年度 ミクロ経済学初級 練習問題 石橋 孝次 不確実性と情報 授業の復習 危険回避・危険中立・危険愛好をそれぞれ定義し 、それぞれのケースで ¼¼ の符号とリスク プレミアム の符号がどのようになっているか説明しなさい。 プリンシパル・エージェントモデルにおいてプリンシパルとエージェントがど ちらも危険回避 のとき、パレート効率性のためにリスクシェアリングが必要なことをボックスダ イアグラムを 用いて説明しなさい。また、エージェントは危険回避だがプリンシパルは危険中立のとき、パ レート効率的なリスクの分担はどのようになるか説明しなさい。 モラルハザード とはどのような現象かを説明し 、その例を挙げなさい。 アド バース・セレクションとはどのような現象かを説明し 、その例を挙げなさい。 シグナリングとは何か、例を挙げながら説明し 、学歴が能力のシグナルとして機能するための 条件を述べなさい。 代表的なオークションの形態について説明し 、収入等価定理とは何か述べなさい。 計算問題 所得を としたときに 、効用関数が で与えられている。そこで、確率 で 円、確率 で 円が得られるくじを考える。このとき、以下の問いに答えよ。 くじの期待値 を求めよ。 期待効用 を求めよ。 確実同値額 £ を求めよ。 リスクプレミアム を求めよ。 所得を としたときに、効用関数が で与えられている。この消費者は確率 で事故にあい、事故を起こせば所得は ½ 事故を起こさなければ所得は ¾ になるとす る ここで ½ ¾ である。いま、保険会社が保険金1円あたり 円の保険料で 円の保険 金を支払う契約を提示したとする。つまり、保険料は となる。 消費者は、保険金 の 水準を自由に選べるものとする。このとき、以下の問いに答えよ。 この保険に加入したときに 、事故が起こったときの所得 ½ と事故が起きなかったときの所 得 ¾ を表現せよ。 期待効用を の関数として表現せよ。 の期待効用を について最大化し 、その条件を ½ と ¾ を用いて表現せよ。 と の結果を用いて、最適な およびそのときの ½ と ¾ を求めよ。 保険市場に自由参入がある場合の およびそのときの ½ と ¾ を求めよ。 企業の収益 を経営者の所得 効用関数は と労働者の所得 とに分配する状況を考える。経営者の であり、労働者の効用関数は である。この企業は確 率 で好況に直面し 、そのときの収益は ½ また確率 で不況で、そのときの収 益は ¾ である。このとき、以下の問いに答えよ。 経営者と労働者はそれぞれ危険回避、危険中立、危険愛好のいずれか。 経営者の所得は好況・不況にかかわらず確実に で、労働者の所得は好況なら 不況 なら になるという契約を考える。このとき、経営者と労働者の期待効用を求めよ。 労働者にとって確実な所得で と同じ期待効用を実現する新たな契約を考える。このとき の経営者と労働者の所得の配分方法を示せ。 の契約のもとで、経営者の期待効用はいくらになるか。 および のいずれの契約がより効率的か。理由も明確にせよ。 企業の収益 を経営者と労働者で分配する。効用関数は経営者が は で労働者 である。企業の収益はつねに ½ か ¾ で、労働者が をとれば ½ の確率は ¾ の確率は で、 なら ½ の確率は ¾ の確率は である。努力費 用は 留保効用は として以下の問いに答えよ。 労働者への契約を ½ ¾ とする。 をとることを前提として、参加制約を表現せよ。 参加制約が等号で成立し 、最適契約は固定賃金になることを用いて 、最適契約 ½£ ¾£ を 求めよ。また、このときの経営者の期待利得 を求めよ。 次に経営者が努力水準を観察できない非対称情報の場合を考え、 を実現するための誘因 制約を表現せよ。 参加制約と誘因制約がともに等号で成立することを用いて最適な賃金スケジュール ½ ¾ を求めよ。また、このときの経営者の期待利得 を求めよ。 ある企業が労働者を雇用した場合、有能なタイプの労働者は 無能なタイプの労働者は だけの収益を企業にもたらす。それぞれのタイプの労働者は ½¾ の比率で存在し 、賃金 は企業 の期待利潤がゼロとなるように決定される。それ以下なら別の企業で働くという留保賃金は、 有能なタイプは で無能なタイプは である。企業が労働者のタイプを区別できない場合の 均衡賃金 £ を求め、そこでどのような問題が発生しているかを説明せよ。
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