マーケットの見方(No.118)を掲載しました。

2016年10月17日
あおぞら投信株式会社
『対話から 合意するにも 道半ば
カーブを見つつ 立ち位置探すや』
債券市場でイールドカーブ(利回り曲線)を描く力はどこから来るのでしょうか。債券投資の基礎とも言える長期
金利の決定に関する理論は、様々な考え方で表現も異なっています。主な理論*には、純粋期待仮説、流動性プ
レミアム仮説、市場分断仮説があります。これらの理論にはそれぞれ当てはまる時とそうでない時があります。そ
の理由は、発行市場の状況や流通市場の状況が変わることと 、参加者の行動が変わることによります。
市場参加者の中でも大きな存在である中央銀行の行動は当然影響が大きくなります。歴史上で中央銀行の存
在が影響を与えた出来事と言えば、1942年からのFRB(米連邦準備制度理事会)の国債価格支持政策が挙げら
れます。FRBは長期金利(25年債)を2.5%の暗黙の上限内に抑えるべく、財務省短期証券(TB)3ヵ月金利と1年物
国債金利を固定化することで財務省と合意し、イールドカーブは事実上固定されました。その後第二次世界大戦
をはさみ、インフレが加速する中、1951年にマネタイゼーション(国債発行による通貨需給量の増加)を最小限に
することでFRBと財務省はアコード(合意)を締結し、国債価格支持政策は終結しました。すなわち、この間は国債
のイールドカーブは固定されていたとも言えます。今回の日銀が発表した総括でのイールドカーブ・コントロール
は、今日の日本という全く異なる環境下で目指す金利操作となります。デフレからインフレへと「期待インフレ」が
変化できるかもまだ見えていません。債券の投資家である銀行などの金融機関や年金運用機関のリスクプレミア
ムへの考え方も様々なものがあります。ただし、間違いなく今後も続くことは、投資家の自己責任と財政の健全化
ということを前提とする債券市場であるということだと考えます。
日本国債の利回り曲線推移(2016年8月末、2016年10月7日)
(%)
0.80
0.60
10月7日
0.40
8月31日
0.20
0.00
-0.20
-0.40
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
15
20
25
30
40
(年)
出所:財務省のデータを基にあおぞら投信が作成
※あおぞら投信調べ
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商 号: あおぞら投信株式会社 金融商品取引業者: 関東財務局長(金商)第2771号
加入協会:一般社団法人投資信託協会 ホームページ・アドレス: http://www.aozora-im.co.jp/