2017/ 3/1 投資情報部 シニアエコノミスト 吉川 健治 マーケット・フォーカス 経済:中国 50台で底堅さが続く。注目の成長目標は6.5%~7%か ~製造業PMI評価(2017年2月)と3/5開幕の全人代 2017年の国家統計局の製造業PMIは1月の50台(51.3)で好スタート、2月は前月比+0.3ポイン トの51.6と14年7月以来の高い水準。春節明け後、地方のインフラ投資機運が高まる動きか。 習近平国家主席は3/5開幕の全人代を前に中央財経指導チーム第15回会議を開催。「安定 的で健全な経済発展の確保や金融リスク防止」を強調。全人代では3/5の「政府工作報告」で の実質GDP成長の政府目標が注目される。政治的要因から「6.5%~7%」が維持されよう。 大企業が底堅く、製 造業PMI全体をけん 引。春節明け後、地 方のインフラ投資 機運が高まる動きか 2017年の国家統計局の製造業購買担当者指数(製造業PMI)は1月の50台 (51.3)で好スタート、2月は前月比+0.3ポイントの51.6と14年7月以来の高い水準と なった。企業規模別では、大企業が同+0.6ポイントの53.3と底堅く、12年4月以来の 高値となり、全体をけん引。中型企業は同▲0.3ポイントの50.5と再び低下も50台を 維持。小型企業が同横ばいの46.4と大型・小型の企業間で2極化の動き。財新製造 業購買担当者指数(財新製造業PMI)は同+0.7ポイントの51.7と上向き、8ヵ月連続 で50台を維持。春節連休(1/27~2/2)明け後、地方のインフラ投資機運が高まって いるようだ。国家統計局は製造業の生産や需要の上向き、国内外の需要のいくらか の改善、装置産業やハイテク業界等の堅調継続、企業経営の改善期待の高まり、 を指摘した。 中国の製造業PMIと企業規模別PMI (月次:2010/1~2017/2) 58 国家統計局製造業PMI うち、大企業PMI うち、中型企業PMI うち、小型企業PMI 財新製造業PMI 56 54 52 50 48 [景気拡大・後退 の分岐点50] 46 44 10 11 12 13 14 15 16 17 (年) (注) 国家統計局製造業PMIの企業規模別PMIは2012年2月から 出所:中国国家統計局資料、マークイット資料、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 2017/3/1 マーケット・フォーカス 習近平が3/5開幕の 全人代を前に会議を 開催。安定的健全な 経済発展の確保と金 融リスク防止を強調 2017/3/5開幕の全国人民代表大会(全人代)を控え、2/28に習近平国家主席主 催の中央財経指導チーム第15回会議が開催された。習近平は中央財経指導チー ム長も兼任している。習近平は、17年の経済工作における「『安定を保ちつつ進歩 を求める(穏中求進)』という活動全体の基調を堅持し、安定的で健全な経済発展を 確保すること、金融リスクを防止すること、等」を強調した。また、「供給側構造性改 革の深化を確保し、経済構造の調整を有効的に進展させること」も強調した。しか し、後者については、これまでも改革の進ちょく度は芳しくなく、今後も、トランプ政 権による対中政策も新たな火種として浮上するなか、秋開催の共産党大会(党指導 部等の人事)、18年3月の全人代(首相・閣僚、全人代委員長等の人事)の重要なイ ベントを控えているため、安定成長の維持が優先されよう。 党政府は海外のリスク要因を考慮し、「さらに積極的」な財政政策を実施する方 針であり、17年の内需関連の経済指標は比較的良好な結果となろう。全人代では 3/5の李克強首相による「政府工作報告」が注目される。特に17年の実質GDP成長 率の政府目標である。過去3年(14~16年)の目標は各々「7.5%」、「7%前後」、「6.5% ~7%」であったが、17年は特に政治的な要因等から「6.5%~7%」が維持されよう。 中国の中央経済工作会議における2017年の経済工作 会議(12/14~16開催)の主な内容 強調 指摘 経済政策 「安定を保ちつつ進歩を求める(穏中求進)」という活動全体の基調が国家統治・政 権運営の重要な原則であり、2017年はこの活動全体の基調の貫徹に特別に重要な 意味を有する 「三去(過剰設備・不動産在庫・債務の解消)一降(コストの引き下げ)一補(不足分 の補完)」の5大任務の遂行により供給側構造性改革で初歩的な成果を得た2016年 から、2017年は同改革を深化させる必要がある。また、総需要を適度に拡大する 不動産市場の平穏で健全な発展を促進する。不動産バブルを抑制し大波乱の顕在 化を防止する。また、西部開発、東北振興、中部勃興、東部率先の地域発展総体 戦略の実施を深化させ、北京・天津・河北の協同発展、長江経済ベルト、「一帯一路 (シルクロード)」建設の3大戦略の実施を継続する 財政政策はさらに積極的で有効に実施する 金融政策は「穏健(中立)」を維持し、貨幣供給方式の新たな変化に適応する 人民元政策 人民元レートの弾力性を強めると同時に、合理的な水準で安定的に維持する 金融リスク防止をさらに重要な位置づけとし、資産バブル防止、監督管理能力の向 金融リスク 上を図り、金融システムリスクが発生させないようにする 出所:人民日報資料よりみずほ証券作成 中国の製造業PMIの構成指数 中国の製造業PMI(その他指数) (月次:2011/1~2017/2) 60 生産 新規受注 原材料在庫 雇用 サプライヤー納期 55 (月次:2011/1~2017/2) 70 購入量 新規輸出受注 原材料購買価格 輸入 製品在庫 70.1 (2011/2) 65 60 [景気拡大・後退の分岐点50] 55 50 50 45 [景気拡大・後退の分岐点50] 45 40 11 12 13 14 15 16 17 (年) 11 12 13 14 15 16 17(年) 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2017/3/1 金融商品取引法に係る重要事項 マーケット・フォーカス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-170301-23 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33
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