ブラジル中央銀行が0.75%の利下げを決定 政策金利は12.25%に

ご参考資料
2017年2月23日
マーケットレポート
ブラジル中央銀行が0.75%の利下げを決定
政策金利は12.25%に
~インフレ指標の低下を受けて、利下げを継続~
◆ 4会合連続の利下げ、利下げ幅は0.75%
 ブラジル中央銀行(以下、BCB)は2月21日-22日の金
融政策決定会合において、政策金利(翌日物国債レポ
取引金利)を0.75%引き下げ、12.25%にすることを発
表しました。利下げは4会合連続となります。
 BCBは、前回会合で利下げ幅を0.75%に拡大した理由
の一つとして、予想を上回るインフレ率の低下をあげて
いましたが、今回も2月に発表された1月のインフレ指
標が大幅に改善したことなどを受けて、市場では前回
同様の0.75%幅で追加利下げを行うと広く予想されて
いました。
◆利下げの背景について
 BCBが追加利下げを実施した背景には、上記の通りイ
ンフレ率の持続的な改善があります。1月のインフレ率
は前年同月比+5.35%と2012年9月以来の低水準となり、
BCBの2017年インフレ目標上限(同+6.0%)を下回りま
した。この背景には、食糧供給が安定し、食品価格が
低下したことなどがあげられます。一方、ブラジルの景
気は依然回復の勢いが弱いといえます。政府は1-3月
期には景気後退を脱却し、プラス成長を回復するとの
見通しを示していますが、足もとの経済指標は、高水準
の失業率が続くなか、12月の小売売上高が前月比で大
幅なマイナスに転じるなど、回復の実感が乏しい状況
です。
 BCBも、インフレ期待の低下と予想より弱い経済活動に
鑑み全会一致で0.75%の利下げを決めました。また緩
和を継続する期間やそのペースについては、今後のイ
ンフレや景気動向次第としていますが、当面は同程度
の幅での利下げを続けるものと見られます。
政策金利の推移
(2012年2月1日~2017年2月22日、日次)
(%)
15
14
13
12
11
10
9
8
7
12/2
13/2
14/2
15/2
16/2
17/2
(年/月)
拡大消費者物価上昇率(前年同月比)の推移
(2012年1月~2017年1月、月次)
(%)
12
10
8
6
上限(6.0%)
4
インフレ目標
(4.5%)
下限(3.0%)
2
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
17/1
(年/月)
◆ 今後の焦点について
ブラジル・レアルの為替レートの推移
(2014年2月1日~2017年2月22日、日次)
(円/ブラジル・レアル)
(ブラジル・レアル/米ドル)
70
1
対米ドル
(右軸)
60
2
3
40
4
対円
(左軸)
30
5
20
6
10
7
14/2
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
ブラジル・レアル安
50
ブラジル・レアル高
 ブラジル・レアル相場は、米国大統領選挙後に多くの新
興国通貨が軟調となるなか、鉄鉱石価格など資源価格
の上昇やBCBによる為替介入などにより、堅調に推移し
ています。今回の利下げを受けたレアル市場も、1米ドル
=3.06レアル台と2015年6月以来、約1年8ヵ月ぶりの高値
水準で推移しています。
 ブラジルのテメル政権は、汚職問題などで支持率の低迷
が続いていますが、一方で年金改革などの財政健全化
策を着実に進めています。先行きのブラジル・レアル相
場は、テメル政権の汚職問題などの政治リスクが重石と
なるものの、年金改革をはじめとする構造改革への期待
の高まり、資源価格の上昇やBCBの金融緩和継続など
を受けた根強い景気回復期待などが下支えとなり、引き
続き底堅い展開が続くと期待されます。
以上
2月22日0.75%の
利下げを発表
17/2
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。本資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
1/2
【 ご留意事項 】
● 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので
あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断
ください。
●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価
額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益
は全て投資者の皆様に帰属します。
●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり
ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。
●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので
はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示
唆あるいは保証するものではありません。
● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開
発元もしくは公表元に帰属します。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
2/2