)改定の経過措置として,出
題においては旧課程履修者が不利にならないように配慮した.
I
変数 x のとりうる値に応じて絶対値が正しく処理し,2 次関数の知識を用いて正しく
グラフが描けるかを見る.
II
問 1 では,単なる暗記事項化している感のある相加平均と相乗平均の大小関係を,
不等式の観点から証明する能力を見る.問 2 は,対数関数の制約条件つきの最大
値問題である.対数関数の性質を用いて問題の関数を変形した後,問 1 の不等式
を利用する,あるいは制約条件による文字消去を利用するなどの問題解決能力を
見る.
III 複素数が零となる条件を数列の問題に絡めた一種の融合問題である.問 1 と問 2
は,数列の規則性あるいは, {a n } の漸化式と {bn } の漸化式とを気づかせるためのス
テップである.問 3 と問 4 では,漸化式を解く能力,ないしは規則性の推測を帰納法
により証明する力を見る.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
英語
解答例および出題意図
Part 1
[出題意図] 英語で書かれた長文の内容が的確に把握できるかどうかを評価する.
(1)
b.
(2)
a.
(3)
d.
(4)
c.
(5)
d.
(6)
[解答例]
いったん学生たちがどういうビールを作りたいのかを決定すると,彼ら
は材料を買い求めて,大学食堂で 100 リットルのビールを醸造した.
Stefansson 氏によれば,彼と学生たちはそのビールを「われらのビー
ル (Our Beer),バージョン 1.0」と呼ぶことにしたという.
Part 2
[出題意図]
おもに英語による文章表現能力を評価する.日本語で書かれ Part 1 と
関連する内容の長文をもとに、論旨について英文で質問した上で,対
立するそれぞれの見解の論拠を英文で説明することを求めている.
(1)
b.
(2)
[解答例]
According to the writer, indigenous people feet that they are
being treated unfairly because companies in developed countries
claim patents or copyrights on traditional knowledge. This
means the indigenous people are no longer able to use this
knowledge, and what is more, they do not get a share of any of
the profits made by these companies.
(3)
[解答例]
Private companies believe that they have a right to get patents
or copyrights on native peoples' knowledge and designs, because
this knowledge was made public many generations ago, and so
is now common knowledge. Therefore, even if this knowledge
and these designs had been protected by patents or copyrights,
the period of protection has long passed, so this knowledge can
now be used freely.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
英語
Part 3
[出題意図] 自分の考えを整理して英文で表現する能力を評価する.
[解答例]
I think that science education can be made more interesting and
motivating in two important ways. First, science education needs
to be made more relevant to our lives. For example, students can
be shown how various scientific inventions have changed the way
people live. Electricity, for example, has had a huge effect on our
lifestyles. Another example of making science more relevant,
would be to have students study every day objects and see what
principles of science were involved in creating and shaping these
objects. The second important way of making science education
more interesting and motivating is to encourage students to
discover more about science through their own experiences. So,
rather than having students be told all about the facts of science,
they should be allowed to discover some of the facts for themselves.
These are two ways that science education can be made more
interesting and motivating.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
英語
Part 4
[出題意図] 英文で説明する文章能力を評価する.自分の考えた例を示し,わかりやす
く説明することを求めている.
[解答例]
There are many areas or products in which the idea of sharing knowledge
and resources could be applied. First of all, there is the area of the
environment. The world environment faces many problems that can not be
solved by private companies alone. Ideas and knowledge about how to solve
these problems need to be shared. Furthermore, the resources needed to
solve these problems are enormous, and so developing countries need to be
given help. In other words, developed countries need to share their resources
with developing countries in order to solve the problem of environmental
pollution. The development of cheap computers is a product area in which the
sharing of knowledge could be applied. Computers sold in developed
countries are too expensive for poor people. This means that many millions of
people are not part of the information age. By helping these people develop
their own cheaper computers, many more people would be able to access
information, and so share their own information and knowledge with other
people around the world. From these two examples, it can be seen that
sharing knowledge can be beneficial to everyone.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
英語
Part 5
[出題意図] 英語による自己表現の文章能力を評価する.
[解答例]
There were many interesting things that I learned at school. Perhaps one
the most interesting things was not learned in the classroom, but through
my experience of planning my high school festival. It was through this
experience that I learned about the difficulties of planning events. In my
second year of the high-school, I was a member of the students’ committee to
manage our school festival. We were faced with a lot of difficulties. At the
beginning, students had different ideas on how to set the main stage.
Sometimes more than two groups requested to use the same room. Also,
equipment and preparation time was limited. We made mistakes in
scheduling rehearsals. But, finally we could fix everything and the festival
was very successful. From this experience, I really learned how difficult, but
also how interesting it is to organize an event.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
選択(選択数学)
出題意図
出題範囲とその前提事項に登場する基本的な概念とその性質についての知識と理
解力,およびそれらを用いて問題を解決する計算力と数理的能力を見る.論理的に正
しい手段を踏み,そのために必要な計算と理由が明確に記入されているかどうかがも
っとも大切なことである.最終結論に至る道は通常複数あるが,論理的に正しい結論
にたどり着けば,それが正解となる.教育課程(指導要領)改定の経過措置として,出
題においては旧課程履修者が不利にならないように配慮した.
I
問 1 と問 2 では 2 次行列の計算能力を見るとともに,問 3 の手がかりである.問 3 で
は前問の結果も踏まえて,規則性を洞察しそれが正しいことを確かめる能力を見
る.
II
問 1 では, y = x 2 e − x のグラフを,極値,変曲点,無限遠の状態を正しく把握して描く
能力を見る.問 2 は, y = x 2 e − x に関する接線問題である.
III 定数 a の値に応じて,被積分関数の絶対値の処理と積分区間の分割処理とが同時
に行える力,および部分積分の計算力を見る問題である.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
選択(物理)
出題意図
I
運動エネルギーと位置のエネルギーの関係(力学的エネルギーの保存),斜方投射
した物体の運動,なめらかな面に斜めから衝突する物体の運動の基本的な理解,
ならびに簡単な代数計算能力などを総合的に問う問題である.
II
ホイートストンブリッジにおける抵抗値の比の関係と既知の抵抗値を手がかりに未
知の抵抗値を求める問題であり,オームの法則を正しく理解し適用できることの確認
を意図した出題である.
III
光の性質を理解しているかどうかを問うために,計算は簡単であるが,思考力が必
要となる問題を設定した.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
選択(生物)
出題意図
生物 IB(旧課程)と生物 I・II(新過程)に共通する範囲の中で,特に,システム構成要
素としての器官・細胞・分子および生体情報に関する細胞・分子のはたらきについて
の理解度と,実験に関する記述から作業仮説を読み取り的確に帰結する能力,およ
び簡単な計算力を試した.
I
基礎的な用語に関する明確な知識とまとめる力を求める.
II
問題に説明されている反応式と題意を把握し,それに沿った簡単な計算を確実に
行うことを求める.
III 基本的な知識を基に,実験結果を適切に解釈・モデル化し,それを演繹する能力を
評価する.
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解答例・出題意図
選択(科学一般)
解答例
I
問 1 (1) 7 (2) 「これ以上ない」,「めったにない」,など
問2
(37 字)
スポーツ誌の表紙を飾ると,それが原因となって,その後ひどいスランプに陥
る.
ジンクス:
客観的事実: (59 字)
スポーツ誌の表紙を飾るほどの良い成績はその選手のピークの成績であるた
め,その後は,それよりも悪い成績がでることが多い.
問 3 (80 文字)
その後の成績に違いは出ない.表紙になることを受け入れても拒んでも,その選
手のピークの成績が出た後にはそれより悪い成績が出ることが多いという事実は
変わらないため.
問 4 (113 文字)
しかるのは成績が悪かったときで,ほめるのは成績が良かったときであることが多
いため.成績が悪かった場合,その後それよりも好成績が出る可能性がもともと
高いため,しかることの方がほめることよりも成績の向上に結びついて印象づけ
られる.
問 5 (57 文字)
本来意味やつながりがないとわかっている出来事や事象にも,意味や因果,あ
るいは法則を見出そうとする強い認知傾向のこと.
問6
「自分は平均以上」の錯誤: (65 字)
周囲は本人の喜ぶようなことしか面と向かって言わないので,たとえ自分の能
力が平均以下であったとしても,悪い評価を聞く機会がないため.
「総意誤認効果」: (67 字)
自分と周囲とで意見の相違があったとしても,周囲は遠慮してはっきりと違い
を指摘しないため,自分は周囲と同じ意見であると思い込んでしまう.
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
選択(科学一般)
II
問 1 (17 文字)
急速に世界中に広がっていったこと.
問 2 (38 文字)
コンピュータはただ単に決められたルールに従って,ゲームを進めているだけだ
から.
問 3 (ア) 初期状態
問4
z a および c の周囲の 8 セルのうち,b,e の 2 つのセルのみオンなので,次の世
代ではそのままオフとなる.
z g および i の周囲の 8 セルのうち,e,h の 2 つのセルのみオンなので,次の世
代ではそのままオフとなる.
z d および f の周囲の 8 セルのうち,b,e,h の 3 つのセルがオンなので,d,f は
次の世代ではオンになる.
z b および h の周囲の 8 セルのうち,e のセルのみオンなので,b,h は次の世代
ではオフとなる.
z e の周囲の 8 セルのうち,b,h の 2 つのセルのみオンなので,次の世代ではそ
のままオンとなる.
z よって,次世代では,d,e,f がオン,それ以外がオフとなり,もとのパターンか
ら 90 度回転したパターンとなる.
問5
m を 0 以上の整数とするとき,
N = 4m + 1 世代目のグライダーの位置は (m,−m ) ,
N = 4m + 2 世代目のグライダーの位置は (m − 1,−m − 1) ,
N = 4m + 3 世代目のグライダーの位置は (m − 1,−m − 2) ,
N = 4( m + 1) 世代目のグライダーの位置は (m,−m − 1) である.
問 6 (イ) 蜂の巣
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平成 18 年度一般選抜学力試験(前期)
解答例・出題意図
選択(デザイン実技)
出題意図
技術者でありながら,デザイナーとしての能力を伸ばして行ける人を見つけるために,
デザイナーの能力の基本である以下の2点を,課題を通して審査する.
(1)描写力を見る.
z
色鉛筆を含めた鉛筆デッサンでのリアルな描写力.
z
実際に見えるものと,頭で想像したものの描写力.課題の意図を理解し,現
実にないモノと空間の関係を構築する想像力
(2)構想力を見る.
z
狭い条件にとらわれず,柔軟に発想できる構想力,構想内容の新鮮さ,独創
性の程度.課題の要素を美しい構図にまとめる構成力
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