PowerPoint プレゼンテーション

2016年11月2日
オーストラリア債券の投資環境
~ウエスタン・アセットによる見通し~
2016年10月下旬、レッグ・メイソン・グループの運用子会社であるウエスタン・アセットの
オーストラリア拠点で、債券運用チームを率いるアンソニー・カーカム氏が来日しました。
そこで、オーストラリア債券の投資環境についてインタビューを行いましたので、ご紹介します。
金融政策について
 RBAは10月4日に政策金利を1.50%で据え置くこと
*インタビュー時点
を決定しました*。
 ロウ新総裁就任後もRBAの緩和的な金融政策の
継続性が保たれていると考えます。
豪州準備銀行(RBA)は10月4日、フィリップ・ロウ総裁就任
後初となる金融政策理事会において、政策金利を1.50%で
据え置く決定を下しました。ロウ総裁の声明文では、前回の
理事会でのスティーブンス前総裁の声明が概ね踏襲されて
おり、新総裁就任後もRBAの緩和的な金融政策の継続性
が保たれていると考えられます。(図1)
オーストラリア拠点運用責任者
アンソニー・カーカム氏
図1:豪州準備銀行(RBA)の政策金利とインフレ率
5.0
(%)
4.5
豪州準備銀行の政策金利
(キャッシュ・レート)
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
インフレ目標
レンジ(2~3%)
1.50%
1.5%
基調インフレ率
(前年比)
1.0
0.5
RBAは2016年の5月と8月に利下げを行っていますが、こ
0.0
れは基調インフレ率の低下を考慮したものと考えます。これ
(年)
09
10
11
12
13
14
15
16
以上の利下げをしたとしてもインフレ率上昇への効果は限定
(出所)豪州準備銀行(RBA)、豪州政府統計局(ABS)
的と考えられることから、運用チームでは、追加利下げの可
(期間)基調インフレ率:2009年1‐3月期~2016年7‐9月期
能性は低いと予測しています。RBAは短期的な要因によっ
政策金利:2009年1月1日~2016年11月1日
※基調インフレ率は消費者物価指数(CPI)のトリム平均値と加重
てインフレ目標を下回ることはそれほど心配しておらず、中
中央値の平均により算出。
期的な視点からインフレ率の水準を注視していくと考えます。
図2:豪州の産業別雇用者数の
2012年2月以降の累計変化の推移
労働・雇用環境について
(千人)
(千人)
 失業率は低下基調にあり、内需関連を中心とした雇
用回復が顕著となっています。
労働・雇用環境は、まだら模様となっています。昨年夏に
6%を超えていた失業率は、2016年9月は5.6%まで低下し
ています。一方、雇用者数の伸びは鈍化傾向にあります。
2016年はパートタイム雇用が増加する一方で、正規雇用を
削減する動きが見られました。
産業別の雇用者数の推移を見ると、住宅市場が好調な建
設業やサービス業などの内需関連産業の伸びが顕著となっ
ています。一方、鉱業セクターは引き続き調整が続いていま
す。製造業については、GMやフォード、トヨタが自動車生産
からの撤退を決めており、厳しい雇用環境にあります。(図2)
消費者向けサービス
小売・卸売
公共事業関連
事業サービス
その他*
建設
鉱業
製造業
(年)
(出所)RBA 「The Australian Economy and Financial Markets,
Chart Pack, October 2016」
*その他には、農業、林業、漁業、運輸、郵便、倉庫、電気、ガス、
上水・下水サービスを含む
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種
データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、
将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予
告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に
よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作
成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。
1
2016年11月2日
足もとの経済動向について
 豪州企業の信頼感指数および景況感指数は良好
な水準*です。
 豪州経済の成長は、資源から非資源セクターへ
移行が進んでいます。
足元の豪州の企業信頼感指数および景況感指数は良好
な水準を維持しています(図3)。企業による経済への楽観的
な見通しは今後のさらなる雇用の増加につながると考えます。
豪州の2016年4-6月期の実質GDPも前年比+3.3%と4年
ぶりの高成長となり(図3)、豪州経済は想定以上の早いペー
スで回復しており、豪州経済は資源から非資源への移行が
うまく進んでいることを示唆しています。
設備投資は低調なものの、低金利と人口増加の恩恵を受
けて住宅やインフラ需要が拡大しており、建設業も堅調と
なっています。また、豪ドル安を受けて観光客や留学生が増
加していることで、観光業や教育産業も底堅く推移するなど、
内需拡大が豪州の経済成長を下支えしています。
一方で、足元では、石炭や鉄鉱石等の資源価格の回復や
鉄鉱石や液化天然ガスの輸出拡大も豪州経済の回復に寄
与しています。
図3:豪州の実質GDPと企業信頼感・景況感の推移
(%)
16
4.0
実質GDP成長率(右軸)
3.5
14
12
3.0
10
2.5
8
2.0
6
1.5
1.0
4
2
0.5
企業信頼感(左軸)
0
0.0
企業景況感(左軸)
-2
-0.5
-4
-1.0
-6
-1.5
2013/10 2014/4 2014/10 2015/4 2015/10 2016/4 (年/月)
(出所)ブルームバーグ (期間)2013年10月~2016年9月
※実質GDP成長率は前年比(四半期毎)、2013年第4四半期~
2016年第2四半期
(億豪ドル)
500
図4:豪州の企業収益の推移
400
非資源セクター
300
200
*0を上回ると改善を示し、0を下回ると悪化を示します。
資源セクター
100
社債市場について
 非資源セクターを中心に、豪州企業のファンダメンタ
ルズは引き続き良好です。
 豪州社債市場は、格付に応じたリスクの対価が期待
できる健全な状態にあります。
足元の内需関連産業を中心とした非資源セクターのファ
ンダメンタルズは良好です。非資源セクターの企業収益は、
引き続き拡大傾向となっています。また、資源価格の回復
とともに、減少傾向にあった資源セクターの企業収益にも改
善の兆しが見られます。(図4)
2015年の豪州の社債市場は、世界経済の先行きに対す
る不安から世界的に市況が悪化した影響を受け、スプレッド
が拡大しましたが、2016年は市場センチメントの改善を受け
てスプレッドは再び縮小傾向にあります。(図5)
豪州は量的緩和を行っていないため、債券市場の需給バ
ランスは健全な状態にあります。そのため、豪州の債券市
場は、引き続き格付に応じたリスクの対価が期待できる健
全な状態にあると考えます。
0
2001/3
2004/3
2007/3
2010/3
2013/3
2016/3
(年/月)
(出所)オーストラリア統計局 (期間)2001年第1四半期~
2016年第2四半期
(%)
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
2012/10
図5:豪州の社債スプレッドの推移
BBB
A
AA
2013/10
2014/10
2015/10
2016/10
(年/月)
(出所)ブルームバーグ (期間)2012年10月~2016年10月
※社債スプレッドは国債利回りと社債利回りとの差で、バークレイズ
豪州社債インデックスのオプション調整後スプレッド( OAS)を使用。
※格付はS&Pの表記方法を使用
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種
データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、
将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予
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