地歴公民(世界史) 東京大学 (前期) 1/3 第1問 5 10 15 20 25 30 重装歩兵を担う市民団を基盤とする都市国家ローマは、ポエニ戦争 に勝利し属州を広げたが、市民団を支える中小農民が長期の従軍と 属州の安価な穀物流入によって没落した。一方、同盟市戦争でロー マ市民権がイタリア半島の全自由民に認められ、ローマ市民団は拡 5 大し公用語のラテン語も広がった。没落した無産市民を私兵化して 台頭した実力者の内乱は激化し、有力軍人による三頭政治・カエサ ルの独裁を経て、オクタウィアヌスが勝利し地中海地域を統一した 。その後、市民の第一人者を意味するプリンケプスを称して市民共 10 15 同体の理念を尊重しつつ、元老院からアウグストゥスの称号を受け 、軍事・政治の最高指導者となった。春秋時代から戦国時代にかけ て、宗法を基盤とする血縁的な邑の連合体が存在していたが、鉄製 農具や牛耕の普及などで農業生産力が向上すると、家族単位の農業 が可能となり、氏族共同体の結束は失われて封建制は崩れていった 。諸侯は新県を設け開発を進めて小農民を統率し、商業を振興し有 能な人材を実力本位で登用するなど富国強兵策を推進し、地域的な 領域国家が形成された。周王の権威は失われ各国君主が王を称して いたが、諸子百家のうち法家思想を採用した秦が中国を統一すると 、光り輝く天の支配者を意味する皇帝を称し諸王の上に君臨した。 郡県制による支配が各地に拡大し、篆書に統一された漢字は、長江 20 流域を含む各地での集権的な官僚統治に役立てられた。 ©河合塾 2017 年 地歴公民(世界史) 東京大学 (前期) 2/3 第2問 5 10 15 20 25 30 問(1) (a) カジミェシュ大王による中央集権化の後、ドイツ騎士団に対抗する ためリトアニアと合併してヤゲウォ朝が成立し隆盛したが、その断 絶後に選挙王制となり、中央集権が崩れ貴族の抗争で混乱した。 5 (b) ビスマルクはカトリック教徒を抑圧する文化闘争を進め、聖職者の 政治参加抑制、宗教学校への監督強化、中央党の弾圧等を行った。 問(2) (a) モンゴル、ダライ=ラマ体制下のチベット、ベグが支配する新疆は、 10 理藩院の間接統治を受け、現地の習慣や宗教が尊重された。 0 (b) 英領から独立後マレーシアの成立に加わったが、貿易商などの子孫 を主とする中国系住民がマレー人優遇政策に反発し分離独立した。 問(3) (a) 15 フランスが北米経営の拠点としてケベック植民地を建設したが、フ レンチ=インディアン戦争に敗れパリ条約でイギリスに割譲した。 (b) 州法で黒人の市民権・投票権は制限され、公共施設も分離された。 公民権法 20 ジョンソン 0 ©河合塾 2017 年 地歴公民(世界史) 東京大学 (前期) 3/3 第3問 5 10 15 20 25 30 問(1)シャープール1世 問(2)ウマイヤ朝、メロヴィング朝 問(3)グスタフ=アドルフ 問(4)トラファルガーの海戦 5 問(5)李鴻章 問(6)サン=ステファノ条約 問(7)ファショダ事件 問(8)ベトナム独立同盟(ベトミン) 問(9)アメリカ・ソ連・イギリス 10 問(10) グロティウス ©河合塾 2017 年
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