2017 年 1 月の鉱工業生産指数の結果

2017 年 2 月 28 日
経済レポート
2017 年 1 月の鉱工業生産指数の結果
∼前月比−0.8%と 6 か月ぶりに低下したが、基調としては持ち直している∼
調査部 主任研究員 中田一良
○1 月の鉱工業生産指数の結果
1 月の鉱工業生産指数は、前月比−0.8%と 6 か月ぶりに低下したが、基調としては持ち直している(図表1)。出荷指数
は前月比−0.4%と低下が続き、在庫指数は前月比横ばいだった。在庫指数は前年比−4.3%と低下が続いているもの
の、低下幅は縮小しており、低下に歯止めがかかってきた可能性がある。
1 月の生産指数の動向を業種別にみると、電子部品・デバイス工業はスマートフォン向けの部品を中心に前月比+
5.7%と 4 か月連続で上昇した一方、輸送機械工業、化学工業(除く医薬品)、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機
械工業をはじめ 15 業種中 12 業種では低下した(図表 2)。特に、輸送機械工業は、普通乗用車、自動車用エンジンなど
を中心に前月比−4.7%と低下し、全体を押し下げた。
財別では、耐久消費財は普通乗用車が落ち込んだことなどから前月比−3.9%と大きく低下したほか、資本財(除く輸
送機械)、非耐久消費財、生産財、建設財も低下した。
1 月の出荷指数の動向を財別にみると、全体の約半分を占める生産財、耐久消費財、建設財、非耐久消費財が低下
する中、資本財(除く輸送機械)は、半導体製造装置を中心に前月比+0.7%と上昇した。
図表 1 生産・出荷・在庫の推移
図表 2 業種別の生産動向
(2010年=100)
(2010年=100)
120
120
出荷
生産
在庫
115
115
110
110
105
100
105
95
90
100
85
95
80
75
90
1
4
7 10 1
2012
4
7 10 1
2013
4
7 10 1
2014
4
7 10 1
2015
(出所)経済産業省「鉱工業指数」
4
7 10 1
2016 2017
(年、月)
1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1
2012
2013
2014
はん用・生産用・業務用機械工業
電気機械工業
化学工業(除く医薬品)
2015
電子部品・デバイス工業
輸送機械工業
2016
2017
(年、月)
(出所)経済産業省「鉱工業指数」
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○今後の見通し∼製造工業生産予測調査の結果
2 月の製造工業生産予測調査によると、製造工業生産予測指数は、2 月は前月比+3.5%と上昇した後、3 月は同−
5.0%と低下する見込みとなっている(図表 3)。
業種別にみると、2 月はいずれの業種も上昇する一方、3 月は情報通信機械工業以外の業種では低下する見込みとな
っている。中でも、電子部品・デバイス工業は、2 月に前月比+14.9%と大幅に上昇した後、3 月は同−12.1%と大きく低
下する見込みであり、月々の変動が大きいが、中国の春節の影響により 2 月の生産水準が押し上げられている可能性が
ある。
電気機械工業、情報通信機械工業などの実績は予測を下回る傾向がみられることから、2 月の製造工業全体の生産指
数は、予測調査の結果を下回るものの、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、化学工業を中心に上昇が見込めるだ
ろう。
図表 3 製造工業生産予測調査による見込み(主な業種)
2月見込み
3月見込み
化学工業
輸送機械工業
情報通信機械工業
電気機械工業
電子部品・
デバイス工業
はん用・
生産用 ・
業務用機械工業
鉄鋼業
製造工業
(前月比、%)
16
14
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
-12
-14
(出所)経済産業省「鉱工業指数」
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