数学Ⅱ ラジオ 学習メモ 第 47 回 第 3 章 三角関数 [加法定理] 加法定理の応用 ⑴ 講師 川﨑宣昭 2 倍角の公式 学習のポイント 加法定理を利用して,三角関数のいろいろな 公式を導きます。特に今回は,2 倍角の公式を 証明し,その公式を使うことを学習します。 ① 2倍角の公式とは? ② 2倍角の公式の特徴 ③ 2倍角の公式を用いた三角関数の値の求め方 2倍角の公式とは? 60°は 30°の 2 倍の大きさの角度ですが,30°のサイン,コサイン A' の値と,60°のサイン,コサインの値は,今までの学習から値がす ぐにわかります。 αが第 1 象限の角で,sinα= 3 のとき,sin2α,cosαの値が 5 ▼ 求められます! 右図は,sinα= 3 A'C BC であり,sin2α= ,cos2α= の値が 5 BA' A'B 5 求められます! B α α 4 A 3 C 2 倍角の公式の特徴 サインの加法定理は, sin(α+β) = sinαcosβ+ cosαsinβ この式で,βをαに置き換えると, sin(α+α) = sinαcosα+ cosαsinα sin2α= 2sinαcosα → サインの 2 倍角の公式 コサインの加法定理は, cos(α+β) = cosαcosβ− sinαsinβ この式で,βをαに置き換えると, cos(α+α) = cosαcosα− sinαsinα cos2α= cos2α− sin2α → コサインの2倍角の公式(1) コサインの2倍角公式(1)で,cos2αを 1 − sin2αをに置き換えると, cos2α= 1 − 2sin2α → コサインの2倍角の公式(2) コサインの2倍角公式(1)で,sin2αを 1 − cos2αに置き換えると, cos2α= 2cos2α− 1 → コサインの2倍角の公式(3) − 108 − 高校講座・学習メモ 数学Ⅱ 47 加法定理の応用 ⑴ 【2 倍角の公式】 sin2α= 2sinαcosα ← cosαと sinαの両方の値がわからなければいけない。 cos2α= cos2α− sin2α = 1 − 2sin2α ← sinαだけの値がわかればよい。 = 2cos2α− 1 ← cosαだけの値がわかればよい。 ※ tan(α+β) = tanα+ tanβ 2tanα でβをαに置き換えれば,tan2α= 1 − tanαtanβ 1 − tan2α 2倍角の公式を用いた三角関数の値の求め方 αが第1象限の角で,sinα= 例 3 のとき,sin2α,cos2αの値を求めなさい。 5 3 の値以外に cosαの値を求める必要がある。 5 sin2α= 2sinαcosαより,sinα= cos2α= 1 − sin2α= 1 − 2 ▼ 3 5 ( ) 16 ← sin2α+ cos2α= 1 25 = αは第1象限の角だから,cosα> 0 よって,cosα= 4 5 したがって, sin2α= 2sinαcos = 2 × 3 4 24 × = ……(答) 5 5 25 cos2αの値は,cos2αcosα= 1 − 2sin2αの公式を使えば簡単に値が計算できる。 ( ) ( ) ( ) ( ) cos2α= cos α− sin α= 2 − 3 5 32 7 −1= でも計算でき, 25 25 2 = 16 − 9 7 = でも計算できる。 25 25 5 のとき,sin2α,cos2αの値を求めなさい。 13 169 120 ,cos2α=− 169 119 問・解答 αが第 1 象限の角で,cosα= 4 5 −1= 18 7 = ……(答) 25 25 sin2α= 問 2 =1− 2 4 5 ※ cos2α= 2cos2α− 1 = 2 × 2 2 3 5 cos2α= 1 − 2sin α= 1 − 2 × 2 − 109 − 高校講座・学習メモ
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