(No.125)「なぜ為替市場での予想がはずれるか?」

2016年12月5日
あおぞら投信株式会社
『円高に 準備万端 いざ開票
ポジション傾き、修正に走る』
米国の大統領選挙前までは、いずれの候補が当選しても対日本へのプレッシャーから、為替市場での円高
(ドル安)を予想する向きが多かったかと思います。特にトランプ氏は貿易政策での強硬な発言があったため、
日本サイドでは心理的な円高リスクを意識させられていたと思われます。また、為替の決定要因の一つでも
ある日米金利差については、今月のFOMC(米連邦準備制度理事会)での利上げを市場は既に織り込んでお
り、円安の要因にはなりにくいと見られていたと思われます。ところが、いざ選挙が終わっての為替市場の反
応は予想とは反対に、101円台から114円台(11月30日)まで円安(ドル高)へとほぼ一方向に動いています。
なぜこのように為替市場では予想がはずれるのでしょうか。
毎日の新聞やテレビなどのニュースで、為替市場の動きについて解説を見たり聞いたりしていると、まるで
明日の動きが予想出来ると思えたりすることがあります。どのような人でも、毎日毎日欠かさずに市場の動き
を見ていると、目の前の値段が正しく見えてくるものです。そして多くの人の記憶に残っているのは前日まで
の流れです。すなわち、直近の動きと目の前の数字が、もっとも強いバイアスをもって影響を与えるのです。
ところが為替市場こそ、短期的な日計り取引から、年度計画の為替ヘッジ取引までマネーフローの時間軸が
幅広く、かつデリバティブ(派生)取引の活用も活発なため、実際にそれらの動きを予想することは極めて難し
いといえます。さらに、為替はドル円だけではなく、ユーロ、人民元など取引の組み合わせは数多くあり、それ
らの間で貿易、資本のやり取りを見極めることも困難です。従って、投資行動としては為替の長期的なトレン
ドへの影響が大きいと思われる、各国間の金利差を下に一定のレンジを想定し、リスクをコントロールするこ
とが精一杯なのだと考えます。
為替レートと日米金利差の推移(2006年11月末~2016年11月末)
(円)
140
(%)
5
為替レート(米ドル/円、左軸)
日米金利差(右軸)
120
4
100
3
80
2
60
1
40
0
出所:<為替レート>TTM(一般社団法人 投資信託協会)、<日米金利差>10年国債利回り(米財務省、財務省)
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