解答例

2016 年度後期 有機化学1 第3回 「有機化合物の基礎」 復習問題
※他人の解答を丸写ししない。
「なぜその答えになるのか」自力で説明できなければならない。
学籍番号___________ 氏名___________ 1. 次の化合物の系統的名称を書きなさい。
CH2CH3
CH3
CH3
CH3CHCH2CH2CH3
CH3CH2 C CH2CH3
CH3CH2CHCHCH3
CH3
CH3
2-メチルペンタン 2,3-ジメチルペンタン 3-エチル-3-メチルペンタン
2. 次のアルキル基の名称を書きなさい。また、それぞれのアルキル基は一級〜三級のどれか。
CH3CH2–
CH3CH2CH2CH2CH2–
CH3CH2CH–
CH3
CH3
CH3C–
CH3
エチル基(一級) ペンチル基(一級) s-ブチル基(二級) t-ブチル基(三級)
3. 次の構造式を、骨格構造を使って書き表しなさい。
OH
CH3C–CH3
CH3CH(CH3)CH2Br
(CH3)3CCH2Cl
CH2 CH
CH2OH
H
OH
OH
Br
Cl
4. 次の化合物のうち、沸点が高いのはどちらか。また、それぞれの物質で主に働いている分
子間相互作用について述べ、一方の沸点が高くなる理由を説明しなさい。
(1) ヘキサンとヘプタン
ヘプタン (98℃)>ヘキサン(68℃)。主な相互作用はどちらも London 分散力である。ヘプタ
ンの方が原子の数が多いため、相互作用が強く、沸点が高くなる。
(2) 2-メチルプロパンとアセトン(2-プロパノン)
アセトン(56℃)>2-メチルプロパン(–11.7℃)。主な相互作用はアセトン=双極子相互作
用、2-メチルプロパン=London 分散力。前者の方が強いため、アセトンの沸点が高い。
(3) 2-ブタノールとエチルメチルケトン(2-ブタノン)
2-ブタノール(99℃)>エチルメチルケトン(80℃)。主な相互作用は 2-ブタノール=水素結
合、エチルメチルケトン=双極子相互作用。前者の方が強いため、2-ブタノールの沸点が高
い。
5. 安息香酸は、エタノールにはよく溶けるがヘキサンには溶けない。理由を説明しなさい。
安息香酸はカルボン酸であり、分子間に水素結合がある。エタノールが溶媒の場合、安息香
酸・エタノール間でも水素結合ができるため、混合しても大きな相互作用エネルギーを保つ
ことができるので、溶解する。一方、ヘキサンは安息香酸と水素結合ができないため、混合
すると相互作用エネルギーが小さくなってしまうので、溶解しない。