Ⅰ 平成28年度 上尾市学力調査結果の概要

中学校
Ⅰ 平成28年度 上尾市学力調査結果の概要
1 領域別・観点別調査結果の概要と考察(同学年比較)
※ 領 域:学習指導要領に示されている各教科における指導内容の区分
※ 観 点:指導要録の指導に関する記録における観点別学習状況の評価の観点
※ 正答率:各領域・観点ごとの問題数に対する正答数の割合
【中学校】
(1)第1学年(小学校第6学年の学習内容)
【国語】
領域別・観点別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
話す聞く 書くこと 読むこと 言語事項 関心意欲 話す聞く 書く能力 読む能力 知識理解
領域別
観点別
28本校
69.4
65.6
50.2
61.4
78.0
69.4
65.6
50.2
61.4
27本校
79.5
78.2
83.5
67.7
91.8
79.5
78.2
83.5
67.7
28全国
64.3
59.5
46.1
58.5
63.7
64.3
59.5
46.1
58.5
【数学(算数)】
領域別・観点別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
数と計算
量と測定
図形
数量関係
関心意欲
考え方
領域別
技能
知識理解
観点別
28本校
82.1
60.9
77.5
69.9
69.1
60.3
74.6
79.5
27本校
82.7
64.9
79.8
59.9
82.7
57.8
72.4
72.8
28全国
83.0
59.5
77.0
70.2
72.9
59.6
75.2
78.5
考察〔現状分析・実態・課題〕
国語では、全領域で全国平均を上回っている。その中で「言語事項」と「知識理解」が
課題となる。高い数値を示した「関心意欲」の更なる向上を目指しつつ、基礎基本の徹底
を図る授業実践が必要不可欠である。
数学では量と測定の知識理解が高いが、関心意欲が低いことがあげられる。その他の項
目はほぼ全国平均と1ポイント以内に収まっている。関心意欲を高めるため身近な数学的
な事象を授業で取り上げていき数学を身近な物と意識させたい。
2
(2)第2学年(第1学年の学習内容)
【国語】
領域別・観点別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
話す聞く 書くこと 読むこと 言語事項 関心意欲 話す聞く 書く能力 読む能力 知識理解
領域別
観点別
28本校
78.1
65.2
69.9
80.6
86.9
78.1
65.2
69.9
80.6
27本校
74.7
61.9
64.1
76.4
84.1
74.7
61.9
64.1
76.4
28全国
71.8
60.7
65.2
75.2
77.8
71.8
60.7
65.2
75.2
【数学】
領域別・観点別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
数と式
図形
関数
資料活用
関心意欲
考え方
領域別
技能
知識理解
観点別
28本校
64.9
54.2
58.5
39.5
62.2
59.2
55.7
60.2
27本校
57.1
49.6
54.4
43.9
56.3
55.9
49.9
56.8
27全国
59.0
52.3
56.5
37.5
55.9
58.4
51.1
56.8
理解
知識理解
【英語】
観点別・領域別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
聞くこと
話すこと
28本校
75.8
70.6
27本校
72.5
28全国
71.9
読むこと
書くこと
関心意欲
表現
66.5
58.1
71.0
68.5
72.0
63.0
68.5
64.6
51.3
63.9
65.7
68.4
58.1
67.2
60.8
51.0
59.9
63.3
66.8
58.4
領域別
観点別
3
考察〔現状分析・実態・課題〕
国語科では、「関心意欲」「基礎基本」が高い値を示していることから他の領域の向上
も期待できる。特に思考力、表現力が必要とされる「話す、聞く、書く」能力を高めるア
クティブ・ラーニングの要素を取り入れた更なる指導法の工夫に取り組んでいきたい。
数学では領域別観点別とも全項目で全国平均を超えている。特に昨年と比べ数と式の項
目が大きく伸びている。小テストフラッシュ計算の取り組みの結果が出ていると考えられ
る。引き続き今年度も基礎基本の充実に取り組んでいく。
英語は4技能共に全国平均及び昨年度の平均を上回っている。同じことが観点別に見て
も言える。課題として、「話すこと」をさらに伸ばすために、場面で求められている的確
かつ簡略な答えができるようにする。「知識理解」を7割程度まで高めるために、小テス
ト効果的に実施していく。
(3)第3学年(第2学年の学習内容)
【国語】
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
領域別・観点別の正答率(%)
話す聞く
書くこと
読むこと
言語事項 関心意欲
話す聞く
書く能力
領域別
読む能力 知識理解
観点別
28本校
73.4
57.5
74.2
56.0
81.7
73.4
57.5
74.2
56.0
27本校
73.7
58.4
73.4
52.1
74.0
73.7
58.4
73.4
52.1
28全国
71.1
52.2
75.4
53.0
68.7
71.1
52.2
75.4
53.0
【数学】
【数学】
領域別・観点別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
数と式
図形
関数
資料の活
用
関心意欲
考え方
領域別
技能
知識理解
観点別
28本校
47.3
58.2
44.2
54.0
49.1
48.7
53.1
51.6
27本校
44.9
57.9
45.3
49.0
51.2
48.6
50.2
52.4
28全国
51.2
59.9
44.2
46.2
48.8
52.9
52.6
50.6
4
【英語】
領域別・観点別の正答率(%)
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
聞くこと
話すこと
読むこと
書くこと
関心意欲
表現
領域別
理解
知識理解
観点別
28本校
74.4
66.7
61.0
57.4
66.0
64.4
67.9
60.6
27本校
74.2
63.8
57.1
51.6
55.8
63.0
63.8
55.4
28全国
72.2
64.7
57.8
52.3
52.9
61.9
63.6
57.6
考察〔現状分析・実態・課題〕
国語科では、「関心意欲」が比較的高い数値を示していることから、他の領域において
も更なる向上が期待される。「読む能力」が全国平均をやや下回っていることから、協働
学習等の工夫を図っていきたい。
数学では、数と式、図形は昨年度より向上しているが、関数は理解が浅い。苦手意識も
強い。資料の活用の分野の理解度は全国平均に比べても高い。関数の単元に入ったら、式
と表とグラフで、比例・反比例・1次関数・2乗に比例する関数で、比例定数や、変域、
数値の代入などスパイラルに復習しながら繰り返し慣れていく必要がある。
英語では、4技能の領域及び観点別の全ての項目で全国平均及び、昨年度を上回ってい
る。課題としては「書くこと」の達成率が低いので、基本文の定着の徹底を図ると共に、
「自分の意見を英語で書く」活動の充実を図っていく。
5
2 領域内容別調査の結果と考察 (1)第1学年(平成28年度 小学校第6学年)
【国語】
領域名
話すこと
聞くこと
書くこと
領域内容名
本校 市全体
朗読を聞いて、話の内容をとらえること
76.1
73.0
発表や話し合いをする時の話し方
60.5
56.7
表現を工夫し作文を書くこと
51.9
49.9
資料を集め結果を分かりやすく書くこと
77.3
75.8
説明されている内容を正しく読みとること
63.1
63.5
37.5
36.3
熟語の構成が分かる
68.7
69.5
和語、漢語など言葉の由来について分かる
58.4
56.5
57.6
56.8
63
64.2
読むこと 気持ちや行動の理由を想像しながら読むこと
言語文化 適切な敬語の使い方が分かる
六年生で習った漢字を書くこと、読むこと
課題解決
のための
重点指導
事項
20
30
市正答率との比較
40
50
60
70
80
90
市全体を上回っている項目が多い。「正しく読み取ること」「熟語の構成」「漢字の読み書き」は若
干下回っている。毎時間5分間の漢字の学習時間をとり、言語の力をつけることで内容理解につな
げたい。「読むこと」の中の「気持ちや行動の理由を想像しながら読むこと」については正解率が4
割を切っている。読み物教材をじっくり読ませ、感じたことや考えたことを話し合う時間を十分確保
したい。古文はICTを活用し、仮名遣いの確認や、内容のイメージができるように取り組む。
【算数】
領域名
領域内容名
本校 市全体
82.1
79.9
円の性質とおよその面積
60.8
59.9
三角柱や円柱の体積
60
57.5
速さと時間と距離の関係
66.6
66.8
メートル法の単位と仕組み
51.3
48.6
縮図や拡大図
57.4
57.8
線対称や点対称の図形
89.3
88.9
比について分かる
75.3
74.8
比例と反比例について計算し、理解すること 67.1
64.5
数と計算 分数の掛け算、割り算
量と測定
図形
82.9
80.2
度数分布表の読み取りと柱状グラフ
53.9
53.9
起こりえる場合
71.4
68.5
数量関係 文字を用いた式
40
50
市正答率との比較
60
70
80
90
100
課題解決 領域別・観点別調査結果の考察で、関心意欲が低い事が課題として明らかになってい
のための るので、数学の必要性が感じられるような課題提示の仕方を工夫する。また、数と計算
重点指導 の領域をさらに伸ばすために、毎日の授業の中で計算練習の時間を確保する。
事項
6
(2)第2学年(平成27年度 第1学年)
【国語】
領域名
話すこと
聞くこと
書くこと
領域内容名
本校 市全体
話し合いやスピーチをするときの注意点
86.1
81.3
スピーチの内容を正しく聞き取ること
74.9
72.1
報告文や依頼文の書き方がわかること
63.1
61.1
説明文を推敲し表現や構成を考えること
62.2
59.6
依頼文を推敲すること
73.2
67.9
71.6
65.4
場面の情景や人物の様子を読み取ること
68.2
66.0
古文の内容を正しく読み取ること
87.5
81.1
文中の主語や単語の種類を類別すること
82.1
79.5
漢字を正しく書くこと、熟語の構成
90.8
88.2
漢字を正しく読むこと
54.6
47.3
読むこと 細部に注意して文章の内容をとらえること
言語文化
課題解決
のための
重点指導
事項
40
50
市正答率との比較
60
70
80
90
100
全領域において市全体を上回っている。特に「話すこと・聞くこと」に関しては、国語科に限らず「グローバルシティズンシッ
プ科」での取り組みが向上の一因になっていると思われる。そのような中で「書くことの両領域」「情景や心情を読み取る」
点が課題といえる。アクティブラーニングの要素を適宜取り入れ、全体の引き上げを図りたい。また、各題材においての書く
ことの活動に対し、適切な評価を行い、意欲を喚起させたい。漢字に関しては満足のいく結果とは言いがたい、家庭学習
帳指導との連携をもちつつ継続的な努力を促せる工夫をしていきたいと考える。
【数学】
領域名
数と式
図形
関数
資料の活用
領域内容名
本校 市全体
正負の数の考え方
65.9
62.6
正負の数の計算をすること
67.1
59.2
文字式の表し方と計算、不等式について
65.6
59.7
一次方程式を解くこと、比例式について
61.9
58.5
図形の移動の意味を理解すること
54.1
52.7
立体の展開図や回転体について理解すること
63.3
62.3
立体の体積やおうぎ形の面積を求めること
46.9
45.7
比例・反比例の意味、関数の関係がわかる
52.4
52.8
比例・反比例のグラフや対応表について
61.8
58.5
17
21.2
48.3
51.9
近似値について理解すること
度数分布表の仕組みを理解し問題を解くこと
市正答率との比較
10
20
30
40
50
60
70
課題解決 計算の基礎基本の定着が身につきつつある。基礎基本の徹底のため、ICTの効果的な
のための 活用に努め、短時間で既習事項の復習、知識の定着を図り、図形・関数分野の時間を十
重点指導 分確保して、重点的に取り組む。
事項
7
【英語】
領域名
聞くこと
領域内容名
本校 市全体
読み上げられた英単語を正しく聞き取ること
72.1
71.2
英文を聞いて、情報を正確にとらえること
81.6
78.9
質問を聞き取り適切に答えること
72.2
73.5
場面に応じた適切な会話をすることができる
84.1
84.7
70.3
67.1
単語の発音や文の強勢がわかること
64.1
64.9
英文の意味を表す日本文を選ぶこと
74.3
71.2
67
62.6
長文の内容を読み取り質問に答えること
61.3
59.5
指示に従って英文を書き換えること
49.8
46.9
63
59.9
54.9
49.7
話すこと 疑問文のイントネーションがわかること
読むこと 基本的な文型や文法事項を理解すること
書くこと
日本語の意味に合う英文を構成すること
英文の誤りを適切な形に直すこと
課題解決
のための
重点指導
事項
40
50
市正答率との比較
60
70
80
90
4つの技能の中で「話すこと」に苦手意識を持っている生徒は多い。関心・意欲と能力の
面でギャップを感じとっていると思われる。そのために、授業の重点指導として自分が相
手に伝えたいことや相手が最も伝えたいことは何なのかを短い語句の単位でで理解させ
る場面を多く設定する。
8
(3)第3学年(平成27年度 第2学年)
【国語】
領域名
領域内容名
本校 市全体
インタビューや司会をする時の注意がわかる
72.3
74.3
スピーチの内容を正しく聞き取ること
73.9
72.3
意見文の構成や書き方を理解すること
61.5
58.3
手紙の書式を理解し推敲すること
54.1
54.0
短歌の内容を正しくとらえること
64.1
64.0
読むこと 人物の心情や情景を想像しながら読むこと
87.7
85.7
人物の気持ちに注意しながら読み取ること
73.3
73.1
現代語訳を参考に古文の内容をとらえること
31.4
35.7
類義語や対義語の意味、品詞の活用
55.3
58.6
62
57.3
漢字を正しく読むこと
89.7
83.0
漢字を正しく書くこと
49.3
40.7
話すこと
聞くこと
書くこと
言語文化 熟語の構成について
課題解決
のための
重点指導
事項
20
30 40
市正答率との比較
50
60
70 80 90 100
市全体を上回っている項目が多いが、「インタビューや司会をする時の注意」「古文の内容理解」「類・対義語、品詞」は若
干下回っている。「話すこと・聞くこと」の力をつけるために、原稿等を発表するだけでなく、発表を評価する取り組みも授業
の中で取り入れていく。評価することにより、話す際の注意が分かるようになると考える。古文は市全体においても課題だ
と思われる。ICTを活用し、古文単語や仮名遣いなどの基本事項が理解できるように取り組むとともに、古典の背景にある
歴史を説明することによって興味を持たせていきたい。文法事項は、丁寧な説明と練習問題の繰り返しを行うとともに、リ
ズムよく覚えさせる等の工夫も行う。
【数学】
領域名
数と式
図形
関数
領域内容名
本校 市全体
単項式と多項式の四則計算
47
52.0
連立方程式を解くこと
52
54.2
方程式を用いて文章題を解くこと
38.7
44.5
平行線の性質を理解し、角度を求めること
69.7
71.0
多角形の内角、外角を理解し角度を求める
50.7
52.7
三角形の性質を利用して角度を求めること
63.8
66.4
三角形の合同について理解すること
63.7
61.3
四角形の性質を理解し、証明をすること
50.7
53.6
グラフの意味を理解し、式に表すこと
49.2
49.3
一次関数について理解し、問題を解くこと
41.7
44.2
xとyの関係を表すグラフがわかること
28.8
30.9
54
51.9
資料の活用 場合の数と確率を求めることができる
課題解決
のための
重点指導
事項
20
30
市正答率との比較
40
50
60
70
80
ほとんどの領域で上尾市の平均より劣っている。「数と式」、「関数」では、全ての領域内
容が市の平均を下回っている。普段の授業から、既習事項の確認を丁寧に行っていかな
ければならない。また、基礎・基本の定着を図るための時間も確保しながら授業を進めて
いく。
9
【英語】
領域名
領域内容名
本校 市全体
質問を聞いて適切な答えの英文を選ぶこと
73.9
72.9
会話の内容を聞き取り適切に答えること
66.3
70.5
英文を聞いて情報を正確にとらえること
78.2
78.3
基本的な単語の発音がわかること
78.2
76.9
話すこと 質問に答えるときの強勢の位置がわかること 56.3
55.3
会話の内容を理解し適切に表現すること
65.8
63.9
疑問文の内容を理解し適切な答えを選ぶこと 53.7
55.0
聞くこと
69.3
67.8
長文の内容を読み取り質問に答えること
59.7
58.5
基本的な単語や文型を理解して書くこと
49.5
44.0
同じ内容になるように英文を構成すること
54.1
54.1
日本語の意味に合う英文を構成すること
66.3
63.8
読むこと 英文の意味を表す日本語を選ぶこと
書くこと
課題解決
のための
重点指導
事項
市正答率との比較
20
30
40
50
60
70
80
90
ほとんどの項目で上尾市の正答率を上回っている。特に課題として挙げられるのは、「聞くこと」領
域の「会話の内容を聞きとる」と「読むこと」領域の「疑問詞の内容理解」である。聞くことの重点指
導として、授業に3分間リスニングというタスクを取り入れ毎回の授業でリスニング課題を習慣にす
るようにすでに取り組んでいる。また、疑問詞については、5W1Hで問う内容理解の課題を必ず授
業内に取り入れることで補うようにしている。
10