楽読 (ラクヨミ) 2016年10月18日 Vol. 1,153 景気見通しの改善を背景に、 注目される新興国株式 新興国株式は、今年2月以降、海外投資家による資金流入などを背景に堅調な上昇が続いています。特に夏 以降の流入加速を受けて、年初来騰落率(米ドルベース)は+16%と、同+4%の先進国株式を大きく上回っ ています(10月14日時点)。 この背景には、新興国の景気見通しの改善が進んでいることが挙げられます。GDPなどを半年程度先行する とされるOECD景気先行指数を見ると、足元で主要新興国が先進国(G7)を上回るなど、改善傾向となってい ます。個別では、資源価格の下落の影響を余儀なくされたブラジルやロシアにおいて、原油価格の反転など から、景気に底打ち感がみられるほか、景気減速懸念が強まっていた中国でも、堅調なインフラ投資などを背 景に、景気鈍化に落ち着きがみられます。さらに、比較的高い経済成長が続くインドやインドネシアなどでは、 インフレ率の落ち着きを背景に利下げを実施しており、景気のさらなる押し上げが期待されています。 また、主要先進国の緩和的な金融政策も追い風となっています。日本や欧州では金融緩和が当面続くとみら れていることに加え、米国では再利上げの見送りが続いており、新興国投資の安心感につながっています。 足元では、米国の景況感の改善などから年内の利上げが予想されているものの、そのペースは緩やかにな るとみられています。 近年の新興国は各国の経済運営や地政学的リスクなどにより、個別の格差が拡大傾向にあり、経済成長に もバラツキがあります。しかし、10月に発表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、新興国の成 長率見通しは、16年が4.2%、17年が4.6%と成長加速が予想されているほか、新興国株式は予想PER(株 価収益率、9月末時点)が13.6倍と、同17.5倍の先進国株式に比べて割安感がみられます。再加速への条件 が整いつつある新興国株式は、魅力的な投資対象として、株式市場でさらに注目を集めると期待されます。 主要新興国のOECD景気先行指数 新興国株式(米ドルベース)と資金フローの推移 (2016年1月第1週末~2016年10月第2週末) 120 115 110 105 100 資金フローは10月第1週末まで (2015年1月~2016年8月) 70 102 60 新興国株式 (左軸) 50 (億米ドル) 先進国株式 (左軸、参考) インド 101 ブラジル 40 30 95 20 流入 90 10 85 0 -10 新興国株式市場での 海外投資家の資金フロー(右軸) 流出 -20 75 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 インドネシア 100 ロシア 99 G7 中国 98 80 ※株式(左軸)は、グラフ起点を100として指数化 ※資金フローは、インド、インドネシア、フィリピン、ブラジル、トルコ、 南アフリカの合計 ※新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数、 先進国株式:MSCIワールド指数 いずれも配当込み指数 南アフリカ 97 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 (年/月) 南アフリカを除く主要新興国は、 景気の改善が示唆されている (出所)OECD 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1
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