Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年11月7日 ※以下、ピムコジャパンリミテッド提供のレポートをご紹介します。 ブラジル経済に復活の兆し 2016年に入り、ブラジルレアルが堅調に推移するなか、国内経済も景気サイクルの新たなステージへと移行 貿易収支の改善から始まった景気回復の兆しは、内需の拡大へと波及し始めており、物価の安定や利下げに よる景気の下支えも更なる回復の後押しに 年初来のブラジルレアルは堅調に推移 2016年に入り、ブラジルレアルは主要通貨で最も良好なパフォーマンスに 2016年初来、対米ドルで円高が約13%進むなど主要通貨に対し円高が進むなか、レアルは対円でプラスのリターン (円安)を 維持 年初来の上昇率は対米ドルで25%と、2015年の下落幅は未だに取り戻せておらず、上昇余地を残す状況 【ブラジルレアルの推移(対米ドル、対円)】 【主要通貨の年初来騰落率(対米ドル、対円)】 ブラジルレアル ロシアルーブル 9.2% 15.4% 0.8% 南アフリカランド 0.4% 5.6% -7.7% インドネシアルピア ユーロ -11.8% インドルピー -13.5% 中国元 -16.2% トルコリラ 英ポンド -27.6% -17.7% -17.2% 2014年末-2015年末 0.40 2015年末-2016年10月末 (円) 14.9% -20% 年初来大きく反発も、 上昇余地は残る -0.9% 35 -4.1% 0.25 -5.7% 期間:2015年12月末-2016年10月末 40 0.30 0.9% -10% レアル高 45 0.35 対米ドル 対円 対米ドル(左軸) 30 対円(右軸) レアル安 25 0.20 -30% 50 対米ドル +25.0% 対円 +9.2% 対米ドル -32.8% 対円 -32.6% 4.6% -8.6% 豪ドル 25.0% (米ドル) 0% 10% 20% 30% 14年12月 出所:WMロイター 15年6月 15年12月 16年6月 期間:2014年12月末-2016年10月末 出所:WMロイター ブラジルの経済成長は底打ち、回復の兆し 2014年以降の不況期を乗り越え、ブラジル経済は回復期へと移行した可能性 資源安、政情不安、マイナス成長の拡大といった国内外の悪材料が改善に向かい、ブラジル経済は不況期から脱した可能性 2016年4-6月期の実質GDP成長率は前年比-3.8%となり、マイナス幅は昨年後半以降縮小傾向に 【ブラジル経済の変遷】 レアル高による貿易収支の悪化 (2013年初-2014年中盤) 減税など財政政策の効果が限界に達し、消費が頭打ちに 停滞期 【実質GDP成長率の内訳の推移】(前年比) (%) 6.0 停滞期 不況期 回復期 4.0 2.0 0.0 財政収支の悪化により個人消費の下支えが不可能に 企業収益も頭打ちとなり、企業による設備投資が停滞 (2014年後半-2016年初) レアル安の進行などによりインフレ率も高止まりに 不況期 -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 回復期 (2016年中盤-) 資源価格の回復による貿易収支の改善 政権交代やインフレ率低下を受けた景況感の好転 -10.0 -12.0 実質GDP成長率 固定資本形成 純輸出 政府支出 個人消費 その他要因 2013年03月 2014年03月 2015年03月 上記はイメージ図です。 期間:2013年第1四半期-2016年第2四半期 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基 づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2016年03月 出所:Haver 1/4 ご参考資料 ブラジル経済に復活の兆しがみられる3つのポイント 今後のブラジルレアル投資のポイント ポイント ①:貿易収支の改善から始まる景気回復 【ブラジル経常収支/貿易収支とレアルの推移】 レアル安を契機とした貿易収支の改善および経常赤字の縮小 2014年後半以降進んだレアル安を受けて貿易収支が改善 貿易収支が主要部分を占める経常収支は、一時対GDP比 で-4.7%まで赤字幅が拡大したものの、その後-1.2%まで 縮小 レアルの 下落 貿易収支 の改善 経常赤字 の縮小 レアルの 反発 資金流出 の減少 0.65(米ドル) 5.0% レアル (対米ドル、右軸) 0.60 0.55 2.5% レアル高 0.50 経常赤字の縮小が示唆するブラジルへの資金回帰 0.45 0.0% 経常赤字の縮小は、実需の面からレアル売りが減少するこ とを意味し、レアルの下押し圧力の低下に寄与 投資家心理も改善傾向にあり、対内直接投資は拡大基調 貿易収支 (12ヵ月累計、対GDP比、左軸) 0.40 0.35 -2.5% 0.30 経常収支 (12ヵ月累計、対GDP比、左軸) -5.0% 2007年 2009年 2011年 0.25 0.20 2013年 期間:2007年12月末-2016年9月末 レアル安 2015年 出所:ブルームバーグ、Haver ポイント②:国内消費や生産活動にも波及の兆し 【鉱工業信頼感指数と消費者信頼感指数の推移】 企業、消費者ともに景気の先行きに対する慎重な見方が後退 これまでは景気先行きに不透明感が強かったことから、 消費者・企業心理が低迷し、設備投資や個人消費が低迷 115 2016年5月以降、国内外の情勢改善を受け企業および消 費者の信頼感指標が改善 110 信頼感指標の改善は今後の内需回復の可能性を示唆 景気に対してより前向きな見方が広がっていることは、 今後の設備投資の増加や個人消費の回復の可能性を 示唆 外部環境に左右されない内需が牽引する経済成長は、 より持続性が増す可能性 生産および消費 に回復の兆し 60 55 消費者信頼感指数 (左軸) 50 105 45 鉱工業信頼感指数 (右軸) 40 100 35 95 30 13年9月 14年9月 15年9月 期間:2013年9月末-2016年9月末 16年9月 出所:ブルームバーグ ポイント③:物価の安定により経済成長を促進するための利下げが可能に 高金利政策の終了 → 4年ぶりの利下げを実施 (%) 16 高止まりしていたインフレ率は高金利政策などを受け徐々 に低下、中央銀行は今年10月に約4年ぶりの利下げを 実施 14 インフレ率の安定および金融政策の転換は、設備投資や 個人消費を促進し、経済成長を加速させる可能性 10 利下げ≠通貨の下落 一般的に利下げは通貨安要因となりうるものの、インフレ 率の安定化がみられる中での景気刺激策としての利下げ が好感され、レアルは利下げ実施後も底堅く推移 【ブラジルの政策金利とインフレ率の推移】 政策金利 :14.00% インフレ率の低下を 受けて4年ぶりの利下げ 12 インフレ率 :8.48% 8 6 4 11年12月 12年12月 13年12月 14年12月 15年12月 期間:2011年12月末-2016年10月末(インフレ率は2016年9月末まで) 出所:ブルームバーグ ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基 づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/4 ご参考資料 【コラム】ブラジルにおける財政再建の行方 財政再建への道筋が今後のさらなるプラス要因に • 従来より同国の課題で、格下げの要因ともなった財政再建の進捗が、今後のブラジルの見通しにとって重要に • 景気回復を背景に政府歳入は緩やかな伸びが続く見通し、政府は歳出上限法案の導入や年金改革を軸とした歳出抑制を計画 • 財政再建の行方は引き続き予断を許さないものの、歳出上限法案がブラジル議会下院において賛成多数で可決したことや、 地方選挙で連立与党が躍進するなど、徐々に前向きな動きも増加 【基礎的財政収支*(対GDP比)と政府歳入の推移】 (%) 4.0 3.0 2.6 2.8 (兆レアル) 1.5 政府の目標値 基礎的財政収支* (対GDP比、左軸) 【テメル政権下における財政再建の方針】 1.0 1.2 1.1 1.2 1.0 1.0 -1.1 -0.6 0.8 -2.0 0.9 -2.0 政府歳入 (12ヵ月累計、右軸) -3.0 年金改革 0.0 1.0 -1.0 1.1 1.3 1.8 0.0 1.2 歳出上限は、歳出伸び率を前年度の インフレ率に抑制(実質伸び率ゼロ) ブラジル議会下院において賛成多数 で可決 1.4 2.2 2.0 -2.0 0.7 -4.0 0.5 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 支給開始年齢を男女共に65歳と定め、 年金給付を抑制 労働組合を中心に反対論は根強い 0.8 -2.8 0.6 10年 歳出上限法案の導入 18年 19年 期間:2010年末-2019年末(2016年~2019年は政府計画のデータを使用) 出所:ブルームバーグ、ブラジル企画・予算・運営省 *基礎的財政収支は政府会計で国債の元利払いを除いた歳出と国債発行 による収入などを除いた歳入の収支を測る指標 債務削減 国立経済社会開発銀行(BNDES)によ る国庫借入の返済 補助金引き上げの凍結 空港や石油・天然ガス生産など34の国 営事業の民営化 各種報道をもとにPIMCO作成 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基 づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/4 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる 情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、ピムコジャパンリミテッドの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法 に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 4/4
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