2016 年 12 月の鉱工業生産指数の結果

2017 年 1 月 31 日
経済レポート
2016 年 12 月の鉱工業生産指数の結果
〜12 月の鉱工業生産指数は前月比+0.5%の上昇〜
調査部 主任研究員 中田一良
○12 月の鉱工業生産指数の結果
12 月の鉱工業生産指数は、前月比+0.5%と上昇が続き、持ち直している(図表1)。出荷指数は、前月比−0.3%と 4
か月ぶりに低下した。在庫指数は前月比+0.2%と 4 か月ぶりに上昇した。
12 月の生産指数の動向を業種別にみると、情報通信機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業は低下したものの、
輸送機械工業、化学工業(除く医薬品)、電子部品・デバイス工業、電気機械工業などが上昇した(図表 2)。輸送機械工
業では自動車部品、軽自動車など、電子部品・デバイス工業ではスマートフォン向けの部品などが生産指数全体の上昇
に寄与した。
財別では、資本財(除く輸送機械)は前月比−1.7%と低下し、非耐久消費財は横ばいだったが、生産財は同+1.3%、
耐久消費財は同+0.8%、建設財は前月比+0.5%とそれぞれ上昇した。
なお、10〜12 月期の生産指数は前期比+2.0%と、2014 年 1〜3 月期(同+2.3%)以来の高い伸びとなり、3 四半期連
続で上昇した。3 四半期連続での上昇は、2013 年 1〜3 月期から 2014 年 1〜3 月期までの 5 四半期連続での上昇以来
のことである。
図表 1 生産・出荷・在庫の推移
図表 2 業種別の生産動向
(2010年=100)
(2010年=100)
120
120
出荷
生産
在庫
115
115
110
110
105
100
105
95
100
90
85
95
80
75
90
1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11
2012
2013
2014
2015
1
4
7 10 1
2012
2016
(年、月)
4
7 10 1
4
2013
はん用・生産用・業務用機械工業
電気機械工業
化学工業(除く医薬品)
(出所)経済産業省「鉱工業指数」
7 10 1
2014
4
7 10 1
2015
電子部品・デバイス工業
輸送機械工業
4
7 10
2016
(年、月)
(出所)経済産業省「鉱工業指数」
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○今後の見通し〜製造工業生産予測調査の結果
1 月の製造工業生産予測調査によると、製造工業は、1 月は前月比+3.0%、2 月は同+0.8%と上昇が続く見込みとな
っている(図表 3)。
業種別にみると、1 月は、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、電気機械
工業などは上昇する一方、輸送機械工業、化学工業、鉄鋼業などは低下する見込みとなっている。中でも、はん用・生産
用・業務用機械工業、情報通信機械工業は高い伸びが見込まれている。2 月は、電子部品・デバイス工業は上昇が続く
ほか、1 月に低下が見込まれている輸送機械工業、化学工業は上昇する見込みとなっている。他方、1 月に高い伸びが
見込まれているはん用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業では低下する見込みとなっている。
はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、情報通信機械工業などの実績は予測を下回る傾向がみられること
から、1 月の製造工業全体の上昇率は、予測調査の結果を下回ると予想される。
図表 3 製造工業生産予測調査による見込み(主な業種)
1月見込み
2月見込み
化学工業
輸送機械工業
情報通信機械工業
電気機械工業
電子部品・
デバイス工業
はん用・
生産用 ・
業務用機械工業
鉄鋼業
製造工業
(前月比、%)
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
(出所)経済産業省「鉱工業指数」
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