マーケットレポート ブラジル中央銀行が0.25%の利下げを決定 政策金利

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2016年10月20日
マーケットレポート
ブラジル中央銀行が0.25%の利下げを決定
政策金利は14.00%に
~ 約4年ぶりの利下げで景気を下支え ~
◆ 約4年ぶりの利下げ
 ブラジル中央銀行(以下、BCB)は10月19日の金融政
策決定会合において、政策金利(翌日物国債レポ取
引金利)を0.25%引き下げ、14.00%にすることを発表
しました。利下げは2012年10月以来、約4年ぶりとなり
ます。
 BCBは、インフレの沈静化や財政改革の進展などの
諸条件がクリアされれば景気下支えのための利下げ
を行うことを示唆していましたが、最近のインフレ指標
の落ち着きや財政改革の進捗などを受けて、今月の
会合で利下げに転じるとの期待が高まっていました。
◆ 利下げの背景について
 BCBが利下げに転じた背景には、ブラジルのインフレ
率の伸びが鈍化していることがあります。同国のイン
フレ率は公共料金の引き上げや通貨レアル安などの
影響で一時前年同月比で10%台後半まで上昇してい
ましたが、9月には8%台半ばまで低下しました。特に
BCBが心配していた食品価格なども着実に低下して
います。
 加えて、ブラジル政府による財政改革が着実に進展
している点があげられます。ブラジルの国債格付の引
き下げの原因ともなった財政赤字の削減は新政権に
とって大きな課題となっていますが、10月にはブラジ
ル下院が、来年から歳出の伸びを前年のインフレ率
の範囲内に抑えることを目的とした憲法改正案を圧
倒的多数で可決しました。
政策金利の推移
15
14
13
12
11
10月19日0.25%の
利下げを決定
10
9
8
7
11/10
12/10
13/10
14/10
15/10
16/10
(年/月)
拡大消費者物価上昇率(前年同月比)の推移
(2011年10月末~2016年9月末、月次)
(%)
12
10
8
上限(6.5%)
6
インフレ
目標値
4
2
11/10
◆ 今後の焦点について
下限(2.5%)
12/10
13/10
14/10
15/10
(年/月)
ブラジル・レアルの為替レートの推移
(2013年10月1日~2016年10月19日、日次)
(円/ブラジル・レアル)
(ブラジル・レアル/米ドル)
70
2.0
60
2.4
対米ドル
(右軸)
50
30
3.2
対円
(左軸)
20
3.6
4.0
10
4.4
13/10 14/04 14/10 15/04 15/10 16/04 16/10
ブラジル・レアル安
40
2.8
ブラジル・レアル高
 BCBは今後も緩やかで段階的な利下げを行うことを
示唆しましたが、一方でインフレ率の低下が加速した
り、緊縮案の議会承認などが進めば、より大幅な利
下げを行う可能性にも言及しています。
 今回の利下げを受けたブラジル・レアル相場は堅調
な動きとなっています。BCBのインフレ見通しによると、
今年についてはインフレ率がやや高い水準にとどま
るものの、来年にはBCBのインフレ目標値(前年比
+4.5%)を下回る水準まで低下すると予想しています。
今後は、インフレ率の低下を伴う追加利下げであれ
ば景気の下支え要因として前向きな評価が可能であ
り、かつ財政緊縮に向けた動きが着実に進展すれば、
ブラジル・レアル相場は、引き続き底堅く推移すること
が期待されます。
以上
(2011年10月1日~2016年10月19日、日次)
(%)
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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