インド2017年度予算案発表

2017年2月2日
投資情報室
(審査確認番号H28-TB293)
新興国レポート
インド2017年度予算案発表
株式市場はインフラ整備や農村支援を拡充する内容を好感
 インド政府は2月1日、2017年度(2017年4月∼2018年3月)の予算案を発表し、現在開かれてい
る予算国会(1月31日∼4月12日予定)に提出。提出は昨年より約1ヵ月前倒し。
 インド株式市場は、インフラ整備や農村支援の拡充、中間層の所得減税提案等を好感。
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インド2017年度予算案の概要
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 歳出総額は約21.5兆ルピー(約37兆円、1インドルピー:1.7円換算)と16年度見通しに比べ約6.6%
増。16年度の約12.5%増より伸びを抑制。
 昨年11月に突如実施した高額2紙幣廃止の悪影響等を考慮し、地方・農村向け歳出を同約24%増の約
1.87兆ルピー(約3兆円)に増額。また、3,500㎞の鉄道敷設や電力供給体制強化等、インフラ整備・
拡充にも資金を重点配分。
 国内総生産(GDP)に対する財政赤字比率(上限目標)は、17年度が16年度見通しと同じ3.2%、18
年度は3.0%と見込む。17年度については16年度予算案での3.0%の見通しから微修正。
 年収25万∼50万インドルピー(約43∼85万円)の中間所得者層の所得税率を、10%から5%に引き
下げ提案。
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株式市場の反応と今後の注目材料
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 財政赤字(対GDP)上限目標がほぼ据え置かれ、規律ある財政運営が行われると判断されたこと、人
口13億人の約7割が住むとされる農村・地方向け支援が強化されたこと等を好感し、2月1日の株式市
場(SENSEX指数)は前週末比約2%上昇し、昨年10月25日以来となる28,000台を回復しました。
 財政規律が保たれた予算案であったこと、消費者物価の落ち着き等から、インド準備銀行(RBI)の利
下げ余地が広がる可能性があります。2月7∼8日の会合で仮に利下げが決定されれば、株式市場の支
援材料になるものと思われます。今回の予算案発表は昨年より約1ヵ月前倒しで行われています。2月
初旬から3月初旬にかけて5州の州議会議員選挙が実施されます。農村支援強化を打ち出した予算案が
選挙結果にどのような影響を与えるのかも注目されます。
【図表1】インド株式(SENSEX指数)推移
【図表2】インド財政赤字(対GDP比)推移
データ期間:2016年10月3日∼2017年2月1日(日次)
29,000
(%)
5.0
データ期間:2014∼2018年(年度)
4.1
(※)2016年度以降はインド政府予想
3.9
4.0
28,000
3.2
3.2
2016
2017
3.0
3.0
27,000
2.0
26,000
1.0
25,000
0.0
16/10
16/11
16/12
17/1
(年/月)
2014
2015
(年度)
2018
(出所)図表1はブルームバーグ、図表2はインド政府データを基にニッセイアセットマネジメントが作成
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