ウィークリーレポート 2016/11/14-2016/11/18 リスクオン相場は続くか? 17 日の安倍首相・トランプ次期大統領会談に注目。ドル円は 105 円台上のレンジを底固めできるか。 (先週の振り返り) ドル円は今年度最大の市場イベントである米国大統領選挙を週半ばに控えていましたが、週末にヒラリークリントン氏の E メール私的利用問題に関しての FBI の捜査打切りのヘッドラインが出たことでヒラリー氏勝利が濃厚と市場関係者が判断 したことで週初から 105 円台まで大きく上昇して選挙当日を迎えることとなりました。 選挙当日、トランプ氏の勝利が徐々に濃厚になるにつれ市場は全面リスクオフの展開となり、ドル円は 101 円台まで下 落、その他通貨も大きくドル売りが進みました。トランプ氏が当選した場合に最も影響を受けると想定されているメキシコペ ソは 12%超も売り込まれる大相場とパニックのような状態となりました。 しかし、その後のトランプ氏の勝利演説が相場のリスクオフの展開を完全に反転させました。トランプ氏の政策内容が予 想されていたものよりも現実的であり、財政支出拡大をしつつ保護主義政策を貫く姿勢でした。そのため演説後は米金利が 上昇し、米株も上昇。さらにドル高にと、総リスクオンの展開となり、ドル円に至っては安値から 5 円近く上昇しました。週後 半もその流れは変わらず相場は全面リスクオンのままドル円は 107 円近辺まで上昇し週を終えることとなりました。 (今週の見通し) 今週は 10 月米国小売売上、10 月米 CPI の経済指標の発表に参加者は焦点をあわせていくと思われますが、基本的に は先週に引き続きトランプ次期大統領による今後の政策を織り込みにいく相場となるでしょう。特に 17 日には安倍首相とト ランプ氏による会談が予定されており、日米の今後の方針を占ううえで重要な発言が出てくる可能性もあり注目が集まりま す。特にトランプ氏に関しては同氏に関する抗議デモ等、本邦メディアでもネガティブな部分が多く取り上げられているため イメージを払しょくする機会となる可能性もあります。 大統領選当日からどの市場も大きく値幅が出ており、反転を警戒する向きも見られますが、トランプ氏当選の意味すると ころは世界の金融市場をリードする米国の政策変更であり、ここ数日の値動きは参加者がそちらの方向にポジションを構築 しはじめたことを意味すると考えられるため反転リスクは意外と小さいのではないかと予想されます。ドル円に関しては、105 円台、106 円台で本邦輸出勢の売りが大きく観測されていたため今週も上値が重い推移となる局面はあるかと思われます が、101 円台からの反転速度が速かったために十分にロングポジションを構築できているとは考えられず、下値も堅くなると 予想されます。ドル円は相関が高まっている米金利の動向をみながら緩やかに上昇していくのではないでしょうか。
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