数学 A2 §9 陰関数と条件付極値 演習問題

数学 A2 §9 陰関数と条件付極値 演習問題
演習の進め方:以下の問題を解き, 裏面の解答例を見て答え合わせをすること. 赤ペンなどを用
い, 正解ならば○, 誤りは×をつけたうえで訂正せよ. 解答例を見ても分からない個所や, 質問
があれば⃝
? のマークを付けて, 不明な点をできるだけ明確にすること.
ウォーム・アップ 問題 1. f (x, y) = 0 によって定まる次の 2 種類の陰関数に対する導関数を下から選べ:
dy
dx
(1) y を x の関数とみなしたときの
(2) x を y の関数とみなしたときの
dx
dy
fx
fy
fx
fy
a.
b.
c. −
d. −
fy
fx
fy
fx
課題 問題 2. x2 + y 2 = a2 で定まる陰関数 y = y(x) について
数とする.
dy
を x と y を用いて表わせ. ただし a は定
dx
問題 3. ラグランジュの未定乗数法を用いて, φ(x, y) = x2 +y 2 −1 = 0 の条件のもとで f (x, y) = 2x+y
が極値をとり得る点を求めよ.
問題 4. 曲線 x2 − xy + y 2 = 3 の点 P (1, −1) における接線の方程式を求めよ.
dy
問題 5. 2x2 + 2xy + y 2 − 1 = 0 で定まる陰関数 y = y(x) について,
を求めよ.
dx
dy
問題 6. tan2 (y + 1) = 3 sin x で定まる陰関数 y(x) について,
を x と y の式として表わせ.
dx
問題 7. ラグランジュの未定乗数法を用いて, φ(x, y) = xy − 1 = 0 の条件のもとで f (x, y) = x2 + y 2
が極値をとり得る点を求めよ.
問題 8. ラグランジュの未定乗数法を用いて, φ(x, y) = x + 2y − 2 = 0 の条件のもとで f (x, y) = x2 y
が極値をとり得る点を求めよ.
追加課題 提出すれば答案は添削する1.
問題 9. f (x, y) = 0 の定める陰関数 y = y(x) について, y ′′ = −
を示せ. さらに, y ′ = 0 のときは y ′′ = −
fxx fy2 − 2fxy fx fy + fyy fx2
であること
fy3
fxx
であることも示せ.
fy
問題 10. 2x2 + 2xy + y 2 − 1 = 0 で定まる陰関数 y = y(x) の極値を調べよ.
問題 11. φ(x, y) = x2 + 2y 2 − 1 = 0 の条件のもとで, f (x, y) = xy が極値をとる候補点 (計 4 点ある)
のうち P1 ( √12 , 12 ), P2 ( √12 , − 12 ) の 2 点の極大・極小性を以下の手順で調べよ.
(1) φ(x, y) = 0 の陰関数を y = y(x) とおくとき, P1 , P2 における y ′ , y ′′ の値をそれぞれ求めよ.
(2) p(x) = f (x, y(x)) とおくとき, P1 , P2 における y ′′ (x) の正負を調べよ.
(3) P1 , P2 における極大・極小性と極値を述べよ.
問題 12. φ(x, y, z) = x2 + y 2 + z 2 − 1 = 0 の条件のもとで f (x, y, z) = x + y + z の最大値を求めよ.
ただし, この条件で f が最大値と最小値を必ず取ることを仮定してよい
. また 3 変数関数についての

 fx − λφx = 0
fy − λφy = 0 で与えられる.
ラグランジュの未定乗数法は

fz − λφz = 0
問題 13. φ(x, y, z) = x2 + y 2 + z 2 − 1 = 0 の条件のもとで f (x, y, z) = xy + yz + zx の最大値を求め
よ. ただし, この条件で f が最大値と最小値を必ず取ることを仮定してよい.
1解答例の公開
(約 2 週間) → http://www.lab2.toho-u.ac.jp/sci/c/math/noda/
解 1. (1) c.
(2) d.
解 2. f (x, y) = x2 + y 2 − a2 とおくと, fx = 2x, fy = 2y. よって
dy
fx
x
=− =− .
dx
fy
y
別解. y を x の関数とみなして x2 +y 2 = a2 の両辺を x で微分すると, 2x+2y
dy
dy
x
= 0. よって
=− .
dx
dx
y

 fx − λφx = 2 − 2λx = 0
1
fy − λφy = 1 − 2λy = 0 . 第 1,2 式より x = , y =
解 3. ラグランジュの未定乗数法により,

λ
φ = x2 + y 2 − 1 = 0
√
1
1
1
5
, 第 3 式に代入して 2 + 2 − 1 = 0, よって λ = ±
. ゆえに極値をとる候補点は (x, y) =
2λ
λ ) 4λ
2
) (
(
2
1
2 1
√ , √ , −√ , −√ .
5 5
5
5
解 4. f (x, y) = x2 − xy + y 2 − 3 とおくと, fx = 2x − y, fy = −x + 2y より
x = 1, y = −1 を代入すると
わち y = x − 2.
dy
2x − y
=−
. よって
dx
−x + 2y
dy
= 1. 接線は (1, −1) を通り傾き 1 の直線なので y = (x − 1) − 1, すな
dx
解 5. f (x, y) = 2x2 + 2xy + y 2 − 1 とおくと, fx = 4x + 2y, fy = 2x + 2y より
解 6. f (x, y) = tan2 (y + 1) − 3 sin x とおくと fx = −3 cos x, fy =
dy
2x + y
=−
.
dx
x+y
2 tan(y + 1)
よって
cos2 (y + 1)
3 cos x cos2 (y + 1)
dy
=
.
dx
2 tan(y + 1)

 fx − λφx = 2x − λy = 0
1
fy − λφy = 2y − λx = 0 . 第 1,2 式より x = λy, y =
解 7. ラグランジュの未定乗数法により,

2
φ = xy − 1 = 0
1
1
λx, 後者を前者に代入して x = λ2 x, よって x(λ2 − 4) = 0 となるので x = 0 または λ = ±2.
2
4
1
x = 0 とすると y = λx = 0 となり xy = 1 を満たさず不適. λ = ±2 とすると, y = ±x であるか
2
ら,y = x なら xy = 1 より x = ±1, y = −x なら x2 = −1 となり不適. 以上より極値をとる候補点は
(x, y) = (1, 1), (−1, −1).
解 8. ラグランジュの未定乗数法により, fx − λφx = 2xy − λ = 0, fy − λφy = x2 − 2λ = 0, φ =
x + 2y − 2 = 0. 第 1,2 式から λ を消去して x2 = 4xy, よって x(x − 4y) = 0 より x = 0 または x = 4y.
1
4
x = 0 とすると φ = 0 より y = 1. x = 4y とすると φ = 0 より 6y = 2, ゆえに y = , x = . 以上
3
3
(
)
4 1
より極値をとる候補点は (x, y) = (0, 1),
,
.
3 3