2016 年度 物 理 ■ 大学・学部(日程):東京医科歯科大学・医学部(医学科,保健衛生学科検査技術学専攻), 歯学部(歯学科)(前期) ■ 出題構成(時間/配点):理科 2 科目で 120 分/理科 2 科目で 120 点 ■ 分量/難易度の変化(昨年度比):変化なし/変化なし 大問 形 式 1 記述形式 2 記述形式 (作図,論述あり) 分野・内容 等 万有引力を受ける物体の運動(円運動,力 力学 学的エネルギー保存則,ケプラーの法則) 電流回路(キルヒホッフの法則,消費電 電磁気 力,ダイオード,RC 交流回路) 難易度 変化 やや難 ↑ 標準 ↓ ※難易度変化…↑難化/→昨年並み/↓易化 ※難易度は東京医科歯科大受験生を母集団とする基準で判定しています。 ■ 出題傾向 ・例年,力学 1 題,その他の分野 1 題の,計 2 題の構成。その他の分野としては,電磁気,波動, 熱力学,原子の各分野から出題されるが,電磁気,波動からの出題が多い。 ・2011 年度以前は医学部医学科と歯学部歯学科の志望者は全設問を解答する必要があった。しかし, 2012 年度以降,全設問を解答する必要があるのは医学部医学科の志望者だけとなっている。 ・解答用紙には,答(結論)だけでなく考え方や計算の過程の記述が必要である。 ・1 題当たりの設問数が多く(1 題当たり 10 問程度),細かい計算が必要になることが多い。また, 試験時間(理科 1 科目当たり 60 分)に対して,全体の分量は多い。 ・グラフなどの作図問題が頻出である。 ■ 2016 年度入試の特記事項 ・設問数自体は 19 問であり,例年よりやや少ないものの,難易度,分量ともに例年並みであった。 ・電圧のグラフ描画(2問 8・問 9)が出題された。 ・論述問題(2問 9)が出題された。 ・1は,万有引力に関する出題であり,2015 年度に続いて 2 年連続同じテーマの出題であった。問 9 以降は,力学的エネルギーが 0 の場合,軌跡が放物線を描くことを知らなければ解けない。演 習でも類題はあまり見られないため,とまどった受験生は少なくないだろう。また,楕円や放物 線を扱う際に,幾何の理解も問われる。 ■ 求められる力とその養成 ・例年,1 題当たりの設問数が多く,全体の分量も試験時間に対して多いので,速く正確に処理す る必要がある。しかしながら,前半の設問は基本問題であることが多く,また,大問 1 題の中で 異なる状況やテーマを扱う(大問の途中でテーマが切り替わる)場合があるので,手がつけられる 設問から確実に解答していくことを心がけたい。 ・グラフなどの作図には慣れが重要なので,普段から多めにグラフ描画の問題に当たっておきたい。 ・論述問題が出題されることもあるので,対策としては,まず,キーワードを考え,そのキーワー ドを使って文章としてまとめる練習をしておくとよい。 ・計算処理力(とくに,高校課程の数学で学ぶ手法を用いた処理)が要求されることがある。対策 には,本学の過去問の他,出題傾向が類似する早大(基幹・創造・先進理工,教育)の過去問演習 が有効。 ・本学では,答(結論)の導出過程の記述が要求される。つまり,結論が誤りでも,途中の考え方が 適切ならば部分点獲得の可能性がある。そこで,日頃の問題演習では,採点者が読んでわかりや すい答案を書く習慣をつけること(これは論述問題対策としても有効である)。さらに,採点者の 視点から,得点に結びつく答案の書き方の指導が受けられるZ会の通信教育も活用するとよい。
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