ブラジル中央銀行が0.75%の利下げを決定 政策金利は13.00%に

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2017年1月12日
マーケットレポート
ブラジル中央銀行が0.75%の利下げを決定
政策金利は13.00%に
~ 予想外に利下げ幅を拡大し、景気支援を強化~
◆ 3会合連続の利下げ、利下げ幅を0.75%に拡大
 ブラジル中央銀行(以下、BCB)は1月10日-11日の金
融政策決定会合において、政策金利(翌日物国債レポ
取引金利)を0.75%引き下げ、13.00%にすることを発
表しました。利下げは3会合連続となります。
 BCBは前回の金融政策決定会合の議事録や直近のイ
ンフレ報告において、ブラジル経済の回復が従来の予
想よりも後ずれしており、より緩やかな回復にとどまる
可能性を指摘していました。市場では、景気底上げを
重視して0.5%に利下げ幅が拡大すると見込んでいまし
たが、今回、事前の予想を上回る0.75%の利下げを実
施しました。
◆ 利下げの背景について
 BCBが追加利下げを実施した背景には、ブラジルの景
気回復の勢いが依然弱いことがあげられます。同国の
成長率は改善基調にはあるもののマイナス成長が続い
ています。また消費者信頼感など足もとの景気指標に
も陰りが見られており、BCBも2017年の成長率見通しを
下方修正しています。一方でインフレ率の伸びが引き
続き鈍化しており、12月のインフレ率は前年同月比
+6.29%と2014年4月以来の低水準となり、2016年のイ
ンフレ目標上限(同+6.5%)を下回りました。今回インフ
レ率が順調に低下するなか、景気支援を強化する目的
で利下げ幅を拡大したものと見られます。
 BCBはインフレ期待の低下と予想より弱い経済活動に
鑑み、より大きな幅での利下げを行うことが適切だと判
断したとしており、当面は同程度の幅で利下げを続ける
方針と見られます。
政策金利の推移
(2012年1月1日~2017年1月11日、日次)
(%)
15
14
13
12
11
10
9
8
7
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
17/1
(年/月)
拡大消費者物価上昇率(前年同月比)の推移
(2011年12月~2016年12月、月次)
(%)
12
10
8
上限(6.5%)
6
インフレ目標
(4.5%)
4
2
11/12
下限(2.5%)
12/12
13/12
14/12
15/12
16/12
(年/月)
※2017年のインフレ目標は3.0%~6.0%
ブラジル・レアルの為替レートの推移
◆ 今後の焦点について
(2014年1月1日~2017年1月11日、日次)
(円/ブラジル・レアル)
(ブラジル・レアル/米ドル)
70
1
60
2
対米ドル
(右軸)
3
40
4
30
5
対円
(左軸)
20
6
10
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
16/7
7
17/1
ブラジル・レアル安
50
ブラジル・レアル高
 11月の米国大統領選挙以降の米ドルの急騰を受け、通
貨レアルが大幅に売られた局面がありましたが、BCBは
レアル相場下支えの為替介入を再開するなど通貨安を
抑制する姿勢を強めたこともあり、今回の利下げ後も1
米ドル=3.19レアル台で落ち着いた動きとなっています。
 当面のレアル相場ですが、米国のトランプ次期政権の政
策動向次第では米ドル高が進む可能性は否定できない
ものの、一方で原油価格をはじめ資源価格が回復基調
にあることや、主要輸出国である中国の経済が安定化し
ていることなどが下支えとなると見られます。また政府歳
出に上限を設ける憲法改正案が議会で可決されるなど
財政改革の動きも徐々に進捗していることから、ブラジ
ル・レアルは底堅い推移が続くものと期待されます。
以上
1月11日0.75%の
利下げを発表
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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