地歴公民(世界史)

地歴公民(世界史)
東京大学 (前期)
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第1問
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重装歩兵を担う市民団を基盤とする都市国家ローマは、ポエニ戦争
に勝利し属州を広げたが、市民団を支える中小農民が長期の従軍と
属州の安価な穀物流入によって没落した。一方、同盟市戦争でロー
マ市民権がイタリア半島の全自由民に認められ、ローマ市民団は拡
5 大し公用語のラテン語も広がった。没落した無産市民を私兵化して
台頭した実力者の内乱は激化し、有力軍人による三頭政治・カエサ
ルの独裁を経て、オクタウィアヌスが勝利し地中海地域を統一した
。その後、市民の第一人者を意味するプリンケプスを称して市民共
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同体の理念を尊重しつつ、元老院からアウグストゥスの称号を受け
、軍事・政治の最高指導者となった。春秋時代から戦国時代にかけ
て、宗法を基盤とする血縁的な邑の連合体が存在していたが、鉄製
農具や牛耕の普及などで農業生産力が向上すると、家族単位の農業
が可能となり、氏族共同体の結束は失われて封建制は崩れていった
。諸侯は新県を設け開発を進めて小農民を統率し、商業を振興し有
能な人材を実力本位で登用するなど富国強兵策を推進し、地域的な
領域国家が形成された。周王の権威は失われ各国君主が王を称して
いたが、諸子百家のうち法家思想を採用した秦が中国を統一すると
、光り輝く天の支配者を意味する皇帝を称し諸王の上に君臨した。
郡県制による支配が各地に拡大し、篆書に統一された漢字は、長江
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流域を含む各地での集権的な官僚統治に役立てられた。
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2017 年
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東京大学 (前期)
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第2問
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問(1) (a)
カジミェシュ大王による中央集権化の後、ドイツ騎士団に対抗する
ためリトアニアと合併してヤゲウォ朝が成立し隆盛したが、その断
絶後に選挙王制となり、中央集権が崩れ貴族の抗争で混乱した。
5 (b)
ビスマルクはカトリック教徒を抑圧する文化闘争を進め、聖職者の
政治参加抑制、宗教学校への監督強化、中央党の弾圧等を行った。
問(2) (a)
モンゴル、ダライ=ラマ体制下のチベット、ベグが支配する新疆は、
10 理藩院の間接統治を受け、現地の習慣や宗教が尊重された。
0 (b)
英領から独立後マレーシアの成立に加わったが、貿易商などの子孫
を主とする中国系住民がマレー人優遇政策に反発し分離独立した。
問(3) (a)
15 フランスが北米経営の拠点としてケベック植民地を建設したが、フ
レンチ=インディアン戦争に敗れパリ条約でイギリスに割譲した。
(b)
州法で黒人の市民権・投票権は制限され、公共施設も分離された。
公民権法
20 ジョンソン
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東京大学 (前期)
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第3問
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問(1)シャープール1世
問(2)ウマイヤ朝、メロヴィング朝
問(3)グスタフ=アドルフ
問(4)トラファルガーの海戦
5 問(5)李鴻章
問(6)サン=ステファノ条約
問(7)ファショダ事件
問(8)ベトナム独立同盟(ベトミン)
問(9)アメリカ・ソ連・イギリス
10 問(10) グロティウス
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2017 年