マーケットの見方(No.112)を掲載しました。

2016年9月5日
『量的や 質的緩和を 続けつつ
あおぞら投信株式会社
新たな対話 道を探るか』
アメリカ合衆国のカンザスシティ連邦準備銀行が毎年主催する経済政策シンポジウムは、ワイオミング州
の中心地であるジャクソンホールで開かれています。今年は8月25日から27日の3日間で開催され、イエレ
ンFRB(米連邦制度準備理事会)議長は26日に『連邦準備制度の金融政策ツールキット』という演題で講演
を行いました。また、日本から参加した黒田日銀総裁は27日にパネル討論会に参加しました。題目は『「マ
イナス金利付き量的・質的金融緩和」による予想物価上昇率のリアンカリング』でした。また、今月20日から
21日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の政策決定会合が開催されます。
先日のイエレン議長の発言は、バランスシートが恒久的に膨れ上がり、銀行システムが多額の準備預金
を抱えた状態でのFRBの運営方法に関する説明が大半であり、「量的緩和の消費刺激効果は利下げよりも
小さい可能性がある。また、フォワードガイダンス(中央銀行が金融政策の先行きを明示する指針)は過剰
なリスクテイクを促し、金融の安定を損なう恐れがある」というものでした。そして今月以降、市場は米国の
利上げの可能性とイールドカーブ(利回り曲線)全体の位置を確認していくのだろうと思います。日米ともに
長期金利の低下によりもっともその効果を享受しているのは、住宅ローン借入者と社債発行体の2者です。
今後、市場参加者が考えるべきは、自分たちの経済成長に向けては金融政策の限界を見極めつつ、どの
ように生産性を上げていくかにかかっているのではないでしょうか。また米国では利上げだけではなくその
次の利下げを想像することも一部では同時に進行しており、低成長・低インフレ時代の中央銀行と市場との
対話方法については、今後も道を探ることが続いていくのだろうと考えます。
日本と米国の国債利回り曲線(2016年1月4日、2016年8月31日)
出所:財務省、米財務省のデータを基にあおぞら投信作成。
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