マーケット・フォーカス

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為替:メキシコペソ
2017/
3/10
投資情報部
シニア FX ストラテジスト
由井 謙二
政府・中銀対応から反発、通商交渉進展で戻り余地
 メキシコペソは、メキシコ政府・中銀の対応、トランプ米政権への過度な警戒感の緩和等を背
景に値を戻す展開。16年に大幅に売られ、ペソショートが積み上がっていることも要因に。
 通商交渉進展で不透明感が後退していけば、なお戻りを試す展開になると考えている。
ペソはメキシコ政府・
中銀の対応等から反
発
2017年の為替相場において、メキシコペソは主要通貨に対して最も買われる通貨と
なっている(3/9時点)。昨年のペソはトランプ米政権の政策への懸念を背景に、政
治・社会情勢不安が高まったトルコリラに並んで最も売られた通貨であった。ペソが
買い戻されている背景としては、①メキシコ政府やメキシコ中央銀行(以下、中銀)
の対応、②トランプ米政権への過度な警戒感が和らいでいること、が挙げられる。
①について、メキシコ政府は17年1月中旬に、未申告の海外資産の国内還流に対
する税の免税措置に関する政令を発令した。半年間、還流後に2年間国内投資とし
て保留することを条件に税金を引き下げる等、資金還流を促している。
中銀は2月会合でインフレ抑制のため政策金利を6.25%とした。15年後半以降で7度
目の利上げとなり、政策金利は09年3月以来、約8年ぶりの高水準となった。また、1
月には昨年2月以来のペソ買い・ドル売り介入を実施。3/6からは最大200億ドルの
新たな為替介入プログラムを実施しており、通貨防衛姿勢を強めている。
②について、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を担当するロス米商務長官は、
「NAFTAへの懸念がペソを押し下げており、米国とメキシコが極めて良識ある貿易
協定を結ぶことができれば、ペソはかなり大きく回復する可能性がある」と指摘した。
また同氏は、関税優遇判断の基準として域内で製造した部品の使用比率を定めた
「原産地規則」を引き上げることを優先課題に挙げた。「原産地規則」の引き上げ
は、①域内の部品メーカーが優位となり、②NAFTAの恩恵を受けようと海外企業の
域内への直接投資が見込まれるほか、③対米貿易黒字の大きい中国からの輸入を
減らせる、等のメリットがあるとみられる。
仮に米国がNAFTAを脱退すると、メキシコから米国に乗用車を輸出する場合は、世
界貿易機関(WTO)の最恵国待遇原則のもとで、2.5%の関税がかかる。仮に米国が
WTOからも脱退する場合は、米1930年関税法(スムートホーリー法)で定められた
法定関税率が適用される。米国への乗用車の輸入に対する法定税率は10%となる。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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ただ我々は、メキシコはメキシコ以南の国・地域の地政学的な緩衝地帯となるため、
米国としても政治・経済的に不安定化することは望んでいないとみている。関税引き
上げ等の強硬措置はあくまでも交渉を優位にするための手段であり、最終的には双
方にとってメリットになりうる落としどころを探る展開になると考えている。
交渉日程について、報道によると、ロス氏は3/15ごろに米議会に再交渉を通知する
意向を示した。議会通知の90日後の6月中旬にも米国・カナダ・メキシコの3ヵ国によ
るNAFTA再交渉が正式に始まる可能性がある。同氏は、交渉が本格化するのは今
年後半になるとの見通しを述べ、再交渉を1年程度で終えたいとの考えを示した。
ペソショートは依然と
して積み上がる。通
商交渉進展で戻りを
試す展開を想定
ペソ反発の動きには上述の要因に加え、①水準感として売られ過ぎとみられること、
②ポジション面でもペソショートが積み上がっていることも要因として挙げられる。
中銀がインフレ目標を導入した2001年を基準としたペソの購買力平価の推移をみる
と、ペソの対ドル実勢レートの購買力平価からのかい離率は直近で▲40%弱と、リー
マンショック時を上回る大幅な下方かい離となっている。
また、IMM通貨先物市場でのペソのネットポジションは、足元では売り持ち高を縮小
させる動きがみられているものの、依然としてペソショートの状況にある。金利水準
の高いペソをショートして、金利水準の低いドルをロングにするポジションは一定期
間保有する場合にコストが生じる。そのため、ペソ安シナリオが形勢不利とみれば、
買い戻しが誘発されやすい。
今後のペソ相場は、トランプ政権がメキシコ経済に打撃を与える政策を実行に移す
かどうか見極めようとする動きが続くとみられる。交渉進展につれ不透明感が後退し
ていけば、なお戻りを試す展開になると想定している。リスク要因としては、引き続き
米国との交渉が厳しいものになる場合や、米国の利上げが加速し、金融市場の引
き締まりが強まる場合、等を考えている。
ドルメキシコペソと購買力平価
(%)
(四半期:2001/3~2017/3)
20
(万枚)
(1ドル=ペソ)
8
IMM通貨先物のメキシコペソポジション
(1ドル=ペソ)
(週次:2013/1/1~2017/3/7)
10
16
10
10
12
0
12
8
▲ 10
14
4
▲ 20
16
0
18
▲4
ペソ買い越し
12
ペソ高
14
ペソ安
16
18
20
ペソ高
▲ 30
▲ 40
購買力平価からのかい離率(左目盛)
購買力平価(右逆目盛)
ペソ安
ドルメキシコペソ(右逆目盛)
22
ペソ売り越し
20
▲8
22
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (年)
(注)購買力平価は消費者物価指数ベース、2001年基準、直近値は17/1まで
のデータにより計算。ドルメキシコペソの直近値は17/3/8時点
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
▲ 50
▲ 12
13/1
24
ネットポジション(左目盛)
メキシコペソ(対ドル、右逆目盛)
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
(注)ネットポジションは2017/2/28まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
26
16/1
16/7
17/1
(年/月)
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金融商品取引法に係る重要事項
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