2017年2月8日 投資情報室 (審査確認番号H28-TB296) REITレポート 米国リート市場動向と見通し(2017年2月号) 市場動向 2017年1月の米国リート(FTSE NAREIT All-Equity Reit指数、配当除き、米ドルベース)は、トラ ンプ大統領の経済政策を見極めようとする動き等から、動意の乏しい展開となりました。同月のパ フォーマンスは米国株式(S&P500種指数、米ドルベース)を配当除きで1.8%、配当込みで 1.7%下回りました【図表1、2】 。1月は、昨年年間で上昇率トップ(30.1%上昇)の産業セク ターが6%を超える下落となりました【図表3】。1月末時点の米国リート(同上)のイールド・ス プレッド(予想配当利回り−10年国債金利)は1.53%と、2017年の予想配当額が下方修正された こと等から、前月末(1.91%)より縮小しました【図表1、5】。 昨年の米国リートの新規上場及び増資に絡む市場からの資金調達額は前年比約20%増となりました 【図表4】。金利上昇に備え、増資による資金で借入金を返済(負債圧縮)する動きもありました。 図表1:米国リートと株式の騰落率(2017年1月末時点) (%) 年初来 当月 米国リート 0.0 0.0 米国株式 1.8 1.8 き 差 -1.8 -1.8 配 米国リート 0.2 0.2 米国株式 1.9 1.9 差 -1.7 -1.7 配 当 除 当 込 み 円/米ドル 3.6% 円高 3.6% 円高 (%) 当月末 昨年末 参 米10年国債金利 2.45 2.45 考 米国リート予想配当利回り 3.98 4.35 図表2:米国リートと株式の推移(配当除き) データ期間:2014年12月末∼2017年1月末(日次) 120 ※2014年12月末を100として指数化 115 米国リート 110 105 100 95 米国株式 90 85 14/12 15/6 15/12 16/6 16/12 (年/月) 図表3:主要セクター別騰落率(配当除き) (2017年1月末時点) 主要セクター 当月 図表4:米国リートの新規上場・増資状況(金額) (%) 年初来 小売り 0.5 0.5 多角 4.4 4.4 オフィス 1.8 1.8 ヘルスケア 0.5 0.5 ホテル/リゾート -2.6 -2.6 産業 -6.5 -6.5 住宅 -2.4 -2.4 個人用倉庫 -4.5 -4.5 (億ドル) データ期間:2008年∼2016年(年次) 600 新規上場 500 増資 400 300 200 100 0 2008 2010 2012 2014 2016(年) 出所)図表1∼3はブルームバーグ、図表4はNAREITのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成 ※米国リート:FTSE NAREIT All-Equity Reit指数(米ドル)ベース、米国株式:S&P500種指数(米ドル)ベース ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的と するものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作 成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資 収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。 ●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。●投 資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商 品を勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/2 図表5:米国リートのイールド・スプレッド推移 (%) 6 データ期間:2010年1月末∼2017年1 月末( 月次) 図表6:米国リートのNAVとのかい離率推移 イールド・スプレッド NAV(※1)とのかい離率 米国リート予想配当利回り 5 30% 米国10年国債利回り 4 10% 3 -10% 2 -30% 1 -50% -70% 0 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 ※FTSE NAREIT All-Equity Reit指数ベース 16/1 17/1 (年/月) 図表7:米国リートと移動平均の推移 (ポイント) データ期間:2001年1月末∼2017年1月末(月次) 50% 米国リート 60日(約3ヵ月)移動平均線 2017年1月末時点 −8.0% (※1)NAV:保有不動産の含みも考慮した純資産額 (※2)平均:2001年1月末∼2017年1月末が対象 2017年1月末時点で3.5% 01/1 03/1 05/1 07/1 09/1 11/1 13/1 15/1 17/1 (年/月) 図表8: 米国オフィスの需要と供給(都市部) データ期間:2014年1月1日∼2017年1 月31日 (日次 ) 750 平均(※2) 4,000 データ期間:2007年3月∼2016年12月(四半期) (万 Square feet) 3,000 700 2,000 1,000 650 0 600 -1,000 (注)供給はマイナス表示、需要はプラス 表示(需要のマイナスはテナントの 退去が入居を上回ったことを示す) -2,000 550 -3,000 需要 500 供給 需要−供給 -4,000 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 ※FTSE NAREIT All-Equity Reit指数(米ドル)ベース (年/月) 2007/3 2009/9 2012/3 ※1Square feet=0.093㎡ 2014/9 (年/月) 出所)図表5、7、8はブルームバーグ、図表6はGreen Street Advisors、AEWデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成 今後の見通しについて 米国リートの2017年の予想配当額(ブルームバーグ集計、2017年1月末時点)が、金利上昇観測 の織り込み等により前年比約9%下方修正されています。その結果、米国リート指数や10年国債金 利が前月比ほぼ横ばいであったにも関わらず、1月末のイールド・スプレッドは2015年末頃の水準 まで縮小しています【図表5】。NAV(純資産額)からは下方乖離した状態にあります【図表6】 が、イールド・スプレッド面からみると割安感は一時に比べ後退したように思われます。 金利上昇による借入費用の増加を上回る賃料の増加・収益の拡大が実現するのか、今後の米国リー ト市場の動向を占う上での鍵になるものとみられます。2016年第3四半期時点の米国都市部のオ フィス需給は需要が供給(新規物件の竣工による貸出床面積の増加等)を上回っており、タイトな 状況にあるようです【図表8】。トランプ大統領の政策で経済成長が促され、テナントの物件借入 ニーズが強まれば、米国リートの賃料引上げを後押しするものと思われます。景気回復を腰折れさ せない程度の金利上昇であれば、賃料増加が借入費用増を上回るとの観測が強まり、米国リートの 予想配当額の増額修正につながる可能性もあるとみています。 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的と するものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作 成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資 収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。 ●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。●投 資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商 品を勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 2/2 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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